2018年6月12日火曜日

「日中アヘン戦争」江口圭一 岩波新書

この本が出たのは1980年。我が輩はたしか大学生のころに最初に読んだ記憶がある。そのころはアフガンのこともイランのこともよく知らなかったので、いま改めて読みなおすと新しい発見がいっぱいある。関東軍が三井物産やら三菱商事を通じて輸入していたアヘンはイラン産とあるけれど、おそらくアフガンとかじゃないのかな。
その頃の大陸には羽振りのいい日本人がたくさんいたと木村肥佐生さんの本にもあるけれど、内地で食いつめたようなやつらが満州に渡っただけで羽振りがよくなるというのはなぜかというと、麻薬取引をやっていたからだ、というのがこの本を読むとわかる。日本人でありさえすれば関東軍から許可をもらってアヘン取引をはじめることができたのだから。
この内容はけっして昔話ではなく、安倍総理の爺さま:岸信介が満州国トップ官僚で、盟友の里見甫がアヘン取引で満州国の財政を支えていたのだから、いまの政権:満鉄一派と密接な関連があると我が輩は考えている。
爺様の時代なら、同級生が学校をつくりたいと言えば、里見甫やら笹川コネクションで数十億円なんて金はすぐに調達できて、いわばポケットマネーで学校のひとつやふたつはつくることができたに違いない。三代目になると貧すれば鈍するというやつで、公金:税金を不正に流用するくらいしかできなくなる。公明党の腹話術人形がいみじくも言ったように、たかがその程度の腐敗であって、国政に影響するべきレベルではなかろう・・・というのは何度も言うが、我が国の腐敗レベルが成長を遂げて西暦2000年頃のインドネシアの腐敗レベルにやっと追いついたのだ。岸信介の時代の腐敗に比べたら、進化したのやら退化したのやら。

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