2022年5月30日月曜日

考察:経済制裁のしくみ。戦争さえしなければ日本はまだマシだと思う。

RTのクロストークにマイケル・ハドソン先生がゲストで出ていた。それを聞いて考えた。

https://www.rt.com/shows/crosstalk/556134-wreaking-havoc-business-russia/

ハドソン先生いわく、この経済制裁はロシアを封じ込めるというよりも、NATO-EU、日本が(民主主義ブロックといいつつ有権者に諮ることなく)アメリカのいいなりになって、自国の人民にコスト負担を強いらつつ、自分たちを(冷戦時代の鉄のカーテンならぬ)経済制裁の壁で囲い込んでいる。

考察:自分たちをセルフ囲い込みしているUS-EU-日本は世界の総人口の12〜15%くらいしか占めていない。大多数はBRICSやASEANやアフリカなので、まさにハドソン先生の言うように、少数派が自分たちを壁で囲い込んでいる構図になる。

先生いわく、US-EU-日本ブロックは金融ベース経済なので人間などのコストが高い。逆に外側のBRICS世界はコモディティーベース経済なので、コストが安い。また、US政府は膨大な債務を抱えている。経済制裁の影響でドルがソロ基軸通貨の地位を失いつつある昨今、膨大な債務の行方がどうなるのかわからない。また、外側のコモディティー経済圏とくにロシアでは、投資は国内向けなのでローカル通貨で済む。ドル建て投資を必ずしも必要としないし、融資もドル建てである必要はない。

これは別のゲストのトッド・ホロウィッツが言ったような気がするのだが、もし外側のある国が融資を必要としているなら、中国がうるさい条件をつけずに融資してくれる。これも経済制裁のプラス効果である。

考察:外側の世界は石油、天然ガス、穀物、レアメタル、鉄鉱石、石炭、窒素肥料などのコモディティーを豊富に持つ。逆にUS-EU-日本ブロックで天然資源をもつ国といえばオーストラリア。しかしオーストラリアはここ20年以上、鉄鉱石も石炭も中国に買い上げてもらっていた。鉄鉱石と石炭で鉄鋼をつくるのはもっぱら中国であり、オーストラリア単体では自動車をつくることさえできない。US-EU-日本ブロックで天然資源をもつ国といえばアメリカだが、アメリカのばあい原油でも天然ガスでも掘削コストが高くつく。コストの高いエネルギーしかなければ、外の世界とくらべて競争力にかける嫌いがある。

これもトッド・ホロウィッツの言葉で、「イマジナリー・サンクション」つまり想像上の経済制裁というのがある。そのこころは、EUが経済制裁と声高に言うその裏で、有能な官僚たちがつぎつぎと抜け道を作り、経済制裁そのものが実効性のない想像上のものになってしまっているということである。経済制裁に実効性がなく、逆にロシアや中国を利するばかりになっているという状態が現出している。

ではなぜそんなことをするのか?これについて田中宇さんは例によって「隠れ多極主義者」のせいにしているが、さてそれはどうなのか・・・?

https://tanakanews.com/220529WEF.htm

それよりも我輩としては、RTのオプエドに書かれていた、キッシンジャー=現実主義外交 vs ダボス派=理想追求主義というほうがわかりやすいと思う。ダボス派というのはEUで指導的ポストを占めている政治家や上級官僚のことだが、彼ら彼女らは(ヨーロッパらしく)貴族の末裔やら資産家の何代めかなどで、叩きあげの人物など一人もいない。生まれてから人の下で働いたことがないような、そんな必要すらなかったような階級の出身であって、現実のコモディティーやエネルギーをつくったり、汲み出したり、それを運んだり、貯蔵したり、分配したりするような仕事のことはぜんぜんわからない。そんなボンクラどもが(グリーンたらゼロカーボンたらのために負担が増えるのは当然という)理念追求型でものごとを勝手に決めるのだから、おかしくならないわけがない。

本日の結論:国会に諮ることもなく、アメリカ追従に邁進する岸っしゃん政権の政策はまったく理解できないし、おそらく総務省のご指導のたまものか、ほとんど国営ウクライナ放送日本語版という状態のNHKのことも理解できない。しかし日本は、戦争さえしなければ、アメリカやEUよりまだマシなんじゃないかと思う。けっして満足しているわけではないが。

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