2022年9月21日水曜日

イラク: 識字率向上に向けた包括的国家キャンペーン

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=54055

2022年09月14日付 al-Quds al-Arabi 紙

国民知恵運動の指導者がイラクにおける識字率向上のための包括的な国家キャンペーンを始動するよう呼びかけ

【バグダード:本紙】

「国民知恵運動」の指導者であるアンマール・ハキーム氏は木曜日、非識字と闘い、世界各国の成功体験を活用するための包括的な国家キャンペーンを始動するよう呼びかけた。同氏はプレスリリースのなかで「非識字と闘い、地域や世界での成功体験を活用するための、包括的な国家キャンペーンを始動させなければならない」と述べた。

同氏はさらに「計画省によると、最近の統計はイラクの非識字率が13%に達していることを示しており、こうした割合は大きな懸念を抱かせるものである」と指摘し、「この深刻な惨状に立ち向かうこと」にならび、「投資と民間の手を解き放ち、校舎や、特に農村部においてこうした低い識字率に対応するためのインフラを構築する」必要性を強調した。

国連のデータによると、イラクには1,200万人の非識字者がいるという。イラク教員組合のメンバーであるナースィル・カアビー氏は公式発表のなかで、「国連は、イラクに1200万人の非識字者がいると通知した」と述べつつ、「非識字を解消するための執行機関に向けた財政的な配分はない」ことを明らかにした。さらに「イラクは非識字の解消ではなく、非識字に向かっている」と指摘した。

一方、イラク教育省次官であり、非識字解消執行機関の責任者であるアラー・ハルブースィー氏は、「非識字者の数について正確な数字はない」と確認し、「我々は計画省の中央統計機関から発行される統計に頼っている 」と付け加えた。

(後略) 

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我が輩がバグダッドで暮らし、働いていたのは1983年の5月から12月だった。農業省の役人は全員スンニで、現行労働者はシーアかクルード。一緒に現場にいたおっさんたちはシーアで、文盲が多かった。

イギリス統治下でスンニが管理者として優遇され、シーアが労働者階級として教育の機会を奪われた・・・と思っていたのだが、それはもっと昔のオスマントルコの統治下でもそうだったらしい。オスマントルコはスンニ国家だったので、スンニ派を管理者として送り込み、シーアを差別した。イギリスはそのシステムを変えようとせず、踏襲しただけなのだという。

変更してもイギリスにとって益がなかった、ということなのだろう。

ほぼ40年が経ち、アメリカが勝手な戦争を起こし、独裁者で恐怖のまとだったサダム・フセインが殺され、それからもアメリカ軍が居座り続け、いまだに居座っている。そして非識字率がいまだに13%もある。

昭和30年代、と言ってわかりにくければ1955年から1965年の日本、つまり大東亜戦争が終わってから10〜20年後の日本の少年犯罪率とその凶悪さは現代の比ではなかったという。

戦争というのは、終わってからも20年程度は残酷な爪痕を残すのだ。まだ終わっていない戦争なら尚更のこと。


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