EUと日本、G7での対露全面禁輸案に反対
https://sputniknews.jp/20230425/eug7-15784089.html
2023年4月25日, 09:14
米国がG7諸国(主要7カ国)に提示した対露輸出を全面的に禁止する案に、EU(欧州連合)と日本が反対したという。英紙フィナンシャル・タイムズが消息筋の話を引用して報じた。
2人の消息筋が同紙に語ったところによると、この案は「抜け道だらけ」の現行制度に対する「不満が高まっている」中で、米国が提示したものだという。
一方、3人の消息筋によると、日本とEUの関係者らは、この措置を「不可能だ」と評している。ある関係者は「我々の立場からすれば、単純に実現不可能だ」と述べた。
これより前、共同通信は日本政府関係者の話として、G7諸国がロシアに対し、ほぼ全ての品目の輸出禁止措置を検討していると報じた。ブルームバーグによると、すべての輸出をデフォルトで禁止し、輸出を許可する商品をリストアップする制裁体制に移行するというもの。
この報道について、日本の西村康稔経済産業相は記者から問われた際、「外交交渉に関わる話なので、コメントは差し控えたい」と述べていた。
また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアへのほぼ全面的な輸出禁止は世界経済に打撃を与え、世界的危機への動きを強めることにつながりかねないと指摘した。
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G7の対露全面禁輸報道、経産相はコメント控える「外交交渉に関わる話なので」
2023年4月21日, 10:28 (更新: 2023年4月21日, 17:30)
米ブルームバーグ通信は20日、5月に開かれる先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に先立ち、ロシアへのほぼ全面的な輸出禁止措置を検討していると報じた。この報道について西村康稔経済産業相は21日の閣議後記者会見で問われた際、「外交交渉に関わる話なので、コメントは差し控えたい」と述べた。
ブルームバーグ通信によると、ロシアへの輸出は暗黙の了解で全面的に禁止され、輸出が許される商品の一覧が用意される制裁体制へと移行する可能性があるという。報道によると、G7の関係閣僚らは、まだこの提案を検討中で、内容に変更はありえるとのこと。仮にこの案が採用される場合、輸出を許可する商品がリストアップされる形となる。医薬品や農産物などは輸出が許可される可能性が極めて高いとのこと。
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G7の対露全面禁輸案 実現を阻む3つの障害
2023年4月22日, 05:32
日本や米国などの西側メディアではこのごろ、G7(主要7カ国)によるほぼ全ての製品の対露輸出を禁止する案が浮上していると報じられている。5月のG7広島サミットでこの新たな対露制裁が議論されるかどうかが注目されているが、専門家は実現への道のりは険しいと指摘する。
露コンサルティング会社「ネオコン」代表で経済アナリストのデニス・ラクシャ氏は、スプートニクに対し、全面禁輸案が浮上した状況に触れて次のように述べている。
「今回のリークの仕方に目を向けると、G7は本当に全面禁輸措置を取ろうとしているのではなく、遅かれ早かれ始まる交渉の序章としてロシア側に圧力をかけようとしているのではないか。リークが起きたのは4月で、5月末に開催されるサミットまでの1カ月間、このトピックを利用することができる」
ラクシャ氏は、たとえG7が全面禁輸で合意したとしても、国際社会を巻き込んだ実効性のある措置を導入するのは現実的ではないとの考えを示した。ラクシャ氏は全面禁輸案実現への主な障害として、次の3つを挙げている。
EUの経済的ダメージ
欧州連合(EU)の対露輸出は500億ドル(6.7兆円)規模となっており、多くの雇用も生み出している。EU加盟国は自らの対露ビジネスの縮小・撤退や、人員整理を余儀なくされることになる。
G7以外の経済大国の動向
G7のメンバーでない経済大国(中国、インド、ブラジル、南アフリカなど)が全面禁輸に参加するとは考えにくい。これらの国が参加しなければ、本当の意味での全面禁輸措置は実現できない。
国連安保理の壁
実効性のある禁輸措置を導入するには、国連レベルで批准される必要がある。だが、国連安保理には当のロシアや一方的な制裁に反対の立場を示している中国が常任理事国として入っており、この案が支持されることは考えにくい。
このように、全世界が同意しない限り実効性のある禁輸措置は完成しえない。ロシアには国内企業やこれまでとは違う国からの製品で補う「輸入代替」や正規品を第三国から再輸出する「並行輸入」など、たくさんのオプションがある。
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