ウクライナ軍、米供与の戦闘車ブラッドレー すでに15パーセント損失
https://sputniknews.jp/20230626/15-16377634.html
2023年6月26日, 21:09
ウクライナ軍は米国から供与を受けた歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」をすでに17台失った。米政府高官の話として、米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。
同紙は次のように伝えている。
「激しい抵抗によりウクライナの兵器には大きな損失が出た。米国は3月にブラッドレー113台の供与を決めているが、政府高官によるとすでにそのうち17台、15パーセント以上が戦闘で損傷したか完全に破壊された」
ジョー・バイデン政権は、ウクライナの反転攻勢は第1週以降、「予定から遅れている」とみなしているという。
一部は鹵獲
これまでにウクライナ軍のブラッドレーの損失については、露国内でも報じられている。露国防省は6月10日、ブラッドレー5台を撃破したと発表している。
また、一部のブラッドレーはロシア側に鹵獲されている。今後、ロシアの軍産複合体の専門家によって詳しい調査がなされる。特に注目しているのは、ブラッドレーに搭載されている25ミリ機関砲M242ブッシュマスターで、ロシア製軍装備に試射することで、今後の装甲を改良や対策につなげたい考えだ。同様に、鹵獲された独製戦車レオパルトの調査も行われる。
失敗に終わったウクライナの攻勢の過程で鹵獲された西側の兵器は、少なくとも2030年まで北大西洋条約機構(NATO)諸国の軍で第一線に配備される。装甲やその他の特性、部品などを研究することは、NATOの兵器とどのように戦い、どういう軍備が必要になるかを理解する参考になる。
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西側の兵器はなぜウクライナ軍を敗北から救えないのか 米専門家が説明
2023年6月27日, 03:00
ウクライナ軍の航空機及び兵器の不足が反転攻勢の進捗遅れの原因となり、さらにロシア軍は効果にすぐれた兵器を有しているほか、防衛をしっかり準備した。米誌アトランティックのコラムニストで大学教授のフィリップス・ペイソン・オブライエン氏はこのように執筆している。
同氏は、西側がウクライナに供与した独製戦車「レオパルト2」や米製歩兵戦闘車ブラッドレーをロシア軍が破壊したことを指摘している。オブライエン氏によると、これらは現時点でウクライナが保有する最も近代的な装甲車両に含まれる。
同氏はさらに、ロシアの兵器はこれらの車両を破壊し、戦場での効果を証明したと強調している。特にロシア軍は、多数の砲とロケットランチャーを展開し、国産のすぐれた携行式および移動式の対戦車システムを保有し、広大な地雷原をつくったと指摘している。
オブライエン氏によると、ロシア軍はより大規模な空軍も有しており、その航空機は技術的にウクライナの航空機よりも優れており、ロシアは情報収集やウクライナ軍に対して直接行動をとるために多数の無人機を使うことができる。さらに、Ka-52などのロシアのヘリコプターは、ウクライナの装甲車両の破壊において優れた実績を出している。
オブライエン氏は「ウクライナ軍は非常に多方面でロシアのさまざまな火力防御に直面しているため、ウクライナ軍の進軍は今のところ非常に控えめだ」と締めくくっている。
ロシアの防御力
ロシア国防省によると、ウクライナ軍の反転攻勢は6月4日、ドネツク南部、ザポロジエ、アルチョーモフスク方面で開始された。ウクライナ軍は期待された戦略的成果を未だに収めることができずにいる。西側の多くのアナリストは、それはまさにロシア軍が防衛線をしかるべく構築したからだと考えている。
独外交政策協会のクリスチャン・ミョーリング研究部長と、同協会の安全保障・国防の専門家アンドラシュ・ラッツ氏は独テレビ局ZDFからの取材に対し、反撃するウクライナにとって「不愉快なサプライズ」となった3つの要因について語った。両氏はこの3つの要因として、ロシアの電子戦、遠隔地雷の効果的な使用、部隊の再編成を挙げた。
エストニアの元情報局長ライネル・サックス氏も同様の見解を示した。同氏は、ウクライナはロシアの防御線を3か所で突破しようとしたが、目標を達成できなかったと語った。
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