武装反乱の画策を受け、プーチン大統領が国民に演説
https://sputniknews.jp/20230624/16365158.html
2023年6月24日, 16:04 (更新: 2023年6月24日, 21:49)
プーチン大統領はロシア国民、ロシア軍や治安維持機関、また嘘と脅迫によって武装反乱の道へと押し出された人々に向け、次のような声明を表した。
プーチン大統領の演説の主旨は以下の通り、
ロシアは自国の未来のために極めて苦しい戦いを行っている。西側の軍事、情報の全てのマシンがロシアに対抗している。
これは国民の命運を左右する戦いである。この戦いにはあらゆる勢力が一丸となり、結束し、責任をとることが求められる。
団結を裂く行動は、事実上、前線で戦う戦友に対する背信である。
今、ロシアは裏切りに直面している。途方もない野心と私利私欲が反逆につながった。意図的に裏切りの道を歩んだ者は全員が処罰は逃れようがなく、法の前にも国民に対しても答えねばならない。
ロシア軍とその他の国家機関は必要な命令を受け、ロストフ・ナ・ドヌーの状況安定化のために断固とした行動をとる。反乱を組織した者はロシアを裏切った。ゆえにその責任を取ることになる。
6月24日、ロシア国家対テロ委員会は、モスクワ及びモスクワ州で発生しうるテロを未然に防ぐために対テロ作戦体制が発動されたことを明らかにした。
24日、ロシア国防省は民間軍事会社「ワグネル」の突撃隊の隊員に対し、彼らがプリゴジン氏の犯罪的な賭けに騙され、武装蜂起に引き込まれている旨を伝え、隊員らの身の安全は保証されているとして、早急にロシア国防省または治安維機関の代表らと連絡を取るよう促し、「ワグネル」の多くの隊員は常設の配置への安全な帰還が保障されるよう助けを求め、すでにそうした支援を受けたと呼びかけた。
24日、プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と電話で会談した中で、武装反乱未遂事件に関連する国内情勢について説明した。ロシア大統領府によれば、エルドアン大統領はロシア指導部の措置に対して、全面的な支持を表明した。
6月23日深夜、ロシア連邦保安庁広報センターは、エフゲニー・プリゴジンの名であたかもロシア国防省が民間軍事会社「ワグネルの後方部隊」にミサイル攻撃を行ったとしてSNS上で拡散されている情報は全て事実には即しておらず、煽動のための情報だと発表した。翌24日、ロシア国防省がこうした声明を表した。
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【全文】プーチン大統領の国民への演説
2023年6月24日, 18:58 (更新: 2023年6月24日, 20:43)
ロシア国民、軍、法執行機関、特殊部隊の人員、そして今まさに自らの戦闘配置で戦い、敵の攻撃を撃退している将兵に対し呼びかける。私は将兵らが英雄的に戦っていることを知っており、今日にかけての深夜にも、全方面の司令官と再度、そのことについて話したところである。また、欺瞞や脅迫によって犯罪的な危険な賭けに引きずり込まれ、武装反乱という重大犯罪への道にかり立てられた人々にも呼びかける。
ロシアは現在、その未来のための厳しい闘争を行っており、ネオナチストとその主人らの侵略を撃退している。実質的には西側の軍事、経済、情報のあらゆる機構が我々に対抗して向けられている。我々はロシアに住む人々の生命や安全、そして我々の主権と独立のために闘っている。1000年の歴史を持つロシアという国であり、これからもあり続ける権利のために闘っているのだ。
この我々の国民の運命を左右する闘いには、全ての力の結集、団結、統一、責任が求められる。我々を弱体化させようとするもの全て、我々を内から崩壊させるために外敵が利用しうる、あらゆる内紛は、今、排除せねばならない。
よって、我々の団結を分裂させるこの行為は、自国民や前線で戦う同志たちへの背信だ。これは我が国と我々の国民の背中を刺す行為だ。
まさにこのような攻撃が、第一次世界大戦中だった1917年のロシアでもあった。ところが、ロシアの勝利は盗まれた。軍や人民の陰で行われた陰謀、揉め事、策動は、激動、軍の壊滅、国家崩壊、広大な領土の喪失を招いた。その結果、内戦の悲劇が起こった。
ロシア人とロシア人が、兄と弟が殺しあった。政治的に危険な賭けに出る者や外国勢力が様々に私利私欲を貪り、国を引き裂いたのだ。
我々はこれを繰り返させない。我々の国民、国家体制をいかなる脅威からも防衛する。内部の裏切りからも守りぬく。
我々が直面しているのは、ほかでもない裏切りだ。過度な野心と私欲が反逆につながった。これは我々の国や国民、そして「ワグネル」グループの兵士や司令官が我々の他の部隊と肩を並べて戦い、死んでいったことに対する裏切り行為である。ソレダルやアルチョモフスク、ドンバスの街や村を解放し、ノボロシア(編注:新しくロシアに編入された地域)やロシア世界の団結のために戦い、命を捧げた英雄たちへの背信だ。彼らの名や栄光も、反乱の組織を試み、国を無秩序と兄弟どうしの殺し合いへと押しやる者たちによって裏切られたのだ。
繰り返す。いかなる内部動乱も国家体制や国民としての我々に対する致命的脅威だ。これはロシアや我々国民に対する攻撃だ。こうした脅威から祖国を守る我々の行動は極めて厳重なものとなる。意図的に裏切りの道に向かい、武装反乱を準備し、脅迫とテロの手法の道を歩む全ての者は、避け難い懲罰を受け、法と我々国民の前で報いを受けるだろう。
ロシア軍とその他の政府機関は必要な命令を受け、モスクワ、モスクワ州、その他の一連の州で補足的なテロ対策が導入されている。また、ロストフ・ナ・ドヌーの情勢安定化のために断固とした行動がとられる。ロストフ・ナ・ドヌーの状況は依然として複雑であり、文民・軍当局の活動は事実上止められている。
ロシア大統領、ロシア連邦軍最高司令官として、ロシアの国民として、国を擁護し、憲法秩序、命、安全そして市民の自由を守るために私は全力を尽くす。
軍の反乱を組織し、準備した者、戦友に対して武器を向けた者はロシアを裏切った。この者らは自分の行為に対して責任を取らねばならない。この犯罪に引き込まれようとしている者には、致命的で悲劇的な、取り返しのつかない過ちを犯さないよう、犯罪行為に参加しないという唯一の正しい選択を行うよう呼びかける。
そして、私たちが自分たちにとって大切で聖なるものを最後まで確実に守りぬき、祖国とともにどんな試練も乗り越え、さらに強くなるはずだと私は信じている。
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「ワグネル」の進軍停止で合意=ベラルーシ大統領 プリゴジンと交渉
2023年6月25日, 02:28 (更新: 2023年6月25日, 05:00)
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領はロシアのプーチン大統領との合意のもとに民間軍事会社「ワグネル」代表のエフゲニー・プリゴジンと交渉を行った。ルカシェンコ大統領の報道部が発表した。
ルカシェンコ大統領の報道部によれば、プリゴジンは「ワグネル」のロシア領内における進軍の停止と、緊張緩和のための今後の段階的方策について、ルカシェンコ大統領の提案を受け入れた。
「ルカシェンコ大統領とプリゴジンとの交渉は丸一日をかけて行われた。交渉の結果、両者はロシア領内で殺戮を起こすことは容認できないとの合意に達した。プリゴジンは、『ワグネル』社の武装者らの動きを止め、緊張緩和のためのさらなる措置を講じるというルカシェンコ大統領の提案を受け入れた」
ルカシェンコ大統領側の声明が出された後、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プリゴジンへの刑事責任の追及は取り下げられ、同氏はベラルーシへ出ることを明らかにした。
6月23日深夜、ロシア連邦保安庁広報センターは、エフゲニー・プリゴジンの名であたかもロシア国防省が民間軍事会社「ワグネルの後方部隊」にミサイル攻撃を行ったとしてSNS上で拡散されている情報は全て事実には即しておらず、煽動のための情報だと発表した。翌24日、ロシア国防省がこうした声明を表した。
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https://tanakanews.com/230625russia.htm
ロシアでワグネル反乱の意味
2023年6月25日 田中 宇
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