ウクライナで次々に戦闘不能になる西側兵器 クラスター爆弾の供与案も

https://sputniknews.jp/20230627/16385664.html

2023年6月27日, 21:15 (更新: 2023年6月27日, 21:32)

西側がウクライナに供与した大砲は、老朽化で次々と戦線を離脱し、弾薬も底を尽きかけている。米政治外交誌フォーリン・ポリシーが伝えている。こうした事態を受け、米議会からはウクライナにクラスター爆弾を供与すべきだとの声もあがる。

同誌によると、米政界ではウクライナ支援の不足やハイクラスの武器の供給の遅れなどで、バイデン政権への批判が高まっている。一部の議員は戦車供給と戦闘機「F-16」パイロットの訓練の遅れが、ウクライナの反転攻勢を妨げているとしている。

また、超党派の議員グループは徐々に戦闘不能になりつつある西側兵器や弾薬不足の問題を解決する独自の方法を提案している。それは、ウクライナへのクラスター爆弾の供給という禁じ手だ。バイデン大統領に対して直訴する書面が送られた。

同誌はウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官のもとで過去に特別顧問を務めたダン・ライスの言葉を引用している。ライスは、「二用途向上化従来型弾（クラスター爆弾）が目標に到達すれば、より多くのロシア人を殺せる」と指摘。これによりロシア側に大きな損害を与え、通常弾薬も節約できると主張している。

クラスター爆弾は最大で88個の爆弾を戦場に散乱させ、10〜20センチの装甲を貫通することができる。同時に、無秩序に爆弾が散らばることで、現地の民間人に多くの危険をもたらすことになる。

ウクライナ軍によるクラスター爆弾の使用は、2014年のドンバスでの紛争開始当初から確認されている。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」も、ウクライナ政府軍はクラスター爆弾をドネツク各地の人口密集地域で使用したと指摘している。

ウクライナが現在使っている禁じられた兵器は、クラスター爆弾だけではない。白リン弾や対人地雷などの非人道兵器も使用されている。