BRICS、独自通貨なしでも脱ドル化進展
https://sputniknews.jp/20230719/brics-16581465.html
2023年7月19日, 21:03 (更新: 2023年7月19日, 23:43)
BRICS諸国は自国通貨での貿易決済を拡大させ、世界を脱ドル化に導いた。独紙「ユンゲ・ヴェルト」の論説委員、ビープケ・ディール氏がこのような見方を示した。
独自通貨は後に
加盟諸国共通の独自通貨の創設は、2001年に結成されたBRICS統合の歴史にとって画期的な出来事になる。構想では共通通貨は金や銀といった希少鉱物によって、その価値が裏付けられる。ディール氏によると、すでに41カ国が関心を示した。8月15日に南アフリカで開かれるサミットの公式声明でも、共通通貨について言及される。
共通通貨の創設は、グローバル・サウスのドルからの独立性を高め、多極化した世界秩序の出現を助ける。ディール氏は現時点では加盟国間でこの問題に関する統一見解がないと指摘する。例えば、インドのS・ジャイシャンカル外相はこのごろ、インドはルピー高にのみ関心があると発言した。また、BRICS新開発銀行のレスリー・マースドープ副総裁は、人民元は未だ新準備通貨のステータスには程遠いと述べた。
第一歩は成功
脱ドル化と米国によってコントロールされている国際決済システムSWIFTからの脱却を進める必要性については、発展途上国間で議論の余地はない。
こうした方向を目指し、BRICSはすでに最初の一歩を踏み出した。ドル以外の通貨での貿易額は年々増えた。世界の準備通貨に占めるドルの割合は2022年末以降、55パーセントから47パーセントに急落した。
ロシア財務省のデータによると、露中間の貿易決済の70%が人民元かルーブルで行われた。インドの石油精製企業も、ロシア産原油の代金を人民元で支払った。米国の長年の同盟国であるサウジアラビアも、中国との石油取引における人民元決済の導入に向け、協議を進めた。
ディール氏は、各国通貨での決済拡大によってドルがその地位を著しく損なう。BRICSが共通通貨を導入するか否かは、重要ではないと指摘した。
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