2023年8月9日水曜日

ウクライナはEUに加盟する前から統一市場にすでに損害を与えている

https://sputniknews.jp/20230808/eu-16742023.html

2023年8月8日, 11:00

EU諸国はウクライナのEU加盟によってウクライナ国内だけでなく、EU自体に改革が必要になるのではないかと危惧感を抱いた。EU内ではすでに組織再編成についての論争が始まった。フィナンシャルタイムズ紙は欧州の外交官らの発言として、ウクライナはEU加盟を果たしてもいないうちから、欧州の統一市場にすでに損害を与えたと報じた。

フィナンシャルタイムズは、現段階では、EU加盟国の多くはウクライナ受け入れのために必要な解決策を模索してはいるものの、EUの急進的な組織変革は避けようとしていると報じた。EUでは6月末、欧州の10の大国の首脳会合が行われ、この問題についての作業グループを創設することで合意に至った。

フィナンシャルタイムズは、ウクライナの加盟で損失を蒙る他の加盟国へ支払うEUの農業予算の配分の見直しも迫られると指摘した。ポーランドでさえ、自国の農家の抵抗を背景にウクライナ産穀物禁輸措置をすでに発動した。同様の措置は他の東欧諸国も講じた。フィナンシャルタイムズの消息筋の外交官は、「ウクライナはEUに加盟しないうちから、すでに統一市場に被害を与えている」とこぼした。

EU内のフィナンシャルタイムズの消息筋らは、ウクライナの加盟は「仮説的段階にとどまっている」と主張した。ある消息筋は、ウクライナは欧州の最貧国にとどまり続け、その加盟はEU全体の予算にとっては実のない「シンボリックな結果」になるとの考えを示した。このように、フィナンシャルタイムズの消息筋らはウクライナのEU加盟の成就には懐疑的な姿勢を表した。

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https://sputniknews.jp/20230809/eu-16751645.html

リスクは覚悟 ウクライナにガスを貯蔵せざるを得ないEU事情

2023年8月9日, 06:08

欧州委員会の副委員長兼エネルギー同盟担当委員のマロシュ・シェフチョビッチ氏は8月8日、SNS「X」(元ツイッター)の自身のアカウントに欧州の企業は自社のガス貯蔵のためにウクライナにあるガス貯蔵所を使用していると明言した。シェフチョビッチ氏はこの事実が「欧州のエネルギー安全保障を強化している」と評した。

シェフチョビッチ氏のこの発言は、ウクライナ国営ガス会社「ナフトガス」のアレクセイ・チェルヌィショフ会長の「ウクライナは欧州のパワーバンク(編集:携帯型バッテリー)と化している」という声明にコメントしたもの。チェルヌィショフ会長は、「ナフトガス」はEUに対し、「欧州の中心部にガスの戦略的備蓄を創設するという稀有な可能性」を提供していると豪語していた。

チェルヌィシェフ氏は5月、ウクライナは100億立方メートルを超すガスの貯蔵が可能と発言していた。外国のトレーダーらは3年は通関手続きを経ずにガスの貯蔵ができ、他国のガス貯蔵施設への再輸出も障害なく行える。

先日、ロイター通信はウクライナ領内のガス貯蔵所をEUが使用している事実について、欧州のガスのトレーダーらの発言を引用し、欧州内のガス貯蔵施設はロシア産ガスを拒否したためにここ数年の平均よりもはるかに満タンで、費用も高額になっているため、ガス購買者らは紛争のリスクがあってもウクライナの貯蔵施設を使わざるを得ないと報じていた。

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