鈴木宗男:日本の国益を考えれば、誰かひとりロシアの理解者がいるべき
https://sputniknews.jp/20231004/17291554.html
ロシア滞在中の鈴木宗男氏 政府要人との会談内容や日露関係の重要性を語る「日本の国益を考えれば、誰かひとりロシアの理解者がいるべき」
2023年10月4日, 00:27 (更新: 2023年10月4日, 04:34)
10月3日、ロシア・モスクワを訪問中の鈴木宗男参議院議員が、モスクワ市内で単独インタビューに応じ、5年ぶりに訪問したロシアの印象や、ロシア要人との会談の内容、ウクライナ情勢を受けた、日本のあるべき姿などについて話した。誰よりも深くロシアと向き合ってきた政治家として、日露関係の重要性を強調した。鈴木氏は、4日までロシアに滞在し、帰国の途につく。
鈴木氏は、ロシア要人らと、ロシア経済や日露間の諸問題について、意見交換や建設的な話ができたと話す。2日には、アンドレイ・ルデンコ外務次官と、ロシア外務省で会談を行った。日露間に横たわる問題のひとつとして、日本の漁船が北方四島周辺で行う「安全操業」がある。このための日露間の協議が開始できておらず、ホッケ漁が現在も出漁できない異例の事態になっている。
「ルデンコ外務次官と面会の際には、まず何より、北方四島における墓参再開を依頼しました。元島民の平均年齢は88歳ですから。墓参の枠組みは残っているのですが、昨年来、日本がロシアに対して行っている経済制裁を受けて、今は停止状態になってしまっています。それを解除してほしい、と話をしました。ルデンコ氏には理解してもらえたと思っています。ルデンコ氏には漁業交渉を早く進めてほしいと。日本が経済制裁した結果、本来ならば9月中にまとまらなければいけないのに、交渉していないのです。早く再開して頂きたいという話をしました。ロシアは必ず、前向きに判断してくれると思っています」
鈴木氏は、ロシアは日本に対して一定の配慮をしており、そのことを日本側も認識すべきであると指摘する。
「日本の国益を考えたとき、日露関係の重要性というのは、出てきます。日本はエネルギーをロシアから1割調達しています。この1割が、入らなくなったら大変なことになります。これだけでも、ロシアは日本に配慮しているのですから、このことをもっと日本は理解しなければなりません。ロシア産のカニやウニといった水産物も、日本に入ってきています。これもロシアの配慮です。日本は、ロシアに対してより正しい認識をすべきだと思いますし、そのことを日本国民にも伝えていきたいです。」
鈴木氏は、特別軍事作戦が始まった経緯についても、日本の世論が支持する「ロシア絶対悪」に与しない姿勢を鮮明にしている。
「ミンスク合意を守らなかったのはウクライナです。昨年2月19日、ゼレンスキー宇大統領はブタペスト覚書(編集注:ウクライナはこの覚書によって非核保有国となった)を再協議せよ、とまで言いました。これは過去に戻せという、してはならない発言でした。そこでプーチン大統領は特別軍事作戦を実行する、となりました。日本の世論でも、国際世論でも、ロシアが悪くてウクライナが正しいという議論がありますが、私はその考えには与しません。私は誰よりもロシアと向き合ってきました。日露関係の重要性を考えたとき、私は信念をもって、ロシアの考え方、ロシアの判断を理解している日本の政治家だと自負しています。」
昨年以来、「ロシア寄り」だとネットで叩かれ続ける鈴木氏だが、日本における考え方も少しずつ変わってきて、冷静な見方が増えてきたと話す。
「昨年、特別軍事作戦が始まった頃は、ウクライナに対する応援の気持ち、感情がとても強かったです。しかし、金をくれ、武器をくれと言われ続け、武器も横流し、お金も、どこにいっているかわからない、となり、だんだん日本も気がついてきました。日本の中でも、ゼレンスキー宇大統領が言っていることが本当に全部正しいのか、少し懐疑的に見る人が出てきました。日本もだんだん冷静になってきており、そのことは良いことだと思っています。日本の国益を考えたら、誰かひとり、私は、ロシアの理解者でなければいけない。ロシアが全て悪いのではない。ことの発端はウクライナだということ、そこの主張はしっかりしていきたいと思います。」
世界一のエネルギー大国ロシアと、世界一の応用技術をもっている日本が組めば、必ず世界のためになる、と日露関係の重要性を訴える鈴木氏。4日も引き続き、政府要人と会談を行う。
5年ぶりにモスクワに来た鈴木氏が、何を感じたのか?読者にビデオメッセージを送ってもらいました。下記の動画をご覧ください。
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