ペペ・エスコバル:ロシアと中国はギリシャ神話をどのように再構築するか
https://strategic-culture.su/news/2024/11/29/how-russia-and-china-are-rewiring-greek-mythology/
2024年11月29日
ああ、食器洗い機に使われるLSIチップが解き放つ不思議。
(訳注:ロシア軍は食洗器のパーツを戦車に搭載しているというニューズウィーク等の報道をエスコバルがおちょくっている。)
神々の王であるゼウスは、なぜそれを予見できなかったのか?神の直感は、将来、彼の雷がオレシュニク(一見無害なヘーゼルナッツ)を経由してロシアで再現されることに気づいていた。神話は、すべてを失った後の現実を予見する。
ニュートンの話に少し戻ろう。彼の公式に基づいて計算すると、超高速で飛ぶ長さ1メートルのウラン弾は、6メートルの硬い岩を貫通することができる。(BGM:ディープ・パープルのハイウェイ・スター)
秒速1,200メートルで移動する弾頭は、46メートルのコンクリートを穿孔する。
衝撃の深さは指数関数的に深くなる。
超高速の衝撃波が、前方のあらゆるものをガスに変える。運動性衝撃波が50メートルもの深さまで到達し、地下深くに集積され、軌跡にあるすべてを粉砕し、破壊し、崩壊させる。
ドニエプロペトロウシクのユジマシュ工場の地下深くでそれが起こった。ロシアはこの最初のオレシュニク実験に、弾頭ではなく空砲を使った。
満足保証または返金
ロシアとカザフスタンのウラジーミル・プーチン大統領とカシム・ジョマルト・トカエフ大統領がアスタナで対面し、戦略的パートナーシップを深めた。
カザフスタンはBRICSのパートナーとして正式に招待された。
プーチンは、オレシュニクとNATOの代理戦争に関する多くの報道陣の質問に答えた。最も興味深かったのは、CSTO集団安全保障理事会の出席制限のある会合での演説であった。この演説の一部は引用に値する。
「ロシアのイスカンデル・ミサイル・システムとその改良型は、ATACMSミサイルの3つのロシア版改良型である。TNT換算の弾頭重量はほぼ同じだが、射程はイスカンデルの方が長い。米国製の新型PrSMミサイルは、どの仕様においてもロシア製より劣っている。ストームシャドウ空中発射ミサイル、フランスのSCALP、ドイツのタウルスは、弾頭の重量がTNT換算で450キログラムから480キログラム、射程が500キロメートルから650キロメートル。ドイツのタウルス・ミサイルの射程は650キロ。ロシアの空中発射ミサイルKh-101は、これらのシステムの類似品で、弾頭の威力は同等だが、射程距離ではヨーロッパ製の各システムを大きく上回る。先に述べたように、米国製の新型ミサイルPrSMやJASSMは、技術仕様の点でロシア製に劣る。間違いなく、我々は潜在的な敵対国が使用中の関連兵器システムの数を把握している。どれだけの数がどの貯蔵施設に保管されているかも知っている。その正確な位置も、ウクライナに供給された兵器の数も、さらに供給が計画されている兵器の数も知っている。関連するミサイルシステムや関連機器の生産に関して言えば、ロシアはNATO諸国全体の生産量の10倍を保有している。来年はさらに25〜30%増産する。キエフ政権の首謀者たちは、別の種類の軍事装備を主人に懇願している。忘れてならないのは、カリブ、キンズハル、ジルコンの極超音速ミサイルシステムだ。その生産も急ピッチで進められている。このような製品は、この製品メニューにまもなく登場する。もちろん『顧客満足は保証されます。』」
前方に隕石衝突
プーチンは、オレシュニクの衝突を隕石との衝突による衝撃に例えた。
「我々は歴史上、どの隕石がどこに落下し、どのような結果をもたらしたかを知っている。時には、湖全体が形成されるほどの衝撃だった。オレシュニクはまさにそうだ。テストを実施し、実際に結果が出るまで待った。そして発表した。」
この一見何の変哲もないヘーゼルナッツ、つまりゼウスの雷のレプリカを作ったミハイル・コヴァルチュクは、シリウス連邦で開催された第4回若手科学者会議の傍らで、イズベスチヤ紙にこう語った。コヴァルチュク氏はクルチャトフ研究所国立研究センターの所長である。
「基本的には、ロシアが持つ超高温に耐える素材が、オレシュニク・システムを可能にし、他のタイプの極超音速兵器を可能にする。」と彼は述べた。
地球全体が、なぜロシアが他を追い抜くことができたのかと尋ねているかもしれない。「我々は世界の5本の指に入るリーダーだ。以前は1,500度、次いで1,800度、そして2,000度で機能する材料であり、他ができなかったのに、我々はそれを成し遂げた。」
そしてまだある。コヴァルチュクによれば、高温に耐えられる素材があれば、さらに高度な兵器を作ることが可能になる。次のステップは、2,500度から3,000度に耐えられる材料になる。
例えば、マッハ15、あるいはマッハ20で超低空を飛ぶミサイルは、すでにテストされたオレシュニクよりもさらに破壊的な衝撃(プラズマショックを含む)を与えることができる。
プーチン大統領はまた、さりげなくこう語った。
「国防省が現在、ウクライナの意思決定センターや工業生産拠点、軍事施設など、オレシュニクによるさらなる攻撃の標的を選んでいる。」
NATOは聞いているのか?明らかに聞いていない。
最大限のソフトパワーとは何か
ロシアがゼウスの役割を刷新する一方で、中国はヘルメスの刷新に躍起である。
北京は現在、サウジアラビアで米ドル債を販売している。中国がこの債券を売れば売るほど、アラブ・ドルは一帯一路構想(BRI)のパートナー国に融資され、ヘゲモンに支配された恐喝的なIMFや世界銀行の債務を返済できる。
良い点は、BRIパートナーは中国へのドル借款を、彼らが生産する商品や天然資源だけでなく、人民元を使って返済できる。
脱ドル高速ハイウェイだ。忘れてはならないのは、中国の米ドル債は金に裏打ちされているのに対し、米ドルの債券は印刷機に裏打ちされている。
多額の負債を抱える中国について、欧米諸国があれこれ言うのはナンセンスだ。巨額であることを公言している中国の債務は、圧倒的に人民元建ての国内債務である。中国では国内の債券市場を利用して、企業が資金を運用し、事実上ノーリスクで適切なリターンを得る。しかも、経済を刺激しながら。
北京はサウジからペトロダラーを引き出すために米ドル建て債券を発行するという素晴らしいアイデアを思いついた。だから債券利回りを上げる必要がある。北京は、債券利回りが高いままであることを保証する方法を見つけた。
国債で調達した米ドルが、IMFや世界銀行からの法外な金利の融資を返済するために、多くのグローバル・サウスに貸し出される。グローバル・サウスは20〜30%の利子を支払う代わりに、北京ではこれらの国々に債券金利(5%程度)を請求するだけだ。
中国がやっていることは、グローバル・サウス(南半球)が安い米ドルを借りるための隠れ蓑になる。これが最大のソフトパワーだ。
グローバル・サウスが返済した米ドルはどうなるか?過剰流動性は米国を再びインフレ危機に陥れる。株式市場は活況を呈するが、金利は上昇し、借入はさらに割高になる。これに高い関税が加われば、香港の狡猾なトレーダーが言ったように、パーフェクト・ストームだ。
というわけで、ゼウスの息子ヘルメスとゴージャスなプレアデス、マイアを演じる中国へようこそ。ヘルメスは、その無限の属性の中でも、旅人、道路、貿易(BRI!連結回廊!)、狡猾さ、外交、言語、文字、占星術の神である。ゼウスの前触れであり、個人的なメッセンジャーであるヘルメスは、神のトリックスターでもある。(今すぐサウジアラビアで米ドルを買いなさい!)
ロシアが数手先を読んでチェスをし、中国が同じく数手先を読んで囲碁を打っている。このパートナーシップは、ずっと同期して、ギリシャ神話の素敵な復活を生み出す。
ハシバミの雷撃により、ロシアに対するヘゲモンの策略はすべてD.O.A.(到着時点で死亡)となった。モスクワを挑発して戦術核で攻撃させることで得た戦略的優位性とはおさらばだ。今やロシアは、いつでも、どこでも、時速12,000キロで攻撃できる。放射能もなく、民間人の犠牲もない。
軍事的、地政学的な衝撃波について話そう。NATOスタンが無知なのも無理はない。ゼウスは、ブルネッロのクールなボトルを飲みながら、ニヤニヤと上からチェス盤を監督している。
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