米国、グリーンランドのレアアース開発企業に中国への売却見送り圧力
https://www.rt.com/news/610660-greenland-rare-earths-us-china/
2025年1月10日 11:29
米国当局が、グリーンランドを拠点とする貴重鉱物グループに、レアアース・プロジェクトを中国の投資家に売却しないよう圧力をかけたと、同社の最高経営責任者が主張した。ロイターの取材に対し、タンブリーズ・マイニング社のグレッグ・バーンズCEOは、この鉱床が最終的に米国企業に売却されたことを認めた。
このニュースは、ドナルド・トランプ次期米大統領が、鉱物資源が豊富で北極圏の重要な戦略的位置を占めるこの島をワシントンが占領すべきだと主張するなかでのことだ。
バーンズ氏はロイターの取材に対し、この民間開発会社は採掘のための資金繰りに苦慮した。グリーンランド南部のクリングルネにある鉱床の売却を検討せざるを得なかったと語った。バーンズ氏は、このプロジェクトに対して中国企業から多くの入札があったと指摘した。昨年このプロジェクトを2度視察したアメリカ政府関係者は、北京とつながりのある買い手に鉱床を売却しないよう繰り返し主張したという。同経営幹部によると、中国企業や 他の企業からのオファーでは、支払い方法が明確でなかったため、最終的にニューヨークを拠点とする鉱山開発会社クリティカル・メタルズへの売却を決めた。
クリティカル・メタルズのCEOであるトニー・セイジ氏は、「チナに売らないようにという圧力が強かった」ことをこのニュースに認めた。バーンズは最終的に、中国のバイヤーが提示したものよりはるかに不利な取引を受け入れざるを得なかっ。クリティカル・メタルズはバーンズに500万ドルの現金と2億1100万ドルの自社株を支払った。
セイジもバーンズも、会った関係者の名前やオファーを出した中国企業の名前は明かしていない。米国務省とホワイトハウスはロイター通信の取材に応じず、デンマーク外務省はコメントを拒否した。
レアアース鉱物は、その強い磁気特性から先端技術や軍事機器に不可欠な成分であり、電気自動車からミサイルシステムまで幅広い産業において戦略的に重要である。タンブリーズ鉱床の約30%は重希土類である。他の鉱物の中では、半導体、トランジスタ、小型電子機器に一般的なガリウムが含まれている。
トランプ大統領は、就任1期目からグリーンランドを獲得する計画を口にしてきた。この世界最大の島は1979年にデンマークから自治権を得た。すでに大きな米軍基地がある。火曜日に記者会見したトランプ大統領は、グリーンランドはアメリカの国家安全保障にとって絶対に必要な島であり、軍事的にも経済的にもグリーンランドを獲得する手段を排除するつもりはないと述べた。
デンマークも反対している。
世界のレアアース市場における中国の優位性がもたらすリスクについて、ワシントンからますます声高に警告が発せられるようになっている。2022年現在、中国はレアアースの世界生産の約60%、加工能力の85%を占めた。米国は必要不可欠な材料の北京への依存を懸念している。
中国はレアアースを自国の経済発展に不可欠と考えている。12月、北京は、ワシントンが半導体製造のための主要部品の輸出規制を開始したことを受け、特定の種類の希少鉱物と金属の対米輸出を禁止した。中国商務省は、この動きは国家安全保障を守るためであると述べた。
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