マイケル・ハドソン:無料ランチか強制的貢献か (関西弁翻訳)
https://michael-hudson.com/2025/09/from-free-lunch-to-forced-tribute/
NIMA ALKHORSHID:
トランプが「ウクライナ戦争でアメリカは金を使ってへん。むしろ儲けてる」って言うてるけど、ミサイル売って殺戮止めるって、どういうことなんやろ?
マイケル先生、どう思います?
MICHAEL HUDSON:
せやな、トランプの考え方を理解したかったら、彼が不動産業でどう儲けてきたかを見たらええ。
大家ってのは、家賃だけやなくて、建物の中で起こる商売からも利益を取ろうとするんや。
たとえばやな、マンションの1階にレストランとか店舗が入ってるやろ?
昔ニューヨークで、古い商業ビルを買うて、それをコンドミニアムに改装して、
住民に売りつけるんやけど、1階の店舗は大家が持ち続ける。
その店舗の賃料が高いから、住民の管理費は店舗が肩代わりしてくれる。
結果、大家は建物の価値以上に儲けるわけや。
今ワシが住んでるとこもそうや。
大家は店舗の収益は全部自分のもんにして、住民61人が建物の維持費を払ってる。
これがアメリカの外交政策の構造とそっくりやねん。
トランプは、ヨーロッパやウクライナを大家の物件みたいに扱ってる。
彼らの資産や富は、アメリカの「主権ファンド」の一部やと考えてる。
1972年以降、ヨーロッパ諸国はドルで貯金して、米国債を買うて、アメリカに資金を流し続けてるんや。
ほんで今、トランプは言うてるわけや。
「NATOの費用も、アメリカの外交政策の費用も、君らが払え。
さらに、君らの公共資産──電力、鉱物、森林、土地──をアメリカと共有する基金に組み込む。
アメリカの“貢献”は、これまでの冷戦費用や兵器販売や。
それらは“投資”やから、返してもらうで」と。
つまりやな、今まで「贈り物」やと思ってたもんが、実は“請求される投資”やったってことや。
これ、第一次世界大戦の後とまったく同じ構造やで。
戦争が終わったとき、ヨーロッパ諸国は「戦争費用はチャラにしよう」と思ってた。
でもアメリカは「同盟になった後の費用はええけど、それ以前に送った武器の代金は払え」って言うた。
これがヴェルサイユ条約の致命的な欠陥や。
ヨーロッパは「ドイツに払わせよう」として、結果、ドイツが破綻してナチズムと第二次世界大戦を招いたんや。
今のウクライナも、まさにその“請求構造”に巻き込まれてるっちゅうことや。
アメリカがウクライナに突きつけてる要求は、もう完全に「払えや」って話になってる。
たとえば、IMF(国際通貨基金)は、戦争中の国には融資したらあかんっていう自分らのルールを破って、
ウクライナに莫大な額の融資してるんや。
その額は、ウクライナが今後20年?30年かけても稼がれへんレベルや。
つまり、永久的な債務奴隷化やな。
ほんでアメリカはこう言うてるわけや:
「ウチに借金あるやろ? せやけどIMFへの返済は手伝ったる。
その代わり、君らの資源をアメリカ企業に売れ。
鉱物はアメリカの鉱業会社へ、農地はアメリカの農業会社へ、土地や公共資産はブラックロックみたいな投資会社に売れ。
その売却益でIMFに返済して、さらにウチにも利益を分けろ。
兵器代も含めて、ウチが払った分は全部“投資”やから、回収させてもらうで」と。
これ、昔ながらの重商主義やなくて、新型の重商主義=ネオ・マーケンタリズムや。
しかも、19世紀末の欧州植民地主義以来の、最も搾取的で、ただ飯型の“大家経済”や。
アメリカは今や完全なレント経済(rentier economy)になってしもた。
トランプがそれを明示的に言うたんや。
今までは暗黙の了解やったけど、彼ははっきり言うた:
「アメリカは、どんな貿易・投資・通貨取引でも、短期でも長期でも必ず儲ける側でなあかん」と。
これがレント経済の思考や。
“何もせんでも儲ける”──それがレント経済の本質や。
1944年?45年の頃は、アメリカもまだ「世界全体が豊かになるための開かれた経済を作ろう」って言うてた。
国連のルール、IMFのルール、世界銀行のルール、貿易のルール──
全部が「各国が互いに利益を得るための仕組み」やったはずや。
でもトランプはこう言うた:
「儲けるのはウチだけや。
君らが同盟国でも、貿易相手でも、アメリカに投資する外国企業でも、ウチが利益を取る。最低でも君らの利益の一部はウチのもんや。」
これはまるで、アメリカが外国投資の大家になったようなもんや。
ドイツの自動車会社でも、日本の企業でも、台湾のコンピューター会社でも、利益の一部はアメリカに渡さなあかん。
他の国々も、アメリカ国内のインテル(半導体企業)と同じ扱いや。
トランプはこう言うた:
「バイデン政権がインテルに補助金出す予定やけど、それは投資やと思え。
その分、君らの株式の10%をアメリカに渡せ。
そうすれば、ウチも君らの利益を分けてもらえる。」
これ、完全に後出しの請求や。
アメリカがヨーロッパに言うてることとまったく同じ構造や。
「ウチの市場を使いたいんやったら、何か差し出せ。」
まるで、マンション買いたい人に「管理費も店舗の維持費も全部払え」って言うてるようなもんや。
大家は、店舗の利益だけを全部持っていく。
つまり、外国の経済を切り刻んで、政府が持ってる資産──電力、土地、鉱物、森林──を、
アメリカに“貢ぎ物”として差し出させる構造になってる。
せやから、最近ニュースが少ないんや。
ヨーロッパの首脳陣はみんな、どうやってアメリカの要求に対応するかを話し合ってる。
プーチンは中国に行ってるし、モディも中国に向かう予定や。
みんなこう考えてる:
「アメリカ市場と付き合う価値あるんか?
損するだけやったら、自分らの富を守る別の道はないんか?
BRICS市場、アジア市場、アメリカが孤立させようとしてる市場で、
自分らの手で稼ぐ道を探すべきちゃうか?」
NIMA ALKHORSHID:
リチャード先生、さっきマイケル先生が言うてた中で、トランプの“レント思考”──つまり「何もせんでも儲ける」って発想──が、めっちゃ重要なポイントやと思うんですわ。
でも、正直言うて、ワシらにはちょっと混乱するとこもある。
そこで聞きたいんですけど──
このトランプの“レント思考”が外交政策にまで出てきてるってことは、アメリカ外交が根本的に変わったってことなんか?
それとも、昔からあった「同盟国やライバルから経済的利益を搾り取る戦略」が、極端にエスカレートしただけなんか?
どっちやと思います?
RICHARD WOLFF:
トランプの“レント思考”──つまり「何もせんでも儲ける」って発想やけど、これはな、アメリカ外交の根本的な転換でもあり、昔からの搾取戦略の極端な延長でもあるんや。
両方やな。
アメリカって帝国やろ?
その帝国が成功しすぎて、今は自分の成功が自分を脅かしてる。
せやから、昔はせんでよかったことを、今はせなあかんようになってる。
それが今の状況や。
ほんで、マイケルが言うてたように、習近平、モディ、プーチンらが北京で集まってるってことは、まさにマイケルの言う通りの動きが始まってるってことや。
彼らは共通の問題──つまり「昔と違うアメリカの振る舞い」について話し合うてる。
昔の大統領は、誰彼かまわず関税ぶつけたりせんかった。
カナダやメキシコ、インドにまでパンチ食らわすようなことはせんかった。
せやから、彼らは反応せなあかんし、実際に反応するやろ。
さて、最初のトランプの発言に戻ろか。
「ヨーロッパに金払わせたった」って自慢してたやろ?
これ、アメリカ国民はよう分かってへんねん。
アメリカ人って、「世界で起こることは全部アメリカのおかげ」って教え込まれてるから、
それが違う時に、何が起こってるか理解できへん。
マイケルとワシは、ずっとヨーロッパをアメリカへの従属ぶりで皮肉ってきた。
今のヨーロッパの政治家は、ほんまにアメリカに忠犬みたいに従ってる。
スターマー、マクロン、メローニ、メルツ──みんなそうや。
せやけど、今回はちょっと帽子脱ぐわ。
時々、召使いが主人を出し抜くことがある。
今回、ヨーロッパはそれをやったんや。
どういうことか説明するで。
トランプはウクライナ戦争から手を引きたがってた。
なぜか?
負け戦には関わりたくないからや。
彼は、始めたビジネス全部失敗してるから、「また負けた」って言われるのが嫌なんや。
せやから、何度もヨーロッパに言うた:
「ワシはもうやらへん。アメリカは撤退する。」
ヨーロッパは焦った。
第二次世界大戦以来、ヨーロッパの政治はアメリカの子分になることで成り立ってきた。
それが彼らのキャリアの作り方や。
せやから、変われへん。変わることもできへん。
どうやってトランプの気持ちを変えさせるか?
あらゆる手を使ったけど、全部失敗。
でも、一つだけ成功した方法があった。
それは、アメリカの軍需企業に話を持ちかけることや。
ヨーロッパはこう言うた:
「もしトランプが撤退したら、君らが売ってるミサイルや戦闘機、もう要らんようになるで?
この3年間の戦争で、君らの株価は爆上がりしてるやろ?
それ、全部止まるで?」
ほんで、こう提案した:
「トランプには“もう払わへん”って言わせたらええ。
でも、君らの商売は続く。
トランプが作った兵器を、ワシらヨーロッパが買う。
注文は続く。
ミサイルはロシアとウクライナに撃ち込まれる。
銃も戦闘機も使い続ける。
君らのビジネスは安泰や。
ドルやなくて、ユーロで払うからな。」
これで、マイケルとワシの意見が一致する。
ヨーロッパがアメリカの軍産複合体を資金援助する構造が完成した。
しかも、これは始まりにすぎへん。
ここ、めっちゃ重要やで。
せやけど、ええことばっかりちゃう。
ヨーロッパはこれから莫大な金を兵器購入に使わなあかん。
その金、どこから出す?
借金を増やすしかない──ドイツがまさにそれやってる。
そして、社会福祉を削って税金を兵器に回すしかない。
これが、ヨーロッパの中で社会的対立を激化させる。
アメリカと違って、ヨーロッパの労働者階級は組織化されてる。
抗議する力を持ってる。
せやから、注目すべきは9月10日や。
フランスではこの日に全国ストライキが予定されてる。
マクロンの新予算案が、
・有給休暇の削減
・年金の引き下げ
・医療保険の自己負担増
──など、とんでもない改悪を含んでるからや。
メルツ、マクロン、スターマーらは、
トランプを操ることには成功した。
いろいろ試して、最終的に兵器の流通を維持する方法を見つけた。
アメリカの軍産複合体は喜ぶ。
トランプがもし軍事情報や実戦参加を止めたら損やけど、
たぶん彼は止めへんやろ。
せやから、戦争は続く。
アメリカの軍需企業にとってはええニュース。
ヨーロッパの政治家にとっても、他に何もないからこれが唯一の成果。
でも、長期的には、ヨーロッパの社会的対立はもっと激しくなるやろ。
短期的にも、すでに始まってる。
これから数ヶ月、ワシらが語るのは、まさにこのことや。
NIMA ALKHORSHID:
リチャード先生が言うてたことを証明するために、ハワード・ルトニックの発言を紹介しますわ。
HOWARD LUTNICK(録音):
アメリカにとってフェアでなあかんのや。
インタビュアー(録音):
長官、こう考えるのはおかしいですか?
「パランティアのサービス使うてるんやから、株の一部もらってもええやろ。
ボーイングのサービス使うてるんやから、株の一部もらってもええやろ。
政府と取引してる企業は、政府から利益得てるんやから、
その見返りを求めてもええんちゃいますか?」
その境界線って、どこなんですか?
HOWARD LUTNICK(録音):
防衛に関しては、めっちゃ議論あるで。
ロッキード・マーチンなんか、売上の97%が政府からのもんや。
ほぼ政府の一部やで。
彼らが作る兵器はほんまにすごい。
ミサイルを空中で撃ち落とすようなもんまである。
でも、その経済的な仕組みはどうなんや?
それは国防長官と副長官に任せるわ。
彼らがちゃんと考えてる。
せやけどな、兵器の調達をどう資金調達するかって話は、もっと議論せなあかん。
今はええ人材がポジションにおるし、トランプがトップで「どうするのが正しいか」考えてる。
これまでのやり方は、ただの“ばらまき”やったと思うで。
NIMA ALKHORSHID:
ロッキード・マーチン、売上の97%以上が政府からって、すごい話やな。
RICHARD WOLFF:
せやな。ほんまに、無知が堂々と語られてるのを見るのは惚れ惚れするくらいや。
自分らが何を真似してるか、まったく分かってへん。
ドイツのナチスも、まったく同じ論理やったで。
「ワシらが買うてるもんのほとんどは、あいつらが作ってる。
彼らはワシらに依存してる。
せやから、もっと効率的な仕組みにしたらええ」ってな。
これは、大企業が小企業を買収する時の論理と同じや。
「外部より内部の方が効率的や」って言うてな。
ワシは昔、セミナーでよう呼ばれて説明してたんや。
教授やから、みんなワシが自分らと同じ考えやと思ってる。
せやけど、ワシはこう言うた:
「市場を称賛する経済学の論理は、27の理由がある。
でも、企業を買収した瞬間、市場は消える。
それはもう内部処理になる。
ソ連を批判して『政府が全部内部でやってる』って言うてるけど、君らも同じことしてるやんか!」
ほんで、彼らはワシの話を聞いて、まるでカーペットに粗相した子犬みたいな顔するんや。
答えが分からへんから、ワシに「市場万歳!」って言うてほしいんやけど、自分らが市場を破壊してることに気づいてへん。
「市場がない方が効率的や」って言うてる時点で、それはもうファシズムや。
国家が資本主義企業を運営して、金持ちのために資本主義を強制する構造。
ルトニックもトランプも、語ってるのは金持ちの利益や。
「GDPが増える」「儲かる」──そればっかり。
社会主義国では、政府が民間企業を引き取るのは、貧困からの脱却や、賃金の引き上げのためや。
ワシは中国を支持してるわけちゃうけど、彼らは国家と民間の融合を、まったく別の目的で使ってる。
中国やロシアでは、目指してるゴールが違うんや。
「大統領がいるから同じや」って考えるのは、子どもみたいな思考や。
「スターリンは独裁者、ヒトラーも独裁者。せやから同じや」って言う人おるけど、それは「両方立って小便したから同じや」って言うてるようなもんや。
ほんまにそうか?
彼らは戦争して、互いに何百万人も殺し合ったんやで。
それ、違いがあるってことちゃうんか?
MICHAEL HUDSON:
経済っちゅうもんは、どんな形でも市場や。
金融資本主義も市場やし、社会主義も市場や。
リチャード、さっきの話で「ヨーロッパがアメリカにポジティブな反応した」って言うてたけど、ワシはそれ、ちょっと違う意味で捉えてたんや。
ワシが思ったのは、ヨーロッパがこう言うてくるんちゃうかってことや:
「ウクライナ戦争の費用を、今度はワシらが払わなあかんのか?
アメリカが兵器で戦ってた分を、今度はワシらが負担するんか?
せやったら、ヨーロッパ自身の軍需産業で戦うわ。
ドイツのラインメタルとか、他の企業でやるわ」ってな。
実際、ヨーロッパの株式市場はアメリカより上がってる。
国際的な投資家も、アメリカ市場からヨーロッパ市場に資金を移してる。
しかも、その投資の多くがヨーロッパの軍需産業に流れてる。
つまり、ヨーロッパが「戦争の費用を払うなら、自分らで兵器作って、自分らで戦う」っていう反応もあり得たわけや。
でも、リチャードが言うてたように、トランプの言う通りにアメリカの兵器を買うには、ヨーロッパは借金せなあかん。
それは正しい。
せやけど、ヨーロッパが借金するってことは、ユーロをドルに替える需要が生まれる。
それはドルの為替レートを支えることになる。
トランプが望んでる「ドル安」とは逆の動きになるわけや。
これは「移転問題(transfer problem)」って呼ばれるもんで、
国内の予算問題とはまったく別の構造や。
ヨーロッパが「ドルでの支出を国内経済の一部として計上する」限り、社会福祉の削減は避けられへん。
せやから、リチャードが言うてたように、フランスでは数週間後に反乱が起こる。
外国債務が増えたことで、マクロンが税金を大幅に引き上げたからや。
ヨーロッパの人々も、アメリカ人と同じような問題を感じてる。
「家が買えへん」「生活費が足りへん」──
それは政府が社会支出を削減したからやし、不動産価格の金融的インフレも原因や。
見てみい、金融業者、銀行家、不在地主、独占企業はみんな儲けてる。
でも、庶民はどんどん貧乏になってる。
格差と分断──これが、フランス革命以来、革命を引き起こしてきた構造や。
それが今、また出てきてる。
ほんで、アメリカが戦争のコストを同盟国に押しつけようとしてるって話やけど、韓国の最近の動きを見てみい。
韓国の大統領がアメリカに来て、アメリカはこう言うた:
「中国から守ったるために、韓国駐留の米軍の費用、君らが払え。」
でも韓国の大統領はこう返した:
「中国はウチの最大の輸出先や。
最大の輸入先でもある。
ウチの経済のほとんどは中国との関係で成り立ってる。
なんでアメリカは、ウチに“中国かアメリカか”って選ばせようとするんや?
アメリカとの未来は見えへん。
アメリカの兵器代や駐留費を払うためのドルを稼ぐ手段がない。
しかも、アメリカは関税を上げて、ウチの車や電子機器の輸出を妨害してる。
これじゃ、アメリカの軍事支援の費用なんか払われへん。」
せやから、韓国はこう考え始めてる:
「100ドルでええから、中国と話し合って、戦争やなくて平和を選ぼう。
非攻撃条約を結んで、貿易を再構築しよう。
アメリカ市場はもう失った。
イラクが言うたみたいに、アメリカにこう言うたる:
『ウチの国から出ていけ。払われへん。ドル買うて通貨を下げてまで、占領費用なんか払われへん。
アメリカの同盟国であることのコストは、国家破産や。もう無理や』」
これが、韓国大統領の本音や。
そして、これはヨーロッパの野党勢力も言える立場にある。
今のNATO指導層──メルツ、マクロン、スターマー──が退場したら、右派でも左派でもええ、国民経済を守る政党がこう言うやろ:
「トランプが言うたロシアとの戦争条件──
つまり、アメリカの“召使い経済”になること──
そんなもん、払われへん。
もう戦争は無理や。
交渉して平和を選ぶ時や」
トランプは「平和の大統領」みたいな顔して選挙出たけど、実際はアメリカ史上最大の“戦争大統領”や。
ロシア、ガザ、ベネズエラ、アゼルバイジャン、
中国、南シナ海、シリア──あちこちで戦争ばっかり。
しかも、トランプが広げたこの多正面冷戦──
アメリカが世界中に仕掛けてる戦争──
これを外国が負担することは不可能や。
彼らは、アメリカが仕掛けた戦争の費用を、中国やBRICSやグローバル・サウスとの貿易で稼ぐことすら阻まれてる。
つまり、アメリカの戦争のために稼ぐ手段を奪われてるんや。
せやから、マーガレット・サッチャーが言うたみたいに、
「選択肢はない」──
アメリカ式の冷戦は、もう払われへん。
ワシらは、自分ら同士で平和を交渉して、多極的な貿易関係を築くしかない。
それが、アメリカが1945年に「導入する」と言うてたはずの世界秩序やったんや。
せやから今起こってるのは、
世界経済の構造そのものの分裂や。
ワシらがずっと語ってきた通りや。
RICHARD WOLFF:
ちょっと一言ええか?
さっきのヨーロッパの話に戻りたいんやけど、マイケルの言う通りや。
ヨーロッパが「軍事力を強化する」って言うてるけど、正直言うて──スペイン語で言うたら“牛糞”や。
そんなもん、できへん。
75年間、何もしてへんかったんやから。
ヨーロッパの軍隊なんか、笑えるレベルや。
規模は小さいし、装備はボロいし、何も持ってへん。
もしアメリカがウクライナから兵器を引き上げたら、ロシアの勝利は一気に決まる。
もう半分は進んでる。止められへん。
ヨーロッパは、実際に弱くて無力やってことがバレる。
そして、それを自分らも分かってる。
せやから、彼らには数年かけて軍事力を整える時間が必要や。
それができるかどうかは別として、とにかく「信頼できる軍事体制を持ってるように見せる」必要がある。
ほんで、彼らはその方法を見つけた。
トランプがアメリカ製の兵器を追加で提供してくれるから、それでなんとか持ちこたえる。
つまり、今のヨーロッパは、ウクライナ戦争を続けることに巨大な利害関係を持ってる。
言動を見れば分かる。
しかも、彼らにはアメリカの軍産複合体という巨大な味方がおる。
軍産複合体は戦争が続かんと儲からへん。
トランプが兵器を買って、それをヨーロッパに売る──
この構造が続く限り、戦争は止まらへん。
政治的な段取りは全部整ってる。
この戦争はあと2?3年は続くやろ。
ロシアにとってはコストがかかる。
ヨーロッパはそれを望んでる。
その間に、兵器代を使い切るつもりや。
ただし、唯一の危険は、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの労働者階級が立ち上がることや。
思い出してみい。
マクロンが年金受給年齢を62歳から64歳に引き上げようとした時、「黄色いベスト運動(Gilets Jaunes)」が世界中で注目されたやろ?
あの運動がピークに達した時、マクロンは年金改悪案を撤回した。
労働者階級が彼を止めたんや。
そして、彼らはまたやるで。
MICHAEL HUDSON:
ワシはこう思う。
ヨーロッパが戦争を続けようとするのは、軍事的な自殺行為や。
3年以内にヨーロッパは壊滅する。
数週間前、ヨーロッパ製のミサイルがロシアのソチの製油所に撃ち込まれて、かなりの損害を与えた。
製油所はしばらく停止して、大問題になった。
ほんで数日後、ドイツのハンブルクの製油所で謎の火災と爆発が起きた。
これ、ロシアが「報復やで」って言うてる可能性ある。
「ドイツがミサイル撃ったんやろ?
アメリカ製でもドイツ製でも関係ない。
君らが送ったミサイルや。
ウチの製油所を爆撃したんやから、君らの製油所も爆撃するで」ってな。
何度も言うてるけど、ロシアはこう言うてる:
「ヨーロッパのミサイルが飛んできたら、同じように報復する。」
ヨーロッパには兵士も戦車も兵器もない。
戦争する手段はミサイルしかない。
せやから、ロシアは「ミサイルで来たら、ミサイルで返す」って言うてる。
トランプはウクライナにこう言うた:
「戦争するなら、攻撃してきた相手と戦え。」
でも、彼はロシアが攻撃者やって“ふり”してる。
実際は、NATOがロシアを攻撃してるんや。
トランプは全部間違ってる。
もう「中立の仲介者」っていう仮面は捨てた。
彼はネオコンの冷戦路線の代表者や。
ロシアはアメリカを爆撃する気はない。
でも、兵器を送ってくるヨーロッパには爆撃する気満々や。
ヨーロッパの領土に報復する。
もしヨーロッパが「これはウチらの戦争や。アメリカの戦争ちゃう」って言うたら、
ロシアは「せやな。ほな、戦争や」って言うて、ドカンや。
戦争終わり。ヨーロッパも終わり。
NIMA ALKHORSHID:
ホワイトハウスの通商顧問ピーター・ナヴァロは、この戦争は「インドの戦争や」って言うてるんですわ。
アメリカがインドに関税50%かけてるのは、みんな知ってると思うけど、そのナヴァロが記者の質問にこう答えました。リチャード先生、聞いてください。
インタビュアー(録音):
今、インドと交渉してるって話ですけど、この関税率、変える可能性あるんですか?
PETER NAVARRO(録音):
インドに関税50%かけてるけど、「ロシアの石油買うのやめたら、明日から25%オフにしたる」って言うてる。
でも、インドはそんなサイン出してへん。
モディはええリーダーやし、インドは成熟した民主主義国家や。
賢い人らが運営してる。
せやけど、関税の話になると、ウチらの目の前で平気でウソつく。
「ウチらは世界一高い関税ちゃう」って言うけど、数字見たら一目瞭然や。
ほんで、「ロシアの石油は買い続ける」って言う。
それ、どういう意味や?
インドがロシアの石油を安く買うて、インドの精製業者がロシアと組んで、それを高値で世界に売る。
ロシアはその金で戦争マシンを動かす。
ウクライナ人がもっと殺される。
ほんで次に起こるのは、ウクライナがアメリカとヨーロッパに来て、「もっと金くれ」って言うてくる。
つまり、インドのせいでアメリカは損してる。
消費者も企業も労働者も、みんな損してる。
インドの高関税のせいで、工場も仕事も賃金も失ってる。
ほんで、納税者は「モディの戦争」の費用まで払わされる。
平和への道は、少なくとも一部はニューデリーを通るんや。
インタビュアー(録音):
それって「プーチンの戦争」ちゃいますの?
PETER NAVARRO(録音):
ちゃう。モディの戦争や。
平和への道は、ニューデリーを通るんや。
RICHARD WOLFF:
ナヴァロは経済学者や。
ワシも経済学者や。マイケルも経済学者や。
せやけど、そこからは道が分かれる。
この人がしゃべると、ワシの頭にはこういう言葉が浮かぶ:
「引き出しの中で一番切れ味の鈍いナイフ」や。
ロシアと貿易するってことは、双方が儲かるからやるんや。
それが貿易の本質や。
ロシアは世界中の国と貿易してる。
インドもその一つや。
ナヴァロ氏はこう言うてる:
「ロシアと貿易して、ロシアが儲かったら、ウクライナ人を殺してることになる」って。
ほんなら、全世界が互いに戦争せなあかんやろ。
プーチンも同じ論理で言えるで?
「アメリカと貿易してる国は、アメリカに利益を与えてる。
その利益は税金で政府に渡って、ロシア人を殺す兵器に使われてる。
せやから、君らを罰する」ってな。
こんな論理、アホすぎて息が止まりそうになるわ。
言うてることがアホなんやなくて、
そんな立場の人間が堂々と言うてることが問題なんや。
もしインドがアメリカにこんな論理を許したら、
世界中の政治家が同じこと言うて、インドから譲歩を引き出そうとするやろ。
せやから、普通はこんなことせえへん。
どこの国も、関税を乱発したり、戦争の正当化に使ったりせえへん。
ウクライナ戦争の根っこは、ワシントンD.C.にある。
NATOをロシアの国境まで押し込んだのは、アメリカの決定や。
まともな人間ならみんな知ってる。
せやけど、誰も「アメリカと貿易やめよう」とは言うてへん。
言うてるのは、ナヴァロ氏と、ナヴァロを雇ったトランプ氏だけや。
同じ引き出しの中のナイフや。
これはもう、異常なほどの焦りや。
意味不明のゴミ論理や。
でも、これが巨大な影響を生んでる。
インドは、中国みたいに経済成長したいと思ってる。
それは大仕事や。
インドは貧しい国やし、人口も中国より多い。
やるべきことは山ほどある。
こんな障害、いらんねん。
せやけど、インドは長期的な視点を持たなあかん。
せやから、モディ氏は今、中国に向かってる。
もう着いてるかもしれへん。
彼らはこう考えてる:
「どうやって“ならず者国家”を回避するか」──
ワシはマイケルの言葉を借りて言うてるけどな。
ナヴァロ氏の論理やと、
「ロシアと取引する者は、ウクライナ戦争を支援してる」ってなる。
ほんなら、ロシアと取引してる者と取引してる者もアウトやろ?
そんなアホな話あるかい!
その論理やと、全世界が互いに罰し合う構造になる。
ほんまに、そこに向かってるかもしれへん。
世界中が自分らの関税壁を立て始めるかもしれへん。
インドも「アメリカ経済はもう切り捨てる」って決断するかもしれへん。
世界一の金持ち国家──あるいはその一つ──が、
世界から切り離されることになる。
ワシらはこの番組で何度も言うてきたけど、
第二次世界大戦後、アメリカがソ連に対して取った政策は「封じ込め(containment)」や。
ジョージ・ケナンが考案して、国務省の戦略として有名になった。
「ソ連を孤立させて、世界に感染させへんようにする」──それが目的やった。
せやけど、今のアメリカは、カナダ、メキシコ、インド、その他全部に罰を与えてる。
つまり、アメリカ自身が自分を孤立させてる。
“自己封じ込め”をやってるんや。
そしてそれは、世界の多くの地域にとって、戦略的な目標になりつつある。
MICHAEL HUDSON:
リチャードとワシは両方とも経済学者やけど、
今の経済学って、もう「政治経済学」って呼ばへんようになってしもた。
19世紀まではそうやったけどな。
ワシらは「政治経済学者」やけど、今の経済学の学問体系はそうちゃう。
アメリカの外交経済政策も、政治の側面を完全に無視してる。
でも、インドはまさにその“政治的側面”でアメリカに返答したんや。
モディ首相は、はっきり言うた。
「インドは主権の範囲内で行動してる。
アメリカが関税50%で脅してくるのは、インドの主権への攻撃や。
誰と貿易するかは、ウチらの自由や」ってな。
その結果、いろんなことが起こった。
報道によると、トランプはモディに4回電話かけたけど、
モディは一度も出てへん。
理由は明白や。
トランプが何か要求してくるのは分かってる。
そして、インドの返答はこうなる:
「それには同意できへん。
もう説明済みや。
ウチらは主権国家や。
同意できへん。」
数日前、インドの外相が異例の発言をした。
ヨーロッパでもロシアでも中国でも、ここまで明確に言うた外相はおらんと思う。
彼は、トランプ個人の政策を名指しで批判したんや。
「アメリカがこう言うてる」やなくて、「トランプがこう言うてる」って。
今や、個人的な敵対関係が生まれてる。
インド国内にも緊張が走ってる。
アメリカは、インドを食料輸出の市場にしたがってる。
1945年以降、アメリカの外交政策の柱は、「他国をアメリカの穀物に依存させること」や。
つまり、食料を兵器化する。
それが世界銀行の融資政策の核やし、アメリカが独裁政権を支援してきた理由でもある。
グアテマラ政府の転覆から、ラテンアメリカの独裁政権まで、全部「土地改革を阻止するため」や。
自国で食料を育てることを阻止するためや。
でも、インドはこう言うてる:
「ウチらの農民を破産させて、トランプを喜ばせるために農業を売り渡して、
アメリカの農業を救うなんて、絶対にせえへん。」
アメリカの要求は、絶対に飲まれへんもんや。
それが、モディの対中政策の180度転換を加速させた。
「昔は中国との国境に軍事的な問題があったけど、それは今となっては取るに足らん問題や。
今は、中国との貿易再編の方が重要や。」
トランプがロシアと中国を結びつけたように、今度はインドも中国・ロシアと結びつけた。
インドはBRICSの中で最も弱いリンクやった。
インドの億万長者たちは、アメリカと深くつながってる。
シリコンバレーとも密接やし、インド人のプログラマーやデザイナーはアメリカに山ほどおる。
せやから、インドの金持ちは親米派や。
でも、インドの国民はめっちゃナショナリスト。
それがモディの政党や。
民族主義政党や。
つまり、アメリカはこの政治的現実を無視して、またしても、トランプが言うたことと逆の結果を生んでしもたんや。
RICHARD WOLFF:
ちょっと想像の話になるけど、こういう想像って、考えるべきことに光を当てるんや。
マイケルの話の論理を追うと、今、北京でこんな話がテーブルに乗ってるかもしれへん。
中国はAIやコンピューター、ロボット技術の最先端や。
インドは、アメリカのシリコンバレーの中核を担ってる。
ほんで、彼らがこう決める:
「もうアメリカはいらん。
インドは北京に来て、シリコンバレーの半分を北京郊外に移す。
残りの半分をニューデリー郊外に移す。
これからの技術革新は、この2都市から生まれる。」
あかんで、これ。
アメリカの人口は世界の4.5%しかおらん。
インド、中国、ロシアで世界の半分近く。
BRICS入れたら、過半数超える。
最後には、ネズミが象に勝つことはないんや。
MICHAEL HUDSON:
リチャード、ええとこ突いたな。
情報技術とコンピューターの役割は、単なる競争相手やない。
今は、2つのコンピューター体系がある。
アメリカのAIシステムと、中国のシステムや。
アメリカは、AIとチップのシステム設計を独占しようとしてる。
それを兵器化して、他国をアメリカの設計に依存させようとしてる。
もしインドが中国・ロシアと組んだら──
それは、アメリカの技術覇権をブロックする臨界質量になる。
アメリカの技術は、まだCOBOLベースや。
ワシが60年前に使ってたやつや。
もう時代遅れや。
それが終わる。
アメリカの「コンピューター兵器化」も、SNSプラットフォームの支配も、
チップ製造の独占も、全部終わる。
アメリカが石油と食料で世界を支配しようとしてた武器に、技術独占も加えようとしてた。
それが、インド攻撃で崩れたんや。
RICHARD WOLFF:
せやけど、逆に考えてみい。
なんでトランプは、そんなリスクを取るんや?
インドと中国──クラウド技術のトップ2や。
それを敵に回すなんて、よっぽどのアホか、よっぽどの焦りや。
しかも、医薬品は関税免除してる。
アメリカの製薬業界の原料はインドが作ってるからな。
関税50%かけてるのは、残りの半分だけや。
それでも、未来の技術大国2つを敵に回すって、
ほんまにアホか、焦りすぎか、あるいはその両方や。
MICHAEL HUDSON:
その通りや。


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