マイケル・ハドソン:NATOが新しい前線に方向転換 要約
https://michael-hudson.com/2025/08/nato-shifts-to-new-fronts/
NATOの新たな戦線への移行(2025年8月27日)
出演者:
- ニマ・アルコルシド(司会)
- リチャード・ウルフ(経済学者)
- マイケル・ハドソン(経済学者)
マイケル・ハドソン
「会談が終わった後のワシントンの空気、あれは異様なほど“調和”してた。メディアは“ヨーロッパがアメリカに屈した”って言うてたけど、トランプはこう言うたんや。『ウクライナに平和を。ロシアとも平和を。』——でも、実際は“ウクライナはもう終わり”ってことや。
ロシアが勝つ。ゼレンスキーがどれだけ武器をもらっても、止められへん。だから、忘れよう。
でも、ゼレンスキーには戦わせる。アゾフ大隊を前線に送って、ロシアとウクライナをかき回させる。
それでええ。問題はそこやない。トランプは言うた。『俺もロシア嫌いや。お前らと同じくらいな。でも、ウクライナでは勝てへん。せやから、別の場所で勝とうや。』
バルト海でタンカーを妨害する。アゼルバイジャンとアルメニアで揺さぶる。
シリアではネタニヤフとアルカイダ系の連中を使って、南からロシアとイランを叩く。
つまり、ロシアを複数の戦線に引きずり出して、摩耗させる。
それが“新しい戦線”や。
トランプは平和賞が欲しいらしい。元NATOのトップ(今はノルウェーの財務相)に電話して、『俺、平和賞取れると思う?』って聞いたらしい。
でも実際は、ディープステートと組んで、ロシア・イラン・BRICSに対する戦争を設計してる。
ベネズエラにも特殊部隊を送って、マドゥロを拉致か暗殺して、右派政権を立てる計画もある。
キッシンジャーがチリでアジェンデを潰してピノチェトを据えたみたいに。
ラテンアメリカ全体を右傾化させるつもりや。
トランプはこう考えてる。『アメリカの影響力が落ちる前に戦争を始めた方が安上がりや。
平和が続けば、中国・ロシア・イラン・BRICSが力をつける。
せやから、今や。今しかない。』
ウクライナの“安全保障”って言うけど、それは傀儡政権を完全に支配すること。
支配できなければ不安。破壊できなければ不安。
それは、ネタニヤフがパレスチナ人を“消せない”と不安になるのと同じ構造や。
ロシア語話者の多いウクライナ東部は、ゼレンスキーにとっての“ガザ”や。
憎しみの対象。宗教戦争みたいなもんや。
ロシアはそれを理解して、オデッサのアゼルバイジャン系石油施設を爆撃した。
アゼルバイジャンの貿易の25%を占める重要施設。
つまり、ロシアはアゼルバイジャンとの戦線を開いた。
シリアではどう動くかはまだわからん。
でも、ロシアもアメリカも、何が起きてるかはわかってる。
メディアは黙ってるけどな。
一部の楽観主義者は言うてる。『プーチンは“平和の王子”として歴史に残りたいんちゃうか』って。
でも、現場はもう“最終戦争”の準備に入ってる。」
さて、リチャード、次はあなたに聞きたい。
まずはスコット・ベセントの発言を紹介するね。」
(録音クリップ開始)
スコット・ベセント曰く:
「トランプは非常に抜け目がない。
今、我々はヨーロッパに武器を売っていて、ヨーロッパはそれをウクライナに転売している。
そしてトランプ大統領は、その武器に10%の上乗せをして利益を得ている。
もしかすると、その10%で空爆の費用をまかなえるかもしれないね。」
(録音クリップ終了)
??? ニマの問いかけ
「うん、でね。僕が気になってるのは、あの二つの会談の意味なんだ。
一つはロシアとの会談、もう一つはヨーロッパ諸国がアメリカに来て行われた会談。
なんというか、驚くべき展開だよね。
ワシントンで撮られた写真、見たかな?
そこに写ってるトランプは、まるで別人みたいだった。
リチャード、覚えてる?2016年とか2017年の写真。
あの頃のトランプはテーブルに座ってて、周囲の人たちが彼を見下ろすようにして、
攻撃的に話しかけたり、詰め寄ったりしてたよね。
でも、今回の写真はまったく違う。
ヨーロッパの首脳たちが、まるで必死に媚びてるような態度でトランプに接してる。
いったい何が起きてるんだろう?
リチャード、君はどう見てる?
「おもしろいね。
マイケルとは少し違う視点から見てるけど、時間があれば、たぶん両者の見方は矛盾せずに並べられると思う。
まずはスコット・ベセントについて触れようか。
彼のことは、まあ…お母さんはきっと誇りに思ってるだろうけど、他の人間から見たら、ちょっとね。
彼が話すたびに、こっちが恥ずかしくなる。
何を言いたいのか、半分も理解できないことが多い。
トランプへの忠誠心は、正直言って“気持ち悪い”から“哀れ”までの間を行ったり来たりしてる。
それ以上は、もう言葉が出ない。
米欧間の関係を語るのに、武器の流通における10%の上乗せに注目するって?
それは、巨大な絵巻物の中で、ほんの一点の塵にしか過ぎない部分を見て「これがすべてだ」と言ってるようなもんや。
もっと引いて見なあかん。
ニマ、君が言ったように、トランプとヨーロッパ首脳たちの写真を比較するのは正しい。
それこそが、ベセントの語尾にもつながってる。
ここで重要なのは、ヨーロッパの従属化や。
これは、ルネサンス以降500年にわたって続いた「ヨーロッパが世界の中心だった時代」の終焉や。
植民地支配、資本主義の初期発展、産業革命——ヨーロッパは常に先頭に立ってた。
もちろん、当時の中国がどうだったかは詳しく知らんけど、少なくとも“世界の中心”としての語尾はヨーロッパにあった。
でも今はどうや?
まるで幼稚園児の集団が先生に連れられてホワイトハウスに行って、椅子に座ってトランプの戯言を聞かされてるみたいや。
彼らがトランプをどう思ってるか、実は知ってる。
フランスやドイツのインタビューで、彼ら自身が語ってるからな。
それでも、あの場では子犬みたいに振る舞ってる。
歴史的に見て、これは非常に重要な瞬間や。
今日そこまで話す時間はないかもしれんけど、トランプとフォン・デア・ライエン、そしてヨーロッパ諸国との間で結ばれた貿易協定を見てみ。
アメリカは一律15%の関税をヨーロッパに課した。
その代わりに、ヨーロッパ側は自分たちの関税を撤廃した。
つまり、アメリカはほぼ無制限の自由を手に入れた。
もちろん、それだけで何か大きな成果があるわけじゃない。
でも経済的には、特に短期的には、**“植民地が宗主国になり、宗主国が植民地になった”**という構図を示すには十分や。
今や、イギリスもヨーロッパも、トランプとアメリカが仕切るゲームの中では脇役に過ぎない。
そして皮肉なのは、マイケルが言うように、**アメリカがこれをやってるのは“帝国が崩れつつあるから”**や。
金を使いたくない。
だから、支配下にある国々に衰退する帝国のコストを押し付けてる。
アメリカに投資させ、アメリカの液化天然ガスやエネルギーを買わせ、漁業や農業市場を開放させる。
それが“ビジネス”や。
「金が足りへんから、全部やってもらうで」ってことや。
そして皮肉なのは、ベセントはそれを理解してる。
彼にとっては、それが“成果”なんや。
だからこそ、彼は10%の上乗せにこだわる。
…何やそれ?
細かい数字ばっかり数えてる人間の視点や。
ヨーロッパの歴史の中で、これは屈辱やと思う。
そして、これは希望も込めて言うけど——
ヨーロッパの人々がこの光景に嫌気が差して、左派でも右派でも「こんな従属には加担したくない」と思ってくれることを願ってる。
みんなに思い出してほしい。
もしアメリカが今これだけのことをやってるなら、次の大統領はもっとやるやろ。
だって、ヨーロッパが「アメリカの問題をこっちに押し付けてええよ」って言ってるようなもんやから。
ヨーロッパはどうやって社会福祉制度を維持するつもりなんや?
西ヨーロッパの福祉は、アメリカよりずっと進んでる。
それが可能だったのは、軍事費を負担してなかったから。
アメリカが肩代わりしてたんや。
この構図は、アメリカにとって“軍事ケインズ主義”のブーストとしては理想的やった。
というのも、アメリカは大恐慌から完全には抜け出せてへんかった。
第二次世界大戦がそれを救い、以降は戦争予算が経済を支えてきた。
だから、ヨーロッパの軍事費を肩代わりすることで、彼らはその分の資金を医療・教育・福祉に回せた。
アメリカ人がその恩恵を知ったら、国内でそれを与えないわけにはいかんようになるから、知られないようにしてるんや。
でも今、ヨーロッパがその恩恵を受けられへんようになったらどうなる?
負担が増えて、調整が必要になって、福祉を削るしかなくなる。
実際、もう削り始めてる。これからも削り続けるやろ。
さて、ここで二つの動きがある。
ドイツでは、マイケルが先週言うてたように、世論調査で**「ドイツのための選択肢(AfD)」がキリスト教民主同盟(CDU)を上回った**。
CDUはかつて社民党と連立を組んでた支配政党やけど、今や社民党はほぼ崩壊。
AfDは右派で、「こんな立場にはいたくない」と言うてる。
フランスでは逆に、左派が動いてる。
右派も存在感はあるけど、本気で動いてるのは左派。
議会では最大勢力で、最近「bloc en tout(すべてを封鎖せよ)」というスローガンを掲げた。
9月10日には、パリ、リヨン、マルセイユ、ニースなど主要都市で全国規模のストライキと封鎖を実施予定。
黄色いベスト運動でも見せたように、フランス人は限界を超えると動く遺伝子を持ってる。
これは他の国にはなかなか見られへん。
フランス革命以来の歴史がそれを証明してる。
だからこそ、これは帝国の衰退が異常な手段に出てる証や。
ウクライナ戦争が3年間で莫大な金を浪費したことをトランプが認識した点は評価してもええ。
でも、それ以外の動き——ネオコンかどうかは別として——は全部小手先。
うまくいくはずがない。
アゼルバイジャンをいじる?冗談やろ。
マドゥロを殺して何が得られる?
これはもう、衰退する帝国の必死の足掻きや。
そして、そう見られるやろ。
マイケルが言うように、アゼルバイジャン、シリア、ベネズエラ、そしてウクライナが終わったら台湾——
これらは全部、**ワシントン流の“見せかけのパンチ”**や。
でも、わしにはそれが「現実が消えた後の帝国劇場を維持しようとする必死の演出」に見える。
彼らの本当の問題は、中国とBRICSや。
その国々は、アメリカよりずっと速く成長してる。
ウクライナ戦争中もずっと成長してた。
思い出してほしい。
中国の年間成長率は約5%。
アメリカはその半分、いやそれ以下。
インドはもっと速い。
ロシアも戦争前より成長してて、ヨーロッパのどの国よりも速かった。
アメリカも含めてな。
つまり、負けてるんや。右も左も、中心も全部負けてる。
ウクライナ戦争そのものが、「もう勝てへん」ってことの証明やと思う。
そしてそれは、ヨーロッパにとっての危機やのに、まだ十分に理解されてへん。
トランプの執務室で机を囲んでたあの人たち——
彼らは、アメリカの同盟国として生まれ育ち、キャリアを築いてきた。
第二次世界大戦で敗れたか、勝ってもボロボロになった国々の指導者たち。
アメリカが再建を主導した。
でも今や、それも終わり。
彼らは必死や。
自分のキャリアも、世界観も、全部が崩れかけてる。
間違った馬に乗ってしまった。
でも、もう降りられへん。
だから、馬が立ってる限り乗り続けるしかない。
ウクライナ戦争も、終わらせる気はない。
必要なら永遠に続ける。
彼らの語り口を見てみ。
敗北を認めへん。
ロシアが西へ何キロ進もうが、見えてへん。
これは、弱さの極致や。
周囲の“劇場”がそれを覆い隠してるだけや。
リチャード、結局いつも君とは意見が一致するんや。
ヨーロッパの反応は、もはや“嫌悪”を超えて、“恐怖”に達してると思う。
今日の『フィナンシャル・タイムズ』に素晴らしい社説が載ってた。
ショック教授による寄稿で、米欧間、そして世界全体にとって最も重要な新たな戦場は人工知能(AI)やと。
彼女はこう言うてる。
トランプ政権下のアメリカは、あらゆる貿易を“武器化”してきた。
つまり、貿易相手をアメリカ依存にさせることで脅すというやり方。
過去には石油や穀物輸出でそれをやってきた。
蛇口を閉め、食料を止め、制裁をかけて、従わない国を孤立させ、飢えさせ、エネルギーを断つ。
そして今、その武器化の対象がAIになった。
特にヨーロッパに対して。
アメリカは、ヨーロッパがAIやクラウド、インターネットの規制を進めることを阻止しようとしてる。
代わりに、アルゴリズムやAIの構造そのものをアメリカに依存させるよう圧力をかけてる。
ユーザーを“囲い込む”ように設計されたAIシステム。
広く普及すればするほど、代替システムを作るコストが跳ね上がる。
もしヨーロッパが今、アメリカのAI支配を阻止せず、
自前のAIや半導体製造、ロジック設計を確立しようとしなければ、
アメリカは“ゴミを入れればゴミが出る”ようなシステムを世界に押し付けることになる。
彼女はそれを“ゴミ”とは呼ばず、
「アメリカの価値観と政策を反映したアルゴリズム」と表現してる。
その過程で、トランプはアメリカを民主主義ではなく“独裁国家”に変えつつあると。
石油や食料の代わりに、今やAIが新たな支配産業になってる。
“マジックセブン”と呼ばれるAI関連株が、アメリカの株価上昇の80%を占めてる。
これは経済的にも極めて重要な領域や。
そして、君が言うたように、ヨーロッパの反対勢力はどうなってるか?
もしトランプが本気でヨーロッパに“見せつける”つもりやったなら、
こう言えばよかったんや。
「次の選挙では、ドイツではAfDがメルツに取って代わる。
フランスでは左派がマクロンを倒す。
イギリスでは、崩壊寸前の労働党に代わって、コービンか、
コービンとブレグジット派の連合が出てくる。」
そして彼らを一堂に集めて、
「さあ、何を語るか聞いてみよう」と言えばよかった。
彼らはみんな「ロシアとの戦争には反対」「ウクライナ戦争にも反対」と言うたはずや。
でもトランプはそれをせんかった。
なぜなら、彼らはAIという経済成長産業においても、アメリカの指導に従うことを拒否するから。
この社説が語ってるのは、
技術を武器化し、貿易のあらゆる分野で他国を依存させることで、代替を許さない政策。
それこそが、アメリカの“安全保障”の定義や。
つまり、「他国が代替手段を持たないこと」こそが、アメリカにとっての“安全”なんや。
ウクライナの“安全保障”もそう。
アメリカ支配の傀儡政権以外に選択肢がないことが“安全”とされる。
軍事的な安全保障と同じように、
経済的にも、独立した技術や競合するシステムは許されへん。
でも、これが通用するかどうか。
ヨーロッパには効くかもしれん。
でも、中国には絶対に通用せん。
中国はすでにAI、コンピュータ化、半導体、レアアース、極超音速兵器など、
あらゆる先端技術で先行してる。
アメリカはすでに遅れてる。
だからアメリカは、「どの地域なら代替を阻止できるか?」を探してる。
今はヨーロッパ。
次はBRICS。
つまり、世界全体を“囲い込む”つもりや。
アメリカはヨーロッパにこう言うてる。
「心配せんでええ。一緒にやる。でも“一緒”とは、アメリカの覇権の下でやることや。」
その“共同行動”は、AIの臨界量を確保することで、
グローバルサウスやBRICS諸国を中国から引き離すための手段になる。
そして、ヨーロッパが最終的にはアメリカのAIシステムを採用するように仕向ける。
もし中国とアジア諸国が独自のAIシステムを構築し、
バックドアを排除できたら、
アメリカは完全に孤立する。
孤立するということは、
技術サービスによる貿易収支を維持できず、輸出市場を失うということや。
すでにその兆候は見えてる。
インテルやNVIDIAの中国向け輸出をめぐる争い。
アメリカは「輸出してもええけど、バックドアを仕込ませろ」と言うてる。
つまり、スイッチ一つで中国のNVIDIAチップを無効化できるようにしたい。
中国はそれを察知して、NVIDIAの輸出をブロックし始めた。
でも、どうやってそれを防ぐ?
チップに組み込まれた何百万もの命令を全部検証するのは至難の業。
ジオロケーターやオン・オフスイッチが仕込まれてるかもしれん。
まるで、ドイツがイランの遠心分離機を秘密の制御で破壊したように。
アメリカは、AIを使って世界中にそれをやろうとしてるんや。
アメリカは、イギリスにも大陸ヨーロッパにも、AI支配の構図を押し付けてる。
これは、軍事的な対立と並行して進行してる最も即時的な戦場や。
リチャード・ウルフ
そう、それはもう何年も前から見えてた。
思い出してみて。
中国の通信企業・HuaweiのCEOの娘がカナダにいたとき、
アメリカがカナダに逮捕を強要した事件。
あれは、中国がすでに“この種の戦争”を展開できる力を持ってることへのヒステリックな反応やった。
わしが言いたいのは、マイケルが描いた戦略——それがアメリカの公式戦略であることが最も恐ろしい。
でも、もっと重要なのは、その戦略が中国とBRICSによる“対抗戦略”によって阻まれてるという点や。
つまり、アメリカは今、
「軍事的に動くか、それともこの競争に敗れるか」
という選択を迫られてる。
もし負ければ、ゲームオーバー。
軍事力では問題は解決せん。
でも、彼らはそれでも試すかもしれん。
そして皮肉なのは、それがアメリカ左派に“突破口”を与えることになる。
こうなるんや。
アメリカ左派が“運動”になる。
今はまだその段階にはないけど、
やがてこう言い始めるやろ。
「中国との対立は、アメリカにとって最悪の選択や。
生活の質を犠牲にしてまで戦う価値はない。
中国はあまりにも大きすぎる。
BRICSはもっと大きい。
この巨大さに、最終的には飲み込まれる。
だから、今すぐ止めるべきや。」
政策を変えて、
中国と“共存可能な関係”を築くことが唯一の代替案や。
それはこう言うようなもんや。
「2022年4月、イスタンブールでウクライナ戦争を終わらせる合意寸前まで行った。
あの時点で終わらせていれば、ウクライナにとっては今よりずっと良い条件やった。
でも、それを逃した。
そして今、また同じような“敗北の道”に踏み出そうとしてる。」
これが新たなマントラ(呪文)になる。
「中国との闘争は、ウクライナよりも長く、コストも高く、リスクも大きい。
ウクライナから学べ。
同じ過ちを繰り返すな。」
今のアメリカでは、
この立場に左派も右派も中道も、膨大な数の人々が賛同するやろ。
マイケル・ハドソン
だからこそ、アメリカは“選挙資金の確保”に必死なんや。
でも、もう一つ付け加えたい。
アジア、特に中国がAI分野で西側に対して圧倒的優位に立ってる理由——それは“オープンソース”や。
中国のAI開発はすべてオープンソース。
つまり、バックドアを仕込むことも、チップを破壊することもできへん。
アメリカは“公正な競争”では勝てへん。
勝てるとしたら、破壊工作、買収、暗殺、汚い手段しかない。
でも、すべてが開かれた状態——自由貿易のような構図では、アメリカは勝てへん。
それが、トランプとネオコンが共有してるジレンマや。
わしは、トランプこそが**ネオコンの“本音を実行するリーダー”**やと思ってる。
他のネオコンが「さすがに無理やろ」と思ってたことを、彼は平然とやる。
しかも、トランプは“神の導き”を語る。
「神が自分にこれをやれと言ってる」「天国に行くためにやるんや」と。
従来のネオコンにはなかった“宗教カード”を使って、MAGA支持層を引き込んでる。
でも、この一連のごまかしの目的はただ一つ。
オープンソースを潰すこと。自由貿易を潰すこと。他国が“選択肢”を持つことを潰すこと。
それこそが、アメリカの“国家安全保障”の定義や。
つまり、他国がアメリカに従属する以外の選択肢を持たないようにする。
自国の成長を犠牲にして、アメリカへの債務返済に従い、
アメリカの軍事支援に依存し、
アメリカ製の戦闘機・艦船・兵器の部品供給に縛られる。
部品がなければ、アメリカはスイッチ一つで他国の軍事システムを停止できる。
戦闘機も、艦船も、潜水艦も、全部止まる。
この“停止システム”は、世界中に適用可能な構造や。
世界の大多数が「どうやって技術で生活水準を上げるか」を考えてるとき、
アメリカは「どうやってそれを妨害するか」を考えてる。
それが、アメリカの“支配欲”の衰退を遅らせる唯一の手段。
止めることはできへん。遅らせるだけや。
これは短期戦。
でも、短期戦こそが政治と金融市場の中心になってる。
ニマ・アルコルシド
さて、リチャードに行く前に、スコット・ベセントの発言を紹介するね。
ウクライナ戦争中に、ロシア・中国・インドの経済的な結びつきがどう変化したかについて。」
(録音クリップ開始)
スコット・ベセント曰く:
「中国がロシアから石油を輸入するのは最適とは言えない。
でも、2022年以前を見れば、すでに中国の石油の13%はロシア産やった。
今はそれが16%になってる。
中国は石油の供給源を分散させてる。
インドは以前はロシア産が1%未満やったけど、今は42%まで増えてる。
インドは“利ざや稼ぎ”をしてる。
転売して、160億ドルの超過利益を得た。
インドの富裕層が儲けまくってる。」
(録音クリップ終了)
そう、彼らは“誰に”転売してるか?
ヨーロッパや。
2日前、中国の外相がインドを訪問してモディ首相と会談した。
モディはX(旧Twitter)にこう投稿した。
『インドと中国の関係は、かつてないほど改善している』と。
つまり、トランプが何をしてるかというと——
BRICSの結束を強めるという、誰も成し得なかったことを“逆説的に”実現してしまってる。
リチャード・ウルフ
わしが見てるのは、アメリカ帝国の衰退が止まることなく進行してるという現実や。
インドがロシアから割安な石油を買うのは、当然の経済判断。
ロシアはヨーロッパに石油とガスを売れへん。
それはヨーロッパとアメリカが決めたこと。
市場を閉じて、ロシアを輸出不能にして、膝をつかせようとした。
ロシアはインドに目を向けた。
もともと長年の貿易関係と軍事関係がある。
そして、信じられへんほどの価格を提示した。
インドは当然、買う。
何が問題なんや?
インドはヨーロッパやない。
ウクライナをめぐる東西の争いには関心がない。
インドが求めてるのは、経済発展。
それが国民の最優先要求。
ロシアから安いエネルギーを得るのは、そのための手段や。
わしは今のインド外相の発言を覚えてる。
記者に「なぜロシアから石油を買うのか?」と聞かれて、
彼は呆れた顔でこう言うた。
「答えはわかってるやろ。ドイツはなぜロシアから買ってた?ヨーロッパはなぜ買ってた?
なんで我々に聞くんや?
我々は関係ない戦争に巻き込まれる義務はない。
君らだって、自国に関係ない戦争には加担せんやろ?」
つまり、答えようのない質問をしてる時点で、記者の思考が迷子になってる。
これこそが中国とインドが共通の利害を見出してる理由や。
もともと、両国には共通点が多い。
インドは植民地やった。
中国は植民地にはならんかったけど、ほぼそうなりかけた。
イギリスは両国にとって“問題の源”やった。
それは両国ともわかってる。
だから、西側への依存を減らして、互いへの依存を増やす方が得策。
輸出入を拡大すべきや。
両国は世界最大の人口を持つ国。
互いにとって魅力的な市場。
協調的に発展すれば、西側に依存するよりも速く成長できる。
実際、彼らはそれを理解してる。
議論してる。
わしの知ってるニューデリーの大学の経済学者たちも、
このテーマで活発に議論してる。
ちなみに、インドにはアメリカの大学では許容されへんような急進的な経済学者もいる。
だから、多様な視点が育ってる。
アメリカでは“多様性を称賛する”けど、実際には持ってへん。
インドでは、多様性があるから騒がんでもええ。
そして、その多様な視点の多くが一致してる。
「中国との関係は発展させるべき」
「ロシアの安価なエネルギーは、それを加速させる」
「製造業の発展に必要なブーストになる」
もちろん、インドはまだ中国のレベルには達してへん。
でも、重要な国になりつつある。
だから、エネルギーが必要。
発展途上国として、大量のエネルギーが要る。
ロシアはそれを供給できる。
インドが、イギリスや西側の顔色をうかがって、
自国の成長を犠牲にするなんて、馬鹿げてる。
そんな発想が記者の頭に浮かぶこと自体、
その記者がどれだけ“植民地的思考”に囚われてるかを示してる。
哀れや。
そして、スコット・ベセント。
彼は“植民地”の綴りすら知らんやろ。
だから、そんな視点は持ち合わせてへん。
彼は数字だけを見る。
「インドが儲けてる」
またや。
武器の10%上乗せに夢中になってたと思えば、
今度は「ロシアの割引石油でインドの富裕層が儲けてる」ことに夢中。
もちろん儲けてる。
でも、それは最も重要ではない次元。
それしか語れへんのが、ベセントの限界。
全国放送の30秒枠で語るのが、それだけって…
これはもう“知的に矮小な人間”や。
マイケル・ハドソン
インドとロシアの貿易について、国際収支の視点を加えたい。
ロシアの石油が他国より安くインドに供給されて、インドの家庭が潤ってるという話はその通りやけど、
もっと重要なのは、支払いが自国通貨で行われてるという点や。
その結果、ロシアはインドルピーを大量に保有することになった。
おそらく必要以上に持ってるけど、それでもロシアはこの構図を続けてる。
なぜなら、ドルではなく自国通貨で貿易する原則を確立したいから。
この動きは世界中に広がってる。
特に中国が先導してる。
その結果、中国のドル保有高は過去20年で最低水準にまで落ちて、約7500億ドルになった。
つまり、ドル離れが進行中。
もしアメリカが本当にベネズエラを攻撃したらどうなるか?
それは“第一歩”のサインや。
今日ベネズエラ、明日はBRICS。
BRICS諸国がドルからの逃避を加速させるのは間違いない。
アメリカがベネズエラとの戦争を始めた方法はこうや。
ベネズエラ政府と国営石油会社がアメリカに持っていた資産を全部没収した。
さらに、イギリスの中央銀行に命じて、金を押収して、アメリカが“暫定大統領”に指名したグアイドに渡させた。
BRICS諸国にとって、これは記憶の最前列にある出来事。
エスカレーションの手順はわかってる。
ベネズエラで軍事行動に出たなら、次は金融で我々を侵食してくるやろ」と。
だから、ドル離れは加速する。
トランプはそれを歓迎してる。
「ドル安はアメリカの産業復興に役立つ」と思ってる。
でも、実際にはそうはならへん。
これがすべての鍵やと思う。
そして、国際収支の話をしてる以上、
資本移動、ホットマネー、金融フローがドルの価格を左右してることも指摘したい。
アメリカの金融報道では毎日、
「トランプがFRB議長を解任しようとしてる」「利下げを強要しようとしてる」って見出しが出てる。
火曜日、CNBCが興味深いニュースを報じた。
トランプが自分の資金1億ドルを使って、地方債と社債を購入したと。
しかも、高利回りの債券を買ってる。
もし彼がFRB議長を交代させるか、利下げを実現させたら、
この債券の価値は倍増する。
1億ドルが2億ドルになる可能性がある。
つまり、トランプは自分の資産を使って、アメリカの外交政策を操作してる。
彼にとっては、個人の財産が第一、国家戦略は第二。
そして、トランプの場合、それらは一致する。
アメリカは今、世界に対して金融戦争を仕掛けてる。
「ドルの価値を下げるぞ」と。
それはつまり、
外国の準備通貨としてドルを持ってる国々にとって、
利下げによってドルの価値がどんどん下がるということ。
民間銀行も、中央銀行も、企業も、
ドル建て資産を持ってる限り、損失を計上することになる。
この金融操作は、他国の財政的な耐性を弱体化させるためのもの。
でも、この次元は議論されてへん。
なぜなら、アメリカの大学では国際収支分析が教えられてへんし、メディアでも語られへんから。
リチャード・ウルフ
ちょっと補足やけど、
ロシアがインドとの石油取引でルピーを蓄積してるなら、
ロシア中央銀行はこう考えるやろ。
“このルピーを使って、インドでロシアが自国で生産するはずの製品を作らせよう”と。
あるいは、西欧やアメリカから輸入せなあかん製品を、インドから調達する。
つまり、BRICS諸国が互いに助け合える構図が生まれる。
通貨の流れを開くことで。
ルピーはロシアに渡り、
そこからインドに戻って輸出に使われるかもしれん。
あるいは、中国がルピーを受け取って、
ロシアへの輸出の支払いに使うかもしれん。
なぜなら、中国はそのルピーでインドから何かを買えるとわかってるから。
こうして、ドルを含むすべての通貨が“出発点以上の力”を持つようになった構図が再現される。
これが、BRICSがアメリカ帝国に取って代わる物語の一部や。
そしてこの動きは止まらへん。
アゼルバイジャンでも、ベネズエラでも、シリアでも、
アメリカが何をしようが、この流れの力には敵わへん。
見出しにはなるかもしれん。
でも、ウクライナ戦争が始まった時と同じように、
その背景にあるプロセスは止まってへん。
戦争は始まり、展開し、終わりつつある。
でも、我々が語ってきた他のプロセスは、今も進行中や。
エンディング
マイケル・ハドソン:「素晴らしいよ、リチャード。
これで我々は“モディの傀儡”って呼ばれるかもな。」
リチャード・ウルフ:「そうやな。
でもアメリカでは、報道レベルが低すぎて、誰もモディが誰か知らん。」
マイケル・ハドソン:「それが我々の強みや。」
ニマ・アルコルシド:「そうそう。
我々は“親インド派”って呼ばれるかも。
今日はありがとう、リチャードとマイケル。
いつも通り、素晴らしい時間やった。」
マイケル・ハドソン:「いい議論やった。」
ニマ・アルコルシド:「ありがとう。」


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