グレン・ディーセンとマイケル・ハドソン:アメリカの生き残り戦略
https://michael-hudson.com/2026/07/americas-war-on-an-independent-world/
Michael Hudson: The U.S. Plan to Revive Geoeconomic Dominance
July 23, 2026
グレン・ディーセン
おかえりやす。今日はマイケル・ハドソン教授に来てもろてます。皆さんには彼の仕事、絶対フォローしといた方がええで。リンクは概要欄に貼っといたわ。せや、少なくとも僕はこれ読んで最新情報掴んどるんや。マイケル、また来てくれてほんまおおきに。会えて嬉しいわ。
マイケル・ハドソン
こっちもこの騒動の中で来れて良かったわ。株式市場は上がっとるし、みんな世界のインフレとか為替相場に大した混乱は起きへんって自信満々やねん。ほんまびっくりするで。今起きとる戦争の話しとるのに、市場はまるでそんなん大した問題やないみたいに動いとるんやから。
グレン・ディーセン
連中が現実見えてへんのか、それとも市場操作なんか、どう説明したらええんか分からんわ。まあ、それも今日話す内容の一つやけどな。せやかて、今起きとることはほんま尋常やないで。何十年も続いたグローバリゼーション―つまり市場統合と、持続不可能な巨大債務の積み上げ―の後で、このアメリカ中心のグローバリゼーション形式、つまりアメリカを中心に据えて世界を統合するこのモデルが、どうやら自らを使い果たしてしもたみたいやねん。米金融市場、ドル、アメリカが支配する輸送回廊を中心にしたこのモデルが、今や経済戦争や実際の戦争によって解体されつつあるんや。スコット・ベサントのインタビュー、見たやろ。イラン、ベネズエラ、ロシアへの戦争は全部ドルを強化する経済的機能があるって彼が指摘しとったやつ。せやから面白いなと思ってん。ほんまに誰かハンドル握っとるんか、それともアメリカにプランがあるんか、っちゅう疑問が湧くやろ。
マイケル・ハドソン
まあ、長いこと計画はあったんやで。トランプを軽く見て、「トランプはイランとの戦いに負けとる」って片付けるのは簡単や。あの覚書は実質、イランへの降伏やったからな。トランプがどんどん深みにハマっとるように見えるから、「うまくいってへんのやから計画なんてあらへんはずや」って思われがちやけど。せやけど計画はあるんやで。トランプだけやのうて、特に彼の同僚である財務長官ベサントがこれをかなりオープンに語っとるんや。トランプ自身も、もう2018年の第一次政権の時から、この計画の概要を語っとってん。彼が言うには、アメリカ中心の世界秩序―ドル化、米金融市場―を強要するための海外軍事支出、これが1950年以来アメリカの国際収支を最も圧迫する要因やったんやと。海外軍事支出のせいで、1971年にアメリカは金本位制から離脱させられたわけや。ほな、1971年からつい最近まで、金の代わりに何があったんか。アメリカは海外市場にカネをばら撒いて、海外市場はそれをアメリカに還流させとったんやな。最初は、ドルを受け取った現地の会社や経済や政府が、そのドルを中央銀行に渡しとった。ほな中央銀行は何したんか。前にも話したけど、僕の『Superimperialism』にも書いたように、外国の中央銀行は米国債―財務省の借用証書、国債、短期証券―を買うとったんや。ほんでここ数年は、政府間の中央銀行還流の代わりに、外国の民間投資家が米国株と米国債を買うようになったんや。全部そのカネが米株式市場に還流して、それが債務で押し上げられとったわけやな。せやけど、こうやってアメリカの覇権を何とか維持する手段が、今や全部疑わしくなってしもたんや。トランプが言うたんは、「まず海外でやっとる軍事支出を全部止めたい」っちゅうことやった。第一次政権の時から、NATOから軍を撤退させる話をしとったし、OPECを名指しして「中東・西アジアを守るために大金使っとるんやから、そろそろ向こうにも払わせなあかん」って言うとったんや。まあ、それが1974~75年の石油ドル協定そのものやったわけで、OPECは自分らの好きな値段で石油を売って、その稼ぎを米金融市場、株式や債券に再投資するっちゅう話やったんや。それはうまいこと機能しとった。せやけど、その間にアメリカは工業力を失い、債権国から債務国に転落してしもたんや。新しい戦略が要ったわけやな。それで去年、2025年の終わりに、アメリカはその戦略をはっきりさせたんや。「もう産業でも金融市場でも世界経済の支配を維持できへん。アメリカを地代収益国家にするために、一連の独占を確立せなあかん」っちゅうことになったんや。アメリカが支配したい三つの部門、一つ目は昔からの石油部門やな。前にも話したけど、アメリカは石油貿易を支配して、同盟国が米の独占を妨げるような他の石油生産国と取引できんようにしたいんや。せやから、皆さんの番組でずっと注目されとるのはイランへの攻撃、特に中国へのイラン産石油輸出の孤立化やけど、実は同じように、ウクライナを通じてロシアの石油・ガス精製所を米が爆撃させとるんや。アメリカはウクライナに、ホルムズ海峡封鎖―世界の石油貿易の20%―と、さらにイエメンがサウジアラビアの西海岸輸出施設を削ったことで加わる5%、これによって迫る石油価格急騰の恩恵を受けるのがロシアにならんように、正確にどこを爆撃すればええか誘導とミサイルを提供しとるんや。せやから世界は石油価格の急騰に直面しとるわけやな。ほんで、アメリカ自身はこの恩恵を受けたいんや、特に天然ガス、液化天然ガスの輸出を通じてな。西アジアでの戦争の結果として起こるこの石油価格上昇の恩恵をロシアやのうて自分が受けるようにしたいし、同時に中国をそこから孤立させたいわけや。トランプは今年の初め、繰り返し「アラブOPEC諸国にアメリカの軍事費用を払わせたい」って言うとった。ほんで急に、トランプはイランがホルムズ海峡の通行に通行料を課そうとしとる―イランの見積もりでは年間400億ドルの収入になる―ことに触発されてん。トランプはついにOPEC諸国に軍事費用を請求する方法を見つけたわけや。彼はそれを「防衛」とか「守護天使」って呼んどる、イランや他の攻撃者からこれらの国を守っとるっちゅう名目でな。ほんで数日前に言うとったで、「ホルムズ海峡に通行料をかける。国際法で国際水域に通行料は禁止やって?知らんがな。通行料はかける。それを取るのはイランやのうてワシらや」ってな。ほな即座にルビオ国務長官が「ちょっと待て、アメリカが通行料を取るって言うたら、それは国連海洋法条約(UNCLOS)はもう死んどるっちゅうイランの主張を正当化してしまうやんか」って言うたんや。国連の規則では、国際水域に通行料をかけられへん、ただし加盟国が既得権として認められとる場合を除く―トルコの黒海アクセス、エジプトのスエズ運河、パナマ運河みたいにな。それが既得権として認められてへん限り、国際水域には通行料をかけられへんのや。ルビオは「そんなこと言うたらあかん。まだイランに通行料を取らせへんために使える国際法上のカードを、そう易々と手放したくないんや」って言うたんや。せやからトランプは方向転換して、翌日、数日前に記者会見して「よし、OPECのアラブ諸国と新しい合意ができた。連中は通行料やのうて、ワシらが守っとる分の代金として、アメリカへの投資という形で払う」って言うたわけや。ちょうど1975年以降サウジアラビアやOPEC諸国が石油輸出収益をここに投資しとったんと同じようにな。もうこれは既に始まっとる。例えばアマゾンはバーレーンに人工知能用の巨大なコンピューター施設群、電力食う大規模データセンターに莫大な投資しとるんや。ほんでこれがアメリカが独占したい二つ目の要素や。石油貿易の支配と、そこから得られる石油輸出収益全部を自国経済に取り込むことに加えて、アメリカは情報技術とそれに付随するコンピューター化・インターネットの独占も欲しがっとるんや。せやからアメリカの国際収支を安定させとるのが、莫大な外国民間投資と、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、バーレーンからの政府投資が、米ゴールデンセブン株―情報技術、半導体、アマゾン、グーグル、インターネット系のX(旧ツイッター)やフェイスブックなんかに流れ込んどるんや。せやけど問題は、こういう株が今下がっとることや。アナリストらが気づいたんは、こういう情報技術センターを巨大に増やして期待通りの独占的利益を上げるためには、アメリカ国内ではできへんっちゅうことや。電力も水も足りへんからな、冷却用のな。せやからアメリカは製造業をオフショア化したのと同じように、今度は人工知能の独占もオフショア化しとるんや。どこにオフショアするんか?OPEC諸国、特にアラブOPEC諸国にや。せやからアマゾンとバーレーンっちゅう話になるんやな。ほんでこの二日間で、アメリカはアラブ首長国連邦と「ワシらと一緒に、お前らの土地に巨大な情報技術産業を築くパートナーになれ」っちゅう取引をしたんや。「エネルギーを輸出せんでもええ、そのエネルギーを現地でこの巨大なアメリカの情報技術投資に使え」ってな。せやのに数日前、イランはバーレーンにあるアマゾンの情報技術投資に爆撃の焦点を合わせたんや。イランの立場は明確や―「まず米軍基地を西アジア全域から追い出す」。イスラエルを除いて全部の米軍基地に対してそれをやってしもたし、米軍自体も「もう維持でけへん、イランのミサイルが自由自在に防衛網を突破するのを見せつけられたんやから」って撤退に完全同意しとるんや。ほんでイランはこの三日間で残っとった米軍基地の爆撃も終えてしもた。せやけどイランは言うんや、「アメリカを西アジアから追い出すには軍事基地だけやあかん。アメリカとこの地域の君主国との経済的・金融的な共生関係全部を終わらせなあかん」ってな。この共生関係のもとで、彼らは石油輸出収益を米国株や債券、米AI産業とのパートナーシップに投資しとって、「金の流れる方に心も向く」わけや。「この経済的共生を防がなあかん、アメリカ経済とこれらの経済との間に一切のリンクをなくして、初めてこの地域をアメリカから解放できる」っちゅうわけやな。せやから彼らの爆撃はこれを防ぐためのもんなんや。これがほんまにこの戦争の本質やねん。イラン側にとってはこれが実存的な戦争として描かれとる、なんでかって言うたら、アメリカがイランにメキシコにやったんと同じことをしたかったからや。ベネズエラでやったみたいに、素早い戦争をしたかったんや。大統領を拉致して、政権交代させて、その政権が石油をアメリカに引き渡すことに同意する。ベネズエラの石油輸出収益は全部米財務省が管理する米銀行口座に入れられとるんや。数か月前、財務長官ベサントは「イランを倒したら同じことをやる」って言うとった。6月17日の覚書が署名される直前、ヘグセスも出てきて「イランを征服して政権交代させ、イランの石油収益全部を財務省口座に入れて、それを米国からの輸出品・製品購入にしか使わせへんようにする」って言うとったんや。ほんで交渉担当者らがこの覚書をまとめたんやけど、数日前にイランはこの合意から離脱してしもたみたいやな。なんでかって言うと、アメリカが最初からこの合意条件を実際に守る気なんか全然なかったっちゅうのがはっきりしてきたからや。まず一つには、この合意全体が動き出す前提として、アメリカが同盟国―特にUAEやアラブOPEC諸国―に没収させとるイランの資産1000億ドルのうち、少なくとも120億ドルの象徴的な支払いをする、っちゅう話やったんや。せやけどヘグセスは「一銭も渡すな」ってUAEに働きかけたって言うとる。せやからUAEやバーレーンなんかは「この120億ドル、いや1000億ドルなんて一切返さへん」って言うとるんや。イランに対しては「お前が攻撃してきた、こっちが攻撃したらお前は反撃した、その反撃自体がワシらへの攻撃や。ワシら・イスラエル・自軍の攻撃からお前が自分を守った、そのコストの賠償をよこせ」っちゅう話になっとるんや。ヘグセスは7月11日、合意が署名される17日の直前、この交渉担当者らが草案を作っとった時に、もうこの内容全部を明言しとったんや。せやから、これが実行される気なんて元々あらへんかったんは明白やな。ホルムズ海峡の貿易管理をイランに委ねるっちゅう点についても、アメリカは通行料や登録手数料、船舶の調整料―海峡の管理としてやるべきどんなことでも―イランに一切課させる気なんてあらへんかったんや。米海軍がやって来て船を護衛して、トランスポンダーを切らせてオマーン沿岸近くを航行させて、イランの支配を破ろうとしたんや。「覚書ではイランが全船舶の航行を管理するって書いてあるけど、それはイランの領海には適用されへん」ってな。せやからホルムズ海峡には二つのルートができるっちゅうことになるんや。イラン沿岸ルート―これは国際水域やないし、イランの領海でもない―と、その間の国際水域や。せやけどこっちには通行料はかけられへん、国連海洋法条約(UNCLOS)が、既得権として認められてへん国には通行料の徴収を禁止しとるからやな。イランは「そんな条約サインしてへんわ」って言うとる。「イランはサインしたかもしれんけど、うちらはサインしてへん。それにうちらはお前らと戦争状態にあるんや。この海洋法で通行料あかんって話も、戦争状態にある国が自衛することまでは禁じてへんはずや。オマーンはうちらと戦争状態にある、なんでかってオマーンはうちらの領土にミサイルや爆弾を送り込む米軍基地をホストしとるからや。せやから当然、海峡の支配権はうちらにある」ってな。せやから、これがまさにトランプがやろうとしとることの本質やねん。イランは60日間の停戦期間が終わったら通行料を課すつもりやったんや。せやけどトランプは「お前が通行料を課すんやない、ワシらが課す、全部の費用を回収するためにな。ほんでこの石油を輸出するアラブ諸国の輸出収益の20%を全部ワシらに払え」って言うとるわけや。まあ、これがすぐさま法的な争いになっとることやな。海洋法もへったくれもあらへん、覚書もへったくれもあらへん。せやから、これがトランプの目的やと分かったら、彼がイランを攻撃しとるのは、単に「イランの軍事力を破壊できる、防衛網を破壊できる、ミサイルを破壊できる、民間人・病院・学校を攻撃して国民の士気をくじいて、米が支持する政権を望むようにさせられる」って妄想に取り憑かれとるだけやとは言えへんのやで。それは全部幻想やけど、アメリカにとってこのイランとの戦いは、世界経済を支配するアメリカの計画にとって非常に―実存的なもんなんや。イランが自国の主権と存立を、バローチスタンやクルド人らからの侵攻を煽ろうとするアメリカの試みから守るために戦っとるのと同じくらいにな。せやから、これがほんまにこの戦いの本質であって、なんでこれがずっと続いていくんかの理由なんや。ほんで、この戦いがずっと続いていく過程で、石油貿易を止め、世界の生産危機・金融危機―前の番組でも話した―に繋がっていくんやろな。
グレン・ディーセン
まあ、僕がワシントンでトランプにアメリカの地経学的覇権を回復させるアドバイスをするとしたら、大体今やっとることをアドバイスするやろな。つまり、アメリカが技術的優位を取り戻す、国際輸送回廊―海上回廊とかな―を支配する、三つ目、通貨での金融覇権を回復する。ライバル国を弱体化させたまま、ライバル同士を分断させたまま統合を防ぐ、それと属国を依存させ続ける。アメリカの覇権を保つ新しい方式を見つけたいんやったら、それは今のところええ道筋に見えるんや。あんたの言う通り、彼らはこのロジックを裏付けるコメントをほんまによう言うんやで。つまり、全部の国際水路がアメリカの支配下になあかん、海賊行為をしてでも、っちゅう考え方な。ベネズエラでの「成功」の測り方の一部は、今後石油をドルで売らなあかん、その収益をアメリカに投資せなあかん、っちゅうことやった。トランプ自身、ベネズエラからどんだけカネを引き出せたか自慢しとったやんか。ロシアも同じや、ウクライナを代理にしてロシアの石油精製所をどんだけ焼き払っとるかっちゅうコメントもよう見るし。ベサントは戦後、ロシアはたぶんまたドルで石油やガスを売らなしゃあなくなるやろって言うとった。ほんでイランも、リンゼー・グラムが指摘した通り、イランは石油資源国やから、これが終わったらアメリカの支配下に落ちるやろっちゅう話やな。こういうアメリカの指導者らは、みんな同じスローガンを唱えとる、「短期的な痛みは長期的な利益のためや、支配下に置くんや」ってな。アメリカ支配だけやのうて、石油も―彼らが公然と言うとった取引の一部は、イランが石油から得るカネはドルで売らなあかん、それをアメリカの農産品を売る独占権のために使わせる、っちゅうことやった。せやから、またドルで売って、それを米製品購入に使わせるわけや。同時にアメリカがイランを罰しとる間、ユーラシア大陸をつなぐ橋やなんかも焼き払っとる、それは一帯一路構想の一部で、イランをロシア・中国なんかとつなぐもんなんや。中東やヨーロッパのアメリカの同盟国・属国は、今アメリカへの依存をさらに強めるよう求められとって、アメリカはこれも収益化するつもりや。つまり彼らは「保護」に対価を払わなあかんようになるわけやな。イランへの戦争も同じで、例えば中国は重要な石油供給元から切り離されなあかん、技術発展も規模縮小させられて、アメリカの技術的優位を回復させなあかん、っちゅうことやろ。せやから、彼らが何を狙っとるかは見えてくるんや。道徳を全部窓から放り投げたら、世界覇権が最終目標なんやから、全部筋が通っとるんやな。彼らがそれを堂々と言うとるっちゅうのも、なかなか興味深いことやで。せやけど僕が聞きたいのは、アメリカがこれらの目標を達成できる可能性はどんくらいあって、何が失敗するかもしれへんのかっちゅうことや。なんでかっちゅうと、アメリカは中国の技術優位を崩そうとしたけど、それが実現可能やないって証明されてしもたやろ。ロシアも最後まで行く覚悟があるっちゅうのも分かっとる。イランも、要は敗北してへんのや。諦めてへん。彼らはアメリカがやっとることを見とるんや。イランは、あんたの言う通り、中東の米データセンターを破壊する覚悟があるし、クウェートの淡水化プラントを叩いたと思うけど、つまり、この国を存在しなくさせることさえできるっちゅうことやんか。彼らはこのエスカレーションの階段を上がる覚悟があるんや、なんでかって、彼らにとってはオール・オア・ナッシングやからな。せやから僕の疑問は、アメリカはこういう紛争―経済的にせよ実際の戦争にせよ、中国・ロシア・イランへの―の経済的帰結をどこまで支配できるんかっちゅうことなんや。なんでかっちゅうと、色々おかしなことになりうるし、同時にアメリカ経済自体もそんなにうまいこといってへんやろ。そら、株式市場は上がっとるし、それだけが経済の健全さの指標やったら、まあアメリカは復活したっちゅうことになるやろけどな。せやけど、ここでは色んなことが狂う可能性があるやろ。
マイケル・ハドソン
まあ、輸送について触れたのはよかったで。あんたの質問に答えるとしたら、アメリカが世界石油貿易を支配して自分のための収入を得るためにも、人工知能コンピューター技術貿易のためにも、アメリカは海運と国際輸送も支配せなあかんのや。なんでかって、船か、パイプラインみたいな陸路以外で、どうやって石油を輸出できるっちゅうねん。せやから、トランプが最初に喧嘩を売った相手はヨーロッパ、それにアメリカの主な―敵とは言わへんけど―主なライバル、つまりヨーロッパ、日本、その他の同盟国やってん。本当の敵―ロシア、中国、イラン、それにグローバル・マジョリティ―と戦う前に、まずヨーロッパへの支配を強めて、ヨーロッパをアメリカの液化天然ガスと輸送に依存させときたいわけや。せやから二つのことが必要やった。一つ目は、前にも話した通り、北海パイプラインの爆破。二つ目は、今見とる通り、バルト海を通るロシア船舶への絶え間ない爆撃や。長いこと、ロシアはラトビアの東海岸からバルト海を通じて石油を輸出しとったんや。ロシアは今もバルト海経由で石油を輸出しとるけど、エストニアとラトビアはNATOに基本的にロシアの石油輸出をバルト海で止めさせとるんや。まあこれは国連海洋法条約に完全に違反しとる。これは自由貿易やない。アメリカの立場は「1945年に自由貿易を支持したんは、ワシらがその受益者やったからや。19世紀にイギリスが自由貿易を推進したんは自由貿易帝国主義って呼ばれた。1945年以降のアメリカがやったんもそれと同じや。せやけど、もう自由貿易は支持せへん、なんでかって他国同士が自由に取引して、アメリカから独立していられるんやったら―外国の石油をライバルとして支配できへんのやったら―その石油を破壊したる。ロシアの石油精製能力を破壊したる。ロシアが石油を他国に輸送する能力を破壊したる。パイプラインも破壊したる。イランも同じや、イランの港も海運も破壊して、中国にもインドにもどこにも輸出でけへんようにしたる」っちゅうわけや。せやから石油の支配と輸送の支配はセットなんや。せやから、トランプが最初にヨーロッパと揉めたんはグリーンランドを巡ってやったやろ。「グリーンランドを支配せなあかん、そしたらグリーンランドからアイスランド、イギリスへのリンクができて、北大西洋から北極海へのアクセスをブロックできる」っちゅうわけや。そのアクセスをブロックできたら、ヨーロッパと西アジアは、南アフリカ経由やアメリカ支配下のパナマ運河経由で紛争を避けて回り道せなあかんくなる。北極海貿易へのアクセスがなくなって、そこからの貿易を全部ブロックできてしまうんや。まあ、僕がちょっと驚いとるのは、ロシアが中国と「シベリアの力」パイプラインを整備しようとしとることや。「アメリカが海洋法に違反して、全部の自由貿易ルールに違反して、うちらの石油輸送を妨害しとる、せやからパイプラインを通す以外に迂回する方法があらへん」っちゅうわけやな。それがまさに中国が一帯一路構想を通じてやろうとしとることや、要はユーラシア全体―アジア大陸全体―を統合して、マッキンダー的な「周辺支配」戦略を必要とせんようにするためやな。せやけど中国とロシアは石油の価格を巡って揉めとる。ロシアは正しくも「石油価格は上がるやろ、なんでかってアメリカがイランとアラブ諸国をけしかけて互いの石油生産を破壊させとる一方で、NATOはロシアと戦ってその石油輸出能力を破壊しようとしとるからや。OPECの石油がなかったら、巨大な石油不足になるやろ」って言うとる。ほんでアメリカは、これをエネルギーを必要とする国々にガスを輸送することで基本的に供給することになるやろな。これがトランプが風力・太陽光みたいな石油の代替エネルギー―中国が優位を占めとる分野やけど―に反対してきた理由なんや。せやから、これが輸送とのリンクやな。ほんで、あんたの質問―これがどうやって成功しうるんか―に答えると、まずアメリカがヨーロッパと戦って同盟国、ヨーロッパと日本をアメリカに従属させることから始めなあかん。歴史への唯物論的アプローチっちゅうのは、国々は自分の経済的利益に沿って行動するはずやっちゅう前提やろ。せやけど、ヨーロッパは自分の経済的利益に沿って行動してへんのや。それは安価なエネルギーを確保して産業を動かし、ドイツやその他のNATO諸国で起きとる脱工業化を避けることのはずやろ。せやけど石油価格上昇には対応でけへんし、化学産業も石油派生品―硫黄から作る硫酸を鉱業用に、天然ガスから作る肥料―の供給が途絶えたら採算取れへんようになるんや。それにヘリウムもあるで。イランが最初に叩いた施設の一つがカタールのヘリウム生産施設で、それ自体が世界のヘリウム貿易の20%やってんけど、完全に破壊されてしもた。元々建設に50億ドルくらいかかって、完成までに何年もかかったはずや。これが今後何年も使えへんくなるから、ヘリウム不足を引き起こすんやな。中国とアメリカがヘリウムの主要生産国やけど、中国はヘリウム輸出を止めてしもて、アメリカは今このヘリウム独占を国際支配の梃子として使っとるんや。せやから、アメリカにはまだまだたくさんの梃子と支配手段が残っとる。ほんで四つ目、ワシらがまだ話してへんかった独占分野は、米ドル化―金融システムの独占―やな。これは前の番組でずっと話してきたことやろ。アメリカはSWIFT銀行決済システムからライバル国を排除しようとしたけど、中国はその代替を作ってしもたんや。アメリカが他国に金融制裁を課してきたことは全部「うちらがお前らの決済を止められるんやで」って言うようなもんやけど、決済処理でけへんかったら、どうやって石油貿易ができるっちゅうんや。どうやって工業製品の貿易ができるっちゅうんや。輸送するだけやのうて、支払い決済も必要なんや。うちらはそのシステムも支配しとる、っちゅうわけやな。アメリカの戦略全体は、もはやアメリカと世界とのウィンウィン戦略やないんや。世界経済を支配するのにどんなチョークポイントを使えるか―他国が工場を動かすため、家に灯りをつけるため、化学・肥料産業や情報技術、穀物のために石油やエネルギーを手に入れられるかどうか―っちゅう話になっとるんや。せやから、あんたの質問への答えは、アメリカの戦略が成功するのは、世界全体にチョークポイントを課せる限りにおいてやってことやな。つまり、代替手段を持たへん国々に制裁を課す、あるいは代替決済システム―中国が開発しとるような―や、ロシア・イランみたいな自前の石油生産、北極海航路みたいな輸送、ロシアがNATOのロシア船舶へのバルト海攻撃やインド洋での攻撃に対抗する能力、こういうもんに対抗できる限りにおいてってことや。アメリカがこの支配とネオ植民地主義的帝国主義を維持できるかどうかは、世界にウィン・ルーズの状況を強いる能力にかかっとるんや、つまり「石油が欲しかったらうちらの独占価格を払え、その利益は全部アメリカに投資するか米製品購入に使え。輸送したかったらうちらの許可を得た港やルートを使え、従属せえへんかったら閉鎖したる。情報技術も制裁かけたる」っちゅうことやな。ちょうど昨日、アメリカは最先端の半導体チップの輸出制限をUAE向けに解除したんや。これはUAEがアメリカと一緒に投資できるようにするためやで。何百億ドルもかけて、バーレーンのアマゾン・クラウド投資センターみたいな新しいチップ移転センターを作るための取引や。UAEをアメリカの側に引き込めたっちゅう考えは全部そこにあるんや。ほんでアメリカはこの許可を、UAEがイラン爆撃を手伝うのと引き換えに与えたんやな。まあ、このアメリカの政策の成功は、中東のこの腐りきった半封建的君主制がどれだけ持つかにかかっとるんや。UAEはどれだけ持ちこたえられるんか。ヨルダンは?バーレーンは?サウジアラビア自体も、人口の大半がパレスチナ人かインド人で、非常に不平等な社会で、そこを君主が経済を実質支配して、アメリカと運命を共にしてきたわけや。どの戦争でも、その反動として大きな政治的激変が起きてきたんや。第一次大戦は多くのヨーロッパ君主制の終焉、何らかの立憲君主制や疑似民主主義への移行を招いた。オスマン帝国は解体されてイギリスとフランスの植民地にされて、基本的に地図が引き直されたんや、オスマン帝国が切り分けられてな。せやから問題は、今度のこの戦争が終わったあと、西アジア全域で似たような政治革命が起きるんかどうかっちゅうことやな。経済的余剰をアメリカに還流させるだけの経済から脱却して、ドイツやイギリスみたいにアメリカの衛星国になる立場に陥らへんように、もちろん日本みたいにアメリカが再軍備させて自分に仕えさせようとする立場にもならんようにできるんか。彼らは日本やイギリス、ドイツと同じ道を辿るんか、それとも何か社会革命が起きるんか、第二次大戦後にアメリカが恐れとったみたいにな。第一次大戦後に起きたサイクス的な国境の引き直し、イギリス・フランスが据えた現地君主制の分割、あれがまた繰り返されるんか。彼らはついに近代的で進歩的な時代に組み込まれるんか。それが問題の一部になるやろ―アメリカの計画が進歩を止められるかどうかっちゅうことやな。アメリカは、世界の他の国々が自分の経済的自己利益に沿って行動して自国の発展を促進すること、アメリカの経済を支えるために従属することの代わりに、っちゅう流れを止められるんか。アメリカはその収入を自国の発展には使わへんで、ただ独占・支配・他国への軍事的脅威を強めるだけやろうけどな。それがほんまの問題やねん。
グレン・ディーセン
せやな、ええ指摘やで。つまり、アメリカが覇権を回復できるかどうかは、ライバル国が反撃する能力だけやのうて、実際反撃しとるわけやけど、その同盟国が中東で見られるようなこの非常に破壊的な属国化を受け入れるかどうかにもかかっとるんや。連中は今、アメリカとのパートナーシップに高い代償を払っとるやんか。しかも、アメリカとの関係のあり方も昔とはかなり違うんや。なんでかって、第二次大戦後の米自由貿易帝国―ヨーロッパは完全にアメリカに従属しとったんやけど、少なくともある程度は互恵的やったんや。アメリカは「善良な覇権国」やとみなされとった。つまり最前線の国を繁栄させてたんや。西ドイツは東ドイツより豊か、韓国は北朝鮮より豊か、台湾の中国人は本土の中国人より豊かにしとった。せやから最前線国家は繁栄しとったんや。せやけど今、アメリカがこの覇権のやり方を維持する余裕がなくなって、ライバルを共食いし始めて、過剰な属国化を要求しとるんや。あんたの言う通り、核心は「どうやって国々に自分の利益に沿った行動をさせへんようにするか」やと思うで。これが重要なんは、ヨーロッパの事例を見たら、今、彼らは自分の利益に沿って行動してへんからや。経済は弱くなっとる、政治的にも弱くなっとる。正統性の危機に直面しとる、なんでかって再分断されたヨーロッパにとってはもう自分の利益にならへんし、ロシアとの紛争・戦争を生み出して、それがアメリカへの依存を強めて、経済的に弱くさせるだけやからな。ヨーロッパ全体の指導者層を見たら、まるで「どれだけ不人気になれるか」の競争みたいやで。この正統性の危機の中で、必然的に新しい政治的な選択肢が出てくるやろな。ええ例がドイツのAfDで、無からのし上がって最も人気のある政党になっとるやんか。彼らは何言うてるかっちゅうと、「自分らの利益に沿って行動すべきや」っちゅうことやな。それはつまりエネルギー供給を多様化して、ロシアと和平せなあかん、っちゅうことや。他の利益は技術の多様化、中国とも協力する、輸送回廊の多様化、金融の多様化な。要はアメリカだけに縛られるな、っちゅうことやで。せやから、アメリカがこの立場を維持し続けるのは難しいと思うで、なんでかって属国が自分の利益に沿って行動でけへん限り、この体制全体がすごく不安定になるからな。ほんで、どっかで何かが破綻するはずやで。まあ、マイケル、お時間ほんまにおおきに。
マイケル・ハドソン
まだちょっと時間あるで。あんたロシアとの戦争のこと言うてたな。それがほんまの核心やねん―ロシア、実質プーチンやけど、どんだけ長いこと軍部が、自国領土への精製所を狙ったミサイル・ドローン攻撃、今や民間標的、モスクワやサンクトペテルブルクへの攻撃、NATOがフィンランドやその他バルト諸国にもっと兵器を配備しようとしとることへの対応を抑え続けるんか。ロシアはいつまで、プーチンが脅していたこと―ミサイル製造工場、ドイツやフランスやイギリスにあるミサイル供給元の工場を爆撃するっちゅう反撃―をせんと我慢するんか。どっかの時点で、ロシアは今、自分がウクライナと戦っとるんやなくて気づき始めとるんや。ウクライナはこの戦いの舞台に過ぎへんのや。戦っとる相手はNATOなんや。ウクライナはもうどうでもええんや。ロシア軍はウクライナ内を西へ進んどる。オデッサ制圧に向かっとる。ウクライナがオデッサにアクセスして穀物・ひまわり油・その他の物資を輸出することをブロックしとるんや。せやけどこれでNATO諸国がウクライナからロシアへミサイルを送り込むことは止まらへん。もう本当の敵はウクライナやないんや。ドイツ、フランス、イギリス―米の衛星国としてロシアを攻撃する側に回っとる連中や。それに、ヴィースバーデンやその他の都市におるアメリカの計画―ロシアを攻撃するミサイルの誘導をしとるんや。まあ、彼らがそれをやっとるっちゅうのが、ロシアが「よっしゃ、うちらもイランに、必要なら衛星誘導をお前らと戦うために提供したる」っちゅう報復に出とる理由の一つやと思うで。これがまさに今起きとるエスカレーションやな。ほんで、このエスカレーションが両陣営にとってほんまに実存的なもんやったら、これはさらに破壊的なもんになっていくやろ。ほんで巻き添え被害は世界経済、アジア経済、アフリカ、そしてグローバルサウス―肥料を手に入れられへんくなって、作物が減って、自国民を養う能力が落ちて、実質飢饉に晒される国々やろな。今年、2026年は、こういう議論してきたダイナミクスが全部一つに集まる、世界史的な決着の年になるんやろな。
グレン・ディーセン
せやな、僕もそう言おうとしとったんや。興味深い時代やで。まあ、これらの戦争が今すぐ終わったとしても、この秋に食糧危機が起きへんとは考えにくいわ。まあ、そう言おうとしとったんやけど、あんたと話すといつも少し賢くなった気がするから、ほんま時間割いてくれておおきに。
マイケル・ハドソン
まあ、呼んでくれておおきに。


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