2015年5月15日金曜日

経済制裁

4月28日付でJOGMECがとてもわかりやすいペーパーを公開しています。
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/5/5942/1504_out_j_iran-russia_sanctions.pdf
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/5/5911/1504_b04_motomura_ru_ir.pdf

経済制裁とは何かという考え方にはおもに2種類あって、
ひとつはこのJOGMECのペーパーみたいに、対象国の政策を変えさせようとするもの。例として南アフリカのアパルトヘイト政策を変えさせるための経済制裁。これは効きました。
もうひとつは、戦争じゃないけれど相手国に「これは戦争のひとつ手前なんだよね」というメッセージを伝えるための経済制裁。アヘン戦争とかアロー号事件の(西欧世界が)野蛮だった時代なら、筋の通らんインネンつけて近代兵器で相手をフルボッコして領土をぶんどったんだけど、いまはそれよりほんのすこしだけ(ベトナム、アフガン、グレナダ、セルビア、パナマ、イラク、ウクライナ、イエメンをみたらどないちゃうねんと言いたくなるけれど)UN戦勝国組合とか作ったので、普通の状態と戦争状態のあいだに位置するのが経済制裁、ということらしい。

いずれにせよ上記JOGMECのペーパーにも書いてあるけれど、対イランの場合も対ロシアの場合も経済制裁は相手国の政策を変える効果はまったくなくて、ほとんどはアメリカとEUが市場とビジネスチャンスを失うきっかけになっている。その上に、相手国の国民すべての世代とすべての階層にアンチ西欧感を根付かせ、西欧の醜い魂胆をとてもわかりやすく世界に広布し、マスメディアのお馬鹿さ加減を広く知らしめることになっている。
 

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