2017年1月11日水曜日

岩波「世界」2月号

子供の貧困特集。読んでみたけどニッチな話が多くてよくわからなかった。けど、現場に近い人たちの真剣さと状況の深刻さが伝わってきました。
さて国際政治。
内藤正典「トルコーEU関係の悪化は何をもたらすか?」
概括的であるようで、じつはよくわからなかった。内藤先生はトルコに2年間滞在してアンカラ大学で教えていたみたいだけど、じつはシリアがご専門で、アサド政権に嫌われるようなことを書いたもんで仕方なくトルコにいったみたいです。ま、アサドさんはなんてったって独裁だからな。てなわけでトルコ語の人でもないみたいだし、トルコに特段思い入れはないみたいなんだけど、そのぶんトルコのひどさ(特にクルードに対する)みたいなものがいまひとつ入ってなくって、どっちかいうと西欧から見たトルコ観みたいな話でした。我が輩がいちばん知りたいのは、ロシアがどんなふうにトルコを取り込んだかということ、つまりロシアはどういうふうにエルドアンのきんたまをにぎったか、あるいはエルドアンはきんたまを握らせたふりをしてどこに実利を求めているか、ということなんだけど、そういうことはいっさい書いてなかった。図書館で読んだからただだけど、金出してこの程度の情報だったら怒るで。
宮前ゆかり「トランプ政権 ーアメリカの着脱と搾取の系譜」
宮前さんはアメリカ在住の翻訳家・ジャーナリストでラジオ番組プロデューサー。前半はすごくよかった。トランプさんの危なさとか客観的に書かれていて、トランプ万歳ってうかれてる場合じゃないことがよくわかりました。後半は、大統領選は不正がいっぱいあって、そもそも欠陥制度で、カウントしなおしたらヒラリーが勝ってたはずということばっかり。前にも書いたけど、アメリカにいたらわからなくなるんだよね。たとえばパキスタンで毎日ドローンが飛んできて、音速より速いミサイルで一般人が殺されまくってることが。音速より速いってことは、気づいたら死んでました、っていうことなんだ。殺されてからびゅーんって音がくるわけだから。オバマさんが最後の演説してたけど、アメリカの短い歴史上初めて、2期8年間でずっと1日たりとも休まず戦争をやっていた大統領だったんだ。ノーベル平和賞受賞者だけど、戦争とドローン殺人については皆勤賞だった。ヒラリーはその国務長官だった。ヒラリーが勝ってたらどうなっていたことやら。日経ビジネスで宋文洲さんが「トランプで戦争が減る」って言ってるけど、正論だと思う。

世界」は国際政治のところが悪い意味でリベラル(=ヒラリー、そしてたぶんソロス)に傾いていて、アメリカンリベラル的田舎者感満載。世界中どこにいっても英語が通じると信じている国民はイナカモンだ・・・てな按配で、『世界」はしばらく図書館で読むことをお勧めします。原発についてはしつこくしつこくやってるのが好感度大だけど。

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