2016年11月20日日曜日

象撃ち銃でアリを撃つ(のだろうか?)

http://nationalinterest.org/feature/the-american-militarys-real-problem-shooting-ants-elephant-18401

筆者は標記タイトルの文章で、戦争の経済性について、別の言いかたをすれば、これからの戦争は経済性を問題としなければならない、と説いています。

「アメリカ軍は最新技術と、最新装備と、研究開発能力を備えている。それでは、そんなハイエンド兵器を装備する資金力はどうなのか?国はどこまで金をだせるのか?」

軍備について我が輩は、あと出しじゃんけんゲームだと思います。そういう意味で我が国は経済的に有利な立場にある。仮想敵国の装備を見てからこちらの装備を考えればいいのだから。

しかし同時に、仮想敵国が中国であるなら話はじつに簡単。三峡ダムを壊すに足る装備で十分です。三峡ダムの脆弱性については、中国の研究者が「もっとも脆弱なところをピンポイントで突けば通常爆弾で十分」と言っているくらいです。つまり装備より情報。
念のために申し上げると、三峡ダムの下流にはたくさんのふつうの人々が住んでいるので、明日壊せというのではありません。意気がって挑発している相手がきんたまをぶらぶらさせているなら、それを握らない手はない、というだけの話です。閑話休題。著者は具体例を挙げます。

「 イエメンのテロリストがアメリカ海軍を攻撃するコストが50万ドル。防衛する立場のメーソン艦のコストは8百万ドル。テロリストの攻撃コストは防衛コストの10%以下。」
「ハイテクアメリカ軍のコストは高い。高速大量輸送機器、殺傷・非殺傷兵器、ユニフォームなど歩兵装備、常時通信機器、ロボティックプラットフォーム、イメージセンサーなどグローバル監視機材、 非石油系燃料などなど。維持補修費など加えれば青天井。」

「IS相手の軍事行動に毎時60万ドルを費やしている。」
「クルーズミサイルなど高価な装備は抑止力を増大させる。抑止力のためだけなら使わないことが前提となる。しかしISのような非国家組織が相手なら抑止力という考えは通用しない。」
「極端にいえば、使わないことを前提にした対潜水艦核ミサイルみたいなもので、使ったとたんに発射した潜水艦も破壊されてしまう。それにどこまで金をかけるべきなのか。」
「ハイコストハイテク戦艦を攻撃するテロリストはローコストローテクで効果を上げる。費用対効果では非対称・非効率。」

経済的に厳しい状況で著者は、新しい見方を提示します。

「歴史上初めて、テクノロジーのおかげで可能性が減った、しかし皮肉なことに機会は増大している。」
原文は For the first time, technology actually seems to favor those with lesser possibilities but perversely presents more opportunity.
これはどう解釈すればいいのかな?
テクノロジー(衛生監視装置や高解像度画像解析)のおかげで攻撃される可能性は減った、しかし皮肉なことに、テロリストがローテク・ローコスト兵器を使用して攻撃する機会が増大した。こういうことかな。

筆者はその前にこういいます。
「アメリカ軍は格安バーゲン(じゃないかと我々が誤認している)兵器でテロリストに対し必要以上の攻撃をおこなっている。」
「ソマリアの兵器市場でアメリカ製M-16は200ドル、中国製あるいはロシア製AK-47は400ドル、ロケット砲(RPG)が150ドル、 自爆ベルトが150ドル。」
「アメリカ本土を守るためのクルーズミサイルが一発100〜150万ドル、それよりちょっとだけローテクだけど同じくらいの効果がある兵器ならもっと安くで手に入る。」

さらに、人間にとってかわるロボット兵器を考えるとき、さらにローコストな兵器がテンプレになる。つまり戦争は純粋にコスト競争(コストが合う限りでの戦争)となるかもしれない、といいます。つまり、コスト的に合うなら戦ってもいいよねというテロリスト、そしてその相手はハイテク・ハイコスト装備のアメリカ軍。

「言い換えれば、相手が戦闘意欲をなくすくらい叩きまくる、という古典的なやり方ではなく、格安ドローンでの爆撃とか、そういう手段でコストが合う局面でのみテロリストは戦争を展開する、そして防衛するほうのハイテク・アメリカ軍のコストは青天井、ていうことになりはしないか。たとえばISがすでに実施しているようなクルード地域に対するドローン爆撃。それをワシントンDCでやられても不思議じゃない。(ワシントンDCをハイテク要塞化するのはなんぼかかるんじゃ?)という時代がきている。」
(かっこ内は我が輩の意訳ですじゃ。)

そして、例の文
「テクノロジー(衛生監視装置や高解像度画像解析)のおかげで攻撃される可能性は減った、しかし皮肉なことに、テロリストがローテク・ローコスト兵器を使用して攻撃する機会が増大した。」

この新しい時代の新しい戦争にどう対処するのか?これからディベートが必要、というのが筆者のとりあえずの結論でした。

我が輩思わく、だから装備って後出しじゃんけんなんだよね。だから、我が国の憲法で縛られた防衛省は一日の長がある。それだからこそ、南スーダンは、
「武器を使って殺傷、物を破壊する行為はあった」けれど、「戦闘行為の定義には当たらない」つまり「戦闘行為ではない。衝突であると認識している」 のだから、「駆けつけ警護」なんてレトリックを弄しているあべぴょんとか、メガネおばさんは前線に駆けつけてどのような後出しじゃんけんが経済的合理性があるのか、効率がいいのか検証してもらいたい、と願うのである。

製造業ではなにか問題があったら、トップが現場にかけつける。これが美しい我が国の強みなのである。 みなさま、じゃなくて「あなたたちエスタブリッシュメント」のNHKがやっている真田丸の時代、大将は先んじて戦闘に乗り込んだ。その美しい日本の伝統を、日本の最高司令官も踏襲してほしい。女性も例外ではない。「すててんげり」の巴御前は女性だった。

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