カイザーリポート 第1025回 アメリカのヘゲモニーへの新しい挑戦
「アメリカは過去30年間に14兆ドルをインフラ投資じゃなくて戦争につかってきた。」
ステイシー「馬もダボスに参加して、そこではポピュリズムの脅威が語られた。」
ステイシー「馬いわく、IBM、シスコ、マイクロソフトなどの利益は中国全体の銀行をあわせたよりも多い。その富はどこにいったのだろう?って、世界トップ8人の富豪が下位37億人と同じ富を独占しているなら、どうして率先して再配分しないんだよ?」
マックス「馬にはちょっと経済のことを勉強してもらう必要がありそうだな。ドルはペンタゴン(国防総省)の後ろ盾がある。そしてドルは世界の基軸通貨だ。人民元だってドルにペッグしている。貿易もコモディティーもぜんぶドルにペッグしている。日本が原油を買おうと思ったら、まず円をドルに替えてから原油を買わなければならない。だからこそアメリカは戦争に何兆ドルもつかって世界中で人を殺しまくってるんだ。いまや金銀の価格が天井知らずでドルは暴力装置の後ろ盾を失った通貨になりつつある。ワシントンDCの戦争屋たちもネオリベも富豪じゃないから。」
ステイシー「アメリカ国内政治のことだけど、オバマの失政があきらかになって、ダボスでもそれをどうしたらいいかというのがテーマだった。」
ステイシーが記事を引用して、
「キーになるのはふたつ。ひとつは銀行救済。もうひとつは独占支援。ティモシー・ガイトナー率いる財務政策は銀行を救済したけれど、そのかわりにアメリカの住宅所有者たちを見捨てた。もうひとつの独占支援ゆえにアメリカの地方郡部が見捨てられた。選挙はその明らかな結果に過ぎない。」
ステイシー「ティモシー・ガイトナーが議会の公聴会で語ったように、銀行(債権者)と住宅ローンを借りた人々(債務者)を同時に救済することはできない。だから銀行を救済することにした、って。」
マックス「そのとおり。オバマは債権者を救って債務者を見捨てた。過去2000年の歴史をふりかえって、債務者を救済した徳政令っていうのはあったけれど、債権者を救済したのは史上初めてだ。オバマとヒラリーの政治的遺産はトランプにことごとく否定されているけれど、社会正義を重んじるはずの民主党がやったのは女性の体にちんこを移植したようなもんだ。うまくいくはずがない。」
ステイシー「2009年の時点でアメリカ人の50%が債権者じゃなくて債務者を助けるべきだと言っていた。それなのにオバマは銀行救済を選んだ。」
マックス「銀行は返せないのがわかっていて、そういう人たちに金を貸した。詐欺だ。収入も仕事も資産もないような人たちにだ。ヒラリーとラリー・サマーズみたいな実行者たちはそれを知っていて、ニューヨークタイムズもそれに賛同した。2008年が終わりのはじまりだったんだ。」
ステイシー「それで58%の債務者が見捨てられた。結果はオバマの経済政策の満足度が40%を切った。明らかにそのせいで選挙に負けたのに、負けたらプーチンが悪い、(トランプは)人種差別主義者だ、インディアナとウィスコンシンとミシガンが悪い、なんていい加減なことを言っている。オバマに対する好感度は高いけど、好感度ガイでも経済政策は失敗するっていうことよね。」
マックス「俺はあちこちで言ってきたことなんだけれど、JPモルガンとゴールド萬作はテロリストなんだ。これは比喩でもなんでもなくて、アメリカはテロの脅威にさらされている。いくらなんでもテロリスト呼ばわりはないでしょう、っていうんだけど、そのフレーズを言ったとたんみんな耳が聞こえなくなる。」
ステイシー「オバマはビル・クリントンとトニー・ブレアーの後継者だよね。そもそも昔は民主党がどんなだったか遡ってみましょ。」
記事を引用していわく、
「70年代にビル・クリントンなどが1930年代からつづいた民主党の伝統を破壊してしまった。70年代まで民主党は大企業に対して懐疑的だった、独占禁止法(や、グラス・シーガル法)で、労働者と農民を大資本から守ってきた。」
ステイシー「でもビル・クリントン稲田氏にとって大資本の集中はひょっとしていいかもしれない的な存在になってしまった。」
マックス「トニー・ブレアーのいわゆる第3の道だっていうやつだな。それがテロリストに道を開いたんだ。そしていまや時代の転換期を迎えてるっていうわけだ。」
ステイシー「それがカルチャー方面に及んでカルチャー戦争になっているよね。共和党は伝統的にカルチャーに造詣が深くて、とくに中絶問題。いまやそれが民主党に換骨奪胎されて、トランスジェンダートイレなんて持ち出してきた。それで(民主党いわく)わが党は偉大な進歩を遂げた、って。LGBTとかね。」
記事にいわく、
「いまや文化も富豪の手におちてしまった。ヒラリーを応援したウォーレン・フバフェットが経営統合した航空会社の株を買ったのだが、機内持ち込み荷物の有料化だけでなく、どの地方空港に飛行機を飛ばすか、つまり飛ばさないことでその地方の生殺与奪も富豪が決めることとなった。インターネットのプロバイダーも独占化され、食肉業者も大きいものが総取りする搾取的商業になってしまった。健康保険、薬局、病院も経営統合が進んでいる。こてはオバマケアに大衆の声が反映されなかった結果だ。」
ステイシー「メディアがことごとく声を揃えていわく、オバマケアを否定するのは人種差別主義者だ、1200万人が健康保険なしでどうするのか?って言っているけれど、オバマケアのおかげで保健関連業界の統合独占が進んだって誰も言わないよね。たくさんの州で健康保険会社がたったの1社しかない。コポーラティズムっていうのか何か知らないけれど、はっきりいってこれは独占だよね。」
マックス「社会正義の闘士たちがより自由なライフスタイル、たとえばジェンダーとかいうのは、欧州を真似しているだけなんだ。欧州は経済的に寡頭支配が徹底していて自由がないから、せめて性文化の自由くらいしかないんだ。アメリカ人が欧州で驚くのは、裸で歩いてもいいし、公園で性行為してもいいことなど。でも欧州には経済的自由がない。いっぽうアメリカでは経済的に自由で、文化的に不自由だった。だから性的自由とかにあこがれるんだ。」
トレイシー「トランプがどうするのかまだわからないけれど、少なくとも人々は独占支援方針はダメだと思う。」
マックス「(アメリカは)いいとこどりなんだ。経済的に自由で、売春婦たちとオシッコもできるんだぜ。」
https://www.youtube.com/watch?v=loBss9F-2fo&t=788s
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