ヨーロッパが犯した大きく高価なエネルギーの過ち

https://www.zerohedge.com/energy/europes-big-and-expensive-energy-mistake

日曜日、7月10日、2022 - 09:10 午後

著者：Leonard Hyman & William Tilles via OilPrice.com,

ヨーロッパはエネルギー安全保障を優先させることに失敗し、現在、ロシアのエネルギーに過度に依存し、電力に高額の料金を支払っている。

フランスはこの問題に対処するため、原子力を存続させるために最大の電力会社を再国有化した。

ドイツは、間違いなくエネルギー安全保障の失敗から最も苦しんでいる国であり、近いうちに最大の電力会社を救済しなければならない。

フランスは自国の巨大電力会社であるEDFの再国有化を計画している。政府がすでにEDFの発行済み株式の84％を所有しているため、大したことではない。しかし、我々はこの話をこう読んでいる。フランス政府は、フランス国内で原子力発電を拡大したいし、多数の原子力発電所のリハビリに大金を使わせたいのである。フランス政府は、それらの政策を受け入れるようEDFに圧力をかけており、大株主として強行採決する可能性もある。

取締役会は、株主や他の資本提供者に対する受託者責任を負っており、リスクが高すぎたり、経済的に競争力のないような戦略を承認することは難しい。EDFは国防省の一部門ではなく、政府が最大かつ支配的な株主である民営化された企業である。少なくとも、株主にはそのように見せたいのだろう。フランスが地政学的、戦略的に原子力を必要とするのであれば、コスト面で不利と思われるにもかかわらず、その決断に異論はないだろう。私たちが問題にしているのは、政府以外の株主に国家安全保障上の負担を求め、本来は政府が負うべき財務上のリスクを負わせるという現在の政策である。フランスは、この問題に対して見事なまでに明快でいる。

ドイツは、福島第一原発の事故以来、原子力発電を拒否し、ロシアのガスに依存するようになった。一つのリスクともう一つのリスクが交換された。1カ月前、ドイツはガスプロム・ゲルマニアという天然ガスの重要なインフラを掌握した。今、ドイツは、ウクライナ戦争による天然ガス価格の高騰という別の問題に直面している。ドイツ最大の電力会社であるウニパー社を救済し、さらに悪いことには、電力会社が燃料費の高騰を消費者に転嫁することを認めなければならない。ドイツがロシア産ガスの安価な供給を契約した結果、長期的にどれほど得をするか分析することができれば興味深い。 

余談だが、石油メジャーは、LNGのサウジアラビアと言われるカタールと2026年からの長期契約を結ぶ予定だ（今はあまり役に立たない）。 おそらく、この新しいガスの多くは、ガスプロムの欧州向け供給に取って代わるだろう。供給の多様化はリスクを減らす。しかし、カタールへの依存は必ずしもローリスクなのだろうか。かつてはロシアの天然ガスに依存することもローリスクと考えられていた。

つまり、エネルギーインフラとエネルギー供給は安全保障の重要な要素なのだ。

コスト削減のためにエネルギー政策の安全保障を無視することは、大きな間違いであり、大きな代償を払うことになる。

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