IEA、冬の天然ガス危機を警告
https://www.zerohedge.com/commodities/iea-warns-winter-natgas-crisis-if-russia-cuts-supplies
2023年7月19日水曜日 - 午後5時15分
欧州の天然ガス備蓄量は豊富で、この時期の5年平均を上回った。欧州大陸の貯蔵量は予想よりも早く満タンに達し、昨年のエネルギー危機が繰り返される可能性は低いと政府や企業に安心感を与えた。しかし、新しい報告書では、厳冬の脅威と、ロシアからヨーロッパへの天然ガス供給中断の可能性は、依然として大きなリスクであると警告した。
「市場のファンダメンタルズは2023年に入ってから大幅に緩和され、欧州連合(EU)の貯蔵施設は稼働能力の95%まで満杯になる予定だが、貯蔵施設が満杯であっても冬の変動に対する保証にはならない」と、国際エネルギー機関は月曜日の報告書に書いた。
「我々のシミュレーションによれば、2023年10月1日からEUへのロシアのパイプラインによるガス供給が全面的に停止され、寒い冬が到来すれば、価格変動と市場の緊張が容易に再燃する可能性がある。」とIEAは述べた。
IEAの警告は、ロシアからの天然ガス供給が減少した2度目の冬の後に出された。ウクライナ侵攻以前、ロシアはEUへの石油と天然ガスの主要供給国であった。シンクタンクのブリューゲルによれば、それ以来、供給国の大幅な多様化が進んでいる。
EUへの天然ガス輸入ルートのトップとLNGルートを紹介しよう。
https://cms.zerohedge.com/s3/files/inline-images/2023-07-18_06-58-01.png?itok=AggH1fIS
モルガン・スタンレーは今月上旬の顧客向けメモの中で、ロシアからの天然ガス供給が減少していることは、EUが海外からのLNG輸出だけでなく、国内の再生可能エネルギーへの依存度が高まっていることを意味すると述べた。もしヨーロッパが深刻な凍結に見舞われ、太陽光発電や風力発電が電力需要の急増を補うことができなければ、ヨーロッパの基準ガス価格であるTTFは1メガワット時あたり100ユーロまで高騰する可能性がある。
IEAはまた、暖冬が続き、LNGの供給量が昨年の最高値に近い水準で推移するシナリオについても言及した。
エネルギー効率の高いヒートポンプなどの「継続的な構造的ガス需要削減」は、「2023/24年の冬に確実なガスバランスを確保するために必要である。」と付け加えた。
報告書全文はこちら
https://www.scribd.com/document/659731993/IEA-GlobalGasSecurityReview2023#download&from_embed
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