2023年7月11日火曜日

クラスター爆弾戦略はウクライナとNATOにとってクラスターFUCKである

https://strategic-culture.org/news/2023/07/10/cluster-bomb-strategy-will-be-cluster-for-ukraine-nato/

マーティン・ジェイ 2023年7月10日

ウクライナ軍に何トンものこの特に残酷な爆薬を投下することは、大きく開いた傷口に絆創膏を貼るみたいなものだ。

NATOが、いやむしろアメリカが、老朽化したクラスター爆弾の在庫を売却することを決めたというニュースは、驚きではない。西側のエリートたちは初日から、自分たちが何をしているのか、目的は何なのか、最終的なゲームは何なのか、混乱していた。NATOは、不文律という点で、何度もゴールポストを変えてきた。ストルテンベルグ自身でさえ、記者会見で核心に触れられると慌てたような表情を見せる。

クラスター爆弾は、戦車を止めるためにロシア軍に対して使用されることになっている。この決定が下された理由は明白だ。EU諸国が不足する軍備を増強するための時間を稼ぎである。ウクライナの新たな「攻勢」の準備をに、6カ月は必要である。残酷な爆薬をウクライナ軍に何トンも投下することは、大きく開いた傷口に絆創膏を貼るように思われた。

しかし、これはNATO加盟国のほとんどが禁止条約に署名したクラスター爆弾と同じなのか?西側諸国が、ロシアがウクライナ軍に対してクラスター爆弾を使用したと非難する際に、道徳的な立場をとるために使用したのと同じ爆弾なのか?偽善というか、自暴自棄というか、驚くべきことだ。時間が経てば経つほど、ロシアは勝ち、西側は負ける。NATOのボスやバイデンはこのことを知っている。紛争地帯でクラスター爆弾を目の当たりにしてきたジャーナリストである私にとって、クラスター爆弾のイニシアチブは、負けを知り、戦場での自らの破滅のスピードを遅らせたい側の戦略だ。

クラスター爆弾について人々が語らないのは、戦場での歴史の流れを変えるどころか、民間人(たいていは子ども)を殺すという驚くべき能力である。60年代後半、ラオスに2億7000万個もの小さな「子弾」が投下され、野原で子弾を見つけて遊ぶ子どもたちを今日でも殺している。

ウクライナ兵にとって、榴弾砲、HIMARS、ジャベリン、ブラッドレーもすべて供給されなくなった今、気分が良くなるゲームではない。クラスター爆弾がロシア軍を攻撃するために使われるとは思えない。可能性が高いのは、ロシア軍が戦線を突破してウクライナ側に侵入し、オデッサのような都市に進攻するときに、防御のために使われる。クラスター爆弾はロシア軍の戦車に対して使用され、大量に使用され、何千という小さな爆薬が農村部の土の下に隠されたまま放置され、何十年後かの子どもたちが発見する。戦場では、兵士だけでなく一般市民もこの爆弾で吹き飛ばされている写真が、キエフの宣伝部隊によって間違いなくいたるところにばらまかれる。

NATOは危機的状況にある。ロシアを打ち負かせないだけでなく、財政問題も抱えている。ストルテンベルグ事務総長は、より多くの加盟国が国防費を増額するか、少なくともGDP2%の基準を達成することを望んでいる。EU経済が破たんし、ドイツの中央銀行はECBに救済を要請しなければならない。軍事援助のレベルが以前のようになるとは考えにくい。クラスター爆弾の構想はあまりにも絶望的で、哀れであるため、ゼレンスキーは将来がどこにあるのかを見極める必要がある。ゼレンスキーにとって最善のシナリオは、アナリストが「凍結」と呼んでいるように、紛争が無期限で停止されることである。たとえ凍結されたとしても、NATO自身がハードウェアを所有していないという現実に西側市民が目を覚ませば、NATOの信頼性は崩れていく。NATOの加盟国がこれを所有し、提供している。この供給は枯渇しつつある。我々がヴィリニュスで目撃しているウクライナNATO理事会の提案は、単なる煙と鏡にすぎない。ジョー・バイデンが頭をかきむしっている間の遅延戦術に過ぎない。民間請負業者をロシアがNATO兵として扱わないことを祈るしかない。退役した空軍パイロットが、ウクライナでF16を飛ばしてくれないかと頼まれているらしい。ゼレンスキーが西側を敵に回し、最後通牒を突きつけるのなら、おそらくこう頼む。ゴールポストの移動だ。ウクライナにおける唯一、一貫性のある戦略だ。

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