ペペ・エスコバル：イランの新しい方程式は西アジアをはるかに超える

https://sputnikglobe.com/20240417/pepe-escobar-irans-new-equation-reaches-way-beyond-west-asia-1117973782.html

ダマスカスのイラン領事館／大使公邸に対するイスラエルのテロ攻撃に対して、イランが極めて慎重で、重厚な振り付けによる対応を行った。外交特権に関するウィーン条約が事実上破棄され、聖地が粉々に砕け散った。

ゲームチェンジャーは、BRICSの3大メンバーであるロシア、中国、イランとの同時勃発を英米体制がどう管理するかに直接影響する。

エスカレーションがすでに組み込まれている。ロシアに対する全面的なキャンセル戦争、マイケル・ハドソン教授によって見事に解読された明確な方針によるガザでの大量虐殺、中国に対するデカップリング／地勢形成は、グローバル・マジョリティとのコミュニケーションブリッジが放火される中で、単純に消滅することはない。

イランのメッセージは、テヘランが命名した「新しい方程式」を確立する。西アジアからもたらされる他の多くの驚きを予感させる。

イランは明確なメッセージを送りたかったし、送った。新たな方程式：もし聖書サイコパスがイランの権益を攻撃し続けるなら、イスラエル国内で反撃される。テヘランの安全保障理事会がすでにすべての手続きをクリアした。

エスカレーションは避けられない。バラク元イスラエル首相：「ネタニヤフ首相は（原理主義者の）政治的パートナーに影響され、権力を維持し、メシアの到来を早めるためにエスカレーションに踏み切ろうとしている。」

イランのライシ大統領と比較してみよう。

「テヘランの利益に反する小さな行為には、そのすべての活動に対して大規模かつ広範で痛みを伴う対応が取られる。」

・無敵の守備迷路に別れを告げる

テヘランにとって、西アジアにおけるイスラエルと抵抗勢力間の衝突の激しさを調整すると同時に、戦略的忍耐に代わる戦略的抑止力を確立するための、巡航ミサイルと弾道ミサイルへの道を開くドローン群という三重の波を打ち上げだった。

F-35戦闘機と米英海軍の支援を受けた、評判の高いアイアンドーム、アロー3、デイビッズ・スリングの性能は、必ずしも素晴らしくなかった。アロー3が宇宙空間で何かを撃ち落としたという映像はない。

少なくとも9発の弾道ミサイルが密集したイスラエルの防衛網を貫通し、ネバティムとラモンの基地を直撃した。イスラエルは、巡航ミサイルにやられたゴラン高原の情報施設の運命について口を閉ざしている。

戦争の霧の中で、テヘランが発射した無人機やミサイルが何百機であろうと何十機であろうと関係ない。NATOスタン・メディアの誇大宣伝にかかわらず、疑いの余地なく証明されたのは、無敵と思われているイスラエルの防衛迷路（米国製のAD/ABMシステムからイスラエルの模造品に至るまで）は、技術的に進歩した敵対国との実戦では無力だった。

たった一度の作戦で達成されたことに、専門家は眉をひそめた。イランはイスラエルに迎撃ミサイルの在庫を枯渇させ、少なくとも13億5000万ドルを費やさせた。

心理的打撃はさらに大きかった。

もしイランが、数日前の寛大な前触れなしに攻撃を仕掛けてきたら？アメリカ、イギリス、フランス、そして（裏切り者の）ヨルダンが、連携して防衛する準備ができていなかったら？(彼らがテルアビブに代わって直接火力を行使していたという驚くべき事実はまったく分析されていない。）もしイランが重大な産業やインフラを攻撃していたら？

・ピボットを乱すことなく方程式を確立する

予想通り、イスラエルに住む人々に難攻不落の安全を提供するというシオニズムの神話を支えてきた「要塞イスラエル神話」の突然の崩壊について、NATOstanではほとんど議論されていない。これ以上はない。この物語スピンはD.O.A.だ。

イランとしては、NATOスタンが何を紡ごうが知ったことではない。「新しい方程式」への移行は、非エスカレーションの逃げ道をテルアビブに提供するのに十分な寛大さを持っていた。

ガザで、レバノンで、経済は大打撃を受け、世界中で正当性を完全に失い、さらに今、抑止力の喪失という痛手を負った。

・イスラエルの反撃：決定は下されたが時期は不明

エルサレム・ポスト紙が情報筋の話を引用して報じたところによると、イスラエル国防軍はイランの攻撃への対応について最終決定を下したが、その時期は未定だという。

ヘゲモンが勝つのか、それともイスラエルがグワッグ・ザ・ドッグ・ショーを仕切るのか。

ロシアと中国の戦略的パートナーシップを考慮することは不可欠である。中国の学者の間では、覇権国家は西アジアにあまり多くの資源を投入したくないというのがコンセンサスである。すでに崩壊しつつあるウクライナ・プロジェクトや、アジア太平洋で中国に対抗するための戦略計画に影響を与えるからである。

ロシアに関しては、ライシ大統領は自らプーチン大統領に電話をかけ、電話で関連するすべての詳細を話し合った。冷静沈着だ。

さらに今週末、イランのアリ・バゲリ・カニ外務副大臣（イスラエルの新たな攻撃には秒単位で対応すると発言）は、核不拡散会議のためにモスクワを訪問し、ロシア外務省の上層部とも会談する。

イランが、2015年の核合意の破綻後、パレスチナ防衛に携わる複雑な枠組みを守りながら、ユーラシアへの軸足を乱すことなく「新しい方程式」を確立できたことは、注目に値する。

覇権国の選択肢は悲惨だ。最終的に西アジアとペルシャ湾から追放され、ロシア、中国、イランという3つの文明国家との勝ち目のない存亡をかけた衝突に至るまで。

実現可能な第1のシナリオとして残されているのは、慎重に計算された、コントロールしやすい裏庭への撤退である。ラテンアメリカ、特に南アメリカは、新しく便利な、主権を奪われた資産であるアルゼンチンを操っている。

もちろん、非工業化され、主権を奪われたヨーロッパの支配を維持する。

だからといって、米国のパワー・プロジェクションが世界的に衰退しつつあるという事実は変わらない。ストラウス系ネオコンの精神錯乱は持続不可能だ。ネオコンがグローバル・マジョリティを理不尽な破滅のどん底に突き落とす前に、アメリカの権力構造からネオコンを粛清できるかどうか。

BRICSの新たな方程式もお忘れなく。

対照的に、グローバル・マジョリティの面では、40カ国以上がBRICSへの加盟を希望しており、ロシア評議会国際問題委員会のグリゴリー・カラシン委員長によれば、その数はさらに増えている。

先週モスクワで開催されたBRICS議会の国際問題委員長会議の後、カラシンは、多くのBRICS加盟国が、欧州連合（EU）がいかに逆効果で挑発的でな行動をしているかを見て、硬直した憲章の作成を急ぐべきでないことを理解している。

アラステア・クルックは、私の新著『ユーラシア対NATOスタン』を貫く重要なテーマに触れている：西洋文明の善と真はすべて、ロシアに保存され、繁栄している。これは、西側のエリートたちを激怒させる暗黙の洞察である。それはまた、BRICS諸国がロシアにリーダーシップを求める理由でもある。

BRICSの宗主国であるイランが打ち立てた「新しい方程式」は、西アジアにおける帝国とその航空母艦が、秘密工作部門を除けば、ますます紙の虎の役割に成り下がっていく中で、この多国間、多文化的な協力状態を強固なものにするのに大いに役立つ。