2022年2月9日水曜日

アムネスティ・インターナショナルがイスラエルをアパルトヘイト国家で断罪

 マックス・ブルーメンタールとベンジャミン・ノートンの「マルチポラリスタ」のポッドキャストで知った。

https://multipolarista.com/2022/02/03/israel-apartheid-ali-abunimah/

アムネスティ・インターナショナルがレポートに曰く、「イスラエル政府はパレスチナ人に対しアパルトヘイト政策という罪を犯している。これは人道に対する罪である。」とのこと。

そのレポートは何年もの長い時間をかけ、丹念に事実を集めたもので、事実を否定することはできないため、反論としては「反ユダヤ主義である」という感情的なものしか出てこない。

興味深いことに、アムネスティ・アメリカとアムネスティ・ドイツはインタナショナルのレポートに反発し「反ユダヤ主義である」と言っている。アメリカがイスラエル支持なのは当然のこと。ドイツは過去にナチがホロコーストを行なったという反省からイスラエル支持の立場だが、最近はイスラエル支持の方針が硬直化し、世界情勢に対応できなくなっている。

たとえばイスラエルはウクライナ政府に武器供給などで支援している。ウクライナの大統領はもとコメディアンで、選挙のときには平和主義・宥和主義の立場だったが、大統領になったとたんネオナチに命を狙われるようになったので豹変。ミンスク合意(西部ロシア語地域の自治を尊重すること)を完全に無視し、ロシアとの対立路線となった。つまりウクライナ政府はネオナチにハイジャックされた。

CIAがウクライナでネオナチ武装員を訓練しており、政府も戦闘員をウクライナに派遣しているのは公然の秘密。つまりアメリカはネオナチを支援しているのだが、ウイグルみたいに誰も不買運動とか人権とか言わないことになっている。同様に、イスラエルがウクライナのネオナチを支援しているという歪んだ構図になっている。そして西側の誰もイスラエル製品ボイコットなんて話をしていない。ナチスを生んだ本家ドイツは微妙な立場で、ネオナチを支援しているイスラエルを支援しているので、ナチスで懲りたので支援しているイスラエルがネオナチを支援している。

イギリスやアメリカのようにおもてだってネオナチ国家ウクライナを武器や兵員で支援することは避けているようだが、ドイツもフランスも、つまりEUは硬直化し、自分の庭先のようなウクライナ問題ですらアメリカとロシアが頭越しに話し合うというわけのわからない状況を生み出している。

さてマックス・ブルーメンタール(だと思うのだが声も話しかたもよく似ているのでベンジャミン・ノートンのほうかもしれない)がもっともなつっこみをしている。いわく(趣意)

「そもそもなんでいまさらアムネスティなんだろう?アムネスティそのものが冷戦時代の産物で、ソ連はじめ東側を攻撃するためにつくられた人権団体じゃないか。たとえばソ連では(生存権の一環として)住居や労働(公教育、医療アクセス)の権利が保障されていて、西側は人民にそんな権利を保障していない。だから自由選挙とか言論の自由などそれ以外の権利を取りあげて、ソ連は人権を蹂躙していると攻撃するためにつくられた団体だ。欧米の利益に資するための団体が、なぜいまイスラエルをアパルトヘイト国家と断罪するんだろう?」

パレスチナ系のジャーナリストであるアリ・アブニマいわく(趣意)「パレスチナの状況を放置していたら人権団体としてのブランドを毀損する、という生き残りのための判断じゃないかな」と。

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戦国乱世をおもわせる下克上の欧米である。おまけに過剰通貨で引き起こされたわけでもない(通貨量は過剰だがいままでインフレにならなかった)トラフィックが糞詰まりになったためにモノ不足(というかインバランス)で起きたインフレを抑制するために、連銀は利上げをすると言う。ほんまかいな?利上げをしたら投機資金が株式市場や国債市場から撤退するので、株価が暴落する。利上げできない日本みたいな国から、いちはやく利上げしたアメリカみたいな国に投機資金が移動する。日本では株価が暴落して、貧民層にはまったく関係ないが、日本が先進国カテゴリーではなく事実上途上国であることが明らかになってしまう。過去最大量の石炭を輸入しているからといって、EUに天然ガスをわけわけしていい気になっている場合ではない。

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