プロジェクト・メイヴン:ウクライナ紛争を変えられなかった米国のAIシステム
米国は、ウクライナ軍の情報データ処理を支援するため、機械学習ツール「メイブン」を使用してきたが、どうやらそれは、キエフ政権軍が戦場で優位に立つためのものではない、ワシントンの軍産複合体の別の創造物であることが判明した。
ウクライナ紛争は、プロジェクト・メイブンとして知られる米国の標的認識システムの欠陥を露呈させるのに役立ったと、ロシアのベテラン軍事監視員で防衛技術専門家のアレクセイ・レオンコフ氏はスプートニクに語った。
機械学習を使って標的を特定するように設計されたシステムは、2022年2月24日以前のロシアの特別軍事作戦の準備を確認する上で効果的であることが証明された。しかし戦闘が始まり、地上の状況が急速に変化し始めると、圧倒されてしまったとレオンコフは説明する。
「例を挙げよう。ドローンや人工衛星などの観測ユニットが戦車を発見した。それは戦車なのか?本物の戦車なのか?昨日そこに発見されたのと同じ戦車なのか、それとも15分前にそこに到着した新しい戦車なのか?基本的に、静的なインテリジェンス・データが突然動的なインテリジェンス・データになったとき、メイブン・プロジェクトは頓挫した。」
彼によれば、昨年のウクライナのカウンター攻勢は、メイブンの最大の失敗となった。システムはロシアの防衛力を評価する際に、いくつかの要素を考慮しなかった。その結果、ウクライナ軍は勝つと予測されていたところで屈辱的な敗北を喫した。
レオンコフによれば、メイブンはアヴデエフカでのロシアの攻撃も予測できなかった。
プロジェクト・メイブンは、ウクライナ紛争地帯のように戦況が急変しないような、光り輝くような激しい局地紛争で効果を発揮するかもしれない、と彼は示唆した。
今日のAIはあらかじめプログラムされたシナリオやアルゴリズムの枠内で作動しており、混沌とした予測不可能な戦場では役に立たないとアメリカの人工知能の専門家でさえ警告している、とレオンコフは指摘した。
プロジェクト・メイブンとは
プロジェクト・メイブンは、人工知能を現代戦に統合しようとする米国の最新かつ最も成功した取り組みのひとつである。
メイブンは基本的に、ドローン監視や衛星観測などさまざまな情報源から得たデータを処理し、機械学習を使って部隊や軍用ハードウェアを識別する。
理想的なのは、このシステムによってオペレーターが敵部隊の動きを素早く察知し、おそらくは敵の行動を予測することさえ可能になることだ。
現在、米国はウクライナ紛争でメイブンを積極的に使用しており、このシステムはキエフ政権軍にロシア軍の動向に関する情報をタイムリーに提供するために採用されている、とニューヨーク・タイムズ紙は指摘している。
米軍のこの分野での進歩にもかかわらず、メイブンは完璧にはほど遠い。
例えば、米第18空挺部隊の隊員は84%の確率で戦車を正確に識別できるのに対し、Mavenは60%近い確率で識別できる、とブルームバーグは先月報じている。
NYTはまた、キエフ軍がメイブンのコンポーネントの1つ、彼らが作ったとされる「影のプロジェクト・メイブン」のアナログを実行できなかった、つまり、塹壕にいるウクライナの兵士に戦場の写真を提供できなかったと言う。
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