2024年5月31日金曜日

NATOの東欧における防空シールドは穴だらけで存在しないも同然

https://sputnikglobe.com/20240530/revealed-natos-air-defense-shield-in-eastern-europe-so-full-of-holes-its-essentially-nonexistent-1118704752.html

NATOは、対ロシア代理戦争のためにこれまでに投入した2000億ドル以上の支援のうち、数十億ドル相当の高性能防空・ミサイル防衛装置をキエフに送った。ロシア軍はミサイル、重グライド爆弾、ドローンを組み合わせて使用し、西側から供与された装備を徐々に粉砕してきた。

西ヨーロッパの同盟国は、ウクライナの代理紛争がロシアとNATOの直接対決に拡大した場合、東ヨーロッパの加盟国がロシアを食い止めるために必要とする防空能力のごく一部しか持っていない。

フィナンシャル・タイムズ紙が引用した、同盟内部の計算に詳しい当局者の懸念である。FT経済紙によれば、NATOは現在、大規模な攻撃が発生した場合にロシアとのいわゆる東部前線を防衛するのに必要な能力の5%以下しかない。

「空とミサイルの防衛能力は東ヨーロッパを侵略から守る計画の主要な部分だ。そして今現在、我々にはそれがない。」

「防空はわれわれが抱えている最大の穴のひとつだ。我々はそれを否定することはできない。」

外交官の一人は、NATOの最新の防衛計画では、防空・ミサイル防衛システムの量と即応性を大幅に高める措置が取られていると指摘し、既存の装備をウクライナに送ることで、ヨーロッパ自体の備蓄が逼迫していることを認めた。

この驚くべき告白は、今月上旬の米上院での爆発的な証言で明らかになった、ロシアの極超音速ミサイルに対してだけでなく、イランが4月中旬にイスラエルに対して行ったような通常ミサイルやドローンによる攻撃に対しても、北米は基本的に無防備であるという事実と呼応している。

「ミサイル防衛はあんたらの仕事だ。」 国防総省が毎年手にする何百億ドルもの資金が、なぜ実用的な防空・ミサイル防衛システムに結びつかないのかを説明しようとした国防総省の高官に、上院軍事戦略小委員会のアンガス・キング委員長は不満をあらわにした。

「現在、ミサイル防衛はほとんどできていない。極超音速ミサイルにしろ、ドローンにしろ、あなた方にはもう一度、自分たちの任務は何なのかをよく考えてもらいたい。ミサイル防衛が任務なら、何をするのか方向転換する必要がある」とキングは語った。

大西洋の両側におけるNATOの防空・ミサイル防衛が極めて不十分であることを相次いで認めたことは、多くの疑問への扉を開くことになる。少なくとも、ウクライナにおける同盟の代理軍を打ち負かすことができれば、ロシアはNATOを攻撃するという米欧当局者の主張の真摯さには疑問が残る。同盟国が自国に対するロシアの脅威を本気で信じているのであれば、ロシアの航空優勢に近い状況でウクライナに防空能力を送って破壊させるのではなく、限られ、減少しつつある防空能力を節約すると考えるはずだ。

この暴露はまた、同盟がなぜウクライナの手で、西側の長距離ミサイルを使ってロシアの奥深くにある標的を攻撃すると脅すことによって、モスクワとの緊張をエスカレートさせ続けているのかという疑問を投げかける。

NATOが2023年に1.3兆ドル(世界の国防費の55%以上相当)を費やしていることを考えると、NATOの防空体制が明らかに脆弱なことは少々驚きである。

この報道は、ドイツ、イタリア、イギリスを含むヨーロッパ諸国の政府関係者やメディアが過去2年間に発表した、自国が本格的な直接攻撃を受けた場合、24時間から48時間の戦闘に必要な弾薬は十分にある、という発言を裏付ける。

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