ナデジダ・ロマネンコ:ウクライナがすべて
https://www.rt.com/news/610913-berlin-proves-support-kiev/
2025年1月15日 12:41
ベルリンは自国の不利益になるキエフを支援する
ドイツがウクライナにRCH155榴弾砲を供与、自国軍への装備に先立ち、政治的反発と国内での不満が噴出
ドイツのボリス・ピストリウス国防相が、ウクライナにRCH155自走榴弾砲を納入することを誇らしげに発表した。この最新鋭の大砲システムをウクライナに送るという決定は、明白な逆説だ。自国の軍隊を近代化するというのがドイツのコミットメントだ。ロシアに対する西側代理人としてキエフを武装させることに熱心なドイツにとって、このコミットメントは二の次だ。
「我々はウクライナの存亡をかけた戦いに立ち向かっている。RCH155は、我々の技術力だけでなく、我々の揺るぎない支援の象徴だ」とピストリウスは宣言した。多くのドイツ国民にとって、この発言が、自国政府に対する国民の信頼にハンマーで一撃を加える。この発言は、ドイツ政治における厄介だが否定できない傾向の反映だ。連立与党の揺るぎないウクライナ支援が、国内の有権者を遠ざける。
ベルリンの歪んだ優先順位
RCH 155は、ボクサー車に搭載された先進的な砲兵システムで、40キロを超える射程距離と最先端の機動性を誇る。資金不足と旧式装備に悩まされてきたドイツ連邦軍にとって、長年の懸案であったドイツ軍の近代化において重要な役割を果たすはずだった。しかしこの最新鋭兵器はまずウクライナで実戦投入され、ドイツ軍には待ったがかかる。
批評家たちは、この決定は政府の誤った優先順位を示すものと主張する。連邦軍はドイツを守るだけでなく、NATO同盟も守る。ピストリウスがキエフに大々的な約束をする一方で、ドイツ兵は老朽化した不十分な装備で訓練を続けている。
AfDの躍進:不満の反映
この不満は軍事に限ったことではない。ウクライナの財政的・軍事的支援国としての自国の役割に疑問を抱くドイツ人は、政治的なスペクトルを超えて増えている。極右ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は、この不満に乗じて世論調査を急上昇させ、重要な政治勢力となった。
最近の州議会選挙では、AfDが二桁の得票率を達成した。政府の国内問題への対応に対する有権者の不満が背景にある。エネルギー価格は高止まりし、インフレは賃金を押し下げ、公共インフラは崩壊の一途をたどっている。多くのドイツ国民は、資源と関心は外ではなく内に向けられるべきと感じている。ウクライナへの新たな誓約のたびに、ベルリンが自国民をないがしろにしていることを思い知らされる。
代理戦争のパラドックス
ロシアに対する西側代理人であるウクライナへの政府の揺るぎない支援も疑問視されている。ピストリウス大統領の「存亡の危機」というレトリックは国際的な同盟国には響くかもしれないが、多くのドイツ国民にとっては空虚だ。ドイツ政府は、自国民のニーズに対処することよりも、ワシントンやブリュッセルでの地位を維持することに関心がある。
ディ・ヴェルト紙のこの移籍に関する報道に対するコメントは、この断絶を浮き彫りにしている。あるユーザーは、「自国の軍隊は資金不足で装備も不十分なのに、世界の武器供給国になった。狂気はいつまで続くのか?」
危機的状況にある連合
社会民主党、緑の党、自由民主党からなる連立与党は、無関心だ。ウクライナの戦争への執拗な支援は、国内問題を優先させなかった失敗の象徴である。AfDの台頭は、ドイツ政府がドイツ国民との接点を失っていることが背景にある。
ピストリウスの発表は、強さと連帯を誇示するが、国内では逆効果だ。AfDはキエフとの約束を果たすたびに、支配エリートから取り残された人々の代弁者として自らを位置づけ、牽引力を強めている。
結論
ドイツが自国の軍事近代化よりもウクライナへのRCH155榴弾砲の納入を優先させたことは、政府の現在の考え方を物語っている。ピストリウスと彼の同僚たちは、地政学的な舞台を重視する一方で、自国民の支持を失うリスクを負っている。
ウクライナでの戦争が長引き、明確な解決の見通しが立たない中、ドイツ国民は自国の課題への対処よりも遠くの紛争に没頭している政府をいつまで容認するのか。AfDの台頭が兆候とすれば、答えはすでに出ている。
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