マイケル・ハドソン:習近平はイランを台湾と交換したんか?
https://michael-hudson.com/2026/05/did-xi-really-trade-iran-for-taiwan/
Did Xi Really Trade Iran for Taiwan?
By Michael Friday, May 15, 2026
習近平はホンマにイランを台湾と交換したんか?マイケル・ハドソン著 2026年5月15日
アリ・アリザデ(ジェダルTV、イラン)との対談
AA ― トランプと習近平の会談について、アメリカ側の発表では「習近平はホルムズ海峡を開放しとかなあかん、通行料なんかあかん、中国は海峡の軍事化に反対や、中国はホルムズへの依存を減らすためにアメリカの石油をもっと買う、イランは絶対に核兵器持ったらあかん」て習近平が明確に同意したっていうんやけど、中国側の発表にはそんなこと、ほとんど何も書いてへんのや。「両首脳は中東情勢について意見を交換した」ってだけや。その間に習近平は政治的な資本を台湾問題に使うてる。せやから今夜イランの人たちは「習近平はホンマにイランを台湾と交換したんか?わしらの最重要な戦略パートナーが、わしらの街が封鎖されとる最中に、人民大会堂でわしらを売ったんか?今日、北京でホンマのところ何が起きたんや?」って聞いとるわけや。
MH ― トランプとか、イランや他の国との過去の交渉に関するアメリカ側の報道をずっと聞いてきたやろ。いっつも二つのバージョンがあんねん。アメリカ版はいつも同じで「相手側はアメリカが求めたことぜんぶに完全降伏した」ってなるんや。で、相手側は「そんなこと一言も言うてへん」って言う。せやから言語の翻訳だけやのうて、言葉の意味の翻訳の問題でもあんねん。「ホルムズ海峡を開放する」ってどういう意味や?中国からしたら、貿易を続けるってことや。アラブのOPEC諸国もイランも、自分たちの船をホルムズ海峡から通して、インド洋を東へ、中国なり、アジアのどこなりに向かわせられるってことやな。ここ数日でホンマにそれが起きてるんや。中国の船はホルムズ海峡を自由に通ってる。イランが絶対条件やって言うとる通行料も払うてる。なんでかっちゅうたら、イランは不当に攻撃されて、国連安保理の戦争規則や国際関係の規則に違反された被害者やから。国際法のもとで、イランは賠償を受ける権利があんねん。ただ、国連には強制執行の仕組みがあらへん。ニュルンベルク裁判委員会みたいなもんも、賠償を強制できる裁判官もおらへん。せやからイランは現実的なやり方でこの賠償を取り立てようとしてて、それが海峡を通る全ての船に通行料を課すことやねん。このことはイランが明確に説明してきたし、他の国々もこのルールに同意してる。問題はホルムズだけちゃうねん。船が海峡を出て公海に出た後どうなるかっていう話もあんねん。アメリカはイランの船を拿捕したり、拿捕するぞって脅かしたりしてる。ホルムズを通れた船のほとんどは引き返させられて、通過でけへんようになってんねん。イランは「数をぎょうさん送り込んだら、いくつかは通り抜けられる。アメリカはそれを全部止められるほどの海軍力はあらへん」って言うてる。でもアメリカはホルムズだけやなくて、その外の海でも封鎖してんねん。イランはパキスタン沿岸のすぐそばを、パキスタンの領海内を通って船を送り込もうとしてる。でも明らかに、イランの立場からも、わしが思うに中国の立場からも、これが「ホルムズ海峡を開放する」ってことなんや。「通行料は取るな」っていうのはトランプが勝手に作ったウィッシュリストやねん。それはイランの一線やからな。わしはイランがウクライナでのロシアの経験を見て学んでると思う。一線を宣言しといて守らへんかったらあかんって。ロシアはNATO諸国がウクライナ支援でできることについて何度も何度も一線を宣言してきたけど、NATOはずっと無視してきた。イランは「アメリカ・イスラエルとその同盟国にサラミ戦術で少しずつ押されるのはもうごめんや」って言うとる。一線は一線やねん。せやから会談が終わったら―明日になるらしいけど―中国側の報告書が読めるで。合意した共同報告書が出るとは思えへん。そんなもん、めったに出えへんからな。いっつもアメリカ向けのアメリカ版があって「トランプが大勝利して他国に打撃を与えた」ってなる。で、相手側は「それは全部幻想やし、わしらは一線を守った」って言う。せやから中国側の報告書を待って、その後の中国外交官との議論を見ていかなあかんで。
AA ― それでも、トランプが中国を訪問して習近平が歓迎してる、台湾問題での中国の主張は別として中国は柔軟性を見せて良好なパートナーシップを望んでると言うてる、その事実だけでも不安を感じる人は多いんや。多くの人にとって多極化はもう一つの冷戦みたいなイメージやった。あなたは多極化について最初に書いた人の一人やけど、中国がソビエト連邦と何が違うのか、なんで中国はアメリカとの緊張を緩和して軍事的対立を避けようとしてるのか、説明してもらえるか?
MH ― アメリカ・イスラエル・ドイツ・イギリス・フランスを除く世界中の全ての国が、緊張を緩和したいと思うてるんや。せやから好戦的な国々に属さない開催国は「わしらはみんな世界平和のパートナーや」って言うんやな。理にかなった話をしようとしてるんや。「ここに合理的な解決策がある」ってな。「わしらはパートナーや」と言う時に彼らが実際にやってることは、国際貿易・国際投資・国際銀行業・軍事費の原則を打ち出してんねん。このパートナーシップの一部、つまりこれらの原則に同意するんやったらええんや。でも同意せえへんのやったら、残念ながらあんたらはこのパートナーシップに入れへんってことになる。
中国とロシアが敵対国を「わしらのパートナー」と呼ぶ時、何度も繰り返してきたけど、対立的なやり方で反撃するふりをしてるわけやあらへん。それはアジア式の交渉の進め方やあらへんのや。「わしらは反撃するで、あんたら戦って、わしらも戦う」なんて言わへん。それでは何も解決策は見つからへんから。もちろん戦う準備はできてる。でも「なんで平和的で論理的な議論をせえへんのや?わしらが作ろうとしとる世界の安定はこういうもんや」って言うんやな。
アメリカは世界の安定なんか望んでへん。安定は現状維持を意味するからやな。アメリカはかつてのアメリカ帝国やったものを次々と失い続けてきた。貿易と国際収支の黒字を失い、産業の覇権を失い、ドルの金融覇権を失い、今や大きな債務国になってる。ほぼ全てを失ってきてるんや。せやからアメリカの国家安全保障戦略では事実上こう言うてる。「1945年にわしらが世界の金の大半を持って、ヨーロッパを助けられる製造業の力があった時代に支持してた、平等・多極化・自由貿易・自由投資の統一された世界はもう支持せえへん」って。もうそんな力はあらへんねん。
今のアメリカに変わる世界に対処するための唯一の資産は、他国を傷つける能力だけやねん。「わしらはあんたらの貿易を妨害できる。トランプは関税を課してアメリカ市場へのアクセスを遮断できる。それがあんたらの輸出業者を混乱させて混沌を引き起こす。でもアメリカ版の世界に同意するなら―ロシアと取引するな、イランと取引するな、あんたの国への中国の投資を認めるな―わしらに従って政治的・経済的な衛星国になるなら、アメリカ市場にアクセスできる。せやなかったら、あんたらの状況をかき乱すで」ってな。
トランプは何度も「アラブのOPEC諸国やイランからの貿易を封鎖することで世界恐慌が起きても、それはアメリカの利益になる。なぜならアメリカは石油について自給自足やから」と言うてる。今まさにアメリカは世界的な原油価格の上昇で大儲けしてる。アメリカの石油・ガス会社は安い国内価格やなくて世界価格で売ってるわけや。利益が上がって、株価も上がって、全部から恩恵を受けてる。
せやからトランプにとって、世界の残りが危機に陥った時にアメリカは勝つんや。1998年のアジア通貨危機で起きたのと同じや。マレーシア以外のアジア通貨は全部下がって、アメリカと国際投資家が韓国・日本・その他アジアの企業を以前より遥かに安く買い叩けたんやな。アメリカの政策は、アメリカ自身の戦略でも発表されてるように、海外で危機を作り出すことやねん。トランプはそれを論理的な極限まで持って行った。ホルムズを出たOPECの貿易に対して、わしらは海賊や。船をつかまえて、石油を没収して、持って行く。そんなことできんねん。それがアメリカの利益になる状況なんや。
さあ、こんな状況でどうやって中国と合意できるんや?わしが思うに、台湾について話すことで、中国はこう言うてんねん。「明らかに解決できへん問題を話し合おうとするのはやめよう。議論の中心を台湾に対するアメリカの関係にしたら、わしらが議論するなんでもそこに収斂する」って。それが外交的なホルムズ海峡みたいなもんやな。
レアアースの輸出の問題を取ってみ。アメリカは中国にレアアースの輸出を再開してほしいと思うてる。中国は「武器になり得るレアアースは売りたくない。イットリウム・ガリウムその他の元素をアメリカの軍事産業に売ってF-35や武器・ミサイルに加工させて、台湾に売って中国を攻撃させるなんて狂気の沙汰や」って言うてる。レーニンが冗談で言うたやつや。「資本家たちはわしらに自分たちを吊るすロープを売る」ってな。中国が何を言うてるか想像できるやろ。「台湾みたいな保護国に売って軍事的にわしらを攻撃させるような武器・兵器を作るための原材料をアメリカに売るつもりはあらへん。これがわしらの国防戦略や」ってな。
せやから台湾がこれらの会議から出てくるいかなる合意の中心でもあるって言うことで、中国はこう言うてんねん。「台湾は国際貿易・国際金融、アメリカが議題にしたいほぼ全てのことに関するいかなる合意も形作る」ってな。
AA ― 今日、military.comはペンタゴンがイランによってアメリカの備蓄が枯渇したため1万発のミサイルを急いで調達しようとしてるという記事を出した。アメリカが兵器の製造を中国に依存してるのは注目すべきことやな。でも、もっと長く続いている議論に踏み込ませてほしい。あなたの同僚のラディカ・デサイ教授にも同じ質問をしたんやけど:イランへのこの戦争はアメリカ帝国のディープステートや、アメリカ資本主義のあるセクターの合理的な判断から起きたんか?それともミアシャイマー教授が言うように、アメリカの利益に反してイスラエル、ネタニヤフ首相によってアメリカに強制されたんか?あなたが言うたように、アメリカの株式市場はこの戦争で恩恵を受けてる。あなたの読みでは、この戦争の前に戦略的な計算があったんか、それともデサイ教授が言うように単純にアメリカが方向性を失って急速に衰退している表れなんか?
MH ― もちろん戦略的な計算はあったで。わしは50年前の1974年にそういう計算の場に居合わせたんや。ハーマン・カーンとハドソン研究所で働いてた時に、ホワイトハウス・国務省・財務省・多くの軍の関係者との会議を何度も重ねて、イランに対するまさにその戦略について議論してたんや。その時、ハーマン・カーンが「イランをうまいこと5つ以上の部分に分断しなあかん」と言うてたのを覚えてる。手始めはバローチスターンで分離させることを考えてたと思う。今アメリカはクルド人と協力しようとしてるんや。
過去100年間、アメリカには一つの最重要な包括戦略があった。世界を支配するために世界の石油を支配するってことや。これについてはわしのウェブサイトに最近書いた記事でたくさん説明してる。世界中の全ての国が、工場を動かし、家を暖め、化学品・石油化学品・プラスチックを作り、肥料を作るために石油とエネルギーを必要としてる。石油貿易を支配できたら、わしらに従わない国をどこでも傷つける力を持てる。それをテコに使えるんや。軍事的に戦争せんでもええ。ただ石油の供給を断ち切るだけで、その国はアメリカが望む政策に従うようになる。
21世紀の始めに、「新アメリカの世紀プロジェクト」は事実上こう言うた。「石油を支配する方法は、わしらが管理しない国から石油を買うことを各国に禁止することや」ってな。これがイランへの制裁が課された理由やねん。シャーが打倒されて、石油産業の支配を取り戻そうとした1953年のアメリカのイランへの干渉が拒絶された後から続いてる。アメリカがノルドストリームを破壊してロシアから石油を買うことへの制裁を課した理由もそれや。アメリカがリビアを破壊したのも、各国がリビアから石油を買えないようにするためや。これがまさにジョージ・W・ブッシュがイラクに戦争を仕掛けた理由やねん。
いつも口実はあるんや。口実はイラクが大量破壊兵器を持ってるってことやった。実際のところイラクにあったのは石油で、アメリカはその石油が欲しかったんや。せやからイラクの経済を爆撃して破壊して、al-カーイダとワッハーブ派テロリストを連れてきてその戦略を支援させた。それからアメリカはシリアに戦いを広げてシリアの石油資源を奪いにいった。
でもずっと、近東と中東の石油を支配するために征服しようとしている国々の順番の最後にはいつもイランがあった。アメリカはリビア・イラク・シリアなど他の国は征服できると分かってた。サウジアラビア・UAE・アラブ諸国からの支持も確保できてた。これらの国々の石油収入は政府系ファンドとして米国債や米国の金融市場に投資されてたからや。つまり目的はずっと世界の石油を支配して、電気・電力・照明のスイッチを支配することやった。これはイランの征服、イランの石油産業の奪還、軍事独裁政権の再樹立を必要とする計画や。旧シャーよりも残忍で効果的なものをな。50年かけて練られ、洗練され、精緻化されてきた計画なんや。
AA ― でも多くの分析家は、そういう攻撃がワシントンにとって望ましいものやったとしても、以前の大統領たちがそれを不可能と考えて回避してたと信じてる。明らかに最も好戦的な大統領の一人やったジョージ・W・ブッシュでさえ、イランを攻撃することを拒んだ。せやからトランプは間違いを犯したんか、それともアメリカのディープステートの論理に従って行動したと思うか?
MH ― ジョージ・H・W・ブッシュの時代にイランに対する血まみれのイラク戦争があったのを覚えてるやろ。百万人のイラン兵が死んだ。アメリカはイラク人に化学兵器やその他の非合法な手段を提供した。せやから1980年代にすでにイランを征服しようとしたけど、うまくいかへんかったんや。
それからジョージ・W・ブッシュとディープステートの残りは計画を実行して言うたんや。「イラクとシリアを征服して中東の残りをコントロールするまでは、イランと戦えへん。アラブ首長国連邦に軍事基地を、サウジアラビアに軍事基地を、イラン周辺全体に軍事基地を持って、征服できる態勢を整えるまでは」ってな。
明らかに軍事戦略家の中には楽観的な人とそうでない人がいる。トランプの周りにいるのは全員、最も楽観的なネオコンやねん。これはディック・チェイニーがジョージ・W・ブッシュの副大統領やった時に周りにいた同じ連中や。同じ人たちがずっといて、今もいる。アメリカとイスラエルが共同管理体制を作れると信じてる同じ親イスラエルのシオニストたちや。アメリカがイスラエルを近東における主要な軍事基地として使い、イスラエル軍を執行部隊として使う。今はシリアでのジョラニのジハード主義al-カーイダ軍で補完されてる。イスラエルと協力してアメリカのクライアント寡頭制と執行者として機能するためにな。
AA ― ここ数週間、あなたは大多数の分析家とは全く違う物語を語ってきた。みんながミサイル・ドローン・犠牲者数を見てる間に、あなたは別の話をしてきた。わしはイラン国内でさえそれが十分に受け止められてないと思う。せやから50年間アメリカの金融システムを研究してきた立場で、イランが実際に何を達成したのか教えてほしい。見出しはみんなミサイル・停戦・犠牲者についてや。でもその裏で、イランはホルムズ海峡を事実上封鎖して、人民元建ての通行料を課して、OPECの石油輸出を崩壊させて、湾岸の君主国たちをスワップラインを求めてワシントンに送り込んで、金がアメリカから記録的なペースで流出するようにして、外国の中央銀行が1996年以来初めてアメリカ国債より多くの金を保有するようにしてきた。これはあなた自身の枠組みで言えば、1972年に描写したシステムの解体やないか。イランは一体何を壊して、何を達成したんか?
MH ― イランが達成したのは「わしらは降伏せえへん」と言うことやな。アメリカが言うてることをそのままやろうとするのが分かったんや。レジームチェンジ、最近イランの指導者を暗殺したようにな。政府を乗っ取る。クライアントの寡頭制を据える。シャーの時と同じように。イランは「植民地になるよりも、アメリカのクライアント独裁政権とクライアント寡頭制になるよりも、わしらの天然資源や石油を全部取られるよりも、戦う方がましや」と言うてる。
イランは自国だけではアメリカとその同盟国、ヨーロッパや日本のような東側の同盟国に勝てないと悟った。世界の残りの支持が必要やねん。どうやったらそれができるか?イランはこう言うた。「わしらがアジアやわしらが望む市場に石油を輸出でけへんのやったら、アラブのOPEC諸国や中東のOPEC諸国からも石油の輸出はでけへん。中国・アジア諸国・グローバルサウスの国々・ヨーロッパでさえ、この地域の石油に自由にアクセスしたいのなら、わしらをその石油地域の一部として含まなあかん。アメリカの中東乗っ取りに反対しなあかん。近東の全てのアメリカ軍事基地を追い出すというわしらの国家安全保障の取り組みを支持しなあかん。あんたらの銀行が違法に奪ったわしらの金を返さなあかん。わしらへの制裁を解除しなあかん」ってな。
「わしらからや他の国から石油が欲しいなら、わしらが生き延びることを許さなあかん。もしあんたが『まあ、わしらは石油が欲しい。アメリカがイランを乗っ取って石油をコントロールしてもええ。アメリカがその石油をわしらへの武器として使ってアメリカの政策に服従させようとしても』と言うのやったら、イランはこう言う。『かまわへんと言うのなら、かまわなあかん理由をこれから教えたる。わしらへの支持・独立・主権を支持しないことの代償は1930年代と同じくらいひどい世界恐慌になる。好きな方を選べ』ってな」。
イランは賭けを引き上げて世界全体にこう問いかけてる。「アメリカがイランを単純に奪い取ることを認めるか?ベネズエラにやったことをイランにやることを?乗り込んできて石油を奪い取り、全てのベネズエラの石油輸出をトランプの個人的な指示のもとでフロリダの銀行口座に入れることを?トランプはレジームチェンジ後に自分がイランの新しい指導者を任命したいと言うた。つまりイランの人々は何も得られへん。もしこれがあんたたちの考える世界やったら、つまり世界経済の残りがトランプとアメリカが全ての国の指導者を任命して石油・鉱物資源・土地・公益事業・奪えるものは何でも奪えると信じるのなら、はっきり言って、くたばれ」ってな。
AA ― 1972年にあなたの名を世に知らしめた枠組みに話を移したい。ほとんどのイラン人にはそれが明確に説明されたことがないと思うから。「超帝国主義」ではあなたが「財務省証券本位制」と呼ぶものについて説明してる。そのメカニズムは、ニクソンが1971年に金の窓口を閉じた後、ドルを積み上げた外国の中央銀行には米国債を買うしか選択肢がなくなったというものや。それはアメリカとの貿易黒字を稼ぐことが、アメリカの戦争資金を賄うためにアメリカ政府への強制融資になることを意味した。あなたはそれを「外国人への課税、代表なき課税」と呼んだ。
このメカニズムが実際にどう機能するか、わしらの視聴者に教えてほしい。そして具体的なことを説明してほしい。45年間制裁下にあって、最近の15年間は最大限の制裁を受けてる国、米国債を合法的に保有できない国でさえ、どうやってドルシステムがまだイラン人から貢ぎ物を搾り取るのかを。石油化学品の輸出がドル建てになってることを通じてか?湾岸の隣国がイランのために準備金を保有してることを通じてか?ドル建て債務を通じてか?その仕組みを視聴者に見せてほしい。コードを断ち切ったと思ってても、どうやって出血が続くのかを。
MH ― ものすごく広い質問やな。要点を説明しようとするけど、「超帝国主義」で詳しく説明してるから。
AA ― なぜそれを聞くか言わせてほしい。イラン国内では、イランが制裁下にあるのでグローバルシステムの外にいると思ってて、だからドルはそれほど影響を及ぼせへんと思う人が多いんや。
MH ― それを話す前に、イランが何から逃れようとしてるかを言わなあかん。
1945年から1950年まではアメリカは強い立場にあった。1950年には世界の金の約80パーセントを保有してたんや。でも1950年と1951年に朝鮮戦争が起きて、朝鮮戦争を境にアメリカの国際収支は赤字に転落した。アメリカの国際収支赤字の全ては海外の軍事支出からきてた。世界中に作った軍事基地、今は約1,800ヶ所ある。朝鮮戦争、特にベトナム戦争がその主因やった。アメリカの民間部門はほぼバランスが取れてた。政府も軍事費を除けば国際収支の黒字を出してた。でも軍事支出がドルの為替レートを維持するためにアメリカに金を売らせることを強いてた。
1960年代のベトナム戦争の時、アメリカ軍は東南アジア、ベトナム・カンボジア・ラオスに金を使いよった。これらはかつてフランスの植民地で、アメリカはフランスの植民地システムを支持しようとしてた。フランスの植民地はフランスの銀行を使ってた。これらのドルを本部のあるパリに送って、パリの銀行はこれらのドルをフランス中央銀行にフランス通貨と交換させてた。そうしてドゴール将軍のもとの政府はこれらのドルを金と交換しとった。金を買うてたんや。ドルは要らんかった。金が欲しかったんや。
わしがチェース・マンハッタン銀行の国際収支分析担当やった時、毎週金曜日、わしらは連邦準備制度の声明、どれだけの金がアメリカの紙幣、あんたがポケットに持ってるドル紙幣をカバーしてるかを見てた。法律上、全てのアメリカの紙幣は25パーセントを金で裏付けられなあかんかった。アメリカの軍事支出がアメリカの金準備を枯渇させるのが見えてたんや。1971年までにこれが限界に達して、アメリカは言うた。「これ以上ドルを金と交換する余裕はない。金の窓口を閉じる」ってな。
アメリカ政府には多少のパニックがあった。「金なしでどうするんや?」って。わしの「超帝国主義」が示したのは、アメリカの帝国にとって悪いニュースに見えたことが、実際には金があった頃よりもアメリカに世界の金融システムに対してずっと強いコントロールを与えたってことやった。なぜかというと、中央銀行がドルを金と交換できへんようになったら、何に使うんや?アメリカの株を買うことはリスクが高すぎた。アメリカの特定の企業を買うことは許可されてなかった。できることと言えば外貨ドルを米国債を買うことで安全に保管することだけやった。
せやからアメリカの軍事支出によって生み出された全てのドルは、ヨーロッパ・アジア・日本の外国の中央銀行に流れ込んで、それらが米国債を買うことでアメリカ財務省に貸し戻された。国際収支赤字はもはや制約やなかった。循環的なフローやったんや。海外への軍事支出がアメリカ国内の財政赤字を賄うために還流された。
それから1973年と1974年の石油をめぐる争いがあった。アメリカが穀物価格を4倍にした後、OPECが石油価格を4倍にした。わしは国際収支の専門家で、特に石油産業が主な専門でチェース・マンハッタンでの主な焦点やったから、国務省とホワイトハウスとの会議を何度も持った。彼らははっきりさせた。サウジアラビアとOPEC諸国とある取引をした。石油の値段はいくらでもええ。わしらが求めるのは、得た輸出収益を貯蓄の形として米国債に投資することだけや。それが取引やった。貯蓄をドルで保持することを必要とした。
今起きてることは同じダイナミクスの再演やねん。アメリカの国際収支・貿易・経済力は、1971年以降に構築したこの自動的な国際収支の自己資金調達に頼れへんほど衰退してきた。せやから「わしらのドルを還流せえへんかったら、どうやって他の国を傷つけられるか?」と問わなあかんようになった。一つには選択肢を与えへんことや。国が石油の収益・国際収支の収益・輸出の収益をアメリカに渡さへんかったら、SWIFT銀行清算システムを閉鎖する。決済・各国間の送金が行われるシステムやな。
中国はそれを必要としない代替システムを構築した。1971年に戻ってみたら、国が石油輸出の収益を貯蓄できる別の通貨は実質的になかった。今はある。中国の通貨があって、金がある。金はもうアメリカから供給されてないけど、市場で買える。国々が金を買うのは、今のところ代替となる人工通貨がないからや。それを作るには新しい種類の国際通貨基金、管理するための新しい種類の中央銀行か世界銀行が必要になる。アメリカはIMFのルールのもとでそれを絶対に許さない。IMFで拒否権を持ってるからな。
せやから各国にできる代替手段は、金・中国の通貨・お互いの通貨・異なる通貨のマーケットバスケットだけやねん。それが今起きてることやな。各国は石油・鉱物輸出・工業輸出をドル建てにせんでもええようになってきてる。例えば中国の通貨で決済できる。中国は世界で最も急速に成長している経済やから。社会主義的な中国の特徴を持つシステム、これは基本的に19世紀にアメリカを豊かにしたのと同じ産業保護主義の政策やけど、それが中国を安定させてる。世界中のみんなが中国の輸出品を買い、中国の投資を引きつけるために人民元を必要としてる。せやから世界の残り、BRICS諸国とグローバルサウスは代替の金融・通貨システムを発展させようとしてる。それが今まさに構築されてるプロセスにあって、わしの最近の論文のほとんどがそれについてやねん。
AA ― ここで核心的な質問をしたい。あなたは何年も多極化について書いてきたけど、イランの内側からすれば状況は深刻で急迫してる。政府の一部でさえ「もう長い間抵抗してきた、経済状況が危機的で、制裁が続いたら深刻な問題が起きる」と思うてる。ハドソン教授・デサイ教授らが約束する多極化は10年・15年・20年後に来るかもしれへん。でもそれまでに国内で押し潰されるかもしれへん。イランは2026年1月の初めに非常に深刻な経済暴動を経験した。数千人が死んで、アメリカの攻撃に対するある種の偽旗作戦のように機能してしまった。
せやから多極化について話す時、代替通貨や代替システムが表に出てくるのはどういうタイムフレームで予測するか?中国はアメリカの金融インフラと積極的に競争したり、SWIFTやIMFに並行するものを提供したりするのに十分なインセンティブを持ってないように見える。中国は非常に辛抱強い行動者に見えて、それはイランには十分やない。そして第二の質問:あなたがイランやったら、アメリカとの交渉でどうするか?ホルムズ海峡や戦争で得た成果の一部と引き換えに制裁の緩和を取引するか?
MH ― 制裁について言うと、中国は本当にアメリカのライバルとして自分を見てへん。どんな貿易圏を作りたいかを考えてる。アメリカとアメリカ式の貿易・金融システム全体から独立していたい。中国や他の国々の自律性を求めてる。多極化とは各国が自国の主権を追求して、他の国々と自分たちで貿易・投資関係を作れることやねん。それはすでに起きてる。
中国とロシアはすでに気づいてる。アメリカがイランを征服して世界の石油貿易のコントロールを事実上乗っ取ったら、自分たちの軍事・政治・経済の独立を保てへん。なぜなら石油貿易が自分たちへの武器として使われるからやねん。せやから彼らはすでにアメリカが要求するレベルに応じてイランをますます支援すると言うてる。
問題は、イランに対するアメリカの制裁を防ぐために彼らに何ができるかやねん。トランプが中国を訪問する前日、アメリカはイランの銀行に、そしてイランの石油を精製してる中国の精製業者と取引する世界中のあらゆる銀行に新たな制裁を課した。これは中国への直接的な金融攻撃やねん。中国にできることと言えば、自国をアメリカ中心の金融システムの残りから絶縁することやねん。アメリカに取って代わろうとしてるわけやあらへん。アメリカは常にドルを持つやろう。でも中国と他の国々が求めるのは独立した状況やねん。
今インドでBRICS会議があって、まさにそのことを議論してるのは確かやと思う。でもBRICS通貨、つまりみんなが使う共通の通貨を作る能力は実現でけへん。それには共通の議会が必要で、全ての国が同じ政治的実体でなあかんからや。それは不可能やねん。必要なのは新しい種類の国際銀行を作ることやねん。舞台裏での議論があると聞いてる。それがラディカ・デサイとわしが1?2年間話し合ってきたことやねん。
代替通貨が誕生するずっと前に、代替の貿易システムは作れるんや。他の国々はアメリカがその銀行システムに制裁を課す能力からの自国の銀行と貿易業者を絶縁して、イランと自由に取引して、イランが必要とする食料・原材料・工業用品を提供できるようにする。彼らがイランと協力してその回復を助けるためには、アメリカのその銀行システムへの制裁を課す能力から自分たちを免疫させなあかん。今まさにそれをやってるはずやね。
AA ― ウクライナ戦争後のロシア政府がしたこと、過去15年間で中国政府がしてきたことを見ると、彼らがあなたの本を読んでその洞察に従ってるように見えるんや。一方でイランの政府全体としては、グローバルな金融システムがどう機能するか理解してないと思う。
最後に2025年12月、戦争の3ヶ月前の話をしたい。マスード・ペゼシュキアン政府は一連の措置を実施した。50パーセントの外国為替切り下げ、食料・医薬品輸入向けの補助金付きドルの廃止、インフレが40パーセントで進む中での公共部門の給与上限20パーセント、VATの引き上げ。イランの現財務大臣マダニザデ博士はシカゴ大学で博士号を取得した人物、あなたが50年間にわたって金融化された地代モデルの知的実験室として説明してきた機関や。1989年以来、イランの下流石油化学資産は、ドルで稼ぎながら切り下げられたリアルで労働力に賃金を払う、国家系列の年金ファンドと複合企業に密かに民営化されてきた。
最後の質問はこうや。金融化された帝国主義に対する外側の戦争に勝てるのに、どうやって同じモデルの内側の戦争で、自国のテクノクラートと大臣によって実施されながら負け続けられるんか?イランは外側の勝利を永続させるために内側で何をしなあかんのか?その銀行システム・税制・寡頭制の石油化学セクターに対して何をせなあかんのか?
MH ― イランも他のどの国も年金システムを金融化する必要はあらへん。これは狂気の沙汰やで。現在の収益を取って、生産プロセスの一部として使う代わりに、後から引き出すために金融的に投資してる。前払いする必要あらへん。ドイツ人がやったことをやればええ。稼ぎながら払う、ペイ・アズ・ユー・ゴーやねん。アダム・スミスが提案したことをやればええ。稼ぎながら払う。
シカゴ大学は「全ては金融化されるべきや」と言う。経済に産業は要らん。金融セクターだけでお金は稼げる。全ては資金調達と金融についてや。でもこれは狂気やねん。
イランがアメリカが犯してきた失敗を模倣することで豊かになれると信じるなら、十分深く失敗して全ての貯蓄を生産・農業・産業に使う代わりに金融投資にして経済を貧困化させれば、何とかして豊かになれる。答えはノーや。アメリカが陥ったのと同じ破壊的な金融資本主義に行き着くことになる。
西洋全体が19世紀の古典的な政治経済学が概説した産業資本主義のダイナミクムスから離れてしまった。経済レントは生産プロセスの一部やないから求めたらあかん。土地レントもあかん。天然資源レントもあかん。金融レントもあかん。それは全部経済の頭上コストやねん。金融セクターの役割を最小限にして、中国がやったように完全に政府セクターの一部にしなあかん。
もし国がアメリカで訓練された大臣を持つなら、彼らは資金調達と金融が何であるかを理解しないように訓練されてる。金融資本主義と産業資本主義の違いを理解しないように訓練されてるんや。


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