マイケル・ハドソン&リチャード・ウルフ:帝国の限界
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The Limits of Empire
2026年6月15日(月)
ニマ・アルホルシド: みなさん、こんにちは。今日は2026年6月11日(木)で、おなじみのリチャード・ウルフさんとマイケル・ハドソンさんに来てもろてます。おかえりやす、リチャード、マイク。
マイケル・ハドソン: 呼んでもろて嬉しいわ。しかもこない重要な時期にな。
ニマ: そやねん、ほんまに。昨夜起きたことはアメリカとイランの直接衝突やった。アメリカがイランを攻撃することにしよって、攻撃されたんはシッリ島とケシュム島、ペルシャ湾のホルムズ海峡近くの二つの島や。それからイランの首都近くの都市、カラジでも二発の攻撃があったんや。
もう一個の重要なポイントはな、アメリカが狙ったんがアッサルイェっちゅう街の石油化学プラントで、イランの主要な石化施設のひとつやねん。そこに向けて撃ったクルーズミサイルが二回も迎撃されてな、CENTCOMは「そんなことなかった」言うて否定したんや。その後イランが反撃して、クウェート、バーレーン、ヨルダンにある目標を叩いた。見た感じ、クウェートのレーダー施設が直撃されて、ヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地がイランのミサイルで攻撃されたみたいやな。映像も出回っとるし、イランは「戦闘機を直撃した」言うてる。
その前にもシッリ島への攻撃があって、そこにあった二つの水タンクが破壊されてん。これは新しい動きやった。「イランが報復したら、GCC諸国やイスラエルの海水淡水化施設を攻撃するんちゃうか」って言う人もおったけど、そうはならんかった。
今のところはこんな感じや。ドナルド・トランプはこの攻撃で、イランを追い込んで自分の条件を飲ませたい、立場を変えさせてトランプと合意させたい、ってことやな。今日もそれを繰り返して、「今夜またイランを攻撃する。ハルク島を制圧するかもしれん」ってツイートしとった。
スコット・ベッセントもこない言うてたで。「イラン政権はゼロサム・ゲームに負けることになる。湾岸の同盟国に与えた損害はイランの口座から差し引く。ペルシャ湾海峡通行料もイランの口座で相殺する。イランが攻撃するたびに、経済的・金融的な代償が積み重なっていく」ってな。
そしてさっきトランプがフォックス・ニュースでこない言うてた。
トランプ(音声): 歴史上でも彼らは白旗を掲げて「降参します、もうお終いです」と言えるんや。そしてアッラーを称えながら大声でそれを言えばええ。そしたらフェイクニュースは「イランの大勝利や」と言いよるやろな。こんなアホなこと見たことないわ。
ニマ: リチャードさん、先にあなたに聞きますわ。トランプのこの「やったらやり返す」式の攻撃を、イランが当然反応することを知りながらやっとる、この姿勢をどう見ます?イランの立場を変えさせようとして圧力かけとるけど、そんな気配は全くないと思いますわ。むしろ立場を固くしとる。どう見ます?
リチャード・ウルフ: そやな、基本的にはあなたの見方と同じやわ。別の見方をする理由がないもんな。トランプはこの戦争が始まってもう三ヶ月以上、「交渉中や」言い続けてきたけど、実際には何の交渉もなかったのが明らかになってきた。そしたら今度は「もう合意に近い」言い出してな。それが少なくとも二ヶ月続いとる。合意なんか近くもない。
トランプは真実を言わへん。もうちょっと丁寧に言うたら、彼は真実との間に非常に独特で個人的な関係を持っとって、それは友好的な関係やない。結論はな、こいつの言うことを信じる理由なんか何もないってこっちゃ。
もし本当にアメリカが何発かミサイルを撃ったけど迎撃されて目標に届かず、水タンク二個壊しただけやったとしたら、それはアメリカが機能してないっちゅう素晴らしいメタファーやな。水タンク二個壊してどないするねん?アホくさいだけやなく、実質的には何の影響もないやないか。
一方でイランが本当に反撃して、しかも目標を正確に叩いて、その目標が軍事施設やったとしたら、はっきりしてるやん。イランがこの戦争に勝っとるってことや。軍事的な応酬でも勝っとる。もしイスファハンやテヘランの住宅地を爆撃したとかやったら、全然違う話になるけどな。それは悲惨やし、状況も違う。これはまたしても単なったはったりや。
さてスコット・ベッセントについてはな、できるだけ丁寧に言うわ。ベッセントは切れ者とは言えへん。昔もそうやったし今もそうや。彼が言うことはたいていトランプを後押しするための薄っぺらな後付けやわ。トランプに対する彼の振る舞いは、自尊心のある知識人やったら絶対せんことで、奴隷みたいに振る舞うにしても、そんなに露骨にはやらへんやろ。この人は自分がどう見えてるか分かってないのか、それとも気にしてないのか。どっちにしろ、彼の発言に答えようか。
イランはすでにホルムズ海峡を封鎖することで莫大なコストを払っとる。イラン自身もホルムズ海峡の主要な利用者やからな。それだけで相当なコストがかかっとる。爆撃による被害の修復にも金がかかる。そこへベッセントが「他にもコストをかけてやる方法がある」と言うてる。例えば「あなた方が課金したら、我々がすでに押収しとる、あなた方のお金から引き落とす」とかな。これはほんまに情けない話やで。イランに向かって「課金してもええけど、あんたらのお金から取るわ」って言うとるだけやんか。
この時点でイランはもうそのお金を持っていかれとって、自前で対処する方法を見つけ出してんねん。ベッセントにできることといえば「あのお金は永遠に返さない」と言うだけやけど、イランはもともと返ってくるとは思ってなかった。これは子供のやることやで。大局的に見てな、イランが三ヶ月間ずっと軍事的な脅しに屈せずハッタリを見抜いてきたんやったら、ベッセントが小賢しい三つのトリビアを並べたくらいで態度を変えるわけないやろ。
ニマさん、あなたが正しいわ。まったくもって正気の沙汰やないな。おまけに彼は将来的に何をするか言うてしまっとる。戦争に関して少しでも知っとる人間なら分かるはずやけど、戦争中に言うことと終戦後に合意することは全然別もんや。だから彼の「将来こうする」っちゅう約束は、まあ言うたらズバリ、でたらめや。アメリカのメディアに報道させて、「トランプは強硬や」という印象を与えるためだけのもんやな。ハルク島もそのためや。水タンクもそのためや。「幽霊船を護送した」とかいう嘘もな。実際に先週起きたことは、インドと契約した船を間違えて攻撃してインド人船員三人を殺したことだけやろ。それが何の成果やねん?ほんまに情けない。豊かで強力な国がこんな体たらくになってもうとる、それ自体がもう負けてるってことやわ。
マイケル・ハドソン: リチャードが「将来」について言うたポイント、私も拾いたいわ。トランプは最近、「この戦争はイランの(存在しない)核爆弾が全てや」っちゅうフィクションをとうとう捨てた。そして最近こない言い出した。一つ目、改めてイランの石油を全部奪いたいと。それで何をするかもはっきり言うてる。「イランの石油を手に入れたら、輸出収益の半分はアメリカへの補償、つまり宣戦布告なしで仕掛けたこの戦争のコストに充てる」と。残り半分はイランに被害を受けた地域の国々への賠償に使うと言うてる。
どの国かは想像するまでもないやろ。主にイスラエルで、あとはアメリカの衛星国のアラブ首長国連邦あたりや。ヨルダンはたぶん忘れられる。アラブ首長国連邦がいつまで持つかも分からんし。サウジアラビアは取り分をもらえるかもしれんけど。
でもトランプが公言してることははっきりしとる。ベネズエラに対してやったのと同じことをイランにやりたい。石油を奪って、輸出収益が全部アメリカ管理の口座に入るようにする、マイアミにあるベネズエラ口座みたいな感じでな。そしてアメリカがその使い道を決める。自国の軍事費や財政赤字補填に使ったり、イスラエルやその他のアメリカの代理軍に回したりするわけや。
これはつまり、表向きの理由(イランの核開発)は完全にでたらめで、全部石油の話やってことをトランプ自身が公言してるってことや。
ニマ: リチャードさん、アメリカの戦略についてですが、この「やったらやり返す」式の戦略と、攻撃後にイランがホルムズ海峡を完全封鎖したことについてどう見ます?今は何も通れない状態で、以前は一日10?30隻のタンカーが通行料を払いながら通ってたのに。これが世界経済に圧力をかけとるわけやけど、石油価格を見ると、マーケット操作でトランプはある程度成功してきたものの、ロバート・カプランは「今見えてる価格は実際の価格やない、本当は150ドルくらいや」と言うてる。
この「やり返す」戦略をアメリカは続けると思います?アメリカ経済がどこまでトランプを支えられるのか分からんし、世論調査を見ても分かるように、世界経済への影響についての計算が彼らの中にあると思いますか?
リチャード・ウルフ: アメリカの指導部の計算ってことやね?
ニマ: そやな。
リチャード・ウルフ: そうやな、彼らには一つか二つの考えがあると思うわ。最初の考えはこうや:ガソリン価格も心配せんでええし、インフレも心配せんでええ、昨日発表された4.2%も、これから夏にかけてさらに上がるはずの下流のインフレも、心配する必要はない。なぜかというと、アメリカ国民は11月の選挙で彼らを追い出せないと思っとるからや。
自分たちが主導権を握ってるという感覚があれば、投票集計の仕組みや、それに伴う各種の不正、これはそういう現実があることを実際の選挙活動に深く関わってきた経験者として言うてるんやけど、もし投票プロセスをコントロールできるなら、かなりの程度、望む結果を出せる。彼らがそれをできると確信してるなら、お金と人材があるなら、心配する必要はない。そうなったらイランは間違いを犯したことになる。インフレが引き起こす経済的苦痛の大きさを過小評価したことになるからな。
そして忘れたらあかんのやけど、インフレっちゅうのは昔からちゃんと分かっとる批評家が言うてたように、経済現象である前に階級闘争でもあるんや。ズバリ言うたらな、金持ちはインフレを気にせんのや。なぜなら価格の上昇と一緒に自分の収入も上げる手段を持っとるからや。労働者階級は、雇用者やったから、または三年、四年続く組合の労使協定に縛られとるから、自分の「商品」、つまり労働力の価格、賃金を物価上昇に合わせて上げられへん。
やからインフレは底辺と中間層から上層部への富の再分配になりがちやねん。つまり意思決定者はほとんどの場合、他の人たちほどインフレに圧迫されへん。インフレは他の人たちを傷つける手段やねん。これが一つ目の可能性や。
もう一つの可能性は、もちろん彼らが間違っとる場合や。選挙をコントロールできなくて、どのみち再選できないトランプが「ここで全力を出すしかない、どうせ終わりや」という判断を下した可能性もある。この選挙の後、彼は任期末期の大統領になる。伝統的にそれはほとんど何もできないことを意味する。MAGA層への支持も今まで以上に低くなって、明るい未来は見えない。やからトランプは静かに沈むよりも、炎の中に突っ込んで何かをやり遂げようとしてるのかもしれん。
そうやとしたら皮肉な話になるけど、自分たちもトランプと一緒に引きずり下ろされると恐れる共和党の他の議員たちが、彼を何らかの妥協戦略に引き込もうとするかもしれん。「イランに勝った」と宣言することやな、毎日ほぼやってることやけど。「あんたらには軍もない、海軍もない」とかいう現実とは全く関係のない話を繰り返して、「俺が勝者や、俺が勝者や」と言い続ける。それが彼がいつも求めてきたことやからな。これまで関わった主要なビジネスは全部破産してるけど、いつも自分が「勝者」やってな。
もし共和党がそれをやれば、他の共和党議員を救えるかもしれん。でなければ11月に地滑り的大敗を喫する危険な状況になる。もう遠くない話やで。7月、8月、9月、10月、11月。基本的に五ヶ月や。メイン州上院候補のグラハム・プラットナーみたいな選挙結果を見ればわかるやろ、こういう人たちが当選したら、単に政策が違うってだけやない。トランプがバイデンとオバマにやったことを、トランプにやり返すことになる。トランプがやってきたことの半分がバイデンとオバマの逆回しやったように、プラットナーみたいな人たちはトランプのやったことを全部ひっくり返すわけや。
そしてそれを望んでない人たちがたくさんおる。大企業もそうや。2017年の減税と昨年の大きな税制優遇法案の恩恵を手放したくない。それを取り消すような人たちは入ってきてほしくない。
マイケル・ハドソン: リチャードが時間の要素について言うてくれたけど、それが鍵やと思うわ。トランプは億万長者だけやなく、何より株式市場と債券市場を気にしとるかもしれん。タイミングにとって非常に重要になってくるやろな。
トランプとその顧問たちは、イランとの戦いでは時間がアメリカの味方やないことを分かってると思う。長引けば長引くほど、アメリカは石油業界の幹部や石油関連の出版物が言う「エネルギーの崖」に押しやられてく。それが独立記念日から7月中旬のあいだに来る可能性が高い、とされとる。それがなぜかというと、アメリカの国家石油備蓄が底をついて、石油備蓄を放出して人為的に価格を低く抑えることができなくなるからや。そうなれば石油価格が急上昇して、主要産業の大規模な操業停止が必要になる。
特に影響を受けるのがトランプの最強のMAGA支持基盤、農業地帯、西部と北西部やな。すでに農家の破産件数がどんどん増えとるのに、肥料の値上がりや収穫機械のコスト上昇、さらに作物の先物売りに必要な資金調達コストの増加により、今年は作物を植えても利益が出ない状況になっとる。銀行と大手農産物流通業者への支払いが重くのしかかっとる。
だからトランプはこれまでやってきたような緊急対応を余儀なくされとるわけや。イランに対してできる時間には限りがある。それがトランプが偽りの核爆弾問題を蒸し返す理由やと思う。「核問題に対処するまで合意はできない」と言うとる。
これがいかにでたらめかというとな、まず、これでは問題解決のための話し合いが根本的に不可能になる。つまりトランプは最初から交渉を本気で解決する気がなかったってことや。だから核の問題を持ち出したんやな。
それにな、ここ二日間でシーモア・ハーシュがサブスタックに書いてる。トランプが参謀と「時間切れになる前にイランに核兵器を使うことを検討した」と議論したっちゅう話や。ホルムズ海峡封鎖でアラブのOPEC諸国からの石油貿易がいつまでも止まり続ければ、自分たちが散々話し合ってきた石油価格の急騰と経済への壊滅的な打撃が起きるからな。
私がちょっと驚いとるのは、イランがなぜ最初からこういう切り返しをしなかったかやねん。「ウランの濃縮についてのご提案は全て受け入れます。200発の核爆弾を持つイスラエルにも同じ条件が適用されるという前提でな。イスラエルはイランを爆撃すると脅してる、戦争状態にある???テロ国家や。アメリカも数百発の核爆弾を持ってイランと戦争状態にある。イランは核爆弾を持ってないどころか、タルシ・ギャバードが全情報機関のまとめとして言うたように、ここ数年全く核爆弾の開発に向けた取り組みさえしてない。なのになぜイスラエルとアメリカが問題で、イランが問題なんや?」とな。
やからイランはすべての濃縮ウランまで含めて放棄するかわりに、イスラエルが同じことをすることを条件にすればええと思う。核爆弾で脅されとるのはイランやで。攻撃されとる側やん。200発の核爆弾を持つ二カ国に攻撃されて、しかもその両方が使用を検討してる状態で、なぜ私たちが「問題」扱いされるんや?これは最初から話し合いを壊すための条件設定やな。間接的にはそれを言うてると思うけどな。パキスタンの仲介者も「それでも話し合いを続けられないか」と試みたやろ。そしてイランは話し合いを続けてきたと思う、中国が続けさせたいと思っとるからな。
中国はこのドラマのジョーカーの一枚や。あなたのゲストたちも指摘してたけど、中国はイランに「米軍機がどこから来てるか」の情報を与えて誘導してるように見える。アメリカはイランの防空レーダーを潰すことに集中しとるけど、「あなた方が自国を守ろうとしてるのは、私たちが攻撃した時に反撃できるように準備してるからや、だから防衛は攻撃の証拠や」と言うとる。
これは再びオーウェル的二重思考やな。防衛がいきなり「侵略」と解釈されとる。中国は確実に、ロシアも間違いなく、イランがアメリカに占領されることを阻止することに死活的利益を持っとる。もしイランがアメリカに占領されたら、アメリカはそこを足がかりにアゼルバイジャンを経由してロシア南部へ向かってウクライナ式の攻撃を仕掛けられるからな。
タイミングの緊迫性こそが核問題をこれほど切迫させとる理由や。昨日の国連と国際原子力機関(IAEA)の会議でも「イランは核開発を査察に開放して以前のようにしろ。核科学者と話をさせてくれ、名前と住所を教えてくれ、そしたらイスラエルの暗殺部隊に渡して殺せるからな」と言うとるようなもんや。なぜなら物理学の博士号持ちは誰でもいつか核爆弾に関わるかもしれんから、イランの教育を受けた科学者・エンジニア階層を根絶やしにしないと安心できないという論理や。
実際のところは、イランを原子爆弾でも何でも使って完全に消し去らないと安心できない、ということや。それがアメリカの交渉方針の実態やな。そしてイランも中国もロシアも世界中の人々も、今やそれをよく分かっとる。今夜、何が賭けられているか、それやねん。
ニマ: リチャード、タイミングについて言うと、キース・ケロッグ将軍がマイケルの言うた核兵器使用について、フォックス・ニュースでこない言うてたんや。
ケロッグ将軍(音声): この任務を果たすには、長引く戦争はアメリカ式の戦争やない。アフガニスタンやイラクで慣れてしまった戦い方やな。第一次・第二次世界大戦の頃みたいに、「仕事をやり遂げる」、「完全に打ちのめす」、「話したいなら連絡してこい、それまではもう終わりや」という戦い方に戻らなあかん。今は向こうのゲームをやっとる。我々のゲームをやらなあかん、こっちのペースで戦って向こうを来させるんや。
ニマ: 実質的に核の使用を示唆してたんやな。リチャード、どうぞ。
リチャード・ウルフ: そやな、これが帝国のすることやねん。帝国が文脈になる。あの部屋の中の語られない巨象は帝国や。イランが1953年に石油国有化という考えを持ったことは、帝国への違反やった。マイケルが言い続けてるように、帝国は石油のコントロールを求めとる。それを妨害する者は正しく帝国への脅威とみなされる。
それを貧しい国が自国の石油のために民主主義的にやったことを、自国民に理解させるために、レトリックの過剰演出が必要になる。「核爆弾を作っとる」、「幼い子供を虐殺しとる」。帝国に挑んだ者を全員悪魔のように描いた。みんながまたスターリンや。プーチンはスターリン(ただしスペルが違うだけ)。サダム・フセインはもう一人のヒトラー。カダフィはまた別のヒトラー。文字通り新聞がこれはヒトラーだという比較で溢れてた。
だからあのお粗末な将軍が第二次世界大戦を引き合いに出さなあかんかった。アメリカが勝てた最後の戦争やからな。ちょっとした細部を省いてるけどな。第二次世界大戦でロシア人の犠牲者は公式には約2500万人。ドイツ人は約800万人。そしてアメリカ人は何人か分かる?40万人や。分かるか?2500万人の死者が周りに転がってる状態の戦争っていうのがどういうものか、少しでも想像できるか?戦線は国境からモスクワまで行って、また全部戻ってきた。だから2800万人、2500万人が死んだんや。
ロシア人はアメリカ人みたいに戦争と付き合えへん。真珠湾の後でさえ、アメリカ本土には爆弾一発落ちてない。鉄道の駅一つ壊れてない。子どもの学校一つ吹き飛んでない。何もない。戦争はアメリカ人を仕事に戻らせた。戦争は経済的にプラスやった。ウクライナにとってのロシアもそうで、アメリカ人が激しく動揺してるのもそのためやな。でも彼はアメリカ式の戦争をやってほしい。全部航空力の話にしたい。
軍事科学の古い冗談があってな、「どんな戦争も前の戦争の最高の武器で戦われる」と。なぜかというと、前の戦争に勝った人たちはその勝利をもたらした武器に固執しがちやから。でも負けた側は、誰も使ったことのない武器を研究する。次はそれで挽回できるからや。イランはもう75年間、「どんな武器が使えるか」を考え抜いてきた。ホルムズ海峡の封鎖は彼らが使える武器や。山々と広大な国土では、本物のミサイル・サイロとデコイのサイロを隣り合わせに置いて、アメリカの航空力による攻撃の効果を大幅に削げる。
観客のみんなへの例えとして言えば、日本が第二次世界大戦後に復活した話に似てる。どうやったか?「アメリカが支配的な帝国や。資本主義システムを作り上げるためには、アメリカが生産するものをより良く、またはより安く、できれば両方で作らなあかん」と互いに言い合ったからや。だからみんなトヨタに乗ることになった。ドイツもフォルクスワーゲンで同じことをやった。
あなたと私とマイケルが先週話したことにもつながるけど、なぜ中国は、西側から何の経済援助も受けず、マーシャルプランもなく、貯蓄率や投資を上げる手伝いをしてくれる若い知識人の軍団もなかったのに、西側よりも上手くやれたのか?中国にはそういう「干渉」がなかったから。「西側を物やサービスの生産でより良く安く上回るか、さもなければ習近平が語る百年の屈辱が再び来る」という強烈な動機があったんや。それがイランにも非常に似てる。
最後のポイント、そしてある意味最も重要なポイントとして、あんたらはイランを打ち負かせない。それが問題やねん。アメリカにとっての問題はそこやで。できないんや。中国は永遠にドローンやミサイルを作り続けるやろ。中国の製造基盤は西側全体、いや主要先進国を全部合わせたよりも大きい。ロシアのことはまだ言ってないで、中国だけでこれや。ロシアとの広大な国境があって、そこからドローンやミサイルを何でもロシアに向けて簡単に送れる。ロシアはカスピ海をイランと共有していて、カスピ海のロシアの港からテヘランの北にあるカスピ海岸まで何でも運べる。誰がそれを止めるんや?アメリカに何ができるんや?
あのお粗末な将軍のファンタジー世界ではな、「我々の戦いを持ち込む」という話になる。じゃあ何するん?ロシアと中国を爆撃するの?そしたら全部終わりや。向こうはもうすでにこっちをブロックする手段を持っとって、こっちがやろうとすることをやり返せるんや。これは全員が自滅するか、全部が失敗に終わるかという処方箋や。あの将軍は年を取り過ぎていて、自分がしてることがそういうことだと分かってへん。彼はワシントンで誰にも耳を傾けてもらえない理由に驚くかもしれんけど、私は驚かへん。完全な時間の無駄やからな。
マイケル・ハドソン: 航空力の話をしてくれたのは嬉しいわ、リチャード。それがアメリカに使える唯一の武器やからな。
でも航空力だけでは国を打ち負かせない。さっき言うてた通り、それができるのは陸軍による軍事占領だけや。やからアメリカがこの戦争に勝つ唯一の方法はイランを破壊することや。石油をコントロールして奪えないなら、破壊するってことやな。なぜなら、イランの石油こそが、アメリカが制裁を科したロシア以外の世界の石油貿易のコントロールを阻んでいる主要な存在やからや。イランとロシアが代替的な石油供給者になることを防げなければ、アメリカは石油貿易を完全に武器化できへん。「言うことを聞かなければエネルギー供給を断つぞ」という脅しの道具として使えへんわけや。
つまり、航空力はこれからも見える限り続く、なぜなら私にはホルムズ海峡のど真ん中にあるハルク島への自殺的な侵攻以外の地上侵攻が想像できひんからや。
問題はイランがどう反撃するかや。航空機だけでなく、そういった攻撃を支援している航空母艦も攻撃するのかどうか。
中国とロシアはイランを守るためにどうするんや?航空母艦や爆撃機に対して?もう過去24時間で西ヨーロッパとインド洋からイランに向かっている給油機や他の航空機の座標をイランに教える以外にどうするんや?
核によるイランの破壊は別として、アメリカは水道施設や海水淡水化施設への攻撃に集中しようとしとる。過去48時間でもそれをやっとる。これは戦争法規違反や。イランはそれへの対称報復として、アラブ首長国連邦やその隣国の海水淡水化施設を破壊して対抗するのか?サウジアラビアへはやらないと思うけど、アメリカとイスラエルと最も積極的に組んでいる国々に対しては?アラブ首長国連邦はその資本投資の全てをそこに置いてるからな。だから彼らはトランプの義理の息子クシュナーと組んであの悪名高いアルバニアの島の開発を進けとるわけや。
イランがこういう施設を爆撃するかどうか、それはアメリカとイスラエルがやってきたことへの対称性やな。それらの国々はいま干ばつに苦しんでいる。全ての戦争のルールをアメリカとイスラエルは破っとる、そして世界は未だに傍観してる。
今話してる間にも株式市場を確認してみたら、さらに上がってた。長期金利は下がってる。株式・債券市場の投資家の累積した見解としては、トランプがこの数日中に本当にイランと「爆弾による交渉」を成功させて戦争を終結させると信じてるってことやな。これがどれほどのファンタジーかと思う。
イランが自国の破壊を受け入れるとは考えられないし、本当にそう脅されたら中国とロシアも黙って見てないやろ。なぜなら、それはイランを通じて石油貿易全体のコントロール、そして国際金融システムのコントロールをアメリカに完全に明け渡すことになるからや。これはアメリカとNATO同盟国、「西側」プラス日本、韓国、フィリピンの連合 対 世界の残り全ての対決や。そして「世界の残り全て」の投資家層は今、完全に思考停止の状態にある。
昨日の国連でIAEAが求めた投票を見ても分かるように、「全てはイランがイスラエルとアメリカを爆撃したいからで、石油とは全く関係ない。それは付随的な問題で、イスラエルがIAEAに加盟して査察を受け入れて200発の核爆弾を解体するかどうかについては、次の10年間議論しましょう」という建前を押し通そうとしとる。
これは全て煙幕やけど、あまりにも透明過ぎて煙幕と呼べないほどやな。にもかかわらず世界の残り全体が今おかれてる不作為と思考停止の状態には、ただ驚くしかないわ。
ニマ: リチャードさん、たった今トランプがこない言うてたんや。「私の優先事項は常にハルク島の制圧やった。それをやれば少し時間はかかるが確実で莫大な利益になる。ただアメリカがそれに耐えられるかは正直わからん」と。さらに「もし俺やったらベトナムも3?4ヶ月で制圧できてた」とも続けてた。イランをベトナムに結びつけて、「自分ならできた」と感じてる、これは驚きやな。ベトナムの犠牲者数を考えたら、イランはベトナムとは比較にならへん。あなたのお考えは?
リチャード・ウルフ: 驚くことは何もないわ。これが帝国主義的なメンタリティやねん。ベトナム戦争当時、1975年頃、このタイプの考え方の人たちに話しかけたら、当時単なる若い遊び人だったトランプや、おそらくエプスタインとかなり関係があったと思われるような人たちは、こない言うてた。「ベトコンを2?3ヶ月で打ち負かせた。石器時代に戻してやれた。できたんや、でもしなかった」とな。
そやから問題は「誰が腰抜けだったか?」「誰がスケープゴートか?誰がベトナムを失ったか?」という話になるわけや。第二次世界大戦以降、あらゆる問題について、このタイプの人たちの不満の口癖がそれやねん。中華人民共和国の歴史を勉強したら分かるけど、革命と内戦が毛沢東に勝利した直後に、アメリカ議会では「中国を失ったのは誰か?」という公聴会が開かれた。ハリー・デクスター・ホワイトという国務省の著名な政治家は、ある時点でのある交渉に関与していたというだけで、共和党的なトランプ的メンタリティに「悪者」と名指しされてキャリアを失った。
いつも同じ話やねん。「アフガニスタンでも勝てた。イラクでも勝てた。ウクライナでも勝てた。でも正しい方法で戦わなかった。誰かが裏切った」と。そして反対勢力の誰かを見つけて責任を押し付ける。それがこのゲームや。
トランプは新しい話を作り出せへん。その頭脳がないから。昔からある話を焼き直すだけや、常にそうやった。「もし俺がやるべきことをやれたら、でも民主党が、いやもしかしたらアメリカ国民全体が、俺がやるべき「男らしいこと」をやる度胸がないかもしれん」という話を繰り返してる。子供じみてて、古くさくて、退屈や。それが正直なところ最も適切な反応やな。
世界経済を理解したければ、まず一つのことに気づくことから始めなあかん。ある国が世界中に750の軍事基地を持っとる。それに近い国は他にどこにもない。その国がアメリカや。中国はジブチに一つ基地がある。一つだけ。アメリカには750ある。これが帝国や、拠点を持つ帝国。ローマ人は帝国を持っていた時、ヨーロッパ中に拠点を置いた。オスマン人も自分たちの帝国時代にやった。ペルシャ人も同じくやったな、あの地域で。アメリカが今やっとることやねん。そして帝国はどこにいても、自国から独立して経済的・政治的・文化的発展を望む者は全員脅威とみなして扱う。
でも我々がやらなあかんのは、ここでの語られていない前提を常に暴き続けることや。約一週間前、トランプがニュース会議でホルムズ海峡について聞かれた時に、興味深い瞬間があった。記者がイランの話をした。「イランはあの水域を使う全ての船に通行料を課そうとしている」と。そしたらトランプは「そんなことはできない。できない」と言った。なぜかというと、「そこの通行は自由でなければならない。誰もコントロールできない。でも心配いらない、なぜなら我々アメリカが監視して、誰もそれをできないようにする」とね、これが彼の言い方や。
つまり、誰かが何かをコントロールしようとすることは、我々がそれを持っているか欲しているという事実への脅威になる。そしたら爆撃する。マイケルが言う通りや。帝国に疑問を呈したら爆撃される。そして「やめてくれ」と言うまで爆撃し続ける。「やめる」と言ったら「わかった、ここにある条件を守れば爆撃をやめる」となるわけや。
これは世界最古のマフィアのゲームそのものやねん。クリーニング屋にトレンチコートを着た二人の男が訪ねてきて「週に一度500ドルの保険料を取りに来る」と説明する。クリーニング屋のオーナーが「何から守ってくれるの?」と聞く。そしたら彼らはニヤリと笑って「俺たちからや。払わんかったら、なぜ保険が必要か教えてやる」と言う。それがこれや。
中国、ロシア、BRICSにとっての唯一の問題は、これが今、ゆっくりと、苦しいほどゆっくりと終わりに向かいつつあるということや。それがイランで何が起きようとも消えることのない大きな問題やな。
マイケル・ハドソン: では、これは全部どこへ向かっとるのか?私は戦争が終わった後、ニュルンベルク型の委員会が必要やと思う。この戦争の首謀者たちに対して戦争犯罪の訴追を行うための。誰が首謀者かは分かっとる。この委員会はおそらく賠償金を裁定できる。1871年の普仏戦争以来、大きな戦争では常にそうだった。第一次世界大戦の賠償問題もそうやな。
問題は、どうやってそれを実行して、戦争犯罪を問われる人たちがアメリカに逃げ込んで安全でいる間に、どうやって裁判に引きずり出すか、ということやな。これらの問題に対する新しい終止符を打つ唯一の方法は、アメリカを孤立させることや。アメリカはこれまで他の全ての国に制裁を科したり、預金や金塊の準備金、石油資源などを押収したりして、他の全ての国を孤立させようとしてきた。他の国々はアメリカを、古代社会が法律違反者を扱ったように扱う必要がある。追放するんや。古代世界にはそういう人たちを送り込む「逃げ場所の都市」があったな。
今日そんなものはないけど、国際法の解決策を実行して、今起きていることが繰り返されないようにするための唯一の方法は、戦争犯罪委員会と賠償委員会やと思う。イランやその他、アメリカ・イスラエル・西ヨーロッパ・NATOの戦争で被害を受けた国々への被害を裁定する権限を持ったものが必要や。
これが国連を作り直すか、もしくは新たな国際機関を作ることになる。国連が持ったことのない執行力を持って、国連がイランに対して「アメリカとイスラエルが本当に望んでいること、つまりイランを核で消し去ることを、自分たちがイランにやりたいと思っていることをイランがアメリカとイスラエルにできると夢想する悪夢に、自分たちの安全保障のために同調する」ことを可能にしてきた国連の腐敗と腐朽から解放された。これが今、世界の残り全部が直面して解決しなければならない問題の大きさやな。
リチャード・ウルフ: そやな、マイケルの見解と同じやわ。できれば良かったと思うし、昨日にでもやれたらという気持ちもある。でも現実はまだそこまで来てない。我々が見てるのは、中国、ロシア、BRICSがアメリカという、ますます無頼国家化しつつある政府をどうにか取り扱おうとしている、もどかしいほど遅い過程やねん。それに対して対処して、制裁や帝国がやろうとしていること全てを補い合っとる。
ただ正直に言えることがあって、一年二年前はこう感じなかったんやけど、物事の展開を見てきて今はますます明らかになってきてる。中国、ロシア、BRICSの組み合わせが、「帝国を脅かす全員を孤立させる」というアメリカの計画を逆転させて、逆説的にアメリカを孤立させつつある。自分たちがやられるんじゃなくてな。あんたらは自分自身を破壊してるんや。貿易戦争や関税戦争を仕掛けて。それは漠然とした身振りで、恐ろしく不十分やねん。イランやベネズエラやキューバに対して戦争を宣言してな。
また気づいてほしいんやけど、大帝国が戦争を仕掛けてる相手は最も小さくて最も貧しい従属国ばかりやな。ベトナム、アフガニスタン、イラク。そうイランは少し発達してる。そやからどんなにイランに苦労させられてるか見てみ。イランがどれだけ反撃できるかをな。イランを過小評価するつもりはないけど、部分的にはBRICSのおかげでもあって、その中でイランは初期メンバーやし、ロシアや中国もいる。
アメリカはどんどん難しい状況に追い込まれとる。だから西半球に撤退するという話をうっすら出してくる。まだそうはならないし、まだやらない。しかし中東のような別の場所でも持ちこたえようとはするやろ。でも困っとるのは確かや。マイケルが言った通りで、陸軍が必要やねん。だからベネズエラを上手くコントロールできないんや。陸軍を連れて行ったら撃ちまくる人だらけやからな。大統領を拉致することはできるかもしれんけど。イランでも同じことをするかもしれんけどな。誰にも分からへん。
我々は帝国の衰退を目撃しとる。それが私の判断では、ここ一年二年で我々が語ってきたことの全ての中心的なテーマやったな。
ニマ: リチャードさん、マイケルさん、今日も一緒にいてくれてありがとうございます。いつも通り、大変な喜びやわ。
リチャード・ウルフ: 来週また話しましょう。
ニマ: またな。バイバイ。


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