2026年6月22日月曜日

マイケル・ハドソン:イランが呪縛を破ったんや

https://michael-hudson.com/2026/06/iran-broke-the-spell/

Iran Broke the Spell

By Michael 2026年6月20日(土)

ラディカ・デサイ:

みなさんこんにちは、第74回「地政学エコノミー・アワー」へようこそやで。社会主義・反帝国主義の視点から、めっちゃ変化の速い今の政治経済と地政学経済を解き明かしていく番組や。つまり世界の多数派の視点っちゅうことやな。私はラディカ・デサイ、「ラディカ・デサイ、地政学エコノミスト」を見てくれてるみんな、ありがとうな。チャンネル登録、いいね、シェアよろしゅう頼むわ。できたらPatreonでの寄付か、Substackの有料サブスク、あるいはYouTubeのメンバーシップで支えてもらえたら嬉しいで。これがチャンネルを無料で続けるための力になっとるんや。

Patreon、YouTube、Substackの有料会員さんには、今月27日に私との特別Q&Aセッションにも参加してもらえるねん。脱ドル化から貿易、アメリカ資本主義から中国社会主義まで、ずっと気になっとった地政学経済の質問を何でもぶつけてもらいたいわ。こういう有料会員向けのQ&Aは毎月末に定期的にやっていく予定や。これは、ただ番組見てるだけやなくて実際に支えてくれてる視聴者への感謝の気持ちのつもりやねん。詳細は27日が近づいたらまた発表するわ。

さて今週の本題やけど、トランプがイラン戦争を終わらせるはずの合意を発表した、これ以外に話すことなんかあらへんやろ。一方では、数時間前に電子署名されたMOU(基本合意書)があって、イランも自分らの船が米軍の海上封鎖を通過したって報告しとるから、前より固まったように見える。けど他方では、これはあくまでMOUにすぎん。本文はまだ公開されてへんし、アメリカが自分の約束、つまりイスラエルのレバノン攻撃の停止、賠償、イランの核開発の終了、を守れるんかどうかも全然はっきりせんねん。和平までにはまだいろんな障害もあるしな。せやから今の小休止は、いわゆる「停戦」を60日延長しただけのもんで終わるかもしれん。そういうわけで、今日はいつものゲスト、マイケル・ハドソン教授と一緒に話していくで。ようこそ、マイケル。

マイケル・ハドソン:

ありがとう、ラディカ。イランの成果で世界がこんなに急に変わっていくの見て、ちょうどいいタイミングで話せるなと思うてるわ。今は火曜日の朝やけど、株式市場は上がって、石油価格は下がって、みんな喜んでるで。

ラディカ・デサイ:

ほんまそうやな。でもこの喜び、いつまで続くんやろ。これが開かれた問いやと思うわ。たとえこの合意がうまくいったとしても、それ自体まずありえへんことやけど、イラン戦争がすでにもたらした害は、もうほとんど元に戻せへんやろう。私はこの「害」に焦点を当てるべきやと思うてるねん。いくつかのカテゴリーに分けられるで。世界経済への害、アメリカ経済への害、アメリカの金融システムとドルシステムへの害、トランプの支持基盤と中間選挙での共和党の見通しへの害、西アジア地域でアメリカが力を発揮する能力への害、アメリカの国際的な立場への害、それと他にもいろいろあるな。マイケル、これらのうち今一番気になってる「害」から話してもらえる、

マイケル・ハドソン:

ラディカ、君ずいぶん悲観的やな、アメリカに対してほとんどシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情)みたいやで。まあ俺もトランプの無謀なイラン戦争がもたらした災厄的でネガティブな影響については君と同じ見方やけどな。それに、たとえこのMOUに署名されたとしても、実際の石油貿易が始まるまでにはまだ何ヶ月もかかるはずや。つまり石油価格はそのせいでまだ大きく上がるんちゃうかな。前にも話したと思うけど、この戦争の影響で1930年代規模の世界恐慌が来るやろうと俺は思うてるねん。高い石油価格のせいで利益が出せんようになる産業がたくさん出て、労働力の解雇は避けられん。失業者が出て、通常の事業から払うはずやった借金も払えんようになる。

そうなると金融的な反動と政治的な反動が来るやろうけど、まず全部のポジティブな側面に目を向けたいねん。君の言う通り、この混乱はさっき話したようなことを全部引き起こすやろうけど、これにはポジティブな結末もありうるんや。アメリカ中心の秩序全体を終わらせる議論が始まる契機になるんやないかな。アメリカの外交政策が、今やっとるみたいに制裁で混乱を引き起こして他国を支配することが二度とできんようになる、と。なぜなら他国はアメリカ経済からのデカップリングで自分を守ろうとするやろうからな。結局、これがこの2年間ずっと話してきたことやろ。それが全部ポジティブな結末につながるんちゃうかな。

それと、大きな戦争は常に政治的関係を変容させてきたし、金融的関係も同じように変容させてきたんや。少しその変容について話したいねんけど。君が挙げた害の大部分はアメリカに関するもんで、俺はアメリカがこの新しい世界秩序の構築に参加するとは思えへん。アメリカはそれに抵抗するために何でもするやろう。せやから君の言う通り、金融システムはもうあまりにレバレッジがかかりすぎてて、この世界恐慌の最大の被害者になるやろう。1929年、第一次世界大戦の戦後処理の崩壊が大恐慌をもたらしたのと同じようにな。

そうやな、西アジアでのアメリカのプレゼンスは終わることになると思うわ。君が挙げたネガティブなことは全部、世界の他の地域からしたらポジティブなことやねん。実際、このアメリカがイランを打ち破れなかったっていう事実は、アメリカ自身だけやなく世界全体にショックを与えて、結局アメリカはずっと「張り子の虎」やったんやってことを示したんちゃうかな。アメリカに二度と他国を侵略する軍事力なんかあらへん。イラン人以外、誰もこんな結果は予想してへんかったやろ、20年間これに備えてきたイラン人だけは別やけどな。それがイランをめっちゃ強い国にして、世界中にこんなふうにせんでもええねんってことを示したんや。他国にアメリカの軍事基地を置かせる必要なんかあらへんねん。今、軍事基地を持つこと自体が、自分を守ろうとする世界の他の国々から狙われる招待状になっとるからな、アメリカがイランにずっとやっとったことを他国にもやろうとしとるんやから。

ラディカ・デサイ:

うん、まずちょっと整理させてや、いや、ちょっと待って、めっちゃ面白い話やったから先にそっちに乗っかりたいわ。私がずっと取り組んできたことに繋がっとるからな。君は「イラン戦争はアメリカの力がずっと張り子の虎やったってことを暴いた」って言うたやろ。それまさに2013年に出版した私の本『地政学経済学』でずっと主張してきたことやねん。本の宣伝で回ってた時によう言うてたんやけど、「アメリカはヘゲモニック(覇権国)や」って主張する人の話は聞いたことあるやろ。「アメリカは昔ヘゲモニックやったけど今は衰退しとる」って主張する人の話も聞いたことあるやろ。けど「アメリカは一度もヘゲモニックやなかった」って主張する人の話は聞いたことないんちゃうかな。それが私の本の主張やねん。せやから今回のイラン戦争で、みんなアメリカの力がいかに過大評価されてきたかについて話すことになる、君の意見に完全に同意するわ。それが一つ目やな。

二つ目やけど、トーンに関しては、君が言うてる「害はアメリカの力に対してや」って点には完全に同意するけど、世界全体からしたらこれにはポジティブな面がたくさんあるって点でも一致しとるな。ただ面白いひねりがあって、IMFと世界銀行は最近世界の成長見通しを下げたばっかりやのに、アメリカ経済はまだ成長してるって示しとるねん。つまり世界の他の地域の経済が打撃を受ける一方でな。まあこれは一部、アメリカが石油に関して比較的自立してるからやけど、それで他の害が無くなるわけやあらへんで。それと、君も知っとる通り、アメリカのGDPの算出方法自体がそもそもアメリカのGDPをかなり過大評価しとるよな。せやから君の意見には完全に同意するし、アメリカが新秩序の構築に参加しないっていう点も同意するわ。何か言いたいことあった、どうぞ。

マイケル・ハドソン:いや、ちょっとゆっくり話してくれへんか。

ラディカ・デサイ:

ちょっとゆっくりね、了解。アメリカが新秩序の構築に参加せんことには完全に同意するんやけど、世界の他の国々はずっとメモを取っとるはずやで。一番大きな影響は、アメリカが世界経済の安定を保証する立場にもうないってことをはっきりさせることやと思うねん。むしろ今では、世界に押し付けられとる混乱と不確実性の源そのものになっとるんちゃうかな。

トランプ政権の挙動不審ぶりは、イラン戦争だけやなくて、1年以上前からの関税の話、発動したり止めたりの繰り返しとか、その他あらゆる予測不可能な行動でもずっと続いとるよな。今G7サミットが行われとって、トランプはきっとウクライナに関する和平構築でまた新しいドラマを始めるはずや。ゼレンスキーとも会談続けとるし、それでまた世界に不確実性を押し付けるんちゃうかな。せやから世界経済に注入された不確実性が一番大きな害の一つで、それがいろんなことを混乱させるんやと思うわ。

けど何事も新しいものの誕生は難しいもんやから、これは新しい世界秩序、間違いなく「ポスト・アメリカ」の世界秩序が生まれる際の産みの苦しみやと言いたいな。あとひとつだけ、君に話を戻す前に言わせてもらうけど、世界経済への害はいろいろあるやろうって話したよな、でもまだ完全に理解されてへんことの一つは、収穫期に近づく秋頃にはっきり分かってくると思うんやけど、めっちゃ大きな農業危機が来るってことやねん。1970年代の石油危機は世界経済への大きなショックやったけど、それから50年くらいの間に世界の農業はもっと石油や石油由来製品に依存するようになったやろ。もっとエネルギー集約的になって、石油化学産業から作られる肥料への依存も強まったし。これは全部、世界の農業と世界の食料安全保障がめっちゃ深刻な危機に陥るっちゅうことを意味するねん。願わくは、ここから食料自給に関する教訓とか、こんなにエネルギーに依存せんでもいい農業のやり方についての教訓が得られるといいんやけど。まあこれだけ言わせてもらいたかったわ。続けてくれ。

マイケル・ハドソン:

うん、君の言う通りや。大事なんは、これ全部結局石油の話やってことやねん。前にも話したけど、もう全部つなげて考えられるな。この100年間、アメリカの外交政策は「世界全体の石油貿易を支配できる」という戦略を基盤にしてきたんや。2022年にロシアを制裁して、1979年以降イランを締め出して、ベネズエラの石油を奪って、イラクを征服して、シリアを破壊して、リビアを潰して、こうやってアメリカは自分が支配してへん石油源を全部閉ざしていったんやな。去年の国家安全保障戦略でこれが書かれとったわ。「石油こそが世界を支配する手段やねん」と。

そういう言葉そのままやなかったけど、これは前に話したよな。アメリカは「うちらの政策に従わへん国の石油は止めてやれる。ロシア、それから最終的には中国とイランへの同じ制裁を受け入れへん国はな」って言うてたようなもんや。「石油を支配できれば他国のエネルギー、農業、化学産業、全部支配できる。そんで他国に混乱を引き起こすぞって脅すこともできるんや」とな。去年の国家安全保障戦略にもあった通り、もう第二次世界大戦後みたいなことはできへんねん。あの時はアメリカが全部の力を持っとったやろ。アメリカの産業を破壊するような戦闘がヨーロッパみたいに国内で起こらんかったから、産業力もあった。金融力もあった。1945年には世界の金準備の四分の三を持っとったし、朝鮮戦争が始まる頃には80%まで増やしとった。アメリカは最先端の技術を持って、和平条件を全て自分で決めることができたんや。

けどそれが全部1950年以降変わってしもた。アメリカは朝鮮戦争に勝てへんかった。アフガン戦争にも勝てへん。イラク戦争もシリア戦争もリビア戦争も勝てへんかった。やれたのは戦争を仕掛けた国を破壊することだけや。それがイランでもやろうとしたことやねん。今日の本題は「これから何が起こるか」やけど、先週末まで予想されとって実際には起こらんかったことについても話さなあかんと思うんや。アメリカの好戦派は、第一次世界大戦後のドイツみたいにイランを破壊しつくすほどの過酷な賠償を課せると期待しとったやろ。ベッセント財務長官が6月11日、ちょうど一週間前に説明しとったよな。彼が言うたことをそのまま読むわ。

「イラン政権はやっとるゼロサムゲームに負けることになる。彼らがうちらのガルフの同盟国に与えるどんな損害も」、もちろんイスラエルもやけど、「イランの口座から抜いた資金で払わせる。ペルシャ湾海峡当局に支払われるどんな通行料も、彼らの口座から抜いた資金で相殺される。イランが攻撃を仕掛けるたびに、それが経済的・財政的な結末をより深刻化させるだけやろう。」

そんでトランプは自分がやろうとしてることをこう言うてたわ。「イランの石油を奪う。利益の半分を、ベネズエラでやったことをイランでもやるんや」と。それがトランプの計画やった。アメリカが奪った石油の利益は全部アメリカの口座に入る。トランプは、その口座の金の半分はアメリカに、もう半分はイランの攻撃の被害者に支払われるって言うとった。それはもちろん主にイスラエルのことで、サウジアラビアとUAEにもちょっと残るくらいやろう。それと週末にも、彼は「OPECの石油輸出収益の20%を、中東の平和維持役を担うアメリカへの支払いとして」要求しとったよな。これ全部、世界全体に向けてあからさまに表明したんや。「これがお前らのために用意した未来やぞ。お前らどうするつもりや、」みたいにな。まるで何もできることなんかあらへんって言うみたいに。歴史の中で、こんなにも白黒はっきりした解釈の対立があったことなんか、ちょっと想像できへんわ。

せやから君に同意するけど、この合意条件が維持できるとは思えへん。けどそれはどうでもいいことやねん。アメリカはイランで勝ってへんし、朝鮮、アフガニスタンなんかと同じように、これからも勝てへん。軍部も、それどころか投資家連中も、アメリカが新たな攻撃を仕掛ける手立てなんかあらへんって分かっとるんちゃうかな。戦争は終わったんや。これが一番重要なことやで。そんで戦争が終わった今、ボールは世界の多数派側に渡されとるんや。彼らはこれをどうするつもりやろ、

ラディカ・デサイ:

そうやな、君に完全に同意するで。戦争はある意味で完全に終わったと言える。何週間も、いや一、二ヶ月も、トランプが望んどった面子を保つための逃げ道を待たされた末に、このMOUというか合意は、まだ読んでへんから何とも言えんけど、要するにトランプが結局負けを認めるしかなくなって、それに口紅塗って勝利っぽく見せようとしとるだけやと思うわ。これは実質的にトランプが敗北を受け入れたってことやんか。それは君の言う通りポジティブなことやと思うで。

ただ、ほかにも言うとった面白いことについてちょっと触れたいねん。一つは、君が読み上げたベッセントの発言、これめっちゃ面白い発言やと思うわ。これは何を示しとるかというと、アメリカは世界の金融システムを支配しさえすれば世界経済を支配したことと同じやと思うとる、ってことやんか。でもそれは違うやろ。というか、ドルの金融システムを支配することは世界経済を支配することと同じやと思うとるんやろうけど、そんなことあらへんねん。これを説明するために二つ例を挙げさせてや。

一つ目、ベネズエラのモデルがよう語られるよな。アメリカがベネズエラの石油を支配したっていう印象を与えとるけど、ちゃう。アメリカが支配しとんのは、ベネズエラが現在生産できとる1日100万バレル程度のしょぼい生産量から得とる収益だけや。アメリカが金融パイプラインを支配してるから、それを止められるんやな。せやけど、金融の配管を持ってるからといって、その配管にそもそも収入を流し込む「生産」まで支配できてるわけやあらへんねん。それを後で吸い上げてるだけやんか。せやからアメリカはベネズエラの石油生産を拡大することはできへん。石油メジャーは誰もベネズエラに投資しようとせんし、テレビで放送されたトランプとの会談で、彼らはベネズエラは「投資不可能」やとはっきり伝えとったやろ。アメリカがその領土と人民を実際に支配する能力を見せん限り、それは無理やけど、アメリカの石油メジャーはそこに投資せんやろ。トランプがイランで起こったあのこと(モサド絡みの事件とか)の後、アメリカの石油メジャーがイランに入ることを許されると思う、国民が立ち上がるやろうし、どの石油メジャーもそこへ入ろうとは絶対せんよな。せやから、これは二つの面白い例で、アメリカは世界の金融システムを支配しさえすれば世界をコントロールできるって幻想を持っとる、生産の支配なしには、金融システムの支配なんか意味あらへんねん。

二つ目、世界はまさに今この瞬間に新しい金融アーキテクチャを構築しとるよな。ちょうど二日前、イランがmBridgeシステムの拡大を発表したばっかりやんか。しかもこれにはサウジアラビアとUAE、つまり西アジア地域で一番アメリカに近い同盟国二つも含まれとるんや。それが一つ目の話やな。

もう一つ言いたいことがあって、これも石油に関係するんやけど。アメリカが過去に世界の石油を支配しようとしてきたのは間違いないと思うわ。けど、アメリカがその支配を行使するたびに、世界はそれを弱める迂回路を見つけてきとるんやな。例えば1970年代を考えてみてな。西欧諸国や日本がIMFの仕組みでOPECの石油の余剰資金をリサイクルしたいって求めとったのに、アメリカはそれを拒んで、結局アメリカの金融機関にドル預金として置かせることにしたよな。あの話は知っとるやろ。それが一部やけど、その結果石油価格の大幅な上昇とアメリカの支配が起こって、何が起こったか、世界はめっちゃ燃費のいい車を作る技術を学んだんや。あの六気筒八気筒のアメリカン・ガスガズラーは1970年代と一緒に消えて、燃費のいい車が入ってきたよな。

せやからアメリカは金融システムを完全に支配しとるわけやあらへんで。それともう一つ、みんなめっちゃ誤解しとるんやけど、前に何回か話したよな、マイケル、石油がドルシステムの中で果たす役割について誤解されとるねん。石油貿易がドルで決済されとるってことが重要なんやなくて、それも助けにはなるけど、今は国際金融取引が貿易よりもはるかに大規模やから、貿易の話なんかほとんど意味あらへんねん。重要なのは石油の「価格」自体なんやな。石油価格が上がるとドルにプレッシャーがかかる。インフレを引き起こす。ドルの価値を弱体化させるんや、なんでかってコモディティ価格は全部ドルと逆方向に動くからやんか。石油価格が上がる、ドルの価値は下がる。金も他のコモディティも似たようなもんや。せやからこれが肝心な点やねん。石油価格が高いままで、君が言うた理由のせいでそうなりそうやけど、つまり戦争が明日止まったとしても、それすら確実やないけど、流通量を戦前のレベルに戻すには何ヶ月、いや何年もかかるはずや。せやから高い石油価格は続くやろう。これがまさに石油の果たす役割やねん、確かに金融システムの安定性にも関わってくるんやけど、そこは後で戻るわ。

マイケル・ハドソン:

それが今一番有益な議論やと思うわ、なんせ金融システムの話はいつも議論から外されとるからな。第二次世界大戦後、アメリカが世界の金準備の大半を支配して、世界経済、何よりどんな金融システムを世界が持つかを決める立場にあった頃に戻って考えてみよう。前に話した通り、ケインズとアメリカの間でどんな金融システムにするかについて議論があったよな。ケインズは債務国、つまりイギリスを主に念頭に置いて、を保護したかったけど、アメリカは債権国システム、しかも金本位制に基づくハードマネーシステムを欲しがった。なんせ自分が金を持っとったからやな。これは戦争の勝者がいつも望むことやねん。賠償を勝者に与えるどんな戦争も、その勝者に大量の金をもたらして、当然金本位制を推進したくなるもんやんか。

それは1950年まで機能しとったけど、その年からアメリカの海外軍事支出という新たな潮流が始まって、それが1950年以降のアメリカの貿易収支赤字全体の原因になっとるんや、これも前に話したよな。1971年までに、最初は朝鮮、それから世界中、最後はベトナム戦争に至るまでこの支出が積み重なって、アメリカは1971年に金本位制から離脱せざるをえんようになったんや。当時はみんな「これはアメリカが金支配を通じて世界を金融的に支配する計画の崩壊やんか、大変なことや」って思うてたわな。けど結局、各国が自国の準備金を金で増やせんようになったら、何をしたと思う、貯蓄を米国財務省証券への融資という形で保有するしかなくなったんやな。

そうやって1971年から今日まで、アメリカはこの「フリーランチ」、つまり過剰な特権を享受し続けて、お金を使い、借金を積み重ねてきたんや。軍事費や外国産業の買収に使われたこのドルは全部地元の銀行に入って、それが中央銀行に回されて、最終的にアメリカに回されるんやな。それが全部終わったんや。アメリカは他国の資金を凍結し始めとるし、同盟国も凍結し始めとるよな。ロシアの3000億ドルがヨーロッパに凍結されたり、アメリカがイングランド銀行に「アメリカが支持する政治候補にベネズエラの金準備を渡せ」って言って凍結したり、最近ではイランが米ドルを盗まれることを避けようとステーブルコインを買おうとした際の2000億ドルの米国・外国預金、それすらアメリカに凍結されてしもたよな。

せやから、1971年からずっとアメリカ経済が享受してきた「フリーランチ」、返す気もない、返す能力もない外国からの借金を積み上げるってこと、は、全部終わったんや。それで、他国はこれからどうするつもりなんやろ、米国財務省証券から離脱していく中で、どう支払いを受け取るんやろ、何に乗り換えるんやろ、皮肉なことに、彼らが乗り換えとるものの一つが、何百年も各国政府が合意できる価値の保存手段の一つ、つまり金になっとるんやな。残りの部分は、互いの通貨を保有するか、あるいは前にも話した通り、世界の多数派国家間の国際収支の不均衡を調整する新しい国際基金や銀行を作るか、のどちらかになるんやろう。これがこれから策定されなあかんことやねん。

BRICS銀行の話も出とるけど、俺はBRICS銀行にはならんと思うわ。BRICSは今のところそういう銀行を作れるほど統一された政治単位やあらへんからな。なんらかの国際的な銀行協定が、IMFに代わる、まったく違う運営哲学を持ったものとして作られるはずや。アメリカはそのメンバーやないし、IMFみたいな拒否権も持てへん。中国、ロシア、イランが主導するやろうな、彼らが大国やからな。問題はどんな仕組みになるかやけど、これがまだ語られてへんねん。なんせ車輪を再発明するようなもんやから、これは前にも話したよな。けど、お金の性質だけやなくて国際的な金融上の信用と負債の性質に関する理解自体がめっちゃ乏しいから、ほとんど考えられへんことになっとる。経済学の教育課程で語られるような話題やないんやんか。

ラディカ・デサイ:

それについていくつか反応があるな、三つかな。一つ目、君と前に話して同意したことやけど、アメリカの「特権の度合い」はずっと過大評価されてきたと思うねん。アメリカは好きなだけお金を刷れる立場にはあらへんで、ロバート・トリフィンが昔から指摘しとった理由でな。そのプレッシャー、つまりアメリカの財政赤字が大きくなればなるほど、米ドルへのプレッシャーが強まる、は今もずっと働いとるんやで。2020年の選挙前にベストセラーになったステファニー・ケルトンの『財政赤字の神話』を覚えてるやろ。基本的にお金を刷る量に制限はないし、それがインフレを引き起こすこともないって主張してた本やったよな。実際にはどうやったかと言うと、バイデンが自分の産業政策である「インフレ削減法」を導入する時、増税せなあかんかったやろ。増税なんかしたくなかったはずやのに、せなあかんかった。特権なんかあらへんからやんか。米国財務省市場はすでにトラブルに陥っとって、連邦準備制度に大規模に支えられとる状態や。せやから慎重に見なあかんで。

二つ目、米国財務省標準、というより、米国財務省証券はそもそもドルを支える主要なものとはちゃうねん。ドルを支えとんのはアメリカの金融システム自体やで。実際、新しい用語を作るべきやと思うんやけど、「米国財務省標準」やなくて、「ドル建てバブル標準」と呼ぶべきやと思うわ。せやってこれがアメリカの金融システムにお金を流入させて、アメリカの財政赤字がドルに与える下方プレッシャーを相殺しとるからやんか。問題は、このお金がいつまで流れ込み続けるかってことやで。今のところは膨らみ続けとるAIバブルのおかげで流入してきとるけどな。けど今、新しい動きが見えてきとるよな。人工汎用知能(AGI)を作るっていうこのプロジェクトの実現可能性に、めっちゃ重大な疑問を持つ人が増えてきとる。ほとんどみんながこの市場はバブル領域にあるって言うてるよな。何千億、いや何兆ドルも投資しようとしてる企業の収益自体、めっちゃ疑わしいねん。せやからこういう不確実性が広がっとって、お金がこのまま米国市場に流れ込み続けるかどうかも確実やあらへんで。

二つ目に面白いのは、このお金の多くがガルフ諸国や西ヨーロッパから来とったってことやな。今、アメリカと両方の地域との関係は疑問視されとる状態や。当然西ヨーロッパもガルフ諸国も、自分らのお金を新しい使い方を考えるようになるはずやで。アメリカの金融システムに遊ばせたままにしたり、投機に使ったりはせんようになるやろう。せやからこれもドルシステムへの新しいプレッシャーを生み出すことになるな。

けど最後にポジティブな話で終わりたいな。代替システムの構築について言うと、ひとつ大事なこと覚えとかなあかん。世界中で動き回ってるお金の大部分、国際取引の大部分は貿易や投資とは関係あらへんねん。それらは桁違いに過剰なもんなんや。貿易と投資がこのくらいやとしたら、金融的な過剰さはそれよりはるかに大きいんやけど、その大部分は世界経済の円滑な機能には必要やあらへんねん。実際むしろ害になっとるくらいや。せやから、貿易と生産的な投資をファイナンスするだけのために決済システムを構築するなら、私が「バブル標準」と呼んでるこの金融インフラよりもはるかに控えめな仕組みでええはずやと思うわ。

マイケル・ハドソン:

君は金融システムについて話してるけど、俺はほとんどの人が見過ごしとる、テクニカルすぎて誰も語らへんことに注目したいねん。それは連邦準備制度とそのバランスシートのことやで。ベッセントは『インターナショナル・エコノミー』誌に載った素晴らしい論考で、連邦準備制度がトランプの減税による政府債務の増加分を全部ファイナンスしとるって不満を述べとったよな。連邦準備制度は銀行から大量の債券を買って、銀行にアメリカが転落させてしまった負債レバレッジのポンジスキームを継続させるためのお金を供給しとる、つまりこの財政赤字を全部マネタイズしとるってことやんか。

それと、もともと今日話す予定やったんやけど、新しい連邦準備制度議長になったウォーシュ。ウォーシュはベッセントに完全に同意して、連邦準備制度のバランスシート、基本的にただ印刷された米国債務、を縮小せなあかん、って言うとるんや。これは南北戦争中のグリーンバックとは違うねん。あの時政府が刷ったお金は、戦争のために実際の財や役務に使われて経済に流れ込んだやろ。けど今、連邦準備制度がお金を作る時、それは経済に使われるんやなくて、銀行に貸すためのものなんや。そして銀行はそれを生産や消費の経済に使わんで、金融証券や不動産・株式・債券への融資に使うんやな。

トランプの財務省やFRBへの任命者連中が「連邦準備制度がアメリカの債務をファイナンスするのを止めなあかん、ハードマネーに戻らなあかん」って言うてるとしたら、それは何を引き起こすやろ、連邦準備制度がもう買い戻さへんこの債券全部のせいで、利率が上がるはずや。住宅ローンを組むのがめっちゃ難しくなるやろう。利率はずっと高いままになるし、たくさんのデフォルトが起こる、特にプライベートエクイティ企業によるな。

アメリカ経済はあまりにも借金にレバレッジをかけすぎてしまっとるから、このイラン戦争の結果は第二次世界大戦の時とはまったく正反対のことになるはずや。第二次大戦の時はアメリカも他国も戦争から脱した時、豊富な蓄えを持っとったよな。消費者は戦時中は買うものがそんなになかったやんか。彼らに何ができた、貯蓄国債を買うか、ただ貯金するか。消費財がそれほどなかったからやな。企業も同じや。全部戦争のためやったから。せやからアメリカは終戦時にお金を持っとったし、インドから南米まで、グローバルサウス全体も連合国に売ったものから巨額の準備金を蓄積しとったんや。

けど今回はそうやないねん。グローバルサウスは借金に縛られとるし、アメリカ経済も借金に縛られとる、ヨーロッパ経済も借金に縛られとる。すでに経済が限界にきとる時に戦争を始めるなんて、ただの狂気やったんや。これが意味するのは、今回イランでの戦闘が終わった後に来るのは戦後復興やなくて、今まで話してきたあの戦後恐慌になるってことやねん。過去の戦争で起こってきたこと全部が、今回はこれによって逆方向に進んどる。メディアも政府も誰も、この戦争が他のすべての戦争とどう違うかについて、まったく歴史的視点を持って語ってへんように見えるねん。

ラディカ・デサイ:

そうやな、もちろん第二次世界大戦と今回の戦争には多くの大きな違いがあるよな。まず動員のレベルが全然違うやんか。第二次大戦中にアメリカ経済や他の経済がブームになったのは、ヨーロッパに武器や戦争物資を供給する必要があったからやろ。今回はそんなレベルの動員はないねん。

他にもいろいろあるけど、最近「なんで今これは第二次世界大戦やないのか」っていう短い動画を作ったんよ、なんでかってこれは「世界大戦」やないからやんか。世界大戦は帝国主義の時代に起こったことで、少数の帝国主義列強が互いに戦争をすると、世界全体を引きずり込んでしまったんやな。今日は世界の大半がこの戦争に参加してへんよな。経済的な影響を受けとるけど、戦争には参加してへんねん。

ウォーシュの話をしてくれたけど、これは次回の番組でちゃんと話そうな。彼が何をするか分かってからの方がいいと思うんやけど、私の理解では、彼は緩和政策も引き締め政策も両方支持できるタイプの人やと思うねん。つまりかなり二面性のある人やな。せやから連邦準備制度のバランスシートを縮小するって発言をたくさんしとるけど、最終的に「これをやらん理由」をたくさん見つけることになると確信してるわ。理由は単純やで。

米ドルが世界での役割を維持するためには、たくさんのお金がドルシステムに流れ込む必要があって、そのお金が流れ込んでくるのは主に、ドルシステムが体系的にバブルを生み出すからやねん。せやからこれが私の言う「バブル標準」やんか。このバブル標準は、アメリカにとってめっちゃ難しいジレンマを生み出すねん。なんせ、数年前、2021、22年くらいまでは比較的、「比較的」って言うけど、低インフレの時代が何十年も続いてたからや。今はもうそうやあらへんで。低インフレの時代やあらへんねん。

連邦準備制度がインフレに対処する方法は他にもいろいろあるんよ、ええ方法もたくさんあるんやけど、連邦準備制度が自分に許す方法は一つだけ、しかもめっちゃ悪い方法、つまり金融政策の引き締め、利率の上昇、マネーサプライの制限なんかやんか。経済学者ロバート・ソローはこれを「子豚を焼くために家を燃やす」って表現したよな。実際には子豚をもっと効率的に丁寧に焼く方法だってあるんやけどな。

これが1970年代後半から1980年代初頭にポール・ボルカーがやったことやんか。あの金融引き締めはアメリカに長い不況をもたらした。最終的にドルの価値は回復したけど、それはめっちゃ高い代償、不況という代償を払った上でやってん。けど今日、連邦準備制度の議長たちはもうそれをやれる立場やあらへんねん。なぜなら、今すでに高い水準にある利率をもっと上げると、長い間緩い金融政策に依存してきたこのバブル駆動型の金融市場が、大崩壊する可能性があるからやんか。しかもそんな時に、スペースXとか他の企業がIPOのために大量の流動性を求めてくることになるはずや。

つまり結論として、連邦準備制度はジレンマの角の上に乗っとるんやな。利率を上げてインフレに対処しようとすればバブルが弾けてドルシステムが崩壊する。それをせんかったら、インフレが続いてドルの価値を蝕み続けるからドルシステムはゆっくり衰退していくしかあらへん。そして連邦準備制度が何もせんってことが、ドルの信頼性に関する疑念をさらに強めることになるんやな。

マイケル・ハドソン:

石油価格上昇によるインフレを止めるために利率を上げるっていう考えがいかに狂気的か、君が指摘してくれたのが嬉しいわ。俺らは経済の現実を理解しようとずっと話してきたけど、世界中の中央銀行家たちを導いとる「非現実」については話してへんかったよな。これは反労働イデオロギーの「ジャンク経済学」やんか。物価が上がる時の自動反射的な反応は「労働のせいや、十分労働を搾取してへんから」「賃金が上がっとるから、労働への我らのクレームの価値を下げてしまっとる」っていうもんやんか。労働の賃金上昇が借金に深く依存せんでもいいようにする、っていうことやなくて、自分らのクレームが労働に対して上がってほしい、ってことやねん。

ポール・ボルカーが利率を20%まで上げて1980年末にカーター政権を倒した時、これを明確にしとったわな。彼は建設業界の賃金リストをいつも持ち歩いとった。「インフレが上がる時は常に雇用が多すぎるからや」と言うとったんや。連邦準備制度の表向きの仕事は完全雇用を促進することやったけど、実際は失業を促進することやったんやな。昔「失業者の予備軍」って呼ばれとったものを、物価を抑えるために十分な水準で維持せなあかんねん。

せやから「物価が上がってるのは石油のせいや、どうしたら物価上昇を止められる、利率を上げて失業を引き起こそう」っていう、こんな反射的な対応は完全に間違っとるんや。問題は、今話してきた通り、高いエネルギー価格のせいで産業が閉鎖され、企業や農家、過剰に債務を抱えた消費者が破綻して、アメリカと世界中で大量失業が起こるはずやってことやんか。それなのに、政策の基盤を現実に置くんか、イデオロギーに置くんか、イデオロギーが毎回勝つねん。階級闘争が毎回勝つんや。連邦準備制度の責任者を任命しとる連中を見たらわかるよな、中央銀行の仕事は商業銀行システム、金融システムを支えることであって、経済全体を支えることやあらへんねん。

経済全体を支えるんやったら、当然お金を産業に、消費に投じて、消費者がより高い電気代やガス代を払えるようにしたり、トラック運転手が高いディーゼル代を払えるようにしたりするはずやんか。でもそれをしてへんねん。彼らは負債にレバレッジをかけまくったプライベートキャピタル企業を浮かせとくためにお金を経済に注ぎ込んでるだけなんや。これから来る金融的な衝突の中で、人々が「金融政策の性質とは何か」「中央銀行に商業銀行システムのためにマネーサプライをコントロールさせるべきか、それとも金融と信用を公共財として扱うべきか」を見直すきっかけになることを期待したいねん。これこそが中国を異常なほど効率的にした要因やんか、独立した金融階級がお金で稼ぐんやなくて、実体的な生産とインフラへの投資でお金を稼ぐようにしてきたからな。

ラディカ・デサイ:

ほんまそうやな。君の言ったことに応えて、ちょっと違う二つのことを言わせてや。まず一つ目、金融政策の政治性は昔からずっと議論の対象になってきたよな。ある意味、ビットコインや暗号資産に対するこの異常な熱狂自体が、金融政策に対する広範な民衆の疑問の表れやと私は見てるんよ。せやから明らかに何かが起こり続けとるんや。もちろん、暗号資産はそのジレンマからの脱出口としては間違ったルートやと思うけど、暗号資産への熱狂自体は、金融政策に政治性があって、それが普通の人々の利益に反して傾いとるってことに人々が気づき始めたから生まれとるんやと思うねん。

二つ目、私らは新しい段階に入っとると思うんよ。暗号資産がその脱出口やあらへんって人々が理解し始めとって、せやから金融政策の政治性についての、もっと開かれた直接的な問いかけが起こるんちゃうかな。これを裏付けてるのが、最近ファイナンシャル・タイムズに「これは中央銀行の独立性の終わりや」って書かれてた記事やねん。私らは中央銀行の独立性の終わりを目の当たりにしとるんやで。

それを噛みほどいて考えたら、つまり、中央銀行の独立性って聞こえはええよな、独立した中央銀行を持つべきや、みたいな。でも実際の「独立した中央銀行」が意味するのは、大きな金融的利害の懐に入っとる中央銀行ってことなんやで。普通の人々の懐に入っとる中央銀行、つまり普通の人々の利益のために働く中央銀行、を望むなら、それは民主的に選ばれた、実際に普通の人々に対して責任を負っとる政府によって統制されなあかんねん。せやからこの記事が中央銀行の独立性の終焉を嘆いとるってことは、実は中央銀行独立性という神話がもう維持できへんっていうことを言っとるんやで。

それ自体はいいことやと思うわ。中央銀行は一度も独立してへんかったんや。中央銀行には常に政治性があったんやんか。せやからそろそろそれを認めて、その政治性を普通の人々の利益に向けるべきやと思うわ。これについての議論が起こるべきやと思うねん。

でもこれとは違う種類のコメントをさせてもらいたいんやけど、君の話に密接に関連しとるよ。君の言う通り、新自由主義時代、だいたい1980年頃に始まったやつな、ボルカーと彼の失業を生み出す金融政策こそがその開幕やったよな、それより2年前、議会はちょうど連邦準備制度に「物価の安定だけやなくて高水準の雇用のためにも働かなあかん」っていう二重マンデートを与える法律を通過させとったんよ。でもその法律が通過するや否や、ポール・ボルカーはそんなもんを一切気にせんって態度を見せて、大恐慌以来見たことないレベルの失業をアメリカ経済に課したんや。

つまりそういうことやんか。とにかく、この反民衆的な政策が今、その本質が暴かれとると思うし、人々が反応しとると思うわ。トランプは一方で、こうした既存政策に幻滅した人々に訴えかけて当選したけど、就任後は結局すべての前任者と同じ利害、つまり狭い企業エリートの利害、を追求してきたんやで。彼が支持率の低下を補うためにこの戦争を始めとったわけやけど、今その戦争がブーメランになって戻ってきとるんや。トランプの主な目的は、なんとか勝利を演出して支持率を取り戻すことやったのに、それは完全に手の届かんものになってしもたわな。

イラン戦争のコストの話に戻ると、もう一つ大きなコストはトランプと共和党に対するもので、中間選挙を見据えたものやな。彼らが停戦をもう二ヶ月延長したのも不思議やあらへんし、おそらく11月の中間選挙まで少なくともこれを続けるんちゃうかな。けどこれはアメリカにとって本当に重要な転換点になると思うで。これからの金融システムはどんな姿になるんやろ、

マイケル・ハドソン:

それは理に適った見方やと思うわ、そういうことが起こるんちゃうかな。俺らにできるのは、これから出てくる議論の中で代替案について何か役割を果たせることを願うことだけやな。次の番組では「各国のこれからの金融政策はどうなるか」について話すことになると思うわ。君が言うように、各国はドルに縛られることを避けたいと思うはずやけど、暗号資産はその脱出口やあらへんよな。ステーブルコインは米国財務省証券に投資されとるんやから。それはただ、世界の犯罪者階級、麻薬密売人、犯罪者、武器商人、が政府から金を隠して、政府債券の中に秘密の保有資産として安全に保管する市場を開いとるだけやんか。

イランはこういう暗号コインを使ってみようとして、「よし、犯罪者がアメリカの監視から自分らの貯蓄を守るためにやっとる同じゲームをやろう、石油の支払いをステーブルコインで受け取ろう」としたんよ。けどアメリカ政府はその暗号資産を奪う能力があったんやな。アメリカが許す暗号資産は、トランプが支持しとる第一等の階級、つまり世界の麻薬密売人、のためだけのもんなんやで。彼は主要な麻薬王たちに恩赦を与えることに本当に気を遣ってるよな。10億ドル稼いだらもう犯罪やなくなる、それは金融的な成功や、お前もそのクラブの仲間入りやって感覚や。実質的に、それがトランプが組織してきた相手なんやで。

ベトナム戦争以降、アメリカは犯罪資本を取り込むためのオフショア・バンキング・センターのネットワーク全体を作ってきたんよ。前にも言うたけど、俺はそれを目撃した一人で、国務省の文書を読んだことがあるんやけど、そこには「うちらは新しいスイスになりたい」って書かれとったわ。一番儲かる産業は犯罪なんやで。それと一番流動性のある産業でもあるよな、なんせ政府に押収されかねない不動産みたいな見える資産には投資したくないからな。秘密のお金が欲しいんや。戦争の資金を調達するために、アメリカを世界の犯罪者階級の避難所、新しいスイスにしようや、ってな。トランプの「ジェットを出す免罪符」と恩赦が向けられとるのが、まさにこの階級なんやで。

ラディカ・デサイ:

マイケル、ほんまにいいポイントやったわ。話を終わりに近づけなあかんけど、ちょっとだけ言わせてや。ロンドン・レビュー・オブ・ブックスにめっちゃ面白い記事があってん、二冊の本のレビューをしながら同じ現実を指し示しとったんよ。今は私らみんなデジタル決済システムをますます使うようになってるよな。現金なんかほとんど持ち歩かへんし、現金経済は廃れていってる。けど中央銀行は今までよりずっと多くの現金を刷っとるんや。それどこにいったんやろ、しかも高額紙幣で刷っとんねん。つまり示唆されとったのは、こういう犯罪エージェントたちが大量の現金を保有しとるってことやな。

とにかく、何か特別な事情がない限り、次の番組はウォーシュと連邦準備制度の話、そんで今フォローされとるけど間違っとる金融政策の種類、本来普通の人々の利益や生産的な活動、持続可能性のために従うべき金融政策一般について話すべきやと思うで。せやから絶対やろうな。

マイケル・ハドソン:

それに一つ感嘆符をつけたいわ。トランプが250ドル紙幣を作ったやろ、これは海外で政府に見つからんようにマットレスにお金を隠したい連中のために作りやすくしただけやんか。100ドル紙幣やったらスーツケース一杯の100ドル紙幣をイメージできるよな。今は100万ドルを同じ枚数で持つために、必要なスーツケースの大きさは三分の一くらいで済むんやで。

ほんまにそうやで。これについてもう一つ面白いこと言わせてくれ。トランプはこの件に財務省も印刷局も一切関わらせてへんねん。せやから俺の推測やけど、彼はこの250ドル紙幣を特殊な紙とかコーディングとかの保護機能なしに、そのまま流通させようとしてるんちゃうかな。誰かがコピー機で印刷を始めて、ATMに入れて、まあボーナンザ(大儲け)やんか。誰でも250ドル紙幣を作れるようになるんや。

ラディカ・デサイ:

それ好きやわ、ちゃんと調べなあかんな、知らんかったわ。マイケル、ほんまにありがとう、ほんまにありがとう。最高のギャングスター資本主義やな。

ありがとうマイケル、そんで聞いてくれたみんなもありがとう。この番組気に入ってもらえてたら嬉しいわ。よかったらいいね、チャンネル登録、広くシェアして、できたら寄付もよろしゅう頼むで。それでは次回まで、ラディカ・デサイとマイケル・ハドソンからさようなら。

マイケル・ハドソン:

うん、それと俺自身もMichael-hudson.comとPatreon、Substackのアカウントもやっとるからな。

ラディカ・デサイ:

ええな。ありがとうマイケル、また次回な。

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