ラリー・C・ジョンソン:ドバイへようこそ
https://sonar21.com/welcome-to-dubai-fewer-tourists-oily-beaches-and-water-by-the-truckload/
観光客は減って、浜は油まみれ、水はトラックで運ぶ時代や
2026年10月25日
カール・ミラーの最新の分析記事に入る前に、ブラジルの大統領選でルーラ大統領が意外な勝利を収めたことについて、ひとこと言うとくわ。賭け市場はボルソナロが勝つと見とって、けっこうな人数が彼の勝利に賭けて損したんや(胴元は大喜びやけどな)。ルーラが勝ったんは、BRICSが無傷で残るっちゅうことやし、ドナルド・トランプがボコボコにやられたっちゅうことや。これは11月3日にトランプを待っとるもんの前触れなんやろか。ほな、カール・ミラーの話に入るで。
二十年のあいだ、アラブ首長国連邦は世界に幻想を売ってきた。ガラスの高層ビル、インフィニティプール、免税の金。それが中東の混乱のはるか上を、すーっと静かに浮かんどるオアシスや、っちゅうやつや。経由地にどうぞ、広告はそう言うとった。ここでは悪いことなんか何も起こりません、てな。
10月25日付のカール・ミラーのUAE経済についての最新の評価は、パンフレットの約束が外れたあとの客のレビューみたいな読み心地や。星ひとつ。客はうたい文句より少ない。原油のためビーチ閉鎖。お水はご持参ください、ときたもんや。
みんなどこ行ってしもたんや?
まず観光客、というか観光客がおらんようになった話から行こか。1月から8月までに、ドバイが記録した海外からの宿泊客は697万人やった。去年の同じ期間は1,254万人や。557万人も減って、44%の落ち込みや。「イランからドローンが届く距離」っちゅうのは、旅行パンフレットのセールスポイントにならんらしいで。
ホテルはそれに気づいた。上半期の平均客室稼働率は前の年と比べて約30%落ちて、客室料金は7%下がった。これを合わせると、部屋ひとつあたりの稼ぎがだいたい35%消えたことになる。「国際線の乗り継ぎで世界一忙しいハブ」て自称しとるドバイ国際空港は、上半期の旅客が3,150万人で、31%減や。航空貨物も29%減った。世界の交差点やったとこが、人が上を飛び越して行く場所になってしもたんやな。
公平に言うたら、持ち直した時期もあった。ホテルの稼働率は3月の惨憺たる36%から、8月には66%まで上がったんや。ほんで、そのあと油が打ち上げられ始めたわけや。
サーフィン日和やで、ただし真っ黒や
今月UAEは、ウンム・アル・カイワインのビーチを閉鎖した。10月9日に攻撃を受けたらしい超大型タンカーから出たと見られる、60平方マイルを超える油膜が、岸に流れ着いたんや。漁師は近づくなて言われた。政府は住民に、臭いは健康に害はありません、と請け合うた。休暇の行き先から聞きたい台詞の、まさにそれやな。
ミラーが指摘しとるんは、後始末が一回やって終わり、っちゅう話やない、ちゅうことや。油は堆積物の中にもぐり込んで、マングローブにしみ込んで、潮と一緒にまた戻ってくる。水産物のバイヤーはほかの仕入れ先を見つける。マリーナの業者は船体を磨く。油まみれのビーチの写真を見た観光客は、タイを予約する。清掃契約が完了したところで、客は戻ってけえへん、とミラーは淡々と書いとる。
ほんまの問題は水や
さて、アブダビの王子らが、暑さのせいだけやなしに冷や汗をかくはずの部分に来たで。ウンム・アル・カイワインは、ただのビーチやない。NAQA’A海水淡水化プラントがあるとこでな、名目上の能力は1日1億5,000万英ガロン、約6億8,200万リットルや。ミラーによると、このプラント1か所だけで、北部の首長国に供給しとる公益事業体、エティハド水電力の淡水化能力の4分の3以上を占めとる。ドバイのほうは、ジェベル・アリの複合施設だけで、首長国の淡水化能力のおよそ88%を担っとる。分散投資っちゅうんは、UAEは投資ポートフォリオではやっとるけど、飲み水ではやってへんかった、いうことやな。
前の記事でも書いたことやけど、繰り返す価値はある。淡水化プラントの要求は、ひとつだけ、きれいな海水や。油が取水口に届いたら、フィルターと膜を守るために、運転員は出力を絞るか止めなあかん。ミラーは、仮定の話やで、あくまで仮定やと念を押しとくけど、NAQA’Aで50%の制限がかかった場合の数字を出しとる。1日あたり約3億4,100万リットルの飲料水が消える。1週間なら24億リットルや。
心配いらん、トラックで運び込むから、て楽観派は言う。ミラーはそれも計算したんや。失った水を容量30立方メートルのタンクローリーで補うと、満載の配送が毎日1万1,365回要る。補充に戻る分は数えんでもや。夏の暑い中、北部の首長国の道を、毎日1万台超の水のトラックが埋めとるとこを想像してみいや。ティースプーンでタイタニックの水をかき出すのを解決策て呼ぶんと、同じ意味での解決策やな。
ほな、予備の供給はどうなんか。オマーン湾側のフジャイラのプラントは水を内陸に送れるけど、フジャイラには自前の石油の問題があるし、イランの攻撃にさらされとるんも同じや。リワの戦略備蓄は、非常時に1日約1億8,200万リットルを出せるように設計されとる。これは役に立つ貢献やけど、ミラーのシナリオでのNAQA’Aの不足分の約半分をカバーするだけや。彼が言うように、どこかにでっかいタンクがあることと、そこから水を十分な速さで引き出して、喉の渇いた人らのとこまで運べることとは、別の話なんや。
ホテルの計算
ミラーは、客が来んようになったときの1,000室のリゾートがどうなるかの単純なモデルも作っとる。普段は稼働率70%で1泊1,000AEDのホテルが、客を呼び込むために料金を800AEDに下げて、それでも9割が空室のままやと仮定する。手元資金は1,000万AEDや。固定費と借入返済を抱えて、約37日で資金が尽きる。そこへ、水のトラック輸送とビーチ清掃で月100万ディルハム足したら、持ってあと1か月や。
はっきりさせとくと、ミラーは、空室率90%はストレステストであって、UAE全体で実測された平均やない、と慎重に断っとる。けど、そのストレステストで要点は伝わる。割引料金やと、ホテルは現金収支でトントンにするだけでも、客室の約56%を埋めなあかん。ドバイの実際の稼働率は、つい3月には36%やったんやで。どこかで、ホテルのオーナーが銀行家に電話して、「元本返済の猶予をお願いします」の言い回しを練習しとるやろな。
その痛みは、ホテルの中だけには収まらん。支払いの遅れは、クリーニング業者、食品の納入業者、タクシー運転手、請負業者へと、下に下に回っていく。ミラーの不動産モデルでは、収入が25%減って、同時に投資家が求める利回りが6%やなしに7%になると、収益物件の価値がおよそ36%削られるそうや。暴落とまでは言わん。けど、ドバイのあらゆるリファイナンスの話し合いを、えらい気まずいもんにするには、ちょうど足りる額なんや。
納期を約束できんハブ
ほんで貿易の話や。UAEは商品を売るだけやない。スピードと信頼性、つまりコンテナがスケジュールどおりに着くっちゅう約束を売っとるんや。船がドローンや流出油を避けて通らなあかんようになったら、その約束は高くつく。ミラーの計算では、在庫1,000万ドルの30日の遅れを、年利12%で調達しとったら、利息だけで約9万9,000ドルかかる。典型的な卸売業者の売上総利益のおよそ5分の1が、段ボール箱ひとつ傷む前に消える。これを何回かやったら、客は貨物をよそに回し始める。ほんで信頼できる代わりが見つかったら、ほとんど戻ってけえへんのや。
蜃気楼の経済学
ミラーは、UAEが崩壊するて予言しとるわけやない。首長国には本物の強みが残っとるし、一部の工業や物流の事業はしぶとく持ちこたえとるし、両方の海岸で同時に水が制限される最悪のシナリオは、起こりうる事態であって、実際に起きたことやない、とはっきり言うとる。けど、彼の中心的な計画ケースは「長引く機能不全」で、これは、この戦争は短く済んで、そのコストはイランが負うと聞かされとった人間には、心配な話のはずや。
UAEは、三つの前提の上に、きらびやかな経済を築いてきた。観光客は来続ける、船は航行し続ける、海は淡水を供給し続ける、っちゅうことや。その三つが全部、次のミサイルが次のタンカーに当たらん、次の取水口の近くで当たらん、っちゅうことに懸かっとる。アメリカとイスラエルがイランを攻撃する次のラウンドは、イランの報復の次のラウンドを招く。ほんで、そのツケがどこに回るかは、湾岸がもう見せとるわけや。
とはいえ、明るい面も見てみようや。ビーチは混んでへんし、ホテルは部屋がいっぱい空いとるし、沖で燃えとるタンカーの眺めは壮観や。お水だけは持参でな。
ミラーの記事の数字は、原文に書いてあるままで、わしの側では何も足し引きしてへんで。


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