ロシアとウクライナ
スコット・リッターという人は元海兵隊で国連の兵器査察官なんかを務めたこともあるそうな。いまはRTにコラムを投稿したり、反戦ラジオにゲスト出演している。
そのリッターさんがマックス・ブルーメンタールの「モダリット・レベル(温厚反乱)」のビデオで面白いことを語っている。つぎの理由から、戦争にはならないとリッターさんは考えている。
https://www.youtube.com/watch?v=NLpPyuzxSf4
1. 30年前の冷戦時代にアメリカ軍は人数、装備、訓練すべてが充実していて、インテリジェンスを提供するCIAも精鋭分析官が揃っていた。いまや精鋭は引退し、アメリカ軍はいざ出動となっても人数も揃わず、装備があったとしても訓練していないのでコーディネーションができるような状態ではない。だからウクライナのクレージーな大統領がトリガーをひいても駆けつけることができない。それはバイデン政権もよく知っている。
2. ウクライナ侵攻したらアメリカはロシアに対し国際銀行決済システムSWIFTから締めだすと脅しをかけている。たしかに締めだされたらロシアは困ることは困るんだけど、じつのところ困るのはアメリカとEU。EUは天然ガスの47%をロシアから輸入しているし、その通過料金でかつかつ食っている状態なのがウクライナ。アメリカも天然ガスの18%をロシアから輸入している。ロシアをSWIFTから締めだしてまず困るのはEU、そしてそれでなくてもインフレが進むアメリカ。
てなあんばいで、バイデン政権は強いアメリカを演出しているのだけれど、じつのところ事態が沈静化するのを願っているにちがいない。
リッターさんはRTでイランとロシアのことについて書いている。こっちもおもしろい。
https://www.rt.com/op-ed/543323-iran-israel-war-attack/
イランは先週水曜日に、「もしイスラエルが軍事的攻略をおこなったらイランはイスラエルのここにミサイルを撃ち込む」というマップを公表したそうな。
イスラエルは強いようで、じつはアメリカの継続的支援がなかったらイランと戦争することはできないらしい。そのアメリカがイランとのJCPOAに復帰しようとしているので、こちらもイスラエルの思い通り戦争というふうにはならないだろうとのこと。
SWIFTから締めだされても、ロシアは中国に天然ガスや原油を売ることができる。すでに締めだされたイランも同様。ということは、SWIFTカードを見せるたびにカードのありがたみが薄れていくという困った状態になっている。
帝国の崩壊というのはこんなふうになっていくのだな。
パキスタンにいたとき、自衛隊の元准将で地雷を撤去するNGOの活動をしている人と知り合った。その人の話が興味深かったのは、地雷のタイプ(足で踏んだら空中に飛びあがって炸裂し、半径何メートルの範囲にいる人たちの下半身を攻撃する)とか、それが幅どれくらい x 長さどれくらいの地域にいくつくらい埋められている・・・なんていう話だった。そんなふうにして「脚を失った人たちが農作業ができなくて生活に困るようになる。それが気の毒なんです。」という。
軍人さんは理系の人たちなので、下部構造から考える。そのために必要な情報を収集・分析する。そして対処法を考える。だから説得力がある。
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