2022年3月12日土曜日

ロシア的な生きかた

 まつりのおやじのたくあんを見て悟った。

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ハリコフはじめウクライナ国内の30箇所あまりで、アメリカの国防予算で生物化学研究所が設立され、生物化学兵器関連の研究が行われていたことを、ロシア側が地味に発表している。

マウリポリのこども病院爆撃についても、ロシア側の発表は地味だ。日本語版スプートニクが1日くらい遅れてそれらを日本語にしている。西欧はもちろん、日本のメディアは誰も取り上げない。

どうしてこんなに地味なんだろう?と疑問に思っていたのだが、まつりのおやじのたくあんを見て悟った。ロシア人はそもそも、プロパガンダのやりとりに興味がないんじゃないか?

ロシア人が情報に興味がないというわけではない。核兵器製造を止めるためにチェルノブイリは素早くおさえにいったし、生物化学研究所のことも調べていた。しかしウクライナ側がカネと時間をかけて何年もやってきたロビー活動や、メディアや広告代理店をつかったプロパガンダに対抗する気はまったくなさそうだ。たしかに世間ではウクライナの根回しが功を奏して、松本城がウクライナの国旗色に照明されるまでになったけれど、そして日本人の多くが、2014年から8年間、ドンバスのロシア人を1万3000人以上も砲撃爆撃で殺しつづけたウクライナのネオナチ政権を応援するようになったけれど、それがどうした?とばかりに、戦争現場ではロシアがごりごりと前進している。

ロシアはエネルギーと穀物の生産国。江戸時代の日本の身分区分でいえば農と工の国であって、商が主体ではない。極端にいえば、農民にとってお天気と水に関する情報には敏感だが、商売人みたいに、差別化するための大量で迅速な情報が必要というわけではない。ましてや、他人が自分らのやっていることをどう評論しようと、関係ない。ロシアもそんな感じだ。

ロシア語を勉強した娘は「ロシア人でもそんな人たちばっかりじゃない」という。たしかにそのとおりで、ピンハネで大成功したオリガークたちもいるけれど、今回の侵攻で大損したり、すばやく国外に逃避したりしている。しかし大筋のところでは西側世論がなにを言っても気にせず、ごりごりと前進する。

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まつりのおやじがくれるたくあんはすばらしく臭くて旨い。しかしそのままではぜったいに電車に乗れない。いつくれるかわからないので、我輩はいつも大きなジップロックを何枚も持っている。ジップロックで2重に包装してもなお屁の匂いがする。それをビニール袋にいれてしっかり縛り、ようやく電車に乗ることができる。80何年の人生でおそらく電車通勤をしたことがないであろうまつりのおやじは、匂いなど気にせず、すばらしく抜群にうまいたくあんをつくり、我輩にくれる。我輩は関寿庵の焼酎をときどきもっていく。ちょっともらいすぎだな、と思うときはおやじの野菜を買う。おやじはさらに多くの野菜をくれる。自分でつくった野菜なので、商売っ気なしで袋にぽんぽん入れてくれる。

ロシア的な生きかた、というフレーズが浮かんだ。



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