ジョン・ミアシャイマー:カリブとペルシャ湾の「略奪合戦」
https://www.youtube.com/watch?v=QBwIhV2uv2E
今、ペルシャ湾とカリブ海で目撃しとることはな、燃料の密輸とか制裁の執行なんて話やない。パワーや。剥き出しのパワーの話なんや。法律用語やら国際法がどうのっていう主張を全部ひっぺがしたら、そこにあるのは、世界で最も戦略的な急所の一つで繰り広げられてる、古典的な大国間競争そのものや。
何が起きてるか説明したるわ。イランがペルシャ湾でまた石油タンカーを差し押さえよった。イラン革命防衛隊(IRGC)は「燃料密輸を止めるためや」言うとる。一方でアメリカは、カリブ海でベネズエラの石油を運んでる「影の艦隊」のタンカーを阻止しよった。ワシントンは「制裁の執行や」言い、ベネズエラはそれを「海賊行為」と呼び、イランは「アメリカの無法地帯や」と言うとる。
けどな、ここで理解せなあかんのは、両者が「アナーキー(無政府状態)」な国際システムの中で、まさに期待通りの行動をとっとるっていうことや。アナーキー言うても、別にカオス(混乱)って意味ちゃうで。「国家の上に、ルールを強制できる高い権威がおらん」ってことや。世界政府もなければ、実力行使できる世界警察もおらんのや。
ワシの見立てでは、国家っていうのは「セルフヘルプ(自力更生)」のシステムの中に存在しとる。誰も助けてくれへんから、自分の安全は自分で守らなあかん。これがワシの言う「安全保障のジレンマ」を生むんや。イランがホルムズ海峡をコントロールしたり、自分の利益を脅かす船を差し押さえたりして、自分の安全を高めようとすると、アメリカはそれを「脅威」と見なす。アメリカが自分の好みを押し付けるために、ベネズエラのタンカーを阻止したりすると、イランはそれを「脅威」と見なすんや。
どっちも「合法や」と主張し、国際法を持ち出す。けど、リアリスト(現実主義者)の視点から見れば、国際法なんてのは大体において「パワーの配分」を反映してるだけに過ぎん。強い奴がルールを書き、自分らの利益に合う時にそれを執行するんや。
地理の話もしよか。地理っていうのは国際政治において、ものすごーく重要なんや。ホルムズ海峡は一番狭いところでたった21マイル(約34km)しかない。世界の石油の20%がそこを通るんや。これがイランにえげつないレバレッジ(テコ)を与えとる。いわゆる「戦略的急所(チョークポイント)」や。比較的弱い勢力でも、はるかに強い勢力に対してコストを押し付けられる場所なんや。イランもアメリカも、見てる奴ら全員がそれを分かっとる。
イランが湾内でタンカーを差し押さえるのは、メッセージを送っとるんや。「この水路へのアクセスを握っとるのはワシらやぞ。その気になれば、世界のエネルギー市場をぶち壊せるんやぞ。あんまり追い込むなよ」ってな。これは古典的な「強制外交」や。イランにはアメリカの空母艦隊や航空戦力に正面から立ち向かう通常兵器の力はない。けど、そんなん必要ないねん。アメリカが行動するコストを跳ね上げるだけの「不確実性」と「リスク」を作り出せば、それで十分なんや。
なんでベネズエラがこの話に出てくるか? それはアメリカがベネズエラに対して「制裁執行」とかいうもんをやってるからや。でも、イランやベネズエラの視点から見れば、これは「圧倒的な力を持つアメリカが、小国に条件を押し付けてる」ようにしか見えん。イランとベネズエラは自然とパートナーになったんや。別に思想が同じやからやない。「敵が同じ」やからや。どっちもアメリカの圧力の標的やし、どっちもアメリカの制裁に抗って石油を売りたい産油国や。
これは古典的な「勢力均衡(バランス・オブ・パワー)」の行動やな。強力な敵に直面したら、意外な相手であっても味方を探すもんや。アメリカはこのパートナーシップを脅威やと思っとる。ベネズエラは、ワシントンが自分の勢力圏やと思ってるラテンアメリカにイランの足場を与え、イランはベネズエラに技術支援とアメリカへの抵抗モデルを与えとる。
両者とも自分の行動を法律用語で包み隠しとる。イランは密輸対策やと言い、アメリカは制裁執行と国際法を語る。けどはっきり言わせてもらうで。国際法なんてのは、国家の行動を縛るにはあまりにも弱い制約なんや。特に、核心的な安全保障上の利益がかかってる時はな。アメリカが一方的な制裁に基づいて、公海上でベネズエラの石油を運ぶ船を合法的に没収できるんか? イランは「ノー」、アメリカは「イエス」と言う。どっちが正しい?
リアリストの視点から言えば、それは問い方が間違っとる。正しい問いは「どっちが自分の解釈を強制するパワーを持っとるか」や。で、今はアメリカの方がイランより剥き出しのパワーを持っとる。でもな、パワーっていうのは軍事力だけの話やない。「覚悟」や「コストを負う意志」、そして「地理」の問題でもある。イランはアメリカみたいにカリブ海にパワーを投影できへんけど、アメリカもペルシャ湾では本物の制約に直面しとるんや。
ホルムズ海峡でイランに対して軍事行動を起こせば、ほぼ確実に原油価格は跳ね上がり、世界のサプライチェーンは崩壊し、地域の他の勢力も引きずり込まれる。超大国にとっても、これは洒落にならんコストや。ワシが今の状況で心配しとるのは、両者が「エスカレーションの階段」を登っとるのに、どっちもはっきりした「降り場(オフランプ)」を持ってへんことや。
アメリカは制裁でイランとベネズエラを圧迫し続け、イランはタンカーを差し押さえて航行を妨害する能力を見せつける。アメリカは湾内の海軍を増やさなあかんと感じ、イランはさらに差し押さえを増やすか、インフラを攻撃して応じる。どこで終わるんや? ワシの大国政治の研究では、こういう「目には目を」のエスカレーションはめちゃくちゃ危険なんや。
どっちの側も、自分は「相応の対応をしてるだけや」と信じとる。どっちの側も「相手が先に始めたんや」と信じとる。そして、どっちの側も「ここで引いたら信用を失う、そんな余裕はない」と信じとる。こうやって、意図せぬ戦争っていうのは起きるんや。誰も戦争なんかしたないのに、「安全保障のジレンマ」の論理と「信用の維持」の必要性が、国家を対決へと突き動かしてまうんや。
もう一人のプレイヤーの話もしとかなあかんな。中国や。中国はアメリカの制裁を無視して、ベネズエラの石油を喜んで買っとる。これは重大なことやで。ベネズエラに「代替市場」があるってことは、アメリカのレバレッジが減るってことや。それと同時に、中国が西半球でのアメリカの支配に事実上挑戦しとるってことでもある。
リアリストの視点から見れば、これは完璧に理に適った話や。中国は「昇り龍(新興大国)」で、アメリカは「既存の覇権国」や。新興大国はいつだって既存の秩序に挑戦するもんや。覇権国がどこまで許容するか、その限界をテストするんや。ベネズエラを支援し、イランと正常な関係を保つことで、中国はいくつものことを同時にやっとる。自国経済のためのエネルギー確保、アメリカの覇権に反対する国々との関係構築、そして他の国々に「アメリカの圧力に屈せんでも、別の選択肢があるんやぞ」と見せつけること。これこそが大国間競争の現場や。
アメリカは自分の好みが世界の結果を形作る「一極世界」を望み、中国は他の中央大国がそれぞれの勢力圏を持つ「多極世界」を望んどる。イランとベネズエラはその板挟みになっとるか、正確に言えば、その対立するビジョンの隙間を利用しとるんや。イランの役人が、欧州の役人もアメリカの行動に懸念を示してるって言うとったけど、これは興味深いし、重要なことかもしれん。欧州は国際貿易と航行の自由に大きく依存しとるからな。欧州諸国は、たとえイランやベネズエラが嫌いやったとしても、既存の規範をぶち壊すアメリカの一方的な行動には基本的に不快感を持っとる。
でも、欧州にとっての最大の問題は、自分らの好みを強制できるだけの「軍事力」がないことや。懸念を表明したり、外交的に抗議したりはできるけど、アメリカやイラン、中国の行動を根本的に変えることはできへん。これが、今の国際システムの現実を映し出しとる。今は「一極体制」が衰退し、「多極体制」へと向かってる移行期なんや。まだそこには到達してへんけど、この状況が不安定さと不確実性を生んどるんや。
ほな、これから先、何が期待できるか? 第一に、どっちの側も引くことはないやろうな。アメリカは制裁を外交政策の核心的なツールやと考えとる。ここで引いたら「弱さ」を見せることになり、他の国々もアメリカの好みに挑戦し始めるやろう。イランは、アメリカの圧力への抵抗を自国の安全と主権に不可欠やと考えとる。ここで引いたら、もっと強い圧力を受けるだけやからな。
第二に、このタンカー差し押さえみたいな事件はもっと増えるやろう。両者は探り合っとるんや。限界をテストしとるんや。どこまでやったら許されるか、何をやったら自分らが手に負えんレスポンスを引き出してしまうか、それを見極めようとしとる。
第三に、計算違いのリスクは本物や。どっちの側も全面戦争なんて望んでへん。アメリカとイランの戦争は、最終的にアメリカが軍事的に勝つとしても、両者にとって壊滅的なものになる。でも戦争っていうのは、誰かが望んで始まるもんやない。計算違いや、事故や、相手の「レッドライン」を読み間違えることで始まるんや。
もし大きな衝突を引き起こす火種があるとしたら、それはホルムズ海峡や。イランは過去に「自分が石油を輸出できへんのやったら、この地域の誰にも石油を輸出させへんぞ」と示唆しとる。これ、口先だけの脅しちゃうで。イランには海峡に機雷を撒いたり、小型ボートの群れを使ったり、対艦ミサイルを配備したりする能力がある。海峡を永久に閉鎖することはできへん。アメリカの軍事力がいずれ再開させるやろう。でも、原油価格を爆上げさせ、世界的な経済危機を引き起こすのに十分な期間、閉鎖することは可能なんや。
イランはホンマにそんなことするんか? それは彼らがどれだけ脅威を感じるかによるな。もしアメリカが政権転覆を狙っとるとか、制裁で国内が不安定になるほど経済が絞め殺されとると感じたら、何もしないコストより、エスカレーションするコストの方がマシやと考え始めるやろう。これが、国家を隅っこに追い込むことの危険性や。ええ選択肢を奪われたら、彼らは「最悪」の中からマシなもんを選び始めるんや。
ちょっと立ち止まって、もっと広いパターンを見てみ。同じようなダイナミクスがいろんな地域で起きとるやろ? 南シナ海では、中国が自分の領海やと主張する場所をコントロールしようとし、アメリカは「航行の自由作戦」をやる。黒海では、ロシアがウクライナの穀物輸出を妨害し、NATOのプレゼンスに挑戦する。ペルシャ湾では、イランがタンカーを差し押さえ、アメリカが制裁違反者を阻止する。これら全ての共通点は何や? 全部、戦略的水路をめぐる競争や。全部、アメリカの支配への挑戦や。そして全部、新興勢力や地域勢力が「アメリカはホンマに自分が掲げてるルールを執行する気があるんか?」をテストしとるんやな。
これこそが「一極」から「多極」への移行期の姿や。メチャクチャで、危なっかしい。これがこれから何年も、おそらく何十年も続く。制裁の問題についてもはっきり言っとくわ。これが今の状況の核心やからな。アメリカは冷戦終結後、特に9.11以降、制裁を外交の主要なツールとして使ってきた。ワシントンは、軍事力を使わんでも相手を罰し、行動を変えさせられると信じとる。
でもな、そこに問題があるんや。制裁っていうのは「全員が協力した時」にしか効かへんのや。中国が制裁を無視して石油を買ったり、他の国々がいろんな回避策でイランと貿易を続けたりしたら、制裁の効果はガタ落ちや。それどころか、強引すぎる制裁は、各国に「アメリカ支配下の金融システムに代わるもんを作らなあかん」と思わせてまう。中国の元(ユアン)の国際化や、ロシアやイランの自国通貨決済、BRICSの代替決済システム……。長期的には、アメリカの強引な制裁が、世界の準備通貨としてのドルの役割をぶち壊してまうかもしれん。それはアメリカのパワーの決定的な衰退を意味するんや。
ええか、イサヴぉ。国際政治っていうのは、究極的には「パワー」の話なんや。正義でも、法律でも、道徳的な原則でもない。パワーや。国家は、やれることは何でもやる。他国のパワーによって抑え込まれるか、行動のコストが見合わなくなるまでな。アメリカが船を没収するのは、そうするだけの海軍力があって、安全保障上の利益に必要やと思っとるからや。イランが船を捕まえるのは、ホルムズ海峡へのアクセスを握ってて、安全保障上の利益に必要やと思っとるからや。どっちも法律を持ち出し、正当性を主張するけど、そんなパワーも動機もなかったら、どっちもこんなことしてへん。
道徳や法律が無意味や言うてるんやないで。国内政治や、同盟を組んだり、正当性を維持したりするのには役立つ。でも、大国間競争の根本的な論理を変えるもんやない。ワシは何年も前から「大国間競争が激化するぞ」と言い続けてきたけど、この湾岸の状況はそのトレンドの現れの一つや。アメリカは唯一の覇権国としての地位を守りたい。中国はアジアの覇権を握り、世界的なプレイヤーになりたい。ロシアは大国としての地位を取り戻したい。イランみたいな地域勢力は、自分の縄張りでもっと自律性と影響力を持ちたい。
これらのゴールは、根本的に「両立せえへん」のや。全部を同時に達成することはできへん。つまり、衝突が起きるってことや。軍事的な衝突とは限らんけど(その可能性は常にあるが)、経済的、外交的、そして地政学的な衝突は避けられん。今見てるタンカーの差し押さえは、その大きな競争の中の「小競り合い」やな。イランにとっては、アメリカの圧力に押し返し、覚悟を見せつけ、コストを負わせ、自分はなめられへんぞと示すための、比較的低コストなやり方なんや。
もし「アメリカはどうすべきか」と聞かれたら……これ、議論を呼ぶやろうけど、ワシントンは制裁や圧力で何が達成できるかについて、もっと「現実的」にならなあかんと思う。経済的な圧迫でイランやベネズエラの政権を崩壊させるっていう目標は、うまくいってへん。あいつらは多くの人が予想してたよりもしぶといんや。これ以上圧力を強めることは、望んだ政治的変化が得られんまま、衝突のリスクだけを高めることになる。
戦略的な視点から、アメリカは自問せなあかん。「ペルシャ湾におけるワシらの死活的利益(バイタル・インタレスト)は何や?」ってな。イランのレジーム・チェンジ(政権交代)か? それとも、イランに核を持たさんことと、エネルギー供給のための航行の自由を守ることか? もし後者やったら、「モドゥス・ヴィヴェンディ(暫定協定)」を結ぶ余地はある。どっちも100%満足はせんけど、壊滅的な衝突は避ける、っていう妥協や。イランは政権を維持して制裁緩和を少し受け、アメリカは海軍のアクセスを維持してイランに核をあきらめさせる。そうなるかは分からんけど、純粋に戦略的な観点から言えば、終わりのないエスカレーションはどっちの長期的利益にもならんのや。
でもな、もっと深い問題がある。たとえ両方のリーダーが緊張を緩めたいと思っても、国際システムの「構造」が彼らを競争へと突き動かすんや。イランは、カダフィが武器を捨てた後にどうなったか見とる。西側の支援を受けた連中に引きずり降ろされたやろ。ウクライナが核を捨てた後にどうなったかも見とる。ロシアに侵略されたやろ。イランが導き出す教訓は「抑止力は絶対に捨てるな。大国の安全保障なんて信じるな。常に敵にコストを負わせる能力を持っとけ」や。
アメリカはアメリカで、ヒズボラやフーシ派、イラクやシリアの民兵組織へのイランの支援を見とる。ワシントンは「イランは中東を支配して、アメリカの同盟国を脅かそうとする拡張主義的な勢力や」と見なしとる。アメリカが導き出す教訓は「圧力を維持せよ、制裁を緩めるな、軍事的プレゼンスを保て、一歩も引くな」や。どっちの側も、自分らが感じてる脅威に対して「合理的」に行動しとるんやけど、その合理的な行動が危険なスパイラルを生んどるんやな。
世界的な影響についても話そか。ホルムズ海峡で事件が起きるたびに、石油市場は反応する。タンカーの保険料は上がり、海運会社はルートを変更し、エネルギー価格は高騰する。これは全員に関係する話や。手頃なエネルギーに依存してる欧州の産業、膨大な石油を輸入してるアジアの経済、高いエネルギー価格に苦しんでる発展途上国……。ある意味、世界はアメリカとイランの対決、そして板挟みになったベネズエラの「人質」にされとるんや。
だから他の国々はイライラしとる。自分らはこの争いに口出しできへんのに、コストだけ払わされてるからな。欧州諸国はアメリカに「制裁緩めて」とも言えんし、アジア諸国はイランに「タンカー捕まえるのやめて」とも言えん。でも、結果は全部自分らに跳ね返ってくる。これが覇権国の問題やな。覇権国が自分の利益のためのルールを作り、他の奴らは好きか嫌いかに関わらず、それに付き合わなあかんのや。
アメリカもイランも、今や「信用の罠(クレディビリティ・トラップ)」にハマっとる。アメリカは公に「制裁を執行する」と言うてもうた。今さら引いて、タンカーが平気で制裁を破るのを許したら、「アメリカの脅威は口先だけやな」と思われてまう。そしたらもっと制裁違反が増え、アメリカの好みに挑戦する奴らが出てくるやろう。イランも公に「アメリカの圧力には応じる、利益を守る、ワシントンの言いなりにはならん」と言うてもうた。今さら引いて、タンカーの差し押さえをやめたり、地域の味方への支援を減らしたりしたら、テヘランの強硬派は「降伏した」と見なすやろうし、アメリカのさらなる圧力を招くことになる。
だからどっちも、面子を潰さずに引き下がることが難しいポジションに自分らを追い込んでもたんや。これはめちゃくちゃ危険やで。柔軟性がなくなり、ちょっとした些細な事件が大きな対決に発展するリスクが高まるからな。
国内政治の影響も考えなあかん。アメリカでは、イランに厳しくすることについては超党派の支持がある。イランに弱腰やと思われるのは、どの政権にとっても政治的なバックラッシュのリスクや。これが政策の選択肢を狭めとる。イランでも、核合意が崩壊した後は強硬派が勢力を増しとる。西側との対話を主張してた穏健派は信用を失うてもうた。これも選択肢を狭めとる。どっちの国内政治も、妥協より対決を求めてるんや。リーダーが個人的に緊張を緩めたいと思っても、国内の聴衆は「強さ」を称賛し、「弱さ」を罰するからな。
結局のところ、この状況は「覚悟のテスト」や。どっちがより多くのコストに耐えられるか? どっちがより多くのリスクを取れるか? どっちが先に瞬き(ブリンク)するか? イランにはいくつか利点がある。自分の家の近くで戦っとるし、何十年も制裁を受けて「対処法」を身につけとる。政権の生き残りそのものが、アメリカへの抵抗にかかっとるからな。アメリカにも利点がある。軍事力も経済力もはるかにデカい。長期戦を戦う体力もあるし、この地域にはイランに圧力をかけたい味方もおる。
でも、アメリカには不利な点もある。自分の家から遠く離れた場所で戦っとるし、アメリカの世論はもう一つ中東で戦争が起きるのを望んでへん。もしイランとの対立が大きな戦争になりそうやったら、国内の反対は一気に広がるやろう。イランはそれを分かっとる。「アメリカの覚悟より、自分らの粘り勝ちや」と賭けとるんやな。いつかワシントンが「コストに見合わんわ」と判断して、圧力を緩めるのを待っとる。アメリカはアメリカで「圧力をかけ続ければ、いつかイランが屈服するか、政権が内部崩壊するやろう」と賭けとる。どっちかが間違っとるわけや。
最後に、もっと大きな絵を見て話を終わらせよう。このタンカーの事件は、実は大きなトレンドの中のたった一つの点に過ぎん。「一極体制」のアメリカの時代は終わろうとしとるんや。明日や来年やないけど、確実に終わる。中国の台頭、ロシアの復活、技術や兵器の拡散。これら全てがアメリカの支配を削り取っとる。ワシらは、複数の大国が影響力を競い合う世界、地域勢力がもっと自分勝手に動く世界、アメリカの好みが自動的に世界のルールにはならん世界に入ろうとしとるんや。
この移行期は荒れるで。タンカーの差し押さえみたいな事件はもっと起きるし、アメリカのパワーへの挑戦や、アメリカがホンマにルールを守る気があるかのテストも増えるやろう。悲劇なのは、これが大国同士の戦争につながる可能性があるってことや。ワシはこのリスクについて書き続けてきた。新興勢力が既存の勢力に挑戦し、覇権の移行が起きる時、歴史を見れば戦争が起きる確率の方が高いんや。
ワシはアメリカと中国、あるいはアメリカとイランの間で戦争が起きると予言してるわけやない。でも、大国間の戦争を引き起こす「構造的な条件」はもう揃っとるんや。ワシらはこのリスクを自覚して、それを管理するために動かなあかん。
ほな、このタンカー状況についてのワシの結論は何や? これ、タンカーの話やない。燃料密輸や制裁執行の話でもない。パワーと影響力、そして国際秩序をどっちが形作るかという「闘争」の話なんや。イランは地理的な優位と非対称な能力を使って、アメリカの圧力に押し返しとる。アメリカは軍事力と経済力を使って、自分の好みを世界に押し通そうとしとる。ベネズエラはその板挟みになりながら、状況を自分に都合ええように利用しとる。中国は静かにアメリカの支配に代わるもんを支援しとる。
これはこれからも続く。良くなる前に、もっと悪くなるやろうな。そして世界の残りの国々は、この大国間競争が生み出す荒波の中を航海せなあかん。楽観的なシナリオは、両者がこの競争を管理することを学び、決定的な戦争の手前で踏みとどまり、危険な問題で妥協点を見出すこと。悲観的なシナリオは、計算違いや事故、あるいは国内の政治的プレッシャーによって、どっちも引けへんエスカレーションに突っ込んでいくことや。
どっちのシナリオになるかは、ワシントン、テヘラン、カラカス、北京、そして他の首都のリーダーたちの知恵にかかっとる。けど同時に、個々のリーダーの力よりも強い、国際政治の「構造的な力」にも左右される。それが大国政治の現実や。綺麗事やないし、道徳的に満足できるもんでもないけど、世界はホンマにこうやって動いとるんや。今、ペルシャ湾とカリブ海で、ワシらはその現実をリアルタイムで見せつけられとるんやな。一隻の差し押さえられたタンカーを通してな


0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム