AIヤニス・バルファキス:オデッサからカラカス 死にゆく帝国の最後のあがき
https://www.youtube.com/watch?v=TYUnB53YEDM
こんばんは。船乗りの間に古い言い伝えがある。「帆走できぬなら、漂流せよ。漂流すれば、いずれ岩にぶつかる」とな。この72時間、我々は西側同盟が危険な海域へと漂流していくのを目撃しとる。そこは機雷が仕掛けられ、もはや星条旗を恐れぬ勢力がパトロールしとる海域や。
黒海では、ロンドンとワシントンの情報に基づいた絶望的なウクライナが、民間タンカーへの攻撃を始めた。彼らはそれを「非対称戦争」と呼び、モスクワはそれを「海賊行為」と呼んどる。そしてプーチンは、戦争の構図を根底から変えてまう脅しで応じたんや。彼は極めてシンプルに言うた。「我々の船を攻撃するなら、お前たちの海を閉鎖する」とな。我々が見とるのは、オデッサに対する最終的な絞め殺しや。ロシアの軍事マシンは、陸上の消耗戦から、完全な孤立を狙う海上封鎖へと軸足を移しとるんやな。
しかし、皆の目が黒海に釘付けになっとる間に、カリブ海でも別の危機が醸造されとる。同じ連中が、同じ手口(プレイブック)を使い、結末への無謀な無視を決め込んで製造した危機や。我々は、火の消し方を忘れてしもたがゆえに、二つの火を同時に起こそうとしとる「死にゆく帝国」の無様なあがきを目の当たりにしとるんやな。
まずは黒海を見てみよか。西側の戦略は単純やった。「シャドウ・フリート(影の艦隊)」の物語を使って、ロシア産の石油を制裁することや。けどな、世界は西側の承認よりも石油を必要としとるから、制裁は失敗した。そこで彼らは実力行使(キネティック・ストライク)へとエスカレートさせたんや。だが、ここに戦略的な盲目がある。海岸線を支配しとる大陸国家に対して、海戦で勝つことはできん。ウクライナを海へのアクセスから切り離すっちゅうプーチンの脅しは、ハッタリやない。「能力の表明」なんや。
ロシアの歴史的イマジネーションにおいて、オデッサはエカチェリーナ大帝によって築かれた街や。そこはウクライナの都市やない、帝国の南の首都なんや。もしロシアが、じわじわと窒息させる封鎖か、あるいは沿ドニエストルの橋頭堡からの電撃作戦でオデッサを取ると決めたら、ウクライナは経済主体として消滅する。海を失ったウクライナは、もはや「救いようのないお荷物」や。パン一切れ、弾丸一発に至るまでポーランドの鉄道に依存する、欧州連合(EU )の永久的な被保護者になるっちゅうわけやな。 フランスのマクロン大統領は、50万人のロシア軍に対して2万人の兵士を送るとか言うとる。芝居やな。パリの国内向けパフォーマンスに過ぎん。オデッサの現実は、刻一刻と迫る破滅なんや。
さて、欧州でこんな大惨事が起きとる最中に、なんでアメリカは突然ベネズエラに銃口を向けたんか? それは、帝国には「勝利」が必要やからや。ウクライナで負け、中東で負け、中国との経済戦争でも負けとる時、彼らは「楽勝(ケイクウォーク)」を探すんや。 核の冬を生き延びるゴキブリのように、どの政権でも生き残ってきたネオコン(新保守主義者)にそそのかされたドナルド・トランプは、マドゥロに最後通牒を突きつけた。「一週間以内に去れ」とな。マドゥロは去らへん。彼はカラカスの通りで踊っとるわ。なぜか? 彼も我々が認めようとせん事実を知っとるからや。「棒(軍事力)」はもう折れとるんやな。
アメリカによるベネズエラへの軍事介入の脅しは、地政学的には、負けが込んどるギャンブラーがさらに賭け金を倍にする(ダブルダウン)のと同じや。彼らは、カリブ海での素早い勝利がアメリカの威信を取り戻すと信じとる。傀儡(かいらい)を据え、石油を奪い、世界に対して「鷲にはまだ爪がある」ことを見せつけられると思っとるんやな。 けどな、ベネズエラは1983年のグレナダとは違う。ロシア、中国、イランがバックにおり、高度な防空システムを備えた国や。もしアメリカが介入すれば、それは精密外科手術のような攻撃にはならん。泥沼になるやろ。そして、グローバル・サウスにおけるアメリカの影響力の最後の一欠片(ひとかけら)までをも破壊し尽くすことになる。
我々は、これを推進しとる連中――エリオット・エイブラムスやマルコ・ルビオ、あるいは一度も「拡大したくない戦争」に出会ったことのないシンクタンクの将軍たちの病理を理解せなあかん。彼らは「意志の神学」で動いとる。アメリカが何かを強く望みさえすれば、現実は折れ曲がると信じとるんや。 彼らは「制裁がルーブルを粉砕する」と言うたが、ルーブルは平気や。彼らは「ウクライナがクリミアを奪還する」と言うたが、ウクライナはドンバスを失いとる。彼らは「2019年にマドゥロは倒れる」と言うたが、彼はまだそこにおる。それやのに、この連中はクビにならへん。失敗するほど出世する。国務省からブラックロック、CNNをぐるぐる回り、同じ悲劇的なアイデアを使い回しとるんやな。
彼らは今、トランプに助言しとる。「ベネズエラなんて簡単だ」「ロシアは弱い」「中国はハッタリだ」と耳元で囁いとる。彼らは間違っとる。そしてその間違いは学術的なもんやない。ウクライナの徴用兵やベネズエラの民間人の「血」によって測定されるもんや。 なぜベネズエラか? なぜ今か? 資源を追えば分かる。「テクノ封建主義」にはエネルギーが必要なんや。レアアースが必要なんや。ベネズエラには地球上で最大の石油埋蔵量がある。西側資本、ブラックロックやエクソンモービルは、これらの資源がBRICS圏に統合される世界を心底恐れとるんやな。 もしベネズエラがBRICSの通貨システムに加われば(実際にやっとるが)、その石油はドルやなくて「元」で取引される。この介入は「民主主義」のためやない。ペトロドルのためや。西半球のエネルギー資源をドル化された金融システムの中に留めておくためや。「人道的使命」を装った、企業による略奪行為なんやな。
アイゼンハワー大統領はかつて、「計画(プラン)は無用だが、計画すること(プランニング)は不可欠だ」と言うた。今のアメリカの指導部にはプランがない。あるんは「衝動」だけや。マドゥロを脅しては何もしない。ウクライナを武装させては武器を制限する。ロシアを制裁してはそのウランを買う。この一貫性のなさは危険や。 予測可能な帝国は秩序を生むが、支離滅裂な帝国は混沌(カオス)を生むんや。トランプが守れもしない脅しをかけ、越えもしないレッドラインを引く時、彼は衰退を加速させとる。世界の他の国々、グローバル・マジョリティはその無様な光景を見て、「皇帝は裸であるばかりか、ボケとるな」と結論づけとる。
ドイツも注目しとるで。ドイツの産業界は、アメリカによるウクライナでの戦争が、自分たちの安価なエネルギーを破壊したことを知っとる。ベネズエラでの戦争が起きれば、石油価格が急騰し、残された自分たちの経済もトドメを刺されることを分かっとるんや。 「属国の反乱」の瞬間が近づいとる。ドイツ、フランス、そしておそらく日本でさえも、「アメリカ同盟のコストは高すぎる」と決断する時がな。
兵士たちのことも考えよか。「ウクライナの労働者・農民軍」と報告書にはあるな。キエフやリヴィウの路上から引きずり出され、訓練も受けんまま、維持できん防衛線を守るために東部の肉挽き機に放り込まれた男たちや。彼らは、ワシントンやブリュッセルの政治家たちのキャリアと評判を守るために死んどる。西側のエリートたちが「自分たちが間違っとった」と認めんで済むために死んどるんや。そして今、我々はベネズエラの若者たちにも同じことをしようとしとる。カラカスを第二のアレッポにしようとしとるんや。 これは我々の時代の究極の不道徳や。国家をゲーム盤として扱い、人々を駒(ポーン)として扱う。
我々は一つの時代の終焉を生きとる。空母を動かしたり制裁令に署名したりするだけで、国家の運命を左右できた西側の時代は終わったんや。ロシアは必要と判断すればオデッサを取るやろう。ベネズエラは従わんやろう。そして中国は「ポスト・アメリカ」の世界のインフラを築き続けるやろう。 問いは「帝国が倒れるかどうか」やない。問いは「倒れる途中で、どれだけの世界を焼き尽くすか」や。 我々には、地図を見て、算数を見て、「もう十分だ(Enough)」と言える勇気を持った指導者が必要や。けど、そんな指導者が現れるまで、我々は壊れた舵の船に乗った乗客や。オデッサの岩礁と、カリブ海のサンゴ礁に向かって漂流しとるんやな。 そして嵐は、まだ始まったばかりや。おやすみなさい。


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