2026年5月15日金曜日

マイケル・ハドソン:米国経済でまた金融危機が起きそうやで

https://michael-hudson.com/2026/04/the-ponzi-economy-is-breaking/

The Ponzi Economy Is Breaking

By Michael  Friday, April 24, 2026

https://geopoliticaleconomy.com/2026/04/21/private-credit-financial-crisis-us-economy-michael-hudson/

米国経済でまた金融危機が起きそうやで

経済学者マイケル・ハドソンがウォール街のネズミ講の危険性を解説してくれてます

ベン・ノートン: アメリカでまた大きな金融危機が起きるんちゃうかって、サインがどんどん増えてきてます。

ゴールドマン・サックスの元CEOがブルームバーグのインタビューで「また金融危機の匂いがしてきた」って言うてはりました。

どこから危機が来るんかっちゅうと、プライベートクレジット業界がヤバいって言われてますねん。2008年のリーマンショックの後、銀行の規制が厳しなったせいで、ウォール街の企業がどんどん民間企業に直接貸し付けるようになりましてん。そんで今や3兆ドル規模の業界になってるんやけど、規制はほとんどあらへん。しかもそのへんの業者が不良企業にアホみたいな貸し付けしまくって、今それがどんどんデフォルトしとるっちゅう話です。

ほんなら、この問題をちゃんと理解するために経済学者のマイケル・ハドソン先生に話を聞きました。先生は『宿主を殺す者:金融寄生虫と借金がいかに世界経済を破壊するか』とかいう本も書いてはります。

マイケル・ハドソン(本編のハイライト:いちばん肝心な部分がここやで!):

プライベートキャピタルが企業を乗っ取って、基本的には食い荒らすことで儲けるようになってしもたんです。

イギリスのテムズ・ウォーターなんかがその典型やね。病院なんかもプライベートエクイティのターゲットにされましてん。

プライベートエクイティはアメリカ経済のあちこちを破産させてしもて、英語に新しい言葉まで生まれましたわ――「enshittification(クソ化)」ってやつで、要するにサービスの質をどんどん落として、コスト削りまくって、労働者をこき使うってことです。

金融システム全体が搾取するだけのシステムになってしもてる。2009年以降の金融資産の爆発的な増加は、全部、人口の上位10%が支配する金融・不動産セクターに流れ込んでますねん。

アメリカ国民の40%は貯金ゼロや。崖っぷちで生きてます。

しかも物価はどんどん上がってる。クレジットカードの借金、車のローン、学生ローン……みんなどんどん首が回らんようになってきとる。

クレジットカード会社がお金を貸し続ける間は、このネズミ講を維持できるかもしれへん。でもネズミ講っちゅうのは、指数関数的な成長を維持するために、どんどんどんどん新しいお金が必要になるもんやねん。

(インタビュー本編)

ベン・ノートン: マイケルさん、今日もよろしゅうお願いします。また金融危機が来るかもしれんって話、聞かせてもらえますか?

マイケル・ハドソン: そうですな、問題の根っこは2008年、いや正確には2009年にオバマ大統領が就任した時からです。

あの時の銀行救済策が、結果的に経済全体をネズミ講にしてしもたんです。

銀行は詐欺まがいのジャンク住宅ローンを山ほど抱えて、事実上の債務超過やった。その解決策がゼロ金利政策(ZIRP)です。

FRBは金利をほぼゼロにまで下げて、銀行に「好きなだけ0.1%でお金貸したるから、不動産・株・債券の価格を支えなさい」って言うたわけです。銀行を救うために、です。

銀行は何したかっちゅうと、まず借りたカネをそのままFRBに預けて、寝てるだけで利ザヤを稼ぐ。残りは中間業者に貸し付けて、「あとはお前らが企業を探して乗っ取れ」って丸投げです。

そんでプライベートキャピタルが企業を乗っ取って、食い荒らすっちゅうわけです。

テムズ・ウォーターが典型的な例です。病院なんかにも同じことをしてましてん。「不動産を別会社に売って、その売却益で特別配当払え。そしたらその不動産を長期リースで借り直せ。そのリース料の資金は俺らが貸したる。あと経営管理費も取るで」ってな具合です。

結果、病院がバタバタ潰れましてん。アメリカ経済のあちこちがプライベートエクイティのせいで破産させられました。

「enshittification」って言葉が英語に生まれたのもそのせいや。質を落とし、コスト削り、労働者をこき使う。人が辞めても補充せず、残った社員に全部押しつける。生産性は上がるで?表面上はな。でもそれは搾取の生産性です。

その間、企業は稼いだ利益を新しい工場や設備に投資するんやなくて、92?94%を配当と自社株買いに使うてました。自社株買いで株価を釣り上げて、見せかけのEPS(1株当たり利益)を演出してたわけです。実態のない成長です。

2009年以降の金融資産の膨張は全部、上位10%の懐に入りましてん。

アメリカ国民の40%は貯金ゼロ。崖っぷちや。

物価は上がり、クレカの借金、マイカーローン、学生ローン……みんな首が回らんようになってきとる。下位60?80%の収入はほとんど増えてへん。

かつての「中産階級」も今や、ブルーカラーと変わらへん賃金労働者です。賃貸なら家賃、持ち家ならローンで首が絞まってる。

今や金利が上がってきた。コストの圧迫が半端ないです。

消費者から企業まで、デフォルトの波が押し寄せてます。これがネズミ講の末路ですわ――債務者に利息を払わせるために、また新たな借金をさせ続けるっちゅう構造です。

クレジットカードの残高は膨らみ続けるけど、会社が貸し続ける間はネズミ講は回り続けます。でもネズミ講はいつか必ず崩壊しますねん。

ベン・ノートン: トランプ政権の対応についても聞きたいんです。

トランプ最大の献金者の一人がウォール街で最も高給取りの経営者スティーブン・シュワルツマン、つまりブラックストーンのCEOです。ブラックストーンは世界最大のオルタナティブ資産運用会社で、巨大なプライベートエクイティ部門を持ってます。

2025年8月、トランプはウォール街の友人たちに押されて大統領令に署名しました。タイトルが「401(K)投資家へのオルタナティブ資産へのアクセス民主化」ってなってて、いかにも一般労働者の老後のためになるように見えるけど……

実態は、ウォール街が不良資産を一般人に押しつけるための「出口戦略」です。プライベートクレジットやプライベートエクイティのファンドがどれだけヤバいか、業界内ではとっくにわかってた。誰かに貧乏くじを引かせなあかん。そこでトランプが「民主化」の旗を振って登場したわけです。

しかも金融会社がファイナンシャルアドバイザーに金払って、「このファンドなら年10%の利回りが出る、リスクも低い」って一般人に売り込ませてる報告もあります。

2007?2008年のサブプライム危機の時に、格付け機関がジャンクなCDOを「AAA」と太鼓判を押してたのとそっくりやないですか。

マイケル・ハドソン: まさにその通りですわ、ベンさん。

今起きてるのは「年金資本主義を使ったネズミ講の救済」です。

ブラックストーンみたいなところは今、「もう儲けるフェーズは終わった。損失をどう最小化するか、いや、損失を誰に押しつけるか」を考えてます。

答えは労働者に払わせることです。年金基金や一般投資家を「カモ」にするってことです。トランプのミームコインや「メラニアコイン」を買って95%損した人たちと同じや。トランプウォッチも1万ドルで売ってたのが95%値下がりしたやろ。笑えん。

金融システム全体が「信用詐欺ゲーム」になってます。カジノが必ず勝つように、ウォール街も必ず勝つ仕組みになってますねん。

「10%の利回りが出る」って言うけど、元本を全部失います。

1994年にロシアで地下鉄に乗った時、「こちらの銀行に預ければ33%の利回り」って広告をあちこちで見たんです。全部詐欺でした。アルバニアなんかもっとひどくて、国民の貯金の大部分がネズミ講に流れ込んで、全部吹っ飛んだ。

今のアメリカはまさに「アルバニア化」してます。エリツィン時代のロシアみたいになりつつある。元本は確実に失うけど、短期的に10%もらえてる間は幸せな気分でいられる。それが策略です。

アメリカの年金制度を金融化してきた歴史全体が、最初から搾取のためのモデルやったんです。バブルを作って、頂点で売り抜けて、労働者と年金基金に全部押しつける。それが危機の時に起きることです。

ベン・ノートン: アメリカ経済全体の状況についても聞きたいです。

イランへの米軍の侵攻で石油価格が爆上がりして、プライベートクレジット危機も来て……さらに、アメリカの上位10%の富裕層が消費の半分を占めてるっていうチャートも出回ってます。

あの「K字型経済」のチャートも衝撃的やった。2020年のコロナ不況以降、S&P500は爆上がり。株式の90%は上位10%が持ってる。富裕層はどんどん豊かになって、残り大多数の庶民は状況が悪化し続けてる。

FRBのデータを使ったチャートによると、2025年末時点で経済成長を実感できてる地域に住んでるアメリカ人は約20%だけです。シリコンバレーやウォール街を除いたら、アメリカの大部分はすでに不況やということです。

そして「成長」の正体はAIバブルです。ハーバードの経済学者によれば、2025年前半のGDP成長の92%はAI関連の情報処理機器・ソフトウェアへの投資やったとか。

しかもOpenAIみたいな会社は赤字なのに、互いに投資し合う「円環投資」状態で。唯一本当に儲けてるのはNvidiaやけど、AIバブルが弾けたらNvidiaの株も崩れて、それがアメリカ経済最後の「成長エンジン」を止めることになる。

イラン戦争、エネルギー危機、プライベートクレジット危機……これって「パーフェクトストーム」ちゃいますか?

マイケル・ハドソン: 2つの動きがあります。

まず足元の問題として、NvidiaのチップはTaiwan製で、製造に液体ヘリウムが必要です。カタールがTaiwanへのヘリウム供給をできんくなった今、チップ供給に支障が出てきます。

もっと大きな話として、AIの「自動知能」(私は「人工知能」より「自動知能」って言い方が好きですわ)には巨大な電力を消費するスーパーコンピューター施設が必要です。でもアメリカの発電能力はほとんど増えてへん。新しいAI施設が電気を食うほど、一般市民の電気代も上がる。

もうすでにアメリカの各州がAI施設の新設を阻止しようとしてます。住民の光熱費が上がるから、当然です。

そやから大手AI企業はOPEC湾岸諸国に投資先を移してる。そこには石油がある。

イランはそこを狙うて攻撃してます。「スンニ派のアラブ諸国はアメリカと組んで我々を攻撃しとる。ならばアメリカとの経済的な繋がり、特にAI産業との繋がりを断て。ドル資産も売り払え」と圧力をかけてます。

AIに必要な電力はどこから来るんか?AIバブルを正当化できるほどの市場拡大は本当に実現できるんか?まず不可能です。

GDPが落ちてるのに株価が上がってる。いつかは何かが壊れます。

金融市場は産業投資からも、AI投資からも、実体経済からも完全に切り離されてます。それが金融資本主義と産業資本主義の違いやねん。

アメリカのGDPの中身も怪しいです。持ち家の「帰属家賃」がGDP押し上げ要因になってる。クレカの延滞金も「金融サービスの提供」としてGDPにカウントされる。金融セクターの活動を全部「生産的な経済活動」として計上してるけど、実態は経済の生産力を蝕む「略奪的なオーバーヘッド」です。

つまり、金融経済は虚構の経済、数式ゲーム、カジノ、ネズミ講。実体経済は縮んでいく。それが「K字型経済」の正体です。

でも主流の経済理論はこれを認めようとしてへん。

古典派経済学者、リカードもマルクスも、みんな19世紀にすでに警告してたことやねんけどな。あの頃は「地代」が問題やった。今は「金融レント」が問題になってます。第一次大戦後から100年かけて、金融システムが略奪的な形で民営化されてきた結果です。

ベン・ノートン: まとめていただいてありがとうございます、マイケルさん。これからもウォール街の動きを一緒に追っていきましょう。またよろしゅうお願いします。

マイケル・ハドソン: ありがとうございます。これからは月単位どころか、週単位で状況が動いていくと思います。引き続き目が離せません。

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム