2026年6月23日火曜日

ラリー・C・ジョンソンのSONAR21:ホルムズ海峡は開いとるようで、開いとらん

https://sonar21.com/even-if-the-strait-of-hormuz-is-open-it-aint-open/

2026年6月22日 ラリー・C・ジョンソン

開いとる。いや、閉まっとる。待てよ…開いとるのか?え、また閉まった?メディアのホルムズ海峡に関する報道を追っとったら、海峡の状況がコロコロ変わるせいで目が回るやろ。イランとアメリカが海峡の開放でしっかり合意すれば、世界の石油備蓄が即座に回復するなんて考えとるなら、考え直したほうがええ。

仮にイランがペルシャ湾を出入りする船から「通行料」(トランプは「通行税」と呼んどるな)を徴収するのを60日間停止することに合意して、それが今週から始まったとしても、世界は原油とLNGの供給途絶による深刻な経済ショックに直面し続ける。原油とLNGの生産がラマダン戦争前の水準に戻るには時間がかかるんや。湾岸諸国の石油・LNGインフラの被害状況すら、まだ完全には把握できてへん。仮にそれらのシステムが全部無傷で正常に動いとったとしても(実際はそんなことないんやが)、黒い黄金を運ぶタンカーをすぐに出せるかという問題が残っとる。

4ヶ月間もペルシャ湾の温かい塩水に浸かりっぱなしやったタンカー(船のことや)は、原油とLNGの運搬という任務に戻る前に、何か月ものメンテナンスと復旧作業が必要になるんや。この分野の専門家はこう説明してくれた。

「石油タンカーは、汚れやコーティングの状態、ドックの空き状況次第で数週間から数か月を失うだろう。LNG運搬船の場合はもっと長引く。船体の問題に加えて、貨物システムとガス管理の信頼性も関わってくるからだ。

計画を立てる上では、原油・製品タンカーは平均的なケースで1~3か月、重度なケースで3~6か月のロスを見込むべきだ。LNG運搬船については、新しい船で2~4か月、古い船やシステムに負荷がかかっている船なら4~9か月以上のロスになる。一部の船はもっと早く戻れるだろうが、市場は動きが鈍かったり、係争中だったり、ドックに入りっぱなしの船が長く続くことを想定しておく必要がある」

世界的な視点で見れば話は明確や。まず物理的な移動が回復し、次に商業的な利用が可能になり、最後に船隊の効率が回復する。市場は、清浄で証明書類が揃っていて即チャーターできる船と、ただ動いているだけの船とを区別するようになるやろう。ホルムズ海峡の次は、このメンテナンスの停滞がボトルネックになるんや。

タンカーを外洋に戻すのが遅れることに加えて、「中留分(ちゅうりゅうぶん)の変曲点」という問題がある。何のことやと思うか?この記事のトップ画像を見ればわかる通り、石油のバレル缶はコカ・コーラの缶みたいに、上から下まで均質な液体が入っとるわけやない。石油バレルはいくつかの成分に分かれとって、その中の「中留分」が、ディーゼル燃料とジェット燃料の両方の原料になるんや。この部分は実体経済にとって命綱や。ディーゼルは貨物輸送、鉄道、農業、建設、物流を動かし、ジェット燃料は民間航空と軍の航空作戦を支えとるからな。

現在進行中のエネルギー危機の本質的な制約は、製油所のバレルそのものにある。軍用のジェット燃料(JP-8)と民間のディーゼルは別のバレルから精製されるわけやない。精製されるすべてのバレルから同じ留分を取り合うライバル関係にあるんや。だから、もしトランプがペンタゴンにイラン爆撃を命じれば、湾岸での作戦ペースが維持されると仮定して備蓄の取り崩しが始まる。精製業者はJP-8の生産を増やす圧力を受けることになり、ディーゼルや民間航空燃料の供給を直撃するんや。つまり「タダのバレル」なんてものは存在せえへん。軍事用に使われる1ガロンは、運送会社や農家、航空会社が使えなくなる1ガロンということや。

ダウンストリーム(精製・流通)へのあらゆる影響の中で、ディーゼルの逼迫は経済的に最も危険で、かつ進行スピードが速い。ガソリンが消費者コストなのに対し、ディーゼルはインプットコストや。すべての貨物輸送、食料配送、工業プロセスに組み込まれとるんや。ディーゼルが逼迫すれば、価格上昇はガソリンスタンドで止まらん。サプライチェーン全体に波及して、運賃、食料品価格、製造マージン、小売価格へと同時にのしかかる。このような広範囲なインプットコストのインフレは、リセッション(景気後退)の最も確実な原因の一つや。経済全体の利益幅を圧縮しながら、同時に消費者の購買力を低下させるからや。

トランプがイランとの覚書(MoU)支持にこれほど早く転換した理由はこれで説明がつく。真の配分問題は、石油備蓄(SPR)を放出するかどうかや、OPECを説得して増産させるかどうかやない。戦争をどれだけ激しく遂行するか、や。作戦の激しさが一段階増すごとに、国内経済が簡単には代替できない留分が消費される。これがホルムズ海峡からメインストリートの物価まで直結する送電ベルトを締め上げとるんや。戦争の激しさと経済的安定のトレードオフは抽象的な戦略的懸念やない。マクロ経済に結果をもたらす、毎日の製油所のスケジューリングの決断なんや。

問題はこれや。現在、アメリカのディーゼル供給は約30日分しかない。原油・製品タンカー船隊の8%(VLCCクラス単体でも)から15?20%近くが座礁、あるいは事実上、世界の物流網から離脱しとると推定されとる。海運能力の供給ショックが、根底にある石油供給の途絶を悪化させとるんや。つまり、このギャップを30日で埋めるような即効薬はない。実際、アメリカのディーゼル供給を回復させるまでの遅れは60日間も続く可能性がある。要するに、既存の需要を満たすほど世界中に石油は早く流れないということであり、トランプが先週、イランと覚書を交わすという突然の決断をしたのも、おそらくそのせいなんや。この情報を提供してくれた専門家は、我々は7月にディーゼル不足の壁に突き当たるとみとる。

なんて素晴らしいニュースやないか。

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