2015年5月30日土曜日

サウジとイエメン

中国の実質経済成長率が1.2%かなんかと囁かれ、世界規模で原油需要が低迷。在庫は積み上がるばかりで、そのなか増産に踏み切ったサウジの目的は、第1にアメリカのシェールオイル産業の息の根をとめること、第2にイランとロシアを財政的に痛めつけることにあると言われています。
アメリカのシェールオイル産業の多くはジャンクボンドにレバレッジをかけて資金調達をしていて、そういう会社は採算分岐点となる原油価格がバレルあたり100ドル超といわれます。だから原油価格が昨今のように60ドルを切るくらいだと、損が増えて財務状態は幾何級数的に悪くなります。アメリカのリグ(組み上げポンプ)カウントは4月ごろまで減少を続け、5月にはいっていったん落ち着いたものの、先週からまた下がりはじめました。
第2にロシアとかイランですが、原油価格がだいたいどれくらいだったら財政赤字を出さずにすむのかという調査があります。
これによると、サウジの分岐点は90ドル台なので、いまのレベルだとやはり損をこくことになります。しかしたくさん生産すればコストが下がるということもあり、サウジ王のところには国営石油会社アラムコから時々刻々と最新情報が伝えられているに違いありません。1〜2万人いるという王子のなかから選ばれた王ですから、パキスタンのカラチの大学で学位を買うようなアホではなく、きっと西欧のりっぱな大学で優秀な成績を収めた秀才に違いありません。この価格ならいつまで勝負できる、というのを打倒すべき敵のデータを参照しつつ参謀のつくったチャートを睨んでいることでしょう。

ここまでは管理の範囲内。

しかしサウジ家は、「誰も欲しがらない」といわれていたイエメン相手に戦争をはじめました。理由は簡単、角地を占めた貧乏人が自分らのでっかい×んたまを握っているのが許せなかったからでしょう。

しかし戦争というのは勝つときもあれば負けるときもあり、変数としてはブレが大きすぎます。
これでサウジの運命は管理の範囲外。
企業も王家も潰すのはやっぱり3代めなのでしょうか?

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