ゼレと国防総省、敗戦で反攻を「一時中断」せざるを得なかったことを認める
2023年7月18日火曜日 - 午前12時40分
ニューヨーク・タイムズ紙は週末の記事で、ウクライナの反攻の可能性が厳しくなっていることを認め、ゼレンスキーが一時「一時停止」を余儀なくされたと認めた。
「大損害の後、ウクライナ人は戦略を再考するために一時停止した」という見出しのこの記事は、それでもキエフの悲惨な状況を前向きに捉えようとしている。
ウクライナが戦術を変更し、敵の地雷原や砲撃に突撃するよりも、大砲や長距離ミサイルでロシア軍を消耗させることに重点を置いた。
この朗報はいくつかの厳しい現実を見えにくくした。ウクライナ軍兵士がロシアの手強い防衛線に苦戦しているため、反攻自体が鈍化し、場所によっては停止さえしている。そして、ウクライナ軍は、この損失にもかかわらず、南方の海に到達し、ロシア軍を2つに分断するためにカバーしたい60マイルのうち、今のところわずか5マイルしか奪っていない。
ウクライナ軍は反攻を開始してから2、3週間で、戦車や装甲車など西側から新たに供与された兵器の20%を失ったと認めた。ウクライナの反攻は5月に始まったが、大きな成果には結びついていない。
今週、ゼレンスキーは、数週間前に作戦が一時中断したことを認めたが、その原因は装備と弾薬の不足であり、西側の同盟国に対して提供のペースを速めるよう求めた」とタイムズ紙は書いた。
この報告書は、国防総省が「一時停止」を公式に認めたことを強調した上で、次のように付け加えた。「アメリカ政府高官は一時停止を認め、ウクライナ軍は再び動き始めたが、より慎重に、より地雷原を通過することに習熟し、死傷者のリスクに留意していると述べた。」
ゼレンスキーについては、国民に向けた金曜日の言葉で、「われわれは皆、南と東の土地にいるロシア軍が、われわれの兵士を阻止するためにあらゆる手を尽くしていることを、理解しなければならない」と述べた。「われわれが1,000メートル進むごとに、すべての戦闘旅団のすべての成功は、われわれの感謝に値する」と付け加えた。
先月、反攻作戦が開始された直後、彼は「予想よりも遅い」ペースであることを認めると同時に、より多くの西側の武器や大砲が非常に必要であることを訴えた。
反攻作戦が開始された2カ月ほど前は、西側の主要メディアは急速な成功がもたらされると熱く語っていた。それ以前から、戦場の状況についてのほとんどの説明は、親キエフ、親西側の物語に合うように大きく歪曲されていた。現実はもっと混乱し、幻想であることが証明された。
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命中精度の高い露軍の攻撃でウクライナの対空防衛は危機的状態
2023年7月18日, 07:50
ウクライナ軍はたとえ対空防衛システムの新たな供与を受けたとしても、前線で優位に立つことはできない。ガブリエル・ホンラダ評論員は英語・中国語による日刊オンライン紙「アジア・タイムズ・オンライン」に寄稿した中でこう指摘した。
ホンラダ評論員は、「ウクライナの対空防衛はロシアのミサイルと無人機による連続的な攻撃にさらされた結果、ただでさえ僅かなミサイル備蓄は枯渇してしまった」と書いた。
ロシア軍は敵の軍事施設に対して、命中精度の極めて高い攻撃を行うことができる。ホンラダ氏は、そうした空からの急襲でウクライナの対空防衛システムは危機的状況に陥ったと指摘した。
ホンラダ氏は、NATOが台湾や他の国で使用され、退役した対空防衛システムをウクライナ軍に渡すのであれば、身動きがとれないウクライナ軍の反攻の助けにはならず、ロシアは西側の機器をより強力に叩くために軍産拡大の用意があることをすでに証明したとの見方を示した。
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米独の情報機関の職員名簿がネット上に漏洩
2023年7月18日, 04:57
マルウェア検査ウェブサイト「VirusTotal」で大規模な情報漏洩が起きた結果、米国と独の情報機関に勤務する専門家のデーターがネット上に漏れた。独シュピーゲル紙が報じた。
シュピーゲル紙の報道によれば、漏洩したのはアメリカ国家安全保障局(NSA)を始めとして、独の複数の情報機関の職員ら5600人の名前が記載された職員名簿。これらの人々は全員がITセキュリティVirusTotalのプラットフォームに登録されていた。
漏洩したのは米国がNSAの他にアメリカサイバー軍、法務省、連邦捜査局(CIA)、独は連邦刑事庁、軍事保安局、連邦情報局(BND)で、このほかにオランダ、台湾、英国の公的機関の職員名が漏れた。
シュピーゲル紙によれば、ネットに漏洩したのは上記の機関の職員の名前と電子メールアドレス。
独のコンピューターと通信のセキュリティ部門である情報セキュリティ庁(BSI)はシュピーゲル紙からの取材に漏洩の事実を認めた、諸機関にVirusTotalのファイルをダウンロードしないよう勧告した。
VirusTotalはファイルやウェブサイトのマルウェア検査を行うウェブサイト。怪しいファイルをVirusTotalにアップロードしたりウェブサイトのURLを指定すればマルウェアの有無が検査できる。
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たった1台の露戦車、ウクライナ軍の攻撃を阻止
2023年7月17日, 22:01
たった1台のロシア戦車が、ウクライナ軍による「アグレッシブで狡猾な」攻撃を阻止した。ウクライナ軍が約6週間にわたって進める反転攻勢の一幕として、米誌「フォーブス」のジャーナリスト、デイビッド・エックス氏が自身の記事で伝えた。
エックス氏は、ウクライナ軍がドネツク南部のモークリエ・ヤリ川沿いの攻勢で、ある即席戦術を考案したと指摘。これは「奇襲とショック効果」を利用したもので、軽装備と重装備を使用した電撃戦を主軸としていた。戦車隊と装甲トラックの列が並行して整列し、「足並み」をそろえて高速移動すると同時に、火砲での攻撃を行った。だが、作戦は完璧ではなかった。
攻撃手の前進が速すぎることにより、たった一つの障害に直面しただけで作戦全体が崩れ、攻勢が「理想的」にならない場合があるとエックス氏は続ける。6月下旬の攻撃は、たった1台のロシア戦車の予期せぬ登場で失敗に終わった。戦車の乗組員は「より多勢で速いウクライナの部隊と戦うことを恐れなかった」と指摘された。
ロシア国防省によると、ウクライナ軍の反転攻勢は6月4日、ドネツク南部、ザポロジエ、アルチョーモフスク方面で開始された。西側諸国の評論家は、先月末からウクライナの反転攻勢がうまくいっていないとして、不満の声を上げた。同時に、よく構築されたロシア軍の防衛線や軍事技術的な優位性についても指摘した。
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地雷原が露呈させたウクライナ受領の欧米軍事機器の脆弱性
2023年7月16日, 19:57 (更新: 2023年7月16日, 22:18)
米ワシントンポスト紙は、地雷原によってウクライナの戦場で戦う西側の軍事機器の脆弱性が明確に示されたと報じた。
ワシントンポスト紙は「地雷原での戦いで装甲兵員輸送車や戦車の脆弱性が浮き彫りになった。特につい先日、調達されたばかりの米国製のブラッドレーや独戦車レオパルトがそうだ」と報じている。
ワシントンポスト紙のコラムニストらは、こうした軍事機器をウクライナの公式人らは「歓迎し、ウクライナの運命を決定するものと思い込んだ」と指摘し、さらに地雷の爆発で複数の装甲車が一か所に固まってしまうため、これがロシアのヘリコプターの航空最前線には格好の標的になっていることが示されている。
一方でウクライナが受領した地雷解除用機器も、ロシア軍がまず最初にこうした機器を攻撃することから、ウクライナ軍にはさほど大きな益をもたらしていない。
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ウクライナへの「F16」供与は逆効果 米軍内からも疑問の声
2023年7月13日, 22:00 (更新: 2023年7月13日, 22:15)
12日まで行われた北大西洋条約機構(NATO)の首脳サミットでは、ウクライナが供与を求めてきた米製戦闘機「F16」をめぐり、パイロットの訓練が8月から始まると発表された。だが、具体的な供与数や時期は未定で、ゼレが満足する回答は得られなかった。一方、西側メディアはF16を「奇跡の兵器」の如く崇拝しているが、供与の有効性については現役の米軍将校や軍事専門家からも疑問視する声があがっている。
ウクライナへのF16供与に疑問を呈したのは、現役の米空軍将校であるマクシミリアン・ブレーマー大佐と米軍事シンクタンク「スティムソンセンター」のケリー・グリエコ上級研究員で、米軍事専門メディア「ディフェンス・ニュース」に連名で記事を寄稿した。そのなかで2人は、米国防総省の公式見解を反映したものではないとしながらも、次のように主張している。
「F16は先進的な多機能戦闘機だが、少ない数では航空優勢は取れないし、ロシアの防衛線を崩すこともできない。加えて、ウクライナの作戦はより複雑になり、これは良い戦略とはいえない。シンプルさは戦争の原則だ。西側式の空戦への転換は困難で、失敗する可能性が高い」
2人はまず、ロシアの防空システムについて「からかってはいけない」と指摘。ロシアの対空防衛システム「S400」は、ウクライナが現在運用している米製ミサイル「AGM-88」の約4倍の射程があるため、攻撃できる場所まで丸裸で突っ込む必要がある。ウクライナ側の損失が大きくなるこのような作戦は、すぐに持続不可能となると指摘している。
そのため、ウクライナは無理に航空優勢を取ろうとするのではなく、無人機や対空防衛ミサイルなどを効果的に活用した「航空拒否」戦略を選ぶべきだとしている。
「西側はウクライナの制空権奪取を望み、F16を供給したい衝動にかられているかもしれないが、まず戦略的に難しい問題について自問自答すべきだ。この種の議論は、いつも個々の兵器の性能が注目され、それを使いこなす戦略的健全性には焦点があてられていない」
遅れる供与、苛立つウクライナ
ウクライナはF16の供与を以前から求めてきた。米国はこれまで自国の戦闘機の供与には後ろ向きな姿勢を示してきたが、NATO諸国が持つF16のウクライナへの再輸出は容認する見込みだ。だが、ウクライナ政府が最終的にいつ、どれだけの供与を受けられるかは、現時点では明らかになっていない。
欧州のNATO諸国の一部は供与を表明しているものの、そのプロセスは遅々として進んでおらず、パイロットの養成さえ本格的には始まっていない。ウクライナのドミ・クレ外相はこれまでに、当初の計画より遅れていることを認めている。
「6月に訓練を開始するとある国との約束があったが、彼らはまだ訓練開始の準備を続けているといっている。計算を間違えて、まだ時間が必要だと。だが、我々には時間がない」
ゼレも「ウクライナにはF16のためのインフラがない」と公言しており、そもそもウクライナ側も受け入れ準備ができていないのが現状だ。このため、現在ウクライナが進めるいわゆる「反転攻勢」には到底間に合わない。NATO高官もこれまでに「戦闘機に関する議論は重要だが、問題は反転攻勢のために短期的に解決されるものではない」と述べており、本格的な供与は来年以降になるとみられている。
F16供与をめぐっては、これまでにロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が「核兵器運搬能力のあるF16供与は無視できない」と米、英、仏側に伝えたと明かしている。また、F16がウクライナ上空に現れれば、「我々の側からも当然、軍事技術的な対応をすることになる」と警告している。
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ウクライナは反攻での損失を必死に隠そうとしている=元米国防長官顧問
2023年7月16日, 10:15
米国防長官の元顧問で退役大佐のダグラス・マクレガー氏は、政治評論家マイケル・サヴェジ氏によるインタビューで、ウクライナ軍はその反転攻勢の失敗で2万6000人の兵士を失ったと指摘し、ウクライナ政府はこの数字を必死に隠そうとしていると述べた。
マクレガー氏によると、反転攻勢におけるウクライナ軍の損失は壊滅的であり、ウクライナ政府は自分たちにとって都合の悪いこの真実を全世界から隠そうとしているが、うまくいっていない。
「ウクライナの死者は2万6000人。おそらく負傷者も同数いる」
マクレガー氏は、ゼレに残されているのは紛争に第三国が参加してこのひどい状況から彼が救われることを願うことだけだと指摘した。
「ゼレンスキーとその将校たちは絶望に陥っている。彼らはすでに敗北し、自分たちの軍には何も残っていないことを理解している。」
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ウクライナはなぜロシアの防衛を破れないのか 独専門家らの見解
2023年6月23日, 08:34 (更新: 2023年6月23日, 17:03)
ウクライナ軍の反転攻勢にロシア軍が防衛に成功した理由をドイツ人専門家らは、ロシアが電子戦、遠隔地雷を効果的に用い、部隊の再編成を行ったことにあると見ている。独外交政策協会のクリスチャン・ミョーリング研究部長と、同協会の安全保障・国防の専門家アンドラシュ・ラッツ氏は独テレビ局ZDFからの取材にこうした見解を明らかにした。
ミョーリング、ラッツ両氏は、反撃は未だにウクライナに戦略的利益をもたらしていないと見ている。理由は、宇軍が占領した居住区は規模も小さく、重要性も低いこと、軍が大きな損害を被っているからだ。
ウクライナ軍の失敗したのは、ロシアの防衛が綿密に練られていたからだ専門家たちは言う。反撃するウクライナにとって「不愉快なサプライズ」となった3つの要因について、両者は以下を挙げている。
以前は稀にしか使われなかった地雷システム「ゼムレゼリエ」が使用されるようになった。このシステムは、5〜15キロ離れた場所に地雷原を敷設することが可能で、ウクライナ軍部隊の進撃路に直接地雷を敷設されることもある。
ロシア軍は電子戦用手段を使用している。これでウクライナ軍との通信や無人機を不能、妨害することができる。
ウクライナ軍の砲撃によるカホフカ水力発電所の決壊後、ロシアはドニエプル左岸の守衛部隊をザポロジエ(ザポリージャ)方面に配置換えすることに成功した。
独専門家らが挙げるもう一つの問題は、ウクライナ軍自体の戦闘装備。ウクライナ軍の戦闘航空隊と対空システムは不十分。対空システムの不備は、ロシアに有利に働き、このおかげでロシア軍は前進するウクライナ軍の隊列に対して攻撃ヘリコプターをうまく使用できる。
同様の見解は、国際関係と武力紛争解決の専門家のジル=エマニュエル・ジャケ氏も『スプートニク』への寄稿で明らかにしており、ロシア軍の防衛線は確かに効果的だと指摘している。加えて、ウクライナが西側から受領している装甲車の数はあまりに数が変限定されており、ロシア軍はこれを積極的に破壊している。これは軍の士気にも、ウクライナのみならず西側諸国の世論にも影響を与える可能性がある。
ウクライナの反転攻勢 期待と失望
ロシア国防省によると、ウクライナ軍の反転攻勢は6月4日、ドネツク南部、ザポロジエ、アルチョーモフスク方面で開始された。6月22日、セルゲイ・ショイグ露国防相はプーチン大統領への報告で16日間の戦闘でウクライナ軍は人員と軍事装備に大きな損害を被ったと述べている。
反撃が失敗した前夜、ゼレは英BBCのインタビューに答えた中で、反撃の進展具合は「期待したよりも遅い」ものの、即座に成果がでるとも誰も思っていないと語っている。
米国防総省のサブリナ・シン副報道官は6月20日に表した声明で、米国はウクライナの反攻が「厳しい」ものになるだろうことは当初から理解していたと述べた。シン副報道官は同時に、ウクライナ軍の戦場での損失も紛争の一部であり、ワシントンはそれを考慮に入れていた点を強調している。実際にロシアのパトルシェフ安全保障理事会書記は、6月22日の時点での反攻開始以来のウクライナ軍の人的損失を推定1万3000人としている。
ロシアのプーチン大統領は、「ウクライナの西側同盟国は、本当にウクライナ人の最後のひとりになるまでロシアと戦うことを決めた」と指摘した。
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https://thegrayzone.com/2023/07/14/amendment-to-block-cluster-bomb-ukraine/
下院、ウクライナへのクラスター爆弾輸送を阻止する修正案を否決
反戦ドットコム・2023年7月14日
米国のクラスター爆弾がウクライナに到着する中、超党派の投票により、国際的に禁止されている兵器の移送を阻止しようとする動きが否決された。
一方、下院の民主党議員全員と共和党議員の大多数は、NDAAから3億ドルのウクライナ援助を剥奪する法案に反対した。
木曜日の夜、下院は、ウクライナへのクラスター弾の移転を禁止する2024年国防授権法の修正案を否決した。
修正案はマージョリー・テイラー・グリーン議員(共和党)が主導し、147対276で否決された。修正案は共和党98名、民主党49名の支持を得た。
投票前夜、下院規則委員会の共和党は、ウクライナだけでなくすべての国へのクラスター爆弾の輸出を禁止する修正案を否決した。共和党はその後、民主党の支持を得にくいグリーン修正案を追加した。
修正案をウクライナに絞ったことで、クラスター爆弾に反対票を投じるというよりも、ウクライナへの軍事援助に反対票を投じることになった。
修正案が可決されたとしても、クラスター爆弾はすでにウクライナに到着し始めているため、現在の出荷を阻止することはできない。また、NDAAが法制化されるまでには、まだ長い道のりがある。上下両院がそれぞれのバージョンを可決し、その後、両院が最終的なバージョンについて交渉しなければならない。
下院はまた、グリーン議員とマット・ゲッツ議員(フロリダ州選出)が提出した、ウクライナへの資金提供を削減する修正案を否決した。グリーン議員の修正案は、8,860億ドルのNDAAに盛り込まれているウクライナへの軍事援助3億ドルを削減するものだったが、89対341で否決された。
ゲッツ氏は、ウクライナへのすべての軍事援助を打ち切る修正案を提出した。この修正案は70対358で否決され、共和党員のみが賛成票を投じた。
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