2025年9月19日金曜日

マイケル・ハドソン:2025年9月19日 「末期的な野蛮さ」と「混合経済ブロック」の出会い

https://michael-hudson.com/2025/09/late-stage-barbarism-meets-a-mixed-economy-bloc/


「末期的な野蛮さ」と「混合経済ブロック」の出会い

マイケル著 2025年9月16日火曜日


ニーマ・アルホルシッド:みなさん、こんにちは。今日は2025年9月11日木曜日です。今回も、友人のマイケル・ハドソンとリチャード・ウォルフが戻ってきてくれました。ようこそ、お二人さん。


リチャード・ウォルフ:ここに来られて嬉しいですわ。


ニーマ・アルホルシッド:リチャードさん、まずはアメリカで起こったことから話しましょうか。これは、どない言うたらええか、ちょっとショッキングでした。チャーリー・カークが、もし間違ってへんかったら、ユタ州の大学のキャンパスで聴衆に話をしてる最中に、射殺されました。そして、アメリカの大統領が出てきて、その責任を極左派に押し付けました。


リチャードさんから見て、アメリカで今何が起こってるんでっしゃろ?この暴力が起こってるのに、その責任を左だの右だの、なんやかんやと押し付けようとするのは、どないお考えですか?


リチャード・ウォルフ:私の考えでは、今日のアメリカの根本的な困難は、資本主義システムが衰退していることにあるんですわ。帝国はズタボロです。かろうじて存在してるってとこですな。国内経済も...昨日、アメリカ最大の銀行の頭であるジェイミー・ダイモンがインタビュー(実は2, 3回)で、アメリカ経済の弱体化について話してました。彼はいっつも、まるで自分は傍観者で、この状況の責任者の一人やないかのように話しますけどね。なかなか可愛いことしますけど、誰も騙されへんことを願いますわ。でも、彼は、他の人が認めるのを恐れていることを認めながら、傍観者のふりをしてるわけですな。


トランプ氏もまた、違うやり方で同じようにふりをしてますけど、彼も同じ弱体化する経済、同じ消えゆく帝国、そして同じ足枷をはめられた資本主義に対処してるんですわ。でも、トランプ氏の得意技は...もし覚えておられたら、彼が最初に真剣な公人になった時、ニューヨークのどこかでエスカレーターを降りてきて、「ワシらが直面してる問題は、メキシコからの移民や」って世界に説明した時からなんですけど...彼はその時にメキシコを中傷しました。トランプ氏は、衰退する帝国のリーダーがようやるように、スケープゴートを見つけるのが得意なんですわ。メキシコ人はスケープゴートです。中国人もスケープゴートです。そして、彼が他のすべてを理解してるのと同様に、つまり全く理解してへんアメリカの左派もまた、今はスケープゴートにされようとしてるわけですな。


問題を解決でけへん時は、解決でけへんかった自分の失敗から目をそらすために、誰かに責任を押し付けるんですわ。トランプ氏は、ウクライナでの戦争を、数日か数週間で終わらせる、ってワシらに言うたでしょう。嘘でしたな。ガザでの戦争も、短期間で終わらせる、って言うた。嘘でした。彼は、彼が大統領になる時にはなかったイランとの戦争を、実際には始めてしもて、ベネズエラでも同じことをしようと明らかに準備しとるんですわ。彼は、世界中の人々に責任を押し付ける相手を見つけとるんですな。ワシが真剣に捉えとる類似点があるんで、みなさんに思い出してほしいんですわ。ヒトラーの前のドイツは、帝国を失うことに直面してましたな。それは、第一次世界大戦で、文字通りアフリカやアジアにあるドイツ帝国が、第一次世界大戦の勝者によって取り上げられた時に成し遂げられたんですわ。そう、ドイツは帝国を失うたんです。


ドイツの悲劇と「スケープゴート探し」の再来

1923年、ドイツは近代史上最悪のインフレに見舞われ、中産階級は完全に消え去りました。19世紀から積み上げてきた貯金は全部消えてしまい、1923年の終わりには、その全財産で地元の店でバターを4分の1ポンド買うのがやっとでした。そして、ご存知のように、1929年には大恐慌が襲いました。


つまり、1918年から1933年、あるいは1929年からのごく短い数年間で、ドイツの労働者階級はホンマにめちゃくちゃにされました。絶望のあまり、彼らは「すぐに直したるで」と約束するリーダーに目を向けることになります。そして、そのリーダーは、「ここにスケープゴートがおるで」と示しました。ユダヤ人、ロマ人、スラブ人...ヒトラー氏が得意としたスケープゴートの集団です。そして彼は、国外で達成される「輝かしい」勝利に国民の目を向けさせるために、戦争を始めました。


絶望が引き起こす「悲劇」

この話が身近に聞こえるなら、そうやろな。そして、この話を聞いて気が滅入るんやったら、そんなことはせんといてください。今日の見出しは、フランス国民が「もうええわ、こんなもん我慢できへん」って、最近やったことでいっぱいになってます。そして、地球の裏側のネパールでも、また別のグループ、別の国民が立ち上がって、「ノー」と声を上げています。


ホンマに重要な問題は、トランプ氏が左派をスケープゴートにしたことや、ユタでの殺人を、例えばメキシコ人全体を中傷するために、メキシコ系の誰かを逮捕できるような、もっと大きなことに変えたいと思ってることやありません。そんなんは安っぽい手です。ワシらはそんなこと、もう分かってるでしょう。


でも、そう、彼はやろうとします。そして、それが何を示しているか分かりますか?それは絶望を示してるんですわ。そして、その絶望は、何よりもまず経済的なもんです。ワシらはインフレのリスクに直面してます。不況のリスクに直面してます。外国との繋がりはバラバラになってます。世界の他の国々は、ワシらを回避し、孤立させるために動いとります。それが現実なんですわ。


資本主義の「恥」と、その崩壊

その一方で、富と収入の格差はどんどんひどくなってます。そして、ワシらは、アメリカの典型的な巨大資本主義企業であるテスラの取締役会が、自分たちのCEOに、今後数年間で1兆ドルもの価値がある給与パッケージを提案するっちゅう、見世物を見せつけられました。すでに最も裕福な人物を、これまで以上にさらに裕福にする。これが資本主義の成果なんですわ。これはわいせつ(obscene)やし、いつまでもは続かへんでしょうな。


マイケル・ハドソン:そうですね。リチャードがアメリカ経済の弱体化と、トランプの国内政策を導いている絶望について指摘したのは、全く正しいです。せやけど、トランプの夢、なんとかしてアメリカの脱工業化を逆転させたいっちゅう夢には、同盟国を従属させて、縮小しつつあるアメリカ西部の「子会社」に作り替えることが含まれてると思うんですわ。


リチャードは、世界中の他の国々、つまりSCO、BRICS、ロシア、中国、東アジア、そして成長を続けている成功した経済圏が、これに反対しているっちゅう事実に正しく言及してますね。せやけど、ワシは、トランプには、このすべてに対する積極的な対応があると思うんですわ...いや、トランプやのうて、「ディープステート」っちゅうべきやな。トランプはそのただのフロントマンとして動いてるだけです。


アメリカの新たな「帝国主義」

そして彼は、「ワシは関税を適用した。そして、他の国々がアメリカ経済を支援し、助成せえへんかったら、混乱を引き起こすぞ、と脅すんや」っちゅうてますな。関税や制裁による脅しは、ロシアに対しては効きませんでしたし、イランにも効きませんでした。中国は独立しすぎてるんで、それも効きません。せやから、ワシらはロシアとの戦いにもうアメリカの富を使ったり、散逸させたりするのはやめようと...少なくともロシアとはやな...、冷戦をさらに強めようとするのもやめようと。


代わりにできるんは、西側の経済に対するワシらの支配を固めることです。そして、アメリカの企業が再工業化しないなら、ヨーロッパ、韓国、そして日本に、自分たちの産業を解体して、アメリカに工場を移転しろ、って言うことができる。そして、彼らがアメリカを再工業化してくれるんや。


アメリカがその衰退に対応しようとしてることは、19世紀に大英帝国がやったことを真似することやと思いますわ。同盟国を植民地として扱ってるんですわ。ちょうどイギリスがインドや他の国々を扱ったように、いわば「お前の貯金はポンドで、イギリスに置いとけ。お前自身は工業化せんと、アメリカの産業に依存しろ」って言うてるようなもんですな。


アメリカの「再工業化」とトランプの策略

トランプ氏がシフトせなあかんっちゅうことに気づいたのは、彼らが依存できるようなアメリカの産業が、もはやおらへんからや。せやから彼は、ヨーロッパの産業、特にドイツに「アメリカに移転せえ」って言うたんですわ。韓国には、「車を売って儲けたいんやったら、現代(ヒョンデ)の生産拠点をアメリカに移転せえ」って言うた。


そして、日本にはこう言うたんですわ。「ワシの4年間の任期が終わるまでに、アメリカに5千億ドル貸したら、重い関税を課すっちゅう混乱を避けられるで」ってな。しかも、「お前らは1兆ドルも出すんや。このことについて、お前らには何の権限もない。ワシがすべて個人的にコントロールする」と。そして、「ワシらが投資した後に、お前らが貸した5千億ドルは返してもらうけど、お前らのここでの投資から得られる利益は、アメリカが90%もらう。日本の新聞が最初に報じた50%やのうて、たった10%だけやで」と。


日本との「秘密の協定」

まあ、この日本との協定の詳細は、まだ一つも公開されとらへんけど、今日のフィナンシャル・タイムズには、この日本との協定が、どれほどひどいもんか、っちゅうめちゃくちゃ素晴らしい議論が載っとった。


そして、フィナンシャル・タイムズの記者が、それを全部リークして報じたんですわ。アメリカの交渉人である[ハワード]・ルトニックが、CNBCに出演して、「この仕事は、今までで一番楽しかった」って上機嫌で言うてるのを見た、と。トランプは完璧な議論をしとる、と。


フィナンシャル・タイムズは、日本がまだ公表してへんこの秘密協定について、こんな風に書いとるんですわ。なんで公表してへんか言うたら、もし公表されたら、日本の国民がどない思うか、想像できるやろ。フィナンシャル・タイムズは、「これは強制(coercion)の臭いがプンプンする。主権国家が、もっと裕福な国に、公的および民間部門の投資を、恥ずかしげもなくアメリカの大統領によって指示された構造の下で、流すことを強制されとる」って言うとるんですな。


「脅し」と「ストックホルム症候群」

まあ、問題ははっきり見えてくるでしょう。そして、最も情けない降伏は、ドイツとヨーロッパのそれでした。アメリカの新聞には、ほとんど報道されとらんけど、アメリカと[ウルズラ]・フォン・デア・ライエンがやった「ベイト・アンド・スイッチ」のことは知られてへんな。彼女は「トランプ大統領、ワシらをロシアからの侵略から守ってくれるんやったら、何でもします。少なくとも何が起こるか分かってるんで」って言うたんです。


でも、実際には、安全保障は全くなかった。トランプは、ヨーロッパに懲罰的な関税を課さないことに同意したけど、突然、気が変わってしもた。関税を25%から15%に下げる代わりに、「ワシらが持ってる関税、鉄鋼とアルミニウムには50%の関税を維持するで。そして、もしお前らの製品に鉄鋼やアルミニウムが含まれとったら、最大50%の関税をかけるからな」って言うたんですわ。


これは、ヨーロッパをただの産業として扱っとるっちゅうことですな。ヨーロッパの産業界からは、「ちょっと待ってくれ。ワシらが作る工業製品には、鉄鋼やアルミニウムが含まれとるんや。ワシらは操業を停止せなあかんようになる」っちゅう叫びが上がってます。トランプはこう答えます。「解決策はあるで。アメリカに移転して、現代(ヒョンデ)がやったような、そして日本がやったような取引をしたら、関税を避けることができる」と。


これは、純粋でシンプルな「ゆすり(shakedown)」や。そして、何が起こってるか、よく分かるでしょう。SCOとBRICSは、「トランプとの交渉に乗り出さへんで、ホンマによかったわ。自分たちの道を行こう」って思ってるんですな。そして、世界がホンマに二つに分かれていってるのが見えますわ。アメリカが第二次世界大戦で打ち負かした国、ドイツと日本、そして1951年の朝鮮戦争で打ち負かした国、韓国から、何かを取り戻そうとしている。彼らのリーダーたちには、皆「ストックホルム症候群」があるんですわ。 彼らは、なぜか勝者と自分を同一視して、アメリカは彼らを切り離すことができたんですわ。これが、これらすべてのことに対する、アメリカの積極的な対応や、っちゅうことです。


「ナショナル・インタレスト」の戦い

このどれもが、いわゆる「左派」とは関係ないですな。ワシらは、「国益(national interest)」について話してるんですわ。でも、トランプが外国の反対派を非難するのは間違いないでしょう。


「ちょっと待ってくれ。ワシらは、日本が投資から利益を得ることを望んでるんや」と。「ワシらは、アメリカにヒョンデの工場を建てられる請負業者がおらへんかったら、韓国が熟練労働者を連れてこられることを望んでるんや」と。そしてドイツ人が言う、「ワシらは、ただアメリカに移転するわけにはいかへん。工場を建てるのに何年もかかるんや。その過程で倒産してしまう」と。


これが、世界に対するトランプの対応なんですわ。そしてワシは、これはトランプが当選する1年前には、左派どころか、右派ですら夢にも思わへんかったことやと思うんですわ。


アメリカが直面する「制御不能」

リチャード・ウォルフ:ワシにも口を挟ませてください。ここでマイケルと少し意見が違うかもしれへんけど、そうでもないかもしれへんな。まあ、世界中の大企業が、アメリカに生産拠点を移すっちゅうのがホンマに深刻な現象になるかどうかは、時間が経たんと分からへんやろな。今のところは、言葉だけですわ。約束だけです。そんなもんばかりです。ワシが知ってるように、そしてマイケルが知ってるように、この件を追ってるほとんどの人が知ってるように、首相や大企業が、「来年、再来年、3年後、5年後に莫大な投資をする計画や」なんて言うんは、めちゃくちゃ簡単なんですわ。そういう約束をするトップの幹部たちのほとんどは、3年後にはそのポストにおらへんやろ。そして、その約束は忘れられるか、言い訳されるのが関の山ですわ。これが一つ目。


二つ目は、アメリカの問題は、第二次世界大戦後から持っとる下っ端たち、つまり西ヨーロッパ、日本なんかを、もう思い通りに動かせへんっちゅうことですわ。マイケルの言う通り、彼らはみんな今や植民地になるべきなんですな。植民地って、ワシが言うてるんは、こんな風に厳密な意味ですわ。彼らは、アメリカで商売をするために、お金を払わされとるんですわ。アメリカで売りたいんやったら、もし自分で輸入してへんかったら、輸入会社と交渉して、料金を払わなあかんですわ。それは、アメリカ経済に入るための入場料や。関税っちゅうのは、そういうもんですな。アメリカ経済で売るなら、アメリカ政府に金を払わなあかん。


「植民地」を食い潰す帝国

そして、アメリカ政府は、めちゃくちゃ必死なんですわ。こう言うてるんですな。「お前ら外国の会社が払うか、それともアメリカの輸入業者が払うか、ワシらは気にせえへん。ワシらはお前らにも、アメリカ人にも、平等に負担をかけてるんや」って。これは、アメリカ政府がやりたいことやないですな。他の国に払わせたいのに、それがでけへん。せやから、自分らのプログラムを傷つけるような取引をせなあかんのですわ。


もし、ここにある製品を生産するとして、その輸入部品にめちゃくちゃ高い関税を払わなあかんのに、なんでわざわざここに来るんや?その関税は、いつでも上げられるかもしれへんのにや。少なくとも、今後何年間かは、その関税はかなりのもんになるでしょう。


いや、ワシが見てるのは、もはや世界の大部分、つまり中国、インド、ロシア、BRICSを制御でけへんようになった、衰退する帝国や。せやから、自分自身の植民地を食い潰さなあかん。カナダやメキシコ、っちゅう主要な貿易相手国をめちゃくちゃにして、あの国々の社会にどんな損害を与えとるか、神のみぞ知るっちゅうことですわ。


はっきり言うときますけど、アメリカは、フォン・デア・ライエンや[フリードリヒ]・メルツ、あるいは日本のリーダーたちに、秘密裏に自国の利益を投げ捨てさせることができるかもしれへん。せやけど、それを維持する唯一の方法、彼らがそのポストに留まる唯一の方法は、巨大な危険を煽り立てることなんですわ。それが、ロシアの侵略に対するヒステリーですな。ドローンがポーランドの上空を飛んでいったら、そのヒステリーがさらに6段階上がっていくのが見えるでしょう。このヒステリーは、めちゃくちゃ役に立つんですわ。ホンマの問題はアメリカやのに、責任をロシアに押し付けることに集中でけますからな。


ヒステリーに隠された真実

でも、そんなこと言えへんのは、彼らがホンマにあなたを傷つけることができるからですわ。ロシアはそれがでけへん。ロシアはウクライナを屈服させるのに苦労しとる。他のヨーロッパを追いかけるやなんて、冗談ですわ。正気の人間は誰もそんなこと思わへん...必死になって、スケープゴートが必要な時を除いてな。そして、このロシアをスケープゴートにするヨーロッパのヒステリーは、何のためのもんや?彼らは、経済を何とかするために、自分たちの産業に補助金を出すっちゅう、全く新しいプログラムを考え出さなあかん立場におるんですわ。


それが、彼らが公に何を言うていようとも、アメリカに対して反応する、そして反応しとる部分や。ヨーロッパ人は、自分たちに何がされとるか分かってるんですわ。彼らはそれを望んでへん。自分らの産業が空洞化されたら、自国の国民が自分たちに背を向けることを恐れてるんですわ。そして、それはすでに見て取れるでしょう。フランスの街頭で、ドイツの政治シーンの右翼シフトで、イギリスの政治...イギリスの[ナイジェル]・ファラージや、ドイツの「ドイツのための選択肢」党でな。そんなにうまくいってるわけやない。


アメリカは必死になって、自分たちのことだけを考えてる。彼らは、かつての同盟国であり植民地であった国々を犠牲にして、それを成し遂げようとしとるんですわ。せやから、彼らからクソみたいなもんを絞り取って、彼らは今度はロシアを悪魔化するんですな。そうやって、軍事力増強を正当化し、それが社会民主主義の福祉国家を犠牲にして、自分たちの産業に補助金を出すための隠れ蓑になるんですわ。それが今起こってることですわ。ワシは、これがうまくいくとは思わへん。そして、それがトランプ氏にとって最悪の悪夢なんですな。このスケープゴート探しが、どれもこれも上手くいかへんっちゅうことがな。


アメリカが直面する「混乱」と「ゆすり」

リチャード・ウォルフ:最後に、もう一点。ワシの友達に、ヨーロッパで工業をやってる人がおるんや。彼が、何が起こってるか完璧に理解してるんは、ワシが保証でける。この前の会話で、ワシが「ホンマに生産拠点をアメリカに移す可能性はあるんか?」って聞いたら、彼は笑いながら、「あんた、頭おかしいんか?」って言うた。


で、ワシは「なんでや?」って聞き返したんや。すると彼は、「ワシらが住んでる西ヨーロッパの国では、新聞を開くと毎日、アメリカ軍がアメリカの都市をパトロールしてる写真を目にするんや。そんな国には、百万年かかっても移転せえへん。あまりにも混乱しすぎとる。それに、あんたらが移民に対して育ててきたヒステリーのせいで、あんたらの新しい軍隊、ICE(移民税関捜査局)が、ジョージア州の韓国のバッテリー工場を閉鎖するのを見た。ワシは、自分たちの都市を占領してる、そんな狂った場所には行かへん」って言うたんや。


「内側から崩壊する」アメリカ

最後に、昨日ヴァンス副大統領が言うた言葉を引用したい。ワシントンDCでの連邦軍による占領についてコメントして、彼はめちゃくちゃ嬉しそうに言うとったらしいんやけど、彼の最大の願いは、それがアメリカ中の都市でやられるのを見ることや、と。彼が言うたんは、まさにそういうことや。正確な言葉は分からへんけど、それがホンマの引用や。


外国の企業家はこう言うんやな。「あそこには行きたくない。世界の他の場所でこんなにたくさんのことが起こってる中で、バラバラになっていってるように見える場所には移転せえへん」と。


そして、昨日、あの右翼の人が撃たれたことで、これがどこに向かってるか、あんたにも分かるやろ。もちろん、彼は正しい。ワシは彼に何て言うたらええんや?「アメリカでの暴力や、韓国のバッテリー工場みたいな状況については心配せんでええ」とでも言うんか?こんなん、狂った話や。


ワシらは、バラバラになりつつある国におるんや。そして、こいつだのあいつだのをスケープゴートにする、何でもかんでも分からんうちに銃をぶっ放す、そんなもん全部、でたらめですわ。ユタでホンマにやったんが誰か、ましてや動機が何なんか、彼らは知らんのや。


そして、もし分かったとしても、もはや誰も信じへんやろな。ワシらは、もう何も信じられへん。


「ごまかし」でしかない現状

マイケルとワシは、よう労働統計局(Bureau of Labor Statistics)の数字を使ってきた。せやけど、ここ3週間のうちに、二つの出来事が起こった。大統領が、その局のトップをクビにし、次に来た責任者が、「この1年間、国内の仕事の数を100万件も過大評価してた」って説明したんや。


皆さん、これ全部、症状なんですわ。あれこれごまかしたり、ケチつけたりできるかもしれへんけど、結局のところは、どこも同じや。後退、絶望、そしてスケープゴート探しは、この状況に対して、何か真剣なことができる代わりにやってる、ただのごまかしにすぎへんのや。


スケープゴートと「分極化」

マイケル・ハドソン:リチャードは、スケープゴートの役割や、ロシアがホンマはヨーロッパを侵略したいと思ってるっちゅう、あり得へん話をワシらアメリカがでける能力があるっちゅうことを強調してくれたんで、ワシの考えの要約をしてくれたようなもんですな。


ホンマはロシアは、「ヨーロッパとは何も関わりたないんや、ワシらはもう東に向いてるんや。ただ放っておいて、邪魔せんといてほしいだけなんや」って言うとるのに、です。せやけど、アメリカができるんは、もうそれしかないんですな。


トランプの「関税」と富裕層の利益

トランプも昨日、演説をしました。「アメリカは、関税がないとバラバラになる」と。


「ワシらに関税が必要なのは、関税が財政のバランスをとるからや。そうすれば、ワシらは減税でける」と。彼はそうは言わへんかったけど、彼の言葉を続けるなら、暗にこう言っとるんですわ。「ワシらは、最も裕福な10%に減税し、90%には増税するっちゅうことを可能にする関税がないと、アメリカはバラバラになる」って。


これは、リチャードがさっき話した「分極化」についてのすべてですわ。アメリカは、いかにして、その事実上の植民地、第二次世界大戦や朝鮮戦争で打ち負かした国々から金を得んと、イーロン・マスクへの1兆ドルもの給料を含む、10%の富裕層に報いる経済を維持できるんやろ?


せやから、トランプは続けてこう言うたんですわ。「まあ、誰がこれに反対してるんや?もし関税に反対するなら、そいつは左派や」と。もちろん、左派は、最も裕裕な株主や債券保有者の富が増えていく一方で、国民の90%の純資産が実際に減っていってるっちゅう、この分極化を見とうないんですわ。そして、下の50%にいくと、それはかなり急速に減っていってます。


「左」と「右」の定義が崩壊する

面白いんは、リチャードが正しく指摘するように、ヨーロッパでは「ナショナリスト」が「ワシらの国を第一に考えよう」って言うてることや。そして、ナショナリストは「右派」やと見なされとる。


ホンマは、自分の国が自分たちの運命をコントロールするっちゅうことに、「左」も「右」もあらへんやろ。このプロセスを説明するために、ヨーロッパでもアメリカでも使われとるマスコミの言葉や語彙は、もう左と右の間で意味をなさなくなってるんですわ。


確かに、ヨーロッパのナショナリスト右派は、「ワシらが独立して、ワシらの最も裕福な金融階級をさらに裕福にするべきや」っちゅうことには同意してますわ。フランスで、新しい首相が、社会支出の削減を支持して、下院が課そうとした2%の富裕税を、最も裕福な層に課すことを拒否した時、この戦いはめちゃくちゃはっきりしたんですな。


せやから、アメリカの「右派」への依存に対する唯一の答えが、ヨーロッパの「右派」の反応になるっちゅうのは、ワシらが、古い左派と右派の言葉では論理的に予測でけへんかった「ビザロ・ワールド(奇妙な世界)」におるっちゅうことを示しとるんですわ。


リチャード・ウォルフ:ワシもコメントしてええですか?


マイケル・ハドソン:もちろんです。


ニーマ・アルホルシッド:リチャードさん、コメントする前に、フランス国民議会の議員マチルダ・パノのことを聞いたか分かりませんけど。彼女は左派、「不服従のフランス」のメンバーですな?


リチャード・ウォルフ:「不服従のフランス(La France Insoumise)」やね。


フランスから聞こえてくる声

ニーマ・アルホルシッド:そうですね、彼女がフランスで起こってることについて言うたんは、こんな内容です。


マチルダ・パノ(クリップ):この結果が示しているのは、[フランソワ]・バイルー政権をはるかに超えて、[エマニュエル]・マクロンにもはや正当性がないっちゅうことです。国民議会のたった3分の1しか、彼に信任を与えへんかった。これはつまり、マクロンの富裕層のための、そして国民に反対する政策が、3分の2の否定的な票を得たっちゅうことです。したがって、これはこの国では少数派や、っちゅうことです。ワシは、バイルーと[ミシェル]・バルニエが、選挙の結果を全く無視して、同じ政策を続けることができるとは思えへん。


リチャード・ウォルフ:念のために言うときますけど、彼女らのグループは「不服従のフランス(La France Insoumise)」っちゅうて、フランスの左派政党の半分ほどが集まって、他の国が見習わなあかんような形で一緒になって、共通の戦線を築いたんですわ。そして、この左派が一緒になったグループが、国民議会で最大の票を獲得したんですわ。せやから、他の国と違って、フランスの左派は大きな力を持っとるんですわ。


アメリカの報道バイアスと、ヨーロッパの右翼化

でも、アメリカの報道では、そのことを耳にすることはないでしょう。ここの偏向は、めちゃくちゃグロテスクやからな。公的な世論調査でかろうじて20%の国民にしか支持されてへんマクロン氏か、あるいは右翼の[マリーヌ]・ルペンのことばかり聞かされるでしょう。左派にある、より大きな政治勢力については、聞くことがないでしょう。それが偶然やと思うんやったら、あんたはちゃんと見てへんっちゅうことですな。


さあ、ワシがマイケルが最後に話したことについて説明させてください。なぜ、ヨーロッパの多くの地域で、右翼が主導権を握っとるんか?全部やないにしても、多くの地域でです。なんで右翼なんやろ?ちなみに、この質問にヨーロッパについて答えることは、アメリカについても答えることになりますな。


資本主義という「不安定なシステム」

資本主義が崩壊するとき...思い出してください、平均して4年から7年ごとに不況が起こってますな。ワシらはそれを300年間経験してきました。ワシントンの全米経済研究所(NBER)が、その全ての浮き沈みの記録を持っとる。資本主義は、どこに行っても根本的に不安定なシステムなんですわ。もしあんたが資本主義ほど不安定な人と一緒に住んどったら、とっくの昔に出ていってるはずやし、そのことを考えるべきですな。


ほな、なんでやろか?


1930年代に資本主義が崩壊したとき、多くの人たちが左派に動きましたな。例えば、アメリカでは、1930年代の大恐慌で、何百万ものアメリカ人がどんな驚くべきことをしたか?彼らは、人生で初めて労働組合に加入しました。彼らは二つの社会主義政党と一つの共産党に加わり、みんなで協力して「ニューディール」と呼ばれるもんを作り上げたんですわ。そうでしょう?あれこそ、アメリカの歴史で最も左翼的な活動が証明されたもんです。システムが30年代のように崩壊し始めたときに、労働者階級が左派に動くことは可能なんか?答えは、イエスです。ちなみに、ヨーロッパでも似たようなことが起こりましたな。


75年間の「洗脳」がもたらしたもの

せやけど、第二次世界大戦後、そして過去75年間に、ワシらはみんな、アメリカとヨーロッパが何を経験したか知っとるでしょう。冷戦です。それはソ連とはあまり関係なく、アメリカでニューディールを後退させることや、北のスカンジナビアから南のギリシャまで、社会民主主義の力を打ち破ることと、もっと関係があったんですわ。そして、ワシらは75年間、それをやってきたんですな。反社会主義、反共産主義...そんなもんでガンガン叩いてきたんですわ。


せやから、今になって資本主義がその最新の、そしてもしかしたら最後の、衰退を経験してるんやから、ワシらが、多くの人々、つまり労働者階級が右派に動いてるのを見て、なんで驚くんですか?彼らは、75年間そのように訓練されてきたんですわ。左派は悪魔化されてきた。


今、あなたが見てること...プーチン氏の悪魔化...ワシは彼を支持するわけやないけど、その悪魔化は子供じみてますな。なんでそんなことするんや?プーチン氏は今やスターリン氏と同じや、と。こんなん、ばかげてますわ。何してるんや?必死やから、そしてそれがあなたの考え方やから。リーダーたちだけやないですな。ヨーロッパのリーダーたちは、75年間の教え込みが人々の心にまだ残ってへんかったら、こんな子供じみた悪魔化をやってのけることはでけへんかったでしょう。


「右翼」の限界と、次の波

せやけど、ええニュースもあります。右翼は、資本主義の崩壊に対する解決策を何一つ持っとらへんのですわ。そして、右翼がもがけばもがくほど、そのことはより明らかになるでしょう。フランスで起こってるんは、まさにそれなんですわ。もちろん、彼らが最初です。過去3世紀にわたって、彼らは常に最初でした。彼らは、ワシらに「うわ、何が来るんや?」って知らせてくれる炭鉱のカナリアなんですわ。右翼に何の解決策もないっちゅうことが明らかになったら、その時に人々は左派に動くでしょう。気ぃつけときなはれ、それがもうすぐそこまで来てますから。


労働者階級が左派に動けへん理由

マイケル・ハドソン:リチャード、政治的な政党なしに、どないして労働者階級が左派に動くんや?それが問題や。少なくともヨーロッパでは、サーラ・ヴァーゲンクネヒトがドイツで新しい政党を作ったように、左派は新しい政党を作ることができた。せやけど、アメリカはワシらが言うてきたように、二大政党制や。


民主社会主義者のゾーラン・マムダニ氏が、ニューヨーク市長選で圧倒的な支持を得て、バーニー・サンダースやAOC(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)に支持されてるっちゅうのに、民主党は彼らを左派やと非難しとるんや。そして民主党はこう言うてる。「ワシらは左派やない。社会主義はワシらにとって毒や」ってな。


民主党は「左派の大敵」?

彼らは、バーニーで勝つんやのうて、ヒラリー・クリントンで2016年の選挙に負けるんを選んだんや。それもこれも、民主党が左派にとっての「大敵」やからや。せやから、労働者階級は共和党に移っていったんや。彼らは諦めてしもたんやな。ワシがそうやったように。まあ、ワシは元々社会主義者やったから、最初から民主党を支持したことはないんやけどな。


せやけど、労働者、中産階級、そして支配階級の間では、民主党は極右の、冷戦屋の、ネオコンで、新自由主義の政党やっちゅう認識があるんや。


アメリカにも「新しい動き」が

リチャード・ウォルフ:ワシも同意しますけど、また同じ役割を演じさせてください。この一週間のうちに、二つの世論調査が発表されました。一つはニューヨーク・タイムズとシエナ・カレッジの世論調査で、もう一つはギャラップ社の世論調査です。そして、これがそれらが示しとるもんです...ここでワシは、「アメリカン・プロスペクト」の主要な作家の一人、ハラルド・マイヤーソン氏の記事から借りてますんで、クレジットを付けとかなあかんな。


その記事...今すぐ読めますけど...これらの世論調査は、民主党員の過半数がバーニー・サンダースを望んでる、左派の解決策を望んでる、ゾーラン・マムダニみたいな人を望んでるっちゅうことを示しとるんですわ。


そして、バーニーもそれに気づき始めたっちゅうことも指摘したい。彼は、メイン州で、スーザン・コリンズという大失敗の人間を上院から追い出すための、めちゃくちゃ重要な候補者を支持しました。その人は、グラハム・プラトナーという名前のカキ漁師で、民主党からは出馬せんと決めたんですわ。


そう、バーニーは民主党から出馬するマムダニを支持したけど、民主党から出馬せえへんプラトナーも支持したんですわ。あなたはこれから、どんどんこういう動きを目にすることになるでしょう。


ドイツに見る「希望の光」

ワシらがここで見てるのは、またしてもドイツで起こったことと同じや。サーラ・ヴァーゲンクネヒトは、以前「ディー・リンケ(Die Linke)」と呼ばれとった、左翼政党の一部やったんですわ。「リンケ(Linke)」はドイツ語で左を意味します。ディー・リンケは「左派」っちゅうて、彼らが選んだ名前ですな。ヴァーゲンクネヒトとディー・リンケは、一緒にすでに10%以上の票を獲得してます。


でも、ディー・リンケの起源はここにあるんですわ。ドイツ社会党...いっつも政府におる、ワシらの民主党とほぼ同じような政党...その左派が分裂して、古い東ドイツの共産党の残党を含む、独立した左派と手を組んだんですわ。彼らはディー・リンケを結成して、今やドイツ全土で左翼の選択肢として、地方議会なんかで議席を持っとるんですわ。


アメリカの「根本問題」と左派の未来

せやから、これがすべて右翼の方向に進まなあかん、っちゅう考えは間違いや。ワシらは、最初にそこに動くことについては驚くべきやない。この資本主義のゲームが解体され始めたとき、恐れを抱いた人々の最初の反応は、行けと言われた場所に行くことや。それが失敗したときに初めて、ワシらが自分らのアイデアを提示するチャンスがくるんですわ。


見てください。この国で、もしワシが立ち上がって、「アメリカに依存してるテスラ社が、すでに地球上で最も裕福な男に1兆ドルも与えるのを許すよりも、その1兆ドルにもっと課税して、この国の問題を解決するために使うべきや」って説明したら、ワシはもう選挙で勝てるはずや。ワシらはまだそこまで行けてへんけど...。


マイケルの言う通り、ヨーロッパの左派はもっとうまく組織されとる。せやけど、それはワシらが解決できる問題や。なぜなら、ワシらの政治システムがあるべき姿に対する支持、そしてアイデアは、すでにワシらのもんやからな。ワシらは、それを組織して動員するだけでええんですわ。そして、これは、第二次世界大戦後、アメリカの左派が経験したことのないほど、いいポジションにおるっちゅうことですわ。


民主党という「腐敗」した壁

マイケル・ハドソン:ワシもあんたに同意できたらええんやけど、ワシは民主党の腐敗、そして労働者階級や社会主義に対する彼らの熱烈な憎悪、バーニー・サンダースやマムダニに対する憎悪...彼らの候補者であるウォール街や金融業界への忠誠心に対する、彼らの実存的な脅威としてそれを捉えとることに、めちゃくちゃ悲観的や。


あんたは「もしあんたが候補者として出馬したら」って言うたけど、ワシやあんた、あるいはバーニーの意見を持った人が、どないして大統領に指名されるんや?あんたは、2016年の民主党の指名をヒラリーが汚職で盗んだのを見たやろ。あんたは、右翼の報道も見たやろ。ワシには、あんたが言うてるシナリオが、民主党が法的に構成されたままでは起こり得るとは思えへん。民主党は、左派の気配がある人間を排除してきた、取締役会によって運営される独立した企業やからな。


有権者の「直感」と、来るべき崩壊

もちろん、民主党の世論調査は、あんたやワシ、バーニーや他の人たちが支持しとることを支持してるけど、それが実際に議会や上院の候補者が誰になるか、そして実際の政治行政システムに与える影響は、ほとんどないんや。そして、ワシはそれが、有権者が直感的に感じとる理由やと思うんやな。「もしワシらが、労働者階級の利益を代表する民主党がほしいなら、そのためには、政治的にも法的に構成されてる今の民主党を入れ替えなあかん」と。


そして、そうする唯一の方法は、民主党が勝つのを完全に阻止することや。


そうや、もし共和党というただ一つの政党しかなかったとしたら、まあ、それこそが憲法の創設者たちの夢やったんや。宗派的な政党はあってはならん、一つの政党であるべきや、と。まあ、少なくとも、そうすれば多様性が生まれる。技術的には、多くの人が左派の政治家...法律を作って、税金を徴収して、アメリカの外交政策を決定するような人...が、ネオコンや新自由主義者に支配された民主党から出るよりも、チャンスがあるやろうと考えるような、同じ種類の予備選挙で、左翼の社会主義者が共和党と戦うことになるやろ。それがホンマのジレンマや。ワシは、この状況から、今の民主党を入れ替えることなしに、抜け出す道が見えへん。そして、それがワシがジル・スタインを支持した理由や。彼女は、この番組の議論でも、まさにこれらの点を主張してたからな。


民主党は自滅する

リチャード・ウォルフ:いや、マイケルの立場は理解できますわ。多くの人がそう感じてるっちゅうことも分かってます。ワシの経験から言うと、ワシが関わるアメリカの労働者階級の大多数が、そのように感じていて、この状況に悲観的やと思いますわ。そして、驚いてへんのは、ワシの分析全体が、なんで75年経ってこんな状況になってるんか、ってことをはっきりさせてくれるからですわ。


政治的に、めちゃくちゃ直接的に話させてもろたら...ワシはニューヨーク市に住んでるんですわ。ワシもこの番組を作ってる時、マイケルもおそらくそうやと思うけど、ニューヨーク市におるんですな。ワシは、ゾーラン・マムダニっていう、めちゃくちゃ謙虚な社会主義者、もしよければ社会民主主義者、あるいは民主社会主義者、っちゅう人が市長選に出てるのを見てますわ。彼は、明らかに先頭を走る候補者で、世論調査ではいっつも40%台後半の支持を得とる。


彼は、現職の市長と戦っとるんですけど、その汚職のレベルは、ワシらがニューヨークで慣れ親しんでるレベルを、さらに超えとるんですわ。ワシらは、めちゃくちゃ慣れとるんですけどな。彼の主要な側近のほとんどは、刑務所におるか、裁判中か、捜査を受けとるかですわ。ホンマにひどいもんですな。そして彼は、他のニューヨークの政治家が反対しとるICE(移民税関捜査局)を歓迎するために、大統領と秘密裏に取引をしたり、いろんなことをやってるんですわ。


NY市長選にみる「茶番劇」

もう一人の対立候補は、元州知事で、彼の特徴は、周りの女性たちへの性的抑圧と、パンデミック中に高齢者を介護施設で危険にさらしたことで、ワシらが後ずさりするような規模の行動をやってのけた人間ですわ。


この二人の候補者には、ニューヨーク市の富裕層から、おびただしい金が流れ込んどる。全員やないけど、多くの人たちがな。彼らの必死の望みは、マムダニ氏がやろうとさえ言うとる、たった1%か2%か3%の増税をされないことや。この全部が、なんて馬鹿げた見世物やろ。


せやから、マイケルへのワシの答えは、「ワシら」がそうするんやのうて、民主党が自分で自分をそうするっちゅうことですわ。彼が正しく言うように、民主党は、文字通り自分のメンバーを追い出すようなリーダーシップを持っとる。党は、寄付者が生き長らえさせてくれる遊び道具になって、本物の政治勢力が左派に取って代わっていくにつれて、縮んでいくでしょう。


左派は民主党を必要としとらへん。民主党が左派を必要としとるんですわ。そして、この根本的な現実は、アメリカ帝国の衰退と、アメリカ資本主義の衰退によって、日々真実になっていってますわ。民主党は問題を解決でけへん。スケープゴートを脅かすためにICEを送り込んで、誤って逮捕したり、傷つけたり、明らかに過剰な暴力を使ったりすることで、他の多くの人々を怒らせて、自分自身の努力を無駄にしてるんですわ。


それは、彼らがジョージア州のバッテリー工場でやったことと、ちょっと似てますな。なんてバカなことをしたんやろ。彼らがここに連れてきたいと望んどった、最も重要な企業の一つである韓国の企業がこう言うてるんですわ。「ちょっと待ってくれ。他のすべてのリスクに加えて、ワシらが自分らの技術を知ってるんで、あんたらは知らんから、チームを送ると、そのチームを危険にさらすリスクを冒すんか?」ってな。


可哀想なトランプ氏は、後からよたよたとやってきて、「ちぇっ、ワシらの労働者を訓練するために、何人かこっちに連れてくるべきやったな」って言う。ホンマにホンマに、そう思いますか?なんて面白いアイデアやろ。あんたの馬鹿げたICEのゲームで、全部をぶち壊した後にやで。


「自滅的行動」に走る国

そりゃ、国内軍や。そりゃ、国民を抑え込むために使われるでしょう。せやけど、そんなもんは効きまへん。そういうことは、そんな風にはいかへんのや。トランプ氏がやってるようなことをせなあかん時には、もう遅すぎるんですわ。そして、あなたは、すべての失敗、すべての間違いに苦しむことになる。


あの会社のリーダーシップと座って、彼らの労働者が移民に関してどうこうや、って話をして、合理的な計画を立てる代わりに、あんたらは芝居を打ったんですな。でも、いつもこう自問せなあかんでしょう。「なんでこんなに過剰な芝居が必要なんや?なんでこんなに過剰なスケープゴートが必要なんや?」ってな。それは、状況が絶望的やからや。絶望的な人々は、ワシらが「自滅的行動」と呼ぶようなことをする。ワシらはそれを体験しとるんですわ。


マイケル・ハドソン:同意します。そのどれにも反対でけへん。ワシらは同じ...これがどこに向かってるか、あるいは、それが差し迫ってるっちゅう感覚は、全くないですけどな。


暴走する「権力」の末路

リチャード・ウォルフ:まあ、ワシが言うときますわ。ワシらがもしみんな...あるいは、ワシは多くの人が見てるんやと思うけど...過去数週間の動画を見たら...そこには、11人が乗ってるボートが、水を動いてる。そしたら突然、光の爆発が起こって、この11人は今や木っ端微塵になったっちゅう説明がされる。彼らは死んだんですわ。そして、ワシらは2日か3日か4日経つまで、情報がぽつりぽつりと漏れ出すまで、何も知らへん。


ボートは、海から1000マイルも離れとる。せやから、アメリカを脅かすもんやない。少なくともまだはな。それはベネズエラに近いどっかにおるけど、ベネズエラに向かってるんか、それともベネズエラから来とるんか、はっきりせえへんし、そんなもん分かるわけない。


大統領と副大統領は、何の証拠も提示せんと、ワシらに向かってこう発表したんですわ。こいつらは麻薬の密輸屋や、ボートはもしかしたら麻薬を運んどるかもしれへん、ベネズエラと関係があるんや、ってな。せやから、アメリカには、これらの人々を逮捕したり、自分たちを弁護する権利のある裁判にかけたり、もし有罪になった場合に、犯した罪に釣り合うような罰を受けさせたりする義務はない、と。


そんなもんは全部放り出されて、トランプとヴァンスは、裁判、裁判官、陪審、そして死刑執行人になったんや。一気にですわ。そして、誰も...いや、訂正します。比較的少数の人しか、何かがおかしいと思っとらへん。絶望の証拠がほしいんか?これや。そして、これに賛同するかなりの数の人々がおるやろか?そうやな。過去40年間の経済的衰退で、ホンマの苦しみを味わって、右に動いていった人たちですわ。


でも、そういう人たちでさえ、今夜バーで、イーロン・マスクに1兆ドルも与えることについてぶつぶつ言うとるんですわ。彼はすでに4000億ドルの資産を持っとるっちゅうのにや。ここにあるワイセツなレベルは、古代エジプトのファラオまでさかのぼる比喩が必要や。そして、そのファラオたちのほとんどは、何も残ってへん。


ドローンによる攻撃の真相

マイケル・ハドソン:あのボートへの攻撃について、一つ言いたいことがあります。この2日間で明らかになったんは、あのボートを攻撃したのは沿岸警備隊やなかったっちゅうことですわ。みんなこう言うたんですな。「ちょっと待ってくれ。ボートは標的に近づいて、止まれって言うたり、何してるんか聞いたり、乗り込ませてもろたりするもんやろ」と。せやけど、あのボートはドローンによって撃沈されたんですわ。


どうやらアメリカは、ベネズエラ沖の海全体にドローンを飛ばして、動くもんなら何でも撃ち落としとるらしい。さて、スケープゴートについて話しましょう。あのドローンには、理由なんてなかったんですわ。ベネズエラに向かってたか、離れてたか、っちゅうあんたの質問に答えるなら、ただそこにいたっちゅうだけで、アメリカはボートを撃ち落とさなあかんかった。大西洋の、あのエリアの海全体に、船を派遣するほど十分な船を持っとらへんからや。せやから、ドローンを使ってボートを見つけて、トランプがこう言えるようにしたんですわ。「ワシらは、ベネズエラと関係のある、あるいは国際水域におる、似たような船への一連の攻撃の第一歩を、今まさに準備したんや」ってな。


「ルールはもうない」

共和党の、どっちか言うと過激派の上院議員であるランド・ポールが指摘したように、このすべては、戦争の形式に従うためにやらなあかんはずの、全ての法的な儀式なしに行われたんですわ。そして、これこそがトランプの言うてることですな。「もう、ルールなんてないんや。分からへんか?1945年から2025年までの国連のルールの時代は終わったんや。これからは完全にアメリカのルールや」と。


これはもっと急進的ですわ。それは、左派から右派まで、政治的なスペクトル全体にまたがる出来事なんですわ。ワシは、この番組の他の出演者や軍事専門家が、このことがいかに全くもって急進的であるか、っちゅうことを詳しく話してくれるやろ、と思いますわ。


絶望が生む「衝動的な行為」

リチャード・ウォルフ:そうやな。そして、また繰り返すけど、ワシにとっては絶望的や。こんなことする必要なんてないんですわ。あの11人は1000マイルも離れとる。アメリカ人...そして、誰もアメリカ人が彼らによって危険にさらされたり、脅されたりしたなんて主張してへん。


一体何をしてるんや?なんで故意に、国際法の全ての規範、海の法、有罪が証明されるまで無罪とするっちゅう推定を、全部違反するんや?ワシらが西側の価値観として崇拝すべきやった、それらすべてが窓の外に投げ捨てられて、11人を殺し、その後、彼らが誰で、何をしていたのか、って首をかしげる。一体何...何なんや?


これは、衝動的な行為や。ワシは、トランプ氏が、こういうことを承認せなあかんかったんやろうと思うけど、彼は不機嫌で、イラクでの戦争を止められへん、ガザでの恐怖を止められへん、何も止められへん...そういう自分のフラストレーションに対処したいんやろうな。不況を避けられへん、インフレを避けられへん、関税を上げるべきか、下げるべきか、一時停止すべきか、せえへんべきか、決められへん。そして、手に入れることができたはずの、最も重要な外国の同盟国であるインドを追い払ってしもて、今やインドにどうしたらええか分からへん。そのフラストレーションのレベルは、おそらく高いんやろうな。そして、これがその結果なんですわ。


これは、もっと賢くやるべきやったはずの、いや、もっと賢くやれるはずやったんやろうけど、衰退と、下降と、そしてフラストレーションのレベルに囚われてしもた、絶望的な人間による衝動的な行為なんですわ。ワシらの時代を難しくしてるんは、プーチン氏や習近平氏やない。彼らが主役ではない、っちゅう問題なんですわ。この物語の中で、彼らはエキストラにしかなれへん。ワシらの物語は、ワシらの経済システム、世界におけるワシらのアメリカの支配についてや。そして、それはもう終わったんですわ。


「錯覚」に囚われるアメリカ

そして、アメリカ国民がそれに向き合うのは、めちゃくちゃ難しいんですわ。トランプ氏はその難しさにつけ込んで、権力の座に上り詰めた。そして、その座から去るときも同じや。彼は何も解決でけへん。そして、それが、今後何年にもわたって彼を、そして彼を支持する右翼を、悩ませる遺産になるでしょうな。


マイケル・ハドソン:もしかしたら、彼はノーベル平和賞は獲れへんかもしれへんな。


ニーマ・アルホルシッド:実は、まとめる前に、彼らはインドをどないしたらええか、分かってるんですわ。まとめる前に、商業長官のルトニック氏がインドについて話してるクリップを流します。


ハワード・ルトニック(クリップ):[...] 彼らは市場を開放したいんや。ロシアの石油を買うのをやめろ、やろ?そしてBRICSの一員であるのをやめろ、やろ?彼らは、ロシアと中国の間の「母音」や。もし、お前がそうなりたいなら、なったらええ。でも、ドルを支持するか、アメリカ合衆国を支持するか、お前の最大の顧客であるアメリカの消費者を支持するか、や。さもなければ、ワシは、お前らが50%の関税を払うことになるんやろうな、と思うわ。そして、これがいつまで続くか見てみようやないか。


ニーマ・アルホルシッド:これよりええ解決策がありますか?


マイケル・ハドソン:その通りや。その通りや。


「過去」と「未来」の大きな違い

リチャード・ウォルフ:[ナレンドラ]・モディ氏は旅に出ましたな。ルトニック氏への彼の答えは、「ワシがどこに行ったか、気づいたか?」ですわ。


ルトニック氏は、めちゃくちゃ自己満足したアメリカのビジネスマンの典型や。彼は過去75年間が永遠に続くと思っとるんですわ。そして、そこに、全ての歴史が教えてくれる破滅的な間違いがあるんですな。過去は未来やない。そして、もし過去を未来に外挿したら、あなたは自分を破滅させるような誤った判断を下すことになる。彼がやってるのは、まさにそれや。


マイケル・ハドソン:彼らを導いてる錯覚は、「他の国々はアメリカ市場を必要としてる」っちゅうもんですわ。でも、彼らはそんなもん必要としてへん。大きな市場は、BRICSとその同盟国におるんや。


それに加えて、ロシアやイランがヨーロッパにとって軍事的な脅威やっちゅう錯覚もあるんですわ。あなたは、それ自体に命があるような錯覚を扱ってるんですな。事実は、ロシアの石油が、インドのエネルギー生産とエネルギー使用の鍵やっちゅうことや。そしてもちろん、インドはアメリカ市場よりも、ロシアの石油への依存の方が経済的に重要やっちゅうことを理解しとる。アメリカ人が理解でけへんのは、それや。世界の他の国々は、アメリカを必要としてへん。


せやから、問題はこれですわ。「なんで植民地は、世界の大多数に加わるんやのうて、アメリカ帝国の一部であり続けることに同意してるんや?」っちゅうことや。それが、解決されるべき大きな謎なんですな。そして、それこそが、右と左っちゅう問題全体を覆い隠す、地政学的な立場やとワシは思うんですわ。


ニーマ・アルホルシッド:ホンマにありがとうございました。リチャードさん、何か付け加えることはありますか?


リチャード・ウォルフ:いや、差し迫った問題について、ええ話ができたと思います。満足ですわ。


ニーマ・アルホルシッド:リチャード、マイケル、今日はワシらと一緒にいてくれて、ホンマにありがとうございました。いつも通り、めちゃくちゃ光栄でした。

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