マイケル・ハドソン: 安全な避難所から没収リスクへ
https://michael-hudson.com/2025/10/from-safe-haven-to-seizure-risk/
1. 安全な避難所から没収リスクへ
ニマ・アルホルシッド: 皆さん、こんにちは。今日は2025年10月23日木曜日や。我らが親愛なる友人のマイケル・ハドソンはんとリチャード・ウォルフはんがまた来てくれはりました。リチャードはん、マイケルはん、お帰りなさい!
マイケル・ハドソン: 来られて嬉しいで。
リチャード・ウォルフ: どうも、ここにおれて光栄や。
ニマ・アルホルシッド: まず、今日のEU(ヨーロッパ連合)で何が起こっとるか、っちゅう話から始めさせてもらいますわ。ロシアの資産を差し押さえてウクライナに送るっちゅう議論しとるんですわ。ウクライナの状況は、アメリカと米ドルの支配に対処しようとしとる国々の間では、ホンマに危機的になってきとる。
問題はこれですわ。アメリカとEUがロシアの金とドル準備を凍結したり没収したりできるんやったら、西側の金融システムの下で、どこの国の資産も安全やなんて言えるんか?
マイケルはんからお願いしますわ。どうぞ。
マイケル・ハドソン: まあ、他の国々が安全やと感じてへんのは明らかやな。せやから、金(ゴールド)を買い漁っとるんや。金の価格上昇と中央銀行の金保有量の増加は、「グローバル・マジョリティ」(中国、ロシア、その他の国々)が、まだ代替の資産を生み出せてへん無力さを反映しとるんやと思うで。
これまで、彼らは国際的な貯蓄をロンドンやニューヨーク、っちゅうか、ドルを基準にしたアメリカ財務省証券やヨーロッパの通貨に投資することで持っとった。せやけど、これが全部、突然奪われる可能性があるんやったら、他の国々が国際準備資産を安全に保有する場所なんか、どこにもあらへんっちゅうことや。
2. ドル体制の終焉と金の台頭
マイケル・ハドソン: 過去には、ニューヨークとロンドンに外貨市場があったから、各国はそこに準備資産を置いとった。第二次世界大戦以降、国際準備を持つ目的は為替レートの管理やったからな。アメリカが1944年にIMF(国際通貨基金)や世界銀行を作ったルールでは、この世界通貨市場への介入は全てドルに結びついとった。それが当時の市場やったから、そこで動くしかなかったんや。
せやけど、突然、この1945年以来の「名残」が「安全やない」っちゅうことになって、時代遅れになったんや。せやから、金の価格の急上昇は、各国がドル体制で準備資産を持つっちゅうやり方を避ける方法を見つけようとしとるっちゅうことやな。
しかもリスクは二つある。一つは、EUが、ロシアから没収した3000億ドルを、ウクライナのクズども(kleptocrats)にどう渡すかっちゅうのをまだ議論しとるっちゅうことや。この金は、ウクライナの住民のためやのうて、NATOの傭兵軍として国民を売り渡すための報酬として渡されるんや。
アメリカがウクライナに与えた金は、ウクライナの国民のためやのうて、「最後のウクライナ人まで戦う用意がある」っちゅうたクズどもに行ったんや。ウクライナ軍が逃げようとしたら背後から撃つ、アゾフ大隊がそのためのもんや。せやから、この金はホンマにウクライナのためやのうて、ウクライナを支配しとるネオナチに行っとるんや。
3. 法と正義の腐敗
マイケル・ハドソン: 問題は、外国がアメリカの中央銀行や政府と取引することだけやのうて、国際的な裁判制度全体にも及んどる。
EUは、この3000億ドルを決して返さへんために、数兆ドルの賠償金をロシアに請求するつもりや。ロシア語を話す住民を守っとるロシアに対して、「賠償を払え」っちゅうわけや。
彼らの「防衛」はホンマは「攻撃」や。「西側諸国は、ロシア語を話す人種を人間以下やと公言するために、ウクライナを攻撃することが許されとる。一般市民の地域を攻撃することで、法のルールを破ることもできる。せやけど、ロシアが反撃したら、『ワシらを攻撃しとる』っちゅうんや」。
これは、イスラエルがガザに対して、80年間のパレスチナ人への戦争に反撃しとるっちゅう理由でガザを攻撃しとるっちゅうのと同じやな。
西側の金融システムが、IMFやEUみたいにNATOの腕として機能する司法制度に裏打ちされとる限り、世界の他の国々はそこから離れようとしとる。そして、今のところ一番抵抗が少ない方法は、金を買うことや。
4. 金も通貨スワップも通用しない
マイケル・ハドソン: せやけど、金を買うっちゅうのも問題がある。昔、国々は金をロンドンやニューヨークに預けとったんは、為替市場で自国通貨を安定させるために担保として使えるようにするためやった。
せやけど、今はもうできへん。イングランド銀行はベネズエラの金を奪い取ったし、アメリカはドイツの金まで押さえとるようや。数年前、ドイツがニューヨーク連銀の地下にある自国の金を返してくれっちゅうたら、アメリカは「金は重いから飛行機を探さなあかん」っちゅうて、それっきりや。ドイツは金を取り戻せたかどうかも分からへん。
せやから、金を持つ意味があるんは、NATOが侵略して政府を倒さへん限り奪われへん、自国の中央銀行で保有しとる場合だけや。
もう一つの抵抗の少ない方法は、通貨スワップや。「グローバル・マジョリティの国々で、お互いの通貨を持ち合う」っちゅうやつや。せやけど、これの問題は、通貨の価値が上下することや。ロシアはインドのルピーを大量に保有しとるけど、その価値は下がりっぱなしや。
BRICS通貨も解決策にはならへん。BRICSの国々の間で共通通貨を作るには、EUみたいに政治的な統合が必要や。通貨を誰が手に入れて、どう分配するか、どう支払うかっちゅうのを決められへんからな。
唯一論理的な解決策は、1944年にジョン・メイナード・ケインズがIMFのアメリカの計画に対抗して打ち出した代替案に戻ることや。それは、新しい共同の中央銀行を作って、加盟国間の債権と債務を、集団的な輸出品の価格に基づいて共通の単位で管理することや。
今、世界は1944~1945年の時点に戻り、NATOやアメリカに運営されへん、通貨間の関係を処理するための相互的な国際銀行関係を作ろうとしとるんや。金が上がれば上がるほど、他の国々がこの問題にまだ対処できへん無力さを痛感するっちゅうわけや。
5. ウォルフはんの「恐怖のシナリオ」
ニマ・アルホルシッド: リチャードはん、入ってください。
リチャード・ウォルフ: ええ、この話を文脈に置くけど、みんなをビビらせる話もするで。
ヨーロッパの人々が、「ワシらがしたホンマに恐ろしい間違い(ウクライナ戦争への介入)」や「戦争が経済に与えたデカい損害」を、「誰か他の奴に払わせとる」ように見せるために、3000億ドルを嬉しそうに見てるっちゅうんは、同じロジックや。この金は、状況の基本構造を変えるには足りへん。デカい金やけどな。
二つ目、ビビらせるで。中国は(最後に見た時で)7500億ドル相当のアメリカ国債を持っとる。アメリカが「これは今やトイレットペーパーや。利子も元金も払わへん」っちゅうて、残りの世界とだけ取引するっちゅうのを、誰が止められるんや? あるいは、7500億ドルの半分だけ払わへんっちゅうだけでもええ。
誰が止められるんや? こんなん、正気の沙汰やないで。
ワシらが見とるんは、「帝国の終わり」や。帝国が機能できへんようになったときに起こるんは、こういうことやねん。
アメリカは根本的な矛盾に直面しとる。1945年以降の世界の取り決めを維持しながら、ロシアや中国と戦い、ウクライナで戦争し、ベネズエラから石油を奪う準備をしとる...無理や。それが問題や。できへんねん。できへんっちゅうのを認めたないから、意味不明なことを次々と考え出す。これは、帝国の末期でしかありえへん行動や。
6. 「安全な場所」の終焉と帝国解体のサイン
リチャード・ウォルフ: 3000億ドルの利子は、もうウクライナ戦争に使われたんやろ?それが何も変えへんかったから、今度は元金を奪おうとしとるんや。みんな、どこに金を置いたらええか分からへん状態や。皇帝である帝国が、もう安全を保証できる立場にあらへんからや。
アメリカは世界に「ワシらは一番安全な場所やから、財産をここに置いてええで」っちゅうてきた。税金も一番安い。社会主義や共産主義の心配もない。大人しくて組織化されてへん労働力もある。「素晴らしい条件を提供するさかい、財産の一部をここに持ってきてくれ」と。これによって、「ワシらがアンタらの財産を保証する能力」がさらに強まった。
それが帝国っちゅうもんや。前の世紀のイギリスがやったことや。せやけど、もうできへんねん。
もう一つのサインを教えたろか。西半球の両側のボートに乗っとる人間を処刑しとるんや。カリブ海でベネズエラ人とかにやった後、ワシが知る限り、この2日間で太平洋側でもまたやり始めた。逮捕せえへんねん。裁判も陪審員も弁護士も何もあらへん。即決処刑や。何の口実で?麻薬戦争か?
友よ、アメリカは少なくとも75年間、公式の麻薬戦争をやっとるけど、止められてへん。アメリカのどこでも麻薬は手に入る。即決で人を殺すっちゅうんは、「法と秩序」の価値を掲げる国、「ルールに基づいた国際秩序」を自称する国にとってアホらしいことやで。ボートで人を殺すっちゅうのは、いったい何のルールやねん?
国内で麻薬取引の人間を逮捕しても、殺しはせえへんやろ。有罪になっても、その罪で殺された人間は誰の記憶にもあらへん。
これらは「機能できへん帝国」のサインやねん。そりゃあ、みんな金に走るわな。帝国の振る舞いにヒビが入ったっちゅう現実から、人々が逃げとるんや。
7. ヨーロッパの自己破壊と中国のジレンマ
リチャード・ウォルフ: ヨーロッパを見てみい。彼ら自身の間で議論になっとるんや。「こんなことをしたらヨーロッパに損害を与えへんか?」っちゅうて、弁護士たちが警告しとる。ヨーロッパがこんなことをしたら、金持ちは「ヨーロッパには財産を置かんとこ」って必ず思う。
イギリス、フランス、ドイツっちゅう主要な経済が深刻な問題を抱えとるこの時期に、過去500年間、圧倒的に財産が置かれてきた場所としての地位を自ら傷つけたいんか?異常やで。これは西側帝国の終わりや。
BRICSが独自の通貨を作れへんかった理由の一つ(そして、マイケルはんが言う通り、この状況が彼らにすぐに作らせることになるやろけどな)は、中国の目覚ましい成長が、ドル帝国のおかげでもあったっちゅうことや。
SWIFTシステムやドルが普遍的な交換手段であるっちゅう状況の中で、中国はアメリカよりも速く成長する方法を見つけたんや。せやから、彼らは「うまく機能しとったもの」を手放すことのコストが、メリットを上回らへんっちゅうのがハッキリするまで、移行を急がへんっちゅうのは当然や。
これは古い弁証法(ダイアレクティクス)や。アメリカ側の主張は、「中国が超大国になったんは、毛沢東の死後に資本主義を取り入れたからや」っちゅうもんや。これは事実や。中国の成長に非常に重要やった。
8. 公的部門の支配と帝国の失敗
リチャード・ウォルフ: せやけど、同時に、中国政府は経済において絶対的な優位性を手放さへんかったんや。政府と、その中の共産党が権力を維持し続けた。
これこそが、中国経済の成長と成功の重要な部分や。でなかったら、アメリカ帝国の下で、なぜ中国が他のどの途上国よりもはるかにうまくいったか、っちゅうのが説明できへんやろ。
結局、公的部門と私的部門の相互作用が弁証法なんや。彼らがアメリカを上回る成果を出した理由は、アメリカがその弁証法を理解しとらへんからや。アメリカはイデオロギーに囚われすぎて、政府がせなあかんことを全て差し控えとる。中国にはその問題があらへんし、アメリカはそれが見えへんねん。
今、この弁証法的なプロセスが移行しとる。西側にとっては毎日コストがかかっとる。ウクライナ戦争は、全てを象徴する素晴らしい例えや。F-16、エイブラムス戦車、パトリオットシステム、ハイマース…全てのエスカレーションが機能せえへんかった。せやから、エスカレーションが次の段階へと進むんや。
ワシが賭けをするなら(せえへんけどな)、石油会社への制裁なんかは、トランプはんが損失をカットするための手段に過ぎへんやろ。ウクライナは負けとる。ヨーロッパとアメリカの間で「誰のせいか?」っちゅうデカい責任のなすりつけ合いが、既にもう始まっとる。
アメリカは「ワシらはやることやった。アンタらヨーロッパのせいや」っちゅうやろ。ヨーロッパは真逆のことを言うやろな。
そして、この責任のなすりつけ合いこそが、帝国が崩壊しとるもう一つのサインになるんや。
9. ドル高の謎とアメリカの脅し戦略
マイケル・ハドソン: ニマはん、金融の話題に戻してもええか?国際金融や。
リチャード・ウォルフ: ええで。
ニマ・アルホルシッド: どうぞ、マイケルはん。
マイケル・ハドソン: せやのに、これだけの問題があるのに、米ドルは値上がりしとるんや。誰にとっても安全な避難所と見られとる。なんでや? 他の中央銀行がドルを手放しとるのに、なんでドルが上がっとるんや?
これは明らかに民間部門の金や。っちゅうことは、新しい信用創造っちゅうことや。民間の投資家がドルに金を移しとる。
これは、トランプやのうて、トランプをはるかに超えたアメリカが実行しようとしとる戦略そのものや。トランプはんが「日本は3500億ドルを払え。さもなきゃ、アメリカとの貿易をブロックして経済をぶっ壊す」っちゅうたり、「韓国は3500億ドルを払え。さもなきゃ、自動車、コンピューター、鉄鋼といった韓国製品のアメリカへの輸出をブロックする」っちゅうた戦略や。
アメリカは、「ワシらと取引できんようにして、他の国々の経済をぶっ壊せる」っちゅう力によって、中央銀行にとっては安全やないっちゅう問題を無視して、ドルを安全な避難所にしようとしとるんや。
10. 資産バブルとポンジ・スキーム
せやけど、もう一つの理由、もっと積極的な理由がある。アメリカに金が入ってきとるんは、巨大な不動産バブルがあるからや。
仮想のポンジ・スキームが、まず低金利によって資金提供されてきた。FRB(連邦準備制度理事会)は銀行に低い金利で金を貸し、銀行は客に消費のために貸す。
銀行は何のために金を貸すか?商品やサービスのためやのうて、担保として既に存在する資産の購入のために貸すんや。銀行は過去1000年間そうやってきた。融資の80%は不動産のためで、この融資の効果が不動産価格を押し上げとるんや。
さらに最近では、銀行が大量の金を貸し付け、トランプ政権の政策と相まって、株式市場に巨大なバブルを作り出しとる。トランプはんはシリコンバレーや巨大な独占企業のトップにこう言うたんや。「ホワイトハウスに10億ドル規模の東棟を建てたい。そのために250億ドルずつ出資してくれ。」
その見返りに、「独占禁止法を適用せえへん、税金をカットする」と約束しとる。
トランプはんは、自分が欲しい金を得るために、莫大な資産価格のインフレを許しとるんや。彼は輸入品に関税をかけ、アメリカの生産者に「国内価格を好きなだけ上げろ。関税のせいにしたらええ」っちゅうて、価格の傘を作った。
11. 負債による経済の空洞化
この株式市場の巨大なバブルはポンジ・スキームや。ポンジ・スキームっちゅうんは、経済があまりにも多くの金を借りまくっとる状態や。
地球温暖化や悪天候のせいで、マイアミやフロリダの多くの住宅所有者は、保険料が上がりすぎて、住宅ローンや生活費を払えんようになっとる。そこで銀行がこう言う。「家を失ってほしない。エクイティ・ローンを組んで、住宅ローンに上乗せしたらええ。退職金も担保にできるで。」
この金全部が資産価格を押し上げとる。せやから、ドルを安定させとるホンマのインフレっちゅうんは、みんなが話しとる消費者物価のインフレやのうて、株、債券、不動産の資産価格のインフレなんや。
今、自動車ローンや不動産ローンのデフォルト率が急上昇しとる。高リスクな融資にドップリ浸かっとる銀行は今や債務超過や。2009年のウォール街のデカい銀行と同じで、負の資産になっとる。
アメリカが今日陥ろうとしとる危険は、これや。プロの投資家が「なんで株価が上がっとるか説明できへん」っちゅうんは、借金によって経済全体が空洞化しとるからや。
お金の創造は全て借金の創造や。お金は信用の一形態やからな。この信用が株や不動産を買うために使われとるんやったら、いつかこの借金は脆くなって、崩壊せなあかん。ハイマン・ミンスキーが「ポンジ段階」と呼んだもんや。
アメリカは、金融の不安定性にポンジ・スキームを作り出すことで対処しとるけど、これも崩壊するやろ。
12. 世界との完全な断絶に向かうアメリカ
マイケル・ハドソン: 中央銀行がアメリカ国債でドルを保有しとる不安なんか、民間の投資家(外国の投資家も国内の投資家も)が株式市場に参加しようとしてる不安に比べたら何でもない。いつバブルが止まるか、誰もわからへん。
最近のアメリカの株や債券市場を押し上げとるんは、デカい機関投資家やのうて、国内の小さな個人投資家や。彼らはブームが終わりかけになるまで、ブームやとは信じへん。カナダの投資家もそうや。彼らは株が天井に達するまで買わへん。
せやから、アメリカ経済は外国経済と同じくらい不安定に晒されとる。これは絶望的な状態や。
トランプはんが中国と会談したら、中国は「ワシらはもう独自の道を行くべきや」っちゅうやろな。アメリカは「アメリカのコンピューター言語や電子機器を使わへん国同士の輸出入は全部禁止する」っちゅうて、他の国々を締め出そうとしとる。
これは他の国々に「アメリカ市場はもう諦めよう。ヨーロッパの衛星国の市場も諦めよう。中国とアジアの成長市場と取引するために、新しいコンピューター言語を持つしかない」っちゅう決断を迫ることになる。
トランプ政権が目指しとる新しい制裁は、他の国々をアメリカとの完全な断絶に追い込むやろな。
アメリカと断絶したら、貿易だけやのうて、相互の投資や借金も全部チャラになる。誰もが奪い合う。「中国はそこにあるアメリカの投資を奪い、アメリカはここにある中国とロシアの投資を奪う」っちゅうわけや。
トランプ政権が向かっとるのは、そこや。なぜなら、彼らは他の国々がアメリカ市場を失うのに耐えられへんとホンマに信じとるからや。せやけど、アメリカ市場が借金まみれで金融化され尽くして崩壊しとるんやったら、中国、アジア、グローバル・マジョリティの市場を失うのと引き換えに、なんでアメリカ市場を心配せなあかんのや?
それが各国が迫られとるデカい選択や。その選択は、「他の国々はアメリカのリーダーシップと支配なしには生き残れへん」と思い込んどる、アメリカ・ファーストの連中が想像しとるもんやないやろな。リチャードはんが言うたように、自己破壊的なアメリカの政策が、他の国々を独自の代替策の創造へと駆り立てとるんや。
13. 衰退する帝国の腐敗と「洪水よ、ワシの後に来い」
ニマ・アルホルシッド: リチャードはん、速報ですわ。ウォール・ストリート・ジャーナルが、トランプ大統領が有罪判決を受けた仮想通貨取引所バイナンスの創業者チャンポン・ジャオ(CZ)はんを恩赦したっちゅうて報じとります。これは、この男がトランプ一族の仮想通貨会社を支援するために数カ月も努力した後の決定ですわ。
リチャード・ウォルフ: ええ、その部分は終わりあらへんな。ワシにとっては、これもまた衰退しとる帝国のサインや。皇帝(誰であれな)が身内の世話をしとるんや。「apres moi, le deluge(ワシの後に洪水よ来い)」っちゅう有名な言葉を残したフランスの指導者と同じや。「全部終わりや、洪水が来て洗い流す前に、できるだけ多くを掴み取ったる」っちゅうわけや。
せやけど、マイケルはんの最後の点を取り上げたい。日本や韓国は3500億ドルを投資せなあかんっちゅうて言われた。ウーシュラ・フォン・デア・ライエンは、ヨーロッパがその倍をアメリカのエネルギーに使い、7000億ドルをアメリカに投資せなあかんっちゅうて言われた。
ニュースがあるで。ヨーロッパが金を差し押さえる気になったら、彼らが沈む前に、トランプはんが大統領やろうとなかろうと、アメリカに向き直ってこう言うやろ。「その金が見たかったら、地獄が凍るのを待て。アンタらは要求したけど、世界は変わったんや」と。ロシアに「ロンドンや西ヨーロッパに金を置いといても安全や」っちゅうて嘘をついたのと同じや。
「全ては無効」っちゅう話をしとるんや。
14. 資産バブルの危うさと「今回は違う」という病
リチャード・ウォルフ: 小さな訂正やけど、ドルは上がっとらんで。トランプはんが大統領になってから今日までドルを見ると、ユーロや他の通貨に対してもかなり価値が下がっとる。
せやけど、マイケルはんの分析は立っとる。ドルがこれ以上下がらへんかった理由は、マイケルはんが言うた二つ目の部分や。古典的な、持続不可能なインフレがあるんや。彼の言う通りや。商品やサービスのインフレは抑えられとるけど、その代償が、資産市場、特に不動産と株式市場での制御不能なインフレなんや。
株で儲けとる人はおる。この国の支配階級は、トランプはんのやってることが気に入らんでも、何もしないやろ。株を持っとるんが彼らやからな。
資産市場のインフレは新しい話やない。借金を生産的に使うんやのうて、資産価格を吊り上げるために使うからアカンねん。
ジョークになるのはこれや。「借金をしまくる」。不動産の価格が上がる。所有者は銀行に戻って、「担保がもっと価値あるもんになったから、もっと貸してくれ」っちゅう。銀行は「ええで」と金を貸す。そして、その金が価格をさらに吊り上げる。理解できるか? 融資が担保を吊り上げ、担保がよりデカい融資を可能にする。これが終わるんが、いつや?
この2、3週間で破綻した二つの自動車ローン会社や。サブプライムローンの崩壊の始まりと全く同じや。「これは崩壊の始まりかも」っちゅう小さなグループと、「いやいや、今回は違う」っちゅう軍隊のような反対派とのデカい議論。
大事なことは、ワシらが見とるものを見ることや。どんな現象でも、この状況を吹っ飛ばす可能性があるんや。
15. ウクライナ戦争の終焉とアメリカの孤立化
リチャード・ウォルフ: ロシアがウクライナで決着をつけたらな。ポクロフスクの戦いは、基本的にこの戦争の終わりや。オデッサとキーウしか残らへんし、どこに向かっとるかは明白や。
同様に、二つの石油会社(ロスネフチとルクオイル)への制裁は、単なる象徴的な行為や。原油価格は戦争の始まりから下がり続けとる。1バレル120ドルから約60ドルに下がっとる。ロシアには全く効いとらへん。
制裁と原油価格の世界的な下落は、ロシアを潰すはずやったけど、そうならへんかった。今日の原油価格は、下がっとらへんどころか、2、3ドル上がっとる。
西側が自分たちの立場を理解できへんっちゅうんは異常や。BRICSと中国が独自の代替策をいつ開発するかは誰も知らへんけど、マイケルはんが一番重要なこととして伝えたんは、「アメリカが自らの周りに壁を築いとる」っちゅう認識や。アメリカのこの自己孤立が進行中なんや。
関税は課されとるけど、報復はまだ来とらん。それはこれから来る。
トランプはんは、アルゼンチンのミレイ政権を必死に維持しようとしとる。200億から400億ドルを賄賂として渡し、安価な牛肉の関税を撤廃して国内に入れさせとる。自分を支持する数少ない政府を維持するために、国内の畜産農家を犠牲にしとるんや。
他国の選挙に介入しとるんやで。ロシアゲートで大騒ぎしたんは何やったんや?この全体主義的な賄賂と、「この候補者が再選せえへんかったら、金も牛肉の輸出もやらへん」っちゅう脅しに比べたら、屁でもないわ。これもまた、衰退して必死な帝国がしがみつこうとしてるサインや。
16. 世界債務の崩壊と石油輸出国の危険
マイケル・ハドソン: リチャードはんが持ち出した二つの話題、アルゼンチンと石油について触れたい。
アルゼンチンは選挙後、IMFから借りた負債を払えへんやろ。ミレイは失脚するやろ。IMFは「アメリカの支援を受けた独裁者にしか金を貸さへん」っちゅうやろな。
アルゼンチンは負債を払えんし、グローバル・サウスのほぼ全ての国々も払えん。西側とグローバル・マジョリティの間で断絶が起こったら、グローバル・サウスの国々は外貨建ての負債を払えへんやろ。IMFのような公的機関だけでなく、債券保有者に対してもや。
この断絶に大きく晒されることになる銀行がたくさん出るやろ。西側とグローバル・マジョリティの間の国際貿易と決済の断絶は、多くの銀行の破綻にも繋がるやろな。
石油について、サウジアラビアと中東の石油輸出国が一番危ないんや。彼らが1974年にアメリカと交わした取引は、「石油は好きな値段で売ってええけど、その収益を全てアメリカの株と債券市場に投資せなあかん」っちゅうもんやった。
この金全部が、他の国々と同じくらい危険に晒されとる。これが、原油価格が下がり続けてる理由やとワシは思うで。アメリカがOPEC諸国に圧力をかけ、「ロシアの外貨収入を絞るために原油価格を下げろ」と強要しとるんや。
アメリカはロシアを「原子力爆弾付きのガソリンスタンド」やと思っとるけど、ロシアが石油やガスの他にも農業やあらゆる種類の製品を輸出しとることを分かっちゃおらん。
アメリカはOPECに圧力をかけて、近東の石油を大量に供給させ、価格を押し下げとる。これはアメリカの近東の支配を維持するためや。
これ全部が問題視されるやろ。世界の政治的な分断、全てが不安定になり、外交的な駆け引きの対象になるんや。
ニマ・アルホルシッド: ええ。ホンマにありがとうございました。リチャードはん、締めくくる前に追加で何かありますか?
リチャード・ウォルフ: いや、謝りたいことがある。この「絶望」とか「衰退する帝国」っちゅう陳腐な言葉を使いすぎて申し訳ない。せやけど、議論の文脈として欠けとることが多いから、ワシは何度も戻るんや。細部も大事やけど、よりデカい全体像を定期的に思い出さな、日々の出来事に振り回されてしまうからな。
ルーコイルやロスネフチを狙うっちゅう大統領の言葉を真に受けると、これは全部「煙と鏡」、っちゅうか見せかけやっちゅう現実が見えへんようになる。ヨーロッパはウクライナで終わりやっちゅうのを知っとる。プーチンを悪魔化するプロパガンダは、人気を回復させたり、経済を立て直すための手助けを何一つしとらん。
彼らは絶望的や。どこに向かったらええか、ホンマに分からへんのや。
ホワイトハウスには、経済史に詳しい人間がおって、トランプはんに「株の市場のリスク」を教えるべきや。左翼だけやのうて、金融界でもいつバブルが弾けるかっちゅう不安は広まっとる。人々が金に走っとるんはそのためや。
スーパーで見えへんインフレは、株で見えとるからや。もし株のインフレが止まったら、商品市場でホンマに爆発する可能性がある。そしたら、多くのアメリカ人はどうなるんや?
ニマ・アルホルシッド: リチャードはん、ホワイトハウスの状況に触れたんで、締めくくる前に、トランプはんのインドについての発言を紹介しますわ。彼は何でも作り話しますわな。(笑)
リチャード・ウォルフ: ええ、そして彼は世界を関税で脅すつもりや。
これは有名なイメージを思い出させるで。トレンチコートの二人組がクリーニング屋に入ってきて、「毎週200ドルの用心棒代を取りに来た」っちゅうんや。店主が「何の話や?何から守るんや?」と聞いたら、二人組は笑ってこう言う。「アンタを守るんや。ワシらから。ワシらがアンタを傷つけへんように金を払え」と。
マイケルはんがさっき言うた通りや。「払わへんかったら、痛い目に遭わす」んや。
ゴールドマン・サックスの試算やと、トランプ政権の関税の負担は、輸出国には10%未満しかかかってへん。61%はアメリカの企業に、残りはアメリカの消費者にかかっとる。
アメリカの企業と消費者が関税で痛めつけられとる。世界の他の国々はそうでもない。しかも、これは報復が来る前の話や。
ニマ・アルホルシッド: リチャードはん、マイケルはん、ホンマにありがとうございました。いつもながら、大変光栄です。
リチャード・ウォルフ: ほなまた。
ニマ・アルホルシッド: さようなら。


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