2025年12月20日土曜日

AI版ヤニス・バルファキス:プーチンがダマスカスを去ったほんまの理由

https://www.youtube.com/watch?v=hsuWGXru9kc

シリアの罠:プーチンが本当にダマスカスを去った理由

こんばんは。経済学の世界にも、ステージマジックの世界にも「ミスディレクション(視線逸らし)」っていう概念がある。左手で派手なハンカチを振って、観客が右手で時計を盗んでるのに気づかんようにさせる手法や。

この10日間、西側諸国はその「赤いハンカチ」をじーっと見とった。ダマスカスで像が倒されるのを見たやろ。独裁者の崩壊を祝う見出しも見たはずや。ワシントンやロンドンからは「自由の勝利や!」「クレムリンの屈辱や!」っていう鼻息の荒い解説も聞こえてきた。 あんたがその見世物に釘付けになって、「ロシアも弱なったな」っていう物語に酔いしれてる間に、右手は暗闇の中で静かに、そして無慈悲に動きよったんや。

俺がここで言いたいんはな、西側が「中東でのロシアの敗北」として売り込んでるもんは、実はヨーロッパにおける「大惨事の前触れ」やっちゅうことや。シリアでのお祭り騒ぎは勝利のパレードやない。俺たちが知ってる「ウクライナという国家」の葬列やねん。 カメラが砂漠に向いてる間に、ロシア連邦は21世紀で最も冷酷な「資産の清算」を実行しよった。アイツらは逃げたんやない。「集約」したんや。そして、その集約した力を、世界の秩序を決定づける「地図上の一点」に全部ぶち込もうとしとる。それはダマスカスでもアレッポでもない。……オデッサや。

プロパガンダは抜きにしようや。道徳的な物語やなくて、物質的な現実というレンズで見てみぃ。 ロシアを国家やなくて、経営難に直面してる「巨大企業」やと考えてみてくれ。競合他社からの圧力、制裁、孤立、戦争でボロボロになってるコンツェルンや。 この企業には、2つの大きな部門がある。 「部門A」はシリアや。見栄のためのプロジェクトで、金はかかるし、兵站は悪夢やし、敵に囲まれてる。威信は保てるし、不凍港も手に入るけど、とにかくキャッシュを燃やし続ける。リソースを垂れ流すだけの「埋没費用(サンクコスト)」や。 「部門B」はウクライナや。これは存亡に関わる必需品や。ロシアの安全保障の計算上、この境界線を守れるかどうかが、国が生き残るかバラバラにされるかを決める。

企業が敵対的買収(モスクワから見たNATO拡大のことやな)に直面したとき、全部の支店を守ったりはせえへん。核心を守るために、負債(ライアビリティ)を清算するんや。 先週俺たちが目撃したんは、その「清算」や。衛星データは嘘つかへん。国務省がどう言おうとな、フメイミム空軍基地を飛び立ったロシアの輸送機は空っぽやなかった。ただの人員撤退やない。壁から銅線まで剥ぎ取っていくような勢いやった。 最新のレーダーシステム、電子戦装置、ベテランのパイロット、都市封鎖の崩し方を知り尽くしたワグネルのスペシャリストたち。アイツらは引退するために国に帰ったんやない。北の黒海へと「再配置」されたんや。

クレムリンは計算したんや。「シリアを維持しながらドンバスで戦うんは、経済の基本原則である『希少性』に反しとる。全部は手に入らへん」ってな。 だからアイツらは「シンボル(象徴)」を売って「剣」を買った。シリアでの勝利を西側に譲ったんや。「ほらよ、お前らが持っていけ。その瓦礫も、宗派争いしてる軍閥も、復興費用もな」って。 その代わり、アイツらは何十億ドルもの資金と、最強の戦力をオデッサ包囲のために解放したんや。

ここにアメリカの立場の、深い皮肉がある。 アメリカは「大勝利や!」と信じとる。でも地政学の世界では、「望んでたものをそのまま手に入れてしまうこと」ほど危険なことはない。俺はこれを「毒入りの杯」と呼んどる。 この10年間、ワシントンはロシアに「シリアから出ていけ」と言い続けてきた。今、アイツらは本当に出ていった。そしたら急にペンタゴンが沈黙して、震え上がっとる。なんでや? ロシアがいなくなった真空状態を自然は嫌うからや。IS(イスラム国)の再燃を誰が止めるんや? トルコとクルドの紛争を誰が管理するんや? 何百万人もの飢えた市民を誰が食わすんや? ……アメリカや。 プーチンは立ち去ることで、何兆ドルものコストと何十年もの時間を奪う「負債」を西側に押し付けたんや。レバントの底なし沼に敵を引きずり込んだわけやな。 考えてみぃ、この滑稽さを。俺たち西側は、自分たちが壊すのを手伝ったシリアの復興に金を出しながら、同時にウクライナの戦費も賄わなあかん。俺たちのリソースは無限やないし、集中力も続かへん。ロシアはそれを分かっとる。計算ずくや。アイツらは払えんくなったローン(抵当権)を放り出して、その譲渡証書にアメリカの納税者の名前を書き込みよったんや。これは撤退やない。「負担の移転」や。

「なんで西側のリーダーはこれに気づかへんのや? なんで祝杯を挙げとるんや?」と思うやろ。 それを理解するには、西側とロシアの「戦争のやり方の違い」を知らなあかん。 俺の著書『テクノ封建主義』でも書いたけど、西側の経済は物理的な世界から切り離されてしもた。俺たちは「レント(地代)」や「クラウド資本」、そして「金融化された物語」の世界に住んどる。 アメリカの軍産複合体??レイセオンやロッキード・マーティン、ワシントンのシンクタンクにとって、戦争は「利益センター」や。必ずしも勝つことが目的やない。紛争を管理し、組み立てラインを動かし続け、株価を高く保つことが目的や。アイツらにとって、シリアがカオスなのも、ウクライナが凍結された紛争になるのも、ビジネスとしては「ええこと」やねん。四半期決算の表を見て戦争を考えとる。

でも、ロシアは世界の金融システムから追い出された。そんな金融ゲームはできへん。アイツらがやってるのは「工業資本主義」の戦争や。19世紀のような、古臭くて残酷な物質主義の戦いや。 ロシアにとって、戦争は利益を生む場所やない。リソースを奪う「コスト」や。だから、効率的であらなあかん。中東で「終わらない戦争」を続ける余裕なんてないんや。アイツらが扱うんは鋼鉄、穀物、エネルギー、そして土地や。 西側がスコアを競うビデオゲームをやってる間に、ロシアは「キング」を取るためにチェスを指しとる。そして、そのキングはダマスカスにはおらん。

地図を見てみぃ。本当の意味で見るんや。 キエフを支配すれば政府を支配できる。でも、オデッサを支配すれば「経済」を支配できるんや。 オデッサはウクライナの「肺」や。アフリカや中東を養う穀物の出口であり、ウクライナ軍を支える武器の入り口や。 もしロシアがオデッサを取ったら、ウクライナは海のない「内陸の残存国家」になる。経済的に自立できんくなって、EUの永続的な生活保護対象になるんや。海へのアクセスがない国は、隣人の慈悲で生きていくしかない。 これがロシアの目的や。最初からずっとそうや。シリアから引き揚げた戦力をこの南の軸に集中させることで、アイツらは今、頸動脈を切り裂こうとしとる。 ドニエプル川で終わるウクライナを想像してみぃ。黒海の海岸もなく、東の工業地帯もない。NATOとロシアの間に挟まった、ただの「農業の緩衝地帯」や。 それがロシアの狙ってる勝利や。シリアの陣地を清算することで、それを買い取るための「資本」をかき集めたんや。

これがヨーロッパにとって何を意味するか? 黒海が「ロシアの湖」になるっちゅうことや。エネルギー回廊も、グローバルサウスの食料安全保障も、地域全体の物流も、全部モスクワが指図することになる。 西側は制裁でロシアを屈服させられると思ってるけど、「地理」に制裁は効かへん。海岸線という資産を凍結することはできへんのや。

ここでちょっと言わせてくれ。こういう冷徹な戦略分析をしてると、その構造の下で押しつぶされてる「人間」のことを忘れがちや。 俺は、軍閥たちのカオスの中に放り出されたシリアの家族のことを思う。大国は自分たちの自由なんてこれっぽっちも気にしてなくて、ただ「利用価値」しか見てへんかったんやと気づいた人たちのことをな。アイツらはチェスの駒で、今は盤上から弾き飛ばされたんや。 そして、オデッサの若者たちのことも思う。学生、港湾労働者、音楽家。アイツらは今、砂漠から引き揚げて研ぎ澄まされた「ハンマーの一撃」を食らおうとしとる。政府からは「勝利は近い」「西側がついてる」と言われてるけど、その西側は他所に気を取られとる。西側はシリアの「赤いハンカチ」を見とるんや。 悲劇なのは、シリア人もウクライナ人も、国家を「取引や清算、レバレッジの対象となる資産」として扱う「帝国の論理」の犠牲者やっちゅうことや。

1956年、大英帝国はスエズ運河で自分の意志を押し通そうとして失敗した。その失敗で、世界は大英帝国が終わったことを悟った。「スエズの瞬間」や。 俺は今、アメリカ版の「スエズの瞬間」が近づいてると思う。 もしロシアがこのギャンブルに勝って、シリアを売ってオデッサを手に入れたら、G7の金融力も、NATOの軍事援助も、国際社会の道徳的な非難も、本気になった「工業大国」がヨーロッパの地図を書き換えるのを止めるには不十分やったっていうことが証明されてまう。 「物語(ナラティブ)」は「物理」には勝てへん、っていうことがな。

西側は今、中東で独裁者が倒れたのを祝っとる。イラクの時も、リビアの時もそうやった。「勝利宣言」をして、写真を掲げる。でも、その後に中身が腐っていく現実を眺めることになるんや。 その間、敵は祝杯なんて挙げとらん。師団を動かし、砲弾を蓄え、罠を閉じていっとる。 ニュースのサイクルに騙されたらあかんで。シリアからの撤退は、ロシアのクマが冬眠する合図やない。クマが目を覚まして、「狩る森を間違えてたわ」と気づいた合図や。 アイツらは家に帰り、自分たちの戦争を連れて戻ってきたんや。

問題は、アサドが倒れるか残るかやない。そんなんもう過去の話や。 本当の問題は、黒海が失われ、ウクライナが内陸国になり、西側の全能感という幻想がついに、取り返しがつかんほど粉々に砕け散る……そんな現実にヨーロッパが耐えられるかどうかや。

マジックショーは終わりや。ハンカチは落ちた。 さあ、もう片方の手に何があるか、見なあかん。 ……そして、オデッサの人たちにとっては、もう手遅れかもしれんと俺は危惧しとる。

おやすみ。


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