マイケル・ハドソン:なんで今は1970年代とちゃうのか
Why This Is Not the 1970s Again
By Michael Wednesday, May 20, 2026
【ハイライトのみ版】
2026年5月20日
レナ・ペトロワ: みなさん、ようきてくれはりました!今日はマイケル・ハドソン博士をお招きしてますで。著名なアメリカの経済学者で、ウォール街の元アナリスト、国際的に有名な学者はんや。著書には『スーパーインペリアリズム』『宿主を殺す』『文明の運命』などがありますねん。マイケルはん、ありがとうございます!
マイケル・ハドソン: ええタイミングで戻ってこれましたわ。トランプがイランへの攻撃をちらつかせとって、イランはそれに対してアラブのOPEC諸国の石油生産と輸送インフラを破壊するって構えとる。その結果、すでに進んでる世界恐慌がさらに深刻になりよるで。
ほんでも株式市場は上がり続けとるし、金利も上がってる。この金利の高さは不動産や株式市場をクラッシュさせんと長続きせんはずなんやけどな。
レナ: インフレに対応するため金利を上げるっていう話、どこから始まったんでっか?
マイケル: 建前は「債権者の購買力を守るため」やねん。でも実際のとこ、18世紀からすでに批評家たちが指摘してたように、債券保有者は受け取った利子のほとんどを新たな融資に回してるんや。ほんで19世紀になると、債権者たちはデフォルトリスクや物価上昇に対する「補償」として利子を正当化しようとしはじめたわけや。
オーストリア学派のベーム=バヴェルクみたいな経済学者は、利子は消費を控えた「サービス」への対価やと主張しよった。マルクスはそれを皮肉って「ロスチャイルド家はヨーロッパで一番禁欲的な一族やな」って言うたんやで(笑)。
レナ: 金利引き上げは雇用と賃金にどう影響しますのん?
マイケル: 最近の話でいうと、1980年のポール・ボルカーのことやな。彼はベトナム戦争の「大砲もバターも」的な財政政策で賃金が上がってるのを見て、金利を20%超まで引き上げて意図的に不況を作り出したんや。失業者を増やして賃金上昇を止めようとしたわけやで。
今の金利上昇の目的はそれとは違うけど、結果は同じや。経済全体のリスクをぐんと高めてしまう。それやのに株式市場が高止まりしてるのは不思議でしゃあないわ。
レナ: 今の債券市場、1970年代とどう違うんですか?
マイケル: ええ質問やな。1970年代のインフレはベトナム戦争と「大砲もバターも」経済が原因やった。軍事費が国際収支赤字のほぼ全部を占めてたけど、雇用は高かったんや。ある意味、アメリカの労働者にとっての黄金時代やったで。賃金も生活水準もちゃんと上がってた。
でも今は全然ちゃう。今は失業が増えて、賃金は伸びへんか下がってる。賃金インフレなんかどこにもあらへん。むしろ労働者はクレジットカードの借金を増やして、学生ローン、住宅ローン、車のローンに苦しんでる。デフォルト率はあらゆるカテゴリで上がってるんや。
1970年代は「軍事費削って予算を立て直せばええ」って選択肢があった。でも今はそんな余裕あらへん。減税はもうさんざんやってしまったし、身動き取れん状態やで。
レナ: 今の経済、「ポンジースキーム」みたいですよね?
マイケル: そうや、まさにそれやで。ポンジースキームは新しい参加者を引き込み続けんと回らへん。実際に価値を生み出しとるわけやなくて、「儲かってまっせ」という見せかけで高い配当を払い続ける。でもいずれ新規参加者が足らんくなって崩壊するんや。
今の経済も似たような構造や。不動産、銀行、株式市場、みんな借金してまた借金して利子を払い続けとる。銀行はデフォルトを認められへんから「もっと貸したる」って言い続ける。表面上は担保価値が上がってるから健全に見える。でも実態は全部借金で支えられてるだけや。
今や30年物国債が5%超え、住宅ローンは7%近い。この金利水準やと新規購入者が家を買えんくなってきとる。これは不動産市場の大クラッシュを招く恐れがあるで。
レナ: 今後、アメリカと世界経済の見通しはどうですか?
マイケル: 大規模な債務不履行が起きるやろな。そうなると財産が債務者から債権者へと移転する。住宅所有者は家を失い、企業は銀行や債権者に乗っ取られる。財産の集中がさらに進むわけや。
1997?98年のアジア通貨危機みたいな状況になるかもしれんな。あのときマレーシアは資本規制を導入して自国を守ったけど、韓国や日本やシンガポールは深刻な金融危機に見舞われて、外国投資家が安値で資産を買い漁った。
アメリカで起きるのもそれに似たことやと思う。ただし外国投資家だけやなくて、アメリカの富裕層1%と金融セクターが、一般の人たちが今まで持ってた財産をどんどん買い占めていくことになるやろな。
まとめると……
今の状況は1970年代とは根本的にちゃう。あのころは雇用が高くて賃金も上がっとった「熱すぎる経済」やったけど、今は借金漬けで身動き取れん「冷え込んだ経済」や。そこにイランとの戦争による石油危機が重なって、金利まで上がってる。これは経済を立て直す薬やなくて、むしろ毒になりよる、っていうのがハドソン博士の主張やで。
【全訳版】
# なんで今は1970年代とちゃうのか
マイケル著 2026年5月20日水曜日
出典:レナ・ペトロワ「警告:差し迫った経済大惨事?戦争、石油危機と債券市場パニック」World Affairs in Context、2026年5月18日
---
レナ・ペトロワ: みなさん、ようきてくれはりました!ほんまにありがとうございます。World Affairs in Contextの新しいエピソードへようこそ、レナ・ペトロワです。今日は著名なアメリカの経済学者、マイケル・ハドソン博士をまたお迎えできる栄誉に浴しておりますで。マイケルはん、傑出した研究教授であり、多作な著者、元ウォール街の金融アナリスト、そして国際的に認められた学者はんやね。著書には、米ドルとアメリカの金融覇権における役割を探った『スーパーインペリアリズム』、金融化と債務主導型資本主義への批判である『宿主を殺す』、新興多極化世界秩序に焦点を当てた『文明の運命』、そして紛らわしい経済のたわごとを解体した『ジャンク経済学のJ』などがありますな。そしてまさに今回のインタビューで私たちがやろうとしてるんがそれやねん。マイケルはん、今日はようきてくれはりました。ほんまに時間を割いてくれてありがとうございます!
マイケル・ハドソン: 戻ってこれてよかったですわ。トランプがイランに対する戦争をさらにエスカレートさせるとちらつかせとって、イランはアメリカの攻撃を止めへんアラブのOPEC諸国の石油生産と輸送能力を破壊する構えでいてますねん。その結果、すでに進行中の世界恐慌がさらに深刻化することになるやろな。
ほんでも株式市場は上がり続けとるし、金利も上がってる。後者は不動産市場や株式市場をクラッシュさせずには高止まりできひんはずや。ほんでも、メディアや多くの投資家は金利上昇をインフレリスクへの補償として見てるんやな。実際のところは、高金利はすでに進行してる経済破綻への対応能力をさらに低下させるだけやねんけど。
レナ・ペトロワ: これは本当に興味深いお話ですわ。この対話を楽しみにしとりましたで。数日前、最新のインフレ指標が発表されて、予想通り、アメリカとイスラエルのイランとの戦争の直接的な結果としてインフレが加速しましたな。今や公式認定や??アメリカ人はトランプの介入主義のコストを払わされとるんやで。エネルギー危機の進展が物価を押し上げとる一方、連邦準備制度理事会は利上げを示唆してますな。金利上昇が物価インフレへの対応として始まったというたわごとはどこから来たんでっか?
マイケル・ハドソン: 道徳的な正当化の根拠は、消費者物価で測定される債権者の債務に対する請求権の購買力を守るためやねん。
建前では、債権者は受け取った利子で商品やサービスを購入するということになってますわ。でも18世紀の時点でもう、債務ファイナンスの批評家たちは、債券保有者が利子収入のほとんどを新たな融資として再運用してることをちゃんと認識してたんや。「実体」非金融経済に利子収入の一部を支出する場合も、主に主要金融センター内の高級不動産購入が中心で、次いで18世紀中頃と同様に現代でもイタリア製が多い高級品に使われるくらいやねん。
19世紀になると、債権者たちはデフォルトによって損失を被るリスク、または物価上昇??もっと具体的に言えば、これらの製品を生産した労働力に対する購買力の喪失??に対する補償として利子を正当化する口実を求めるようになりましたんや。
ベーム=バヴェルクのようなオーストリア学派の経済学者は、利子は収入の消費を控えて後でより多く消費するために「時間選好」を使う「サービス」への支払いやと主張するとこまで踏み込みよった。こうして利子を払わなならんのは「焦り」の代価として描かれたわけやな。まるで賃金労働者(「消費者」)が借金を走る選択肢を避ける術があるかのようで、そうせんのは思慮に欠けとると言わんばかりやねん。これを受けてマルクスは、ロスチャイルド家の銀行家たちはヨーロッパで最も禁欲的な一家に違いないと皮肉ったもんやで。まるで生産と消費の経済から独立して機能する銀行家や債券保有者の金融セクターなんて存在せんかのようにな。
レナ・ペトロワ: 金利引き上げは雇用と賃金の伸びにどんな影響を与えますのん?
マイケル・ハドソン: より最近の20世紀の論理でいうと、1980年のカーター政権末期に金利を20%超まで引き上げたポール・ボルカーの話になりますわ。彼はベトナム戦争の「大砲もバターも」財政政策、つまり利益・投資・雇用を増やすことを目標とした時期に「軍事ケインズ主義」と呼ばれるものの結果として賃金が上昇するのを見てましたんや。元チェース・マンハッタン銀行の銀行家やったボルカーは、賃金のさらなる上昇を防ぐために失業を増やしたかったんやな。銀行金利が20%まで上昇した結果、クラッシュを引き起こすことに成功しましたわ。
今日の金利上昇の目的が明らかにそれとは違うとしても、結果は同じや。そしてこれはリスクへの補償とはまったく正反対のことやねん。産業や雇用だけやなく金融セクターにとっても、経済全体のリスクを急激に高めてしまう。それが今日の株式市場の高値を非常に謎めかせてるんや??あたかもトランプ政権が流す湾岸での平和の可能性、すなわちハッピーな以前の状況が回復するという噂の波だけに基づいて動いてるかのような短期主義に見えるんや。
レナ・ペトロワ: あなたはかつて、政府と中央銀行は経済を刺激するために金利を下げてるふりをするかもしれんが、本当の理由はもちろん上位1%の利益になる金融証券と不動産の価格を再インフレさせるためやと主張してましたな。それが実際にどう機能するか教えてもらえますか?
マイケル・ハドソン: 金利引き上げが銀行の信用創造を減らすことによって物価インフレを鈍化させるという考え方には、作り話が潜んどるんや。この作り話は、銀行が経済拡大のための企業向け融資によって産業経済を助けるという神話に基づいとる。でもそれは金融資本主義の下で銀行がやることとは違うんやな。銀行は担保として差し入れられる既存の資産に対して貸し付けるんや、不動産・債券・株式をさらに購入する目的でな。これらの融資の効果は消費者物価やなく資産価格を押し上げることやねん。
政府と中央銀行は経済を刺激するために金利を下げてるふりをするかもしれんが、基本的な理由は金融証券と不動産の価格を再インフレさせることや。
それが今日の金融資本主義の主な目的やねん、つまり債務レバレッジを効かせた資産価格上昇によって財産を増やすことで、経済を巨大なネズミ講に変えてしもうとる。
この政策は失敗するに決まってるんや、なぜかというと銀行やその他の債権者が持つ担保の価格が下落して金融化された資産価格上昇が損失をもたらすのを防ぐには、経済がますます多くの債務を抱え込まなならんからや。
レナ・ペトロワ: あなたが今描写した金融資本主義、「ネズミ講」に似てますよね?
マイケル・ハドソン: そうやで、ネズミ講は継続するために新しい参加者が必要なんや。そこには本物の価値なんてあらへん。実際に富を生み出してることはなんもない。代わりに見せかけがある??その計画は金を稼いどると主張して、まるで相当な利益が上がってるかのように投資家に非常に高い配当とキャピタルゲインが払われるんや。
でも、もし実際に利益が生み出されてへんのなら、これらの投資家に払う金はどこから来るんか?答えはプロモーターたちがネズミ講を盛り上げ続けて、新しい投資家が参加し続けることを期待することや。P.T.バーナムがよく言うたとされるように、「カモは毎分一人生まれる」ってやつやな。この計画は参加者を増やし続けることに依存しとって、その拠出金が先行投資家に約束された高配当の支払いに使われるんや。
このプロセスはしばらく続けられるかもしれんが、いずれ預金者や参加者に対する名目上の債務があまりにも大きくなって、新規投資家の持ち込みがもはや支払いを支えるのに十分やなくなる。その時点で計画全体が崩壊するんや。
今日の経済もそういった構造に似てますわ。不動産セクター、銀行セクター、そして株式市場の企業、みんな利払い義務を履行するためだけに多額の借金を抱えとる。不動産や株式を購入するために金を借りたけど、株価が下落して不動産のコスト上昇??住宅ローンコストだけやなく上昇する保険費用も含めてな??によって家賃が圧迫されると、借り手が銀行に返済するのはどんどん難しくなってくるんや。
ほんでも銀行はこれらの借り手にデフォルトさせるわけにはいかへん。だから銀行は事実上「もっとお金を貸したる、返済するための金を貸したる、さらにもっとお金を貸し続けたる。不動産と株式の価格を釣り上げ続ける限り、担保はまだ価値があると言えるし、不動産と株式に対してまともな融資をしてると言える、なぜなら資産価格は上がり続けとるから」と言いよるんや。
その結果、表面上はシステムが健全に見えるわけや。銀行は担保価値が上がり続けとるから、マイナスエクイティに直面してへんと主張できる。でも実際には、このエクイティ価値の増加はすべて丸々借金で賄われてるだけやねん。
問題は、借り手が銀行に「すでに返済すべき利子と債務サービスを払い続けられるように、もっと金を貸してくれ」と言えんようになる時に起きるんや。その時点でデフォルトが始まる。銀行は「もう金は貸せへん、返済の現実的な見込みがないから」と言うわけやな。それが本質的に今日私たちが置かれてる状況やねん。
今は金利が非常に高うなってますわ。30年物国債は5%超で、住宅ローン金利は7%に近づいてきとる。この金利水準では、新規購入者が住宅を購入するのはほぼ不可能になってきとって、売り手が売れる状況でもどんどんなくなってきとる。
住宅所有者が引越しを余儀なくされたり、もはや家の費用を払い続けられへんと仮定してみてな。通常、彼らは家を市場に出して、銀行に返済し、うまくいけばキャピタルゲインを得て引き上げるんや。でも今、住宅所有者??そして同様に株主??は、数年前に払った割高な価格での不動産市場がもはや存在しないことに気づいてきとる。
多くの住宅所有者は低金利の住宅ローンを組んでたから物件を維持できてたんやな。でも新規購入者はずっと高い住宅ローン金利に直面しとって、月々の維持費が多くの人々の支払い能力を超えるほど上昇してしもてる。賃金は十分に上がってへんし、経済は拡大してへん、むしろ多くの面で縮小しとる。リスクは増大しとるし、保険費用は急激に上昇し、地方税も増加しとるんや。
その結果、高金利は不動産市場の別の大クラッシュを脅かしとるんや。今回は、しかし、問題は主に銀行詐欺やない。問題は経済そのものが圧倒的な債務負担の下に閉じ込められてしもてることやねん。
2008年のジャンク住宅ローン銀行クラッシュに対する連邦準備制度理事会の対応は、政府が来たる金融危機にどう対処しようとするかを示す参考になるで。ジャンク住宅ローンのデフォルトと金融デリバティブにおける不正なカジノ賭博のウェブによって不動産と社債価格が急落しとったんや。オバマ政権の対応はゼロ金利政策(ZIRP)の導入やった。連邦準備制度理事会は低金利の債務レバレッジで銀行システム??それを通じて金融市場??を溢れさせることで、銀行をマイナスエクイティから救出したんやな。
その結果が史上最大の債券市場ブームやったけど??産業と労働のブームとちゃうで。K字型のアメリカ経済は上位1%(そしてある程度残り10%)にとっての財産の急激な増加を見る一方で、産業経済は賃金と産業利益がFIREセクター??金融、保険(民営化されたオバマケアの下での医療保険を含む)と不動産??に吸い取られながら長期的な衰退を続けてきたんや。
2008年以降の不動産・株式・債券の資産価格「回復」を金融エンジニアリングで実現したことで、OPEC石油・ガス貿易の中断による経済的混乱に対処する余地がほとんど残らんほど高度にレバレッジを効かせた経済が残されたんや。石油不足は確かに商品価格水準を押し上げとるけど、これは雇用水準や賃金水準の上昇による需要増加の結果やない。これはトランプが世界の石油貿易をアメリカの手中に収めるための戦争の結果やねん。これに対しイランは、他の国々がトランプの攻撃を止めへんなら、イランはアラブの石油生産を破壊して世界全体が長期的な経済恐慌に引きずり込まれるコストを払わされることになると言うとるわけや。そして世界の多くは、アメリカがベネズエラにしたようにイランを征服できて、アメリカの管理下でどうにか正常な関係を回復して世界恐慌を避けられると信じてるかのように傍観してきたんやな。
トランプは最後の大規模空爆を考えてるとも言われてますわ。それが起きるかどうかはともかく、世界的な石油不足とそれによる石油価格上昇の影響が、世界中で主要産業を閉鎖に追い込むことはもはや明らかやで??化学品生産者、硫酸に依存する肥料・鉱業会社、アルミニウムやガラス生産者のようなエネルギー多消費産業、ナフサを必要とするプラスチックメーカー(もちろん家庭でも暖房・照明・輸送にエネルギーが要るしな)。これらの企業の生産連携は重要な箇所で途絶えて、生産を継続して利益を上げることができんくなるから、従業員を解雇して操業停止を余儀なくされるやろな。
ということはまた、これらの企業が債券保有者や銀行家への予定された債務サービス義務を果たせんようになることも意味するんや、それどころか自社株買いプログラムも止めなならん。それが恐慌で起きることやねんから。
その結果は価格デフレだけやなく、市場と消費者「需要」のデフレ、そして債務デフォルトの波になるやろな。それは担保やその他の財産を債務者から債権者への移転を脅かすが、その取り立て問題によって債権者自身もマイナスエクイティに陥る可能性があるで。だから私たちは2009年の状況に戻ることになるんやが、今回は過去17年間に積み上げた債務から「借金を借金で返す」ことで経済が這い出るための追加債務を積む機会が全くないままでな。
レナ・ペトロワ: 財務省は当初の予想より多く借り入れる必要があると発表し、ワシントンの財政状況が急速に悪化してるという懸念を強めましたわ。でも、巨大な赤字を抱えながら金利費用が上昇してる政府への融資リスクは、投資家がより高いリターンとより高い利回りを要求することを意味しますよね。拡大するアメリカの国家債務は借入コストを押し上げる上でどれほど重要なんですか?
マイケル・ハドソン: 政府が予算赤字を計上してるから債務を返済できへんという恐れは、私に言わせれば完全にたわごとやで。この誤謬は政府の貸借対照表が民間家庭の予算と同じように機能するという思い込みから来とるんや。
でも政府は民間家庭とは違う。あなたが個人として突然稼ぐより多くのお金を使わなならんとして、食料品店に行って食料品を買い、レジ係に「払う金がない。IOUを書いて渡したる、あなたはそのIOUを使って野菜の仕入れ先に払えばええ」と言えへんわけやろ?それは明らかにばかげてる。
でも政府は違う形で機能するんや、なぜなら政府は常に金を作り出せるから。政府が金を作り出せるというのは、中央銀行がそれをできるという意味やねん。連邦準備制度理事会は貸借対照表上で単純に電子マネーを作り出せる。政府は赤字を出して、連邦準備制度理事会が電子クレジットを提供し、そのプロセスで連邦準備制度理事会は発行されてる連邦債務の増加分をますます多く保有することになるんや。
事実上、政府は自分自身に金を借りてるんやな。民間市場から借り入れる必要は必ずしもない、なぜなら連邦準備制度理事会はコンピューターを動かすのに必要な電気代ほどのコストで基本的に金を作り出せるんやから。
だから公的財政が家庭の予算と全く同じように機能するという見せかけがあるわけや。そのアイデアは私が「たわごと経済学」と呼ぶもの、つまり多くの経済学者が学校で教わる思考の一部やねん。皮肉なことに、経済学者自身が主要な投資ファンドや株式市場ポートフォリオを運用してることは少ないんや。そういった役割は通常、ビジネススクールで訓練を受けた人々が担っていて、そこで借入レバレッジ、節税最小化、財産を事実上非課税にするような構造化の方法を学ぶんや。
2008年の金融危機に対する連邦準備制度理事会の対応はこのアプローチを反映してましたわ。連邦準備制度理事会は電子マネーを作り出すことで政府債務をファイナンスしただけやなく、銀行に0.1%近いという非常に低い金利で金を貸し付けながら同時に銀行が連邦準備制度理事会に預けた準備金に利子を払っとった??確か約2%やったと思うけどな。
それは銀行が1%未満で金を借りて、その金を連邦準備制度理事会の預金口座にそのまま置いといて、リスクゼロで利益を稼げるということを意味してたんや。本質的に無料の金やったわけや。この政策はオバマ政権の時代に実施されて、批評家は主要金融機関と選挙運動への献金者に億ドル単位の利益を得る楽な道を実質的に与えたと主張してますわ。
このロジックは、銀行に無料の金を渡して、自力で財政難を乗り越えさせて、危機に貢献した住宅ローン詐欺に関わった多くの人々を訴追しないようにする、ということやったみたいや。批評家はこれをオバマ政権の大きな失敗の一つとして見とるんや。
銀行や投資家に損失を吸収させるかわりに、政府はさらに多くの債務を経済全体に積み重ねることで株主と債券保有者の財産を保護し拡大したんや。より広範な経済はその過程で犠牲にされたんやな。
その結果が巨大な債券市場ブームやったけど、多くが「K字型経済」と表現するものにもなったんや。金融・不動産セクター??特に富裕層上位1?10%??は財産が急増するのを見た一方で、残りの人口はどんどん増える債務負担に締め付けられていったんや。
家計は住宅ローン債務、クレジットカード債務、学生ローン、自動車ローン、その他の義務のサービシングにますます多くの収入を充てなならんようになった。債務サービスが収入の増加分を消費するにつれて、消費者経済は弱まっていったんや。
その結果の一つとして、2025年、アメリカの消費支出の伸びのおよそ半分が富裕層上位10%からのものやったと報告されとる。高級品支出はブームやった??デザイナーバッグ、イタリアのファッションブランド、ボトックスや顔のリフトアップといった美容施術??その一方で食料品、交通、ガソリン、家庭用必需品といった基本的必需品への支出は低迷し続けたんや。
このK字型経済が生まれたのは、経済政策が金融・保険・不動産セクター??いわゆるFIREセクター??の財産増加を優先して、しばしば生産経済全体を犠牲にしてきたからやねん。
これがよく「産業エンジニアリング」やなく「金融エンジニアリング」と呼ばれるものやな。それは2008年以降の回復を概ね定義して、経済を債務で深く債務超過状態に陥れてきたんや。その結果、今や深刻な金融ストレスを引き起こすことなく金利がさらに上昇できる余地はほとんど残ってへん。
国際石油貿易の混乱が燃料を十分に確保できなくなった企業に生産削減を強いるなら、状況はさらに危険になるんや。
例えば農家は、その多くが天然ガスから作られる肥料の高騰したコストを払えんくなって、作付けを減らしてきてると報告されとるで。天然ガス価格はアメリカがロシアの供給に代わるLNGをヨーロッパとアジアに多く輸出するようになって急上昇しとるんや。
農家はまたトラクターや農機具の高い燃料費にも苦しんどる。新品トラクターの価格は多くのアメリカのメーカーが、特にヨーロッパを中心に海外に生産施設を移したため急上昇してしもてるんや。トラクターは鉄鋼とアルミニウムへの依存度が高くて、輸入金属への関税が生産コストを大幅に引き上げとる。
その結果、農家が新品設備のコストを避けようとするため中古トラクターの価格さえも急上昇してきとる。
批評家は、トランプ時代の関税が農業・産業・消費者の費用を引き上げながら同時に不釣り合いにアメリカ最富裕層に利益をもたらした減税を可能にすることで経済的緊張に大きく貢献したと主張してますわ。
この見方によれば、結果は以前よりもさらに堅く締まった金融の縄目に縛られた経済ということになるんや。
一方サプライチェーンの問題は製造業に広がってきとる。石油由来製品??プラスチックや工業用潤滑剤を含む??に依存する企業は不足と費用上昇に直面しとる。原材料が高くなるにつれて建設活動が鈍化するかもしれへん。輸送コストは上がり続けとる。企業は生産削減を余儀なくされるかもしれず、それが順番にレイオフと失業増加につながるんや。
失業が増えて生活費が上昇するにつれて、家計と企業はどちらも債務サービスにますます困難を覚えてくる。個人は住宅ローンやクレジットカードの支払いに苦労する。企業は収益が弱まる中でローンを払いながら苦闘する。不動産会社は暖房・電気・メンテナンスの急騰するコストに直面する。
その結果が広範な金融ストレスと経済収縮のリスクが高まることやねん。それにもかかわらず、株式市場は上がり続けとる。
レナ・ペトロワ: 債券市場について少し焦点を当てたいんですが、この数週間、焦点になってきましたよね。売り浴びせがあって、冒頭でも仰ったように債券利回りが上昇してます。今日の債券市場の状況は、1970年代のインフレ危機、1980年代初頭、あるいは2008年以降の金融システムといった過去の時期と実際にどう比較できますか?それらを比較して違いと類似点を指摘し、今回がどう違うかを挙げるとすれば、最も目立つのはどんなことですか?
マイケル・ハドソン: ええ質問やな。指摘したように、1970年代のインフレ危機はベトナム戦争といわゆる「大砲もバターも」経済によって引き起こされたんや。アメリカの海外軍事支出が国の国際収支赤字の事実上全体を占めてたんやな。それは多大な資本投資と雇用を吸収したため、雇用は高い水準を保ってたんや。
実際、ベトナム戦争の時代と1970年代はアメリカの労働者にとってある種の黄金時代やったんやな。その時期は労働者の賃金と生活水準が大幅に上昇した時代やったで。
そこでポール・ボルカーが実質的に「私は銀行家階級を代表する」と言ったわけや。銀行家の観点からすると、労働者は常に銀行家の敵として見られてきたんや。19世紀まで遡ってもそれより前の産業化初期でも、賃金が低ければ低いほど、より多くの利益が取り出されて配当と自社株買いで分配できるという信念があったんやな。
ロジックは単純明快やった。銀行セクターの支持基盤はより高い利益によって恩恵を受け、高い利益は銀行融資と金融投資への需要を生み出す。だから労働者は弱体化させなならんかったんや。
だから戦略は、労働運動を打ち砕いて組合化を弱体化させるのに十分な深刻な恐慌を作り出すことになったんや。雇用がなくなって失業が増えれば、労働者は就職に必死になって、より低い賃金でも働こうとするようになる。低い賃金が高い企業利益につながり、高い利益が金融システムと銀行セクターを支えるわけやな。
でも今日の状況は1970年代とは全く違うんやで。
ボルカーがかつて言ったような過度に高い雇用と賃金上昇に駆られた過熱経済なんてあらへん。代わりに失業増加、不完全雇用の拡大、停滞あるいは低下する実質賃金があるんや。今日、大きな賃金インフレなんかあらへん。むしろ反対に、労働者はますます金融的に追い詰められとる。
その圧力が多くの賃金労働者をクレジットカード債務により深く追い込んでいて、デフォルトする人数が増えとる。人々はまた膨大な学生ローン負担のもと、住宅ローン債務・自動車債務・その他の形の消費者債務と格闘しとる。多くのカテゴリーでデフォルト率が上昇してるんや。
だから今日の経済状況は1970年代の経済状況とは根本的に違うんやで。それにもかかわらず、メディアの多く、株式市場のコメンタリー、そして私が「たわごと経済学」と呼ぶものが促進するレトリックは大部分が同じままやねん。
多くの人が気づいてへんのは、今日の経済は1970年代よりずっと追い詰められてるということや。当時、政府はまだ「よし、軍事費を削って予算を均衡させ、赤字を減らして経済を再構築しよう」と言えたんやな。
でも今日はもちろん動ける余地がはるかに少ない。特にドナルド・トランプの下で大幅な減税がすでに広範囲に実施されていて、大きな政治的混乱なしにさらなる減税を実施することはどんどん難しくなっとる、というかもはや不可能に近いんや。
レナ・ペトロワ: 債券市場はワシントンに財政緊縮や大幅な歳出削減を強制することになりますかね?
マイケル・ハドソン: ワシントンは一般的に支出を削減することはないやろな。代わりに、西ドイツとヨーロッパの多くがやったことをするやろ。議論はこうなるんや、「私たちはイランとの戦争で膨大な軍事資源を使い果たした。すでに2?3兆ドルかかってる。アメリカ帝国を維持しながら同時に社会支出を続けることはできない」というもんやな。
だから「社会保障を削減せなならん、払えんから。社会支出を削減せなならん、払えんから。政府プログラムを大幅に削減せなならん」という話になるんや、イーロン・マスクが主張したように。
それは研究開発への助成金を削り、大学への支援を減らし、全面的に社会プログラムを切り捨てることを意味する。経済は非常に大きな打撃を受けるやろな。メッセージは本質的に「私たちは今軍事経済です。社会サービス経済であることは忘れてください」ということになるんや。
共和党と民主党の両方が同じ政策方向で収束するやろな。社会支出を削減し、公的資産を民営化して、軍事費とドナルド・トランプのもとで実施された減税によって積み上がった債務の支払いを含む金融セクターへの支払いに向けてリソースを振り向けるんや??その減税は議会での共和党と民主党両方の支持を受けたもんやで。
議論はこうなるんや、「郵便局を売却しよう。民営化しよう。政府所有の資産を売却しよう??公園、石油埋蔵量、天然資源、金を生み出せるものは何でも。支出を軍事と蓄積した債務の返済に向けよう」ということやな。
一般大衆への示唆は率直なもんになるやろ。「富裕層への税金はすでに削減された。だから残りの人口はその費用を生活水準の低下として吸収せなならん。多くの人が生活水準の10?20%低下を受け入れなならんかもしれへん。多くの人が破産するかもしれへん」というもんや。
根底にあるメッセージはこれらの政策のコストを最終的に誰かが払わなならんということで、この論理によれば、その負担は主にかつて中産階級と呼ばれてた人口の多数派に降りかかるということやねん。
レナ・ペトロワ: 「ただ飯はない」ということですよね?それがまさにその証明やわ。では株式市場に目を向けましょう。長期金利の上昇はアメリカの株式市場にどんな影響を与えますか?誤解が多いと思うので、基本的な概念を教えてもらって、金利上昇が実際にアメリカの株式市場、そして皆の401k投資口座その他すべてにどう影響するか解説してほしいんですわ。
マイケル・ハドソン: 今日の株式のほとんどは、主に年金ファンドや個人貯蓄口座を通じた労働者の貯蓄で購入されてるわけやない。借入金で購入されとるんや。株式の大部分は機関投資家によって購入されていて、これらの投資家は銀行から多額の借入をしとる。このダイナミクスは1980年代のジャンク債乗っ取り運動の際に特に明らかになったんや。
投資銀行??特にドレクセル・バーナム・ランバートのような企業??は比較的高い金利を提供して企業乗っ取りからの莫大な利益を約束することで債券保有者から資金を調達したんや。彼らのセールストークは本質的にこうやった、「企業乗っ取りで一儲けするから私たちの企業強奪事業に投資しよう」ってな。
それがジャンク債市場の本質やったんや。金融会社と企業強奪者が産業会社を買収して乗っ取り、そして生産コストを大幅に削減したんや。長期的な研究開発を削減し、設備投資を減らし、素早い金融的リターンの獲得に焦点を当てることで、経済の広大な部分を脱産業化したんやな。
利益を生産能力に再投資するかわりに、企業はますます利益を配当支払いと自社株買いに使うようになっていったんや。過去数十年にわたって、多くの産業企業の収益・キャッシュフロー・利益の90%超が生産的投資やなく配当と自社株買いに使われてきたんやな。
株式市場への投資の目的はますます単純に低金利で借りてより高い配当を払う株式を購入することだけやなくなって??それがプロセスの一部であり続けたとはいえ??会社全体を購入し、解体し、そこから金融価値を引き出すことになっていったんや。
病院を例にとってみてな。プライベートエクイティ会社が辛うじて収支が合ってる病院を買って、「どうやってここで金を稼ぐか?」と問うんや。
答えはしばしば病院の不動産と運営を分離することやねん。土地と建物が別の不動産会社に売却されて、病院はその後高い賃料でその物件を借り返すんや。突然、病院はかつて自分が所有していた物件のために膨大な賃料を支払う重荷を背負わされることになるんやで。
一方、民間投資家や企業強奪者は不動産売却の収益を使って自分たちに大きな配当と金融的リターンを支払うんや。
このプロセスは根本的に脱産業化をもたらすものやねん。株式市場はもはや生産的な資本投資と雇用のための資金を調達するメカニズムとして機能しとらんくなってきとる。代わりに、会社を乗っ取り、解体し、資産を剥ぎ取り、しばしば倒産した抜け殻を残すメカニズムになってしまってるんや。
これはシアーズやトイザらスのような企業でくり返し起きてきたことやな。プライベートエクイティ会社が批評家がしばしば「強奪作戦」と表現する積極的な金融エンジニアリング戦略を通じて買収したんやで。
このプロセスのより新しい言葉は「劣悪化」で、これは短期的な金融的搾取のために会社と機関を系統的に劣化させることを表すために英語に入ってきた言葉やな。
だから株式のほとんどは事実上借入金で購入されとるんや。年金ファンドはもちろんまだ関わってるけど、多くの年金ファンド自体がこの金融化プロセスを実行するプライベートな投資会社に金を貸してるんやな。
その意味で、産業セクターは徹底的に金融化されてしまってる。経済が産業資本主義から金融資本主義に移行したという主張はそういうことを意味してるんやで。
レナ・ペトロワ: 30年物国債の5%超という長期金利を経済はどれくらいの間持ちこたえられますか?上昇する金利は差し迫った経済恐慌への解決策になりますかね?
マイケル・ハドソン: 問わなならん大きな問いは、30年物国債5%超、10年物4.6%超、住宅ローン約7%という長期金利をアメリカ経済はどれくらいの間持ちこたえられるかやで。商業不動産とプライベートエクイティの多くのローンがまもなく借り換えを迎える時期になってきとる。これらの債務をいま差し迫った金利水準でどうやって再融資するんか?そして新規建設と不動産売買は、新規の借り手が住宅その他の物件の高い維持費を払えへんという制約を受けるやろな。
政府はいつものことをしようとするやろ??「実体」経済やなく金融セクターを救済するんや、実体経済はすでに債務の十字架に磔にされとるというのにな。でも政府は労働者の賃金と生活水準を守るためにも、産業の支払い能力を守るためにも動いてへん。中央銀行は金融セクターを救おうとするんや??つまり不動産・株式・債券の価格が債務レバレッジで釣り上げられて膨らんだ金融化された財産をな。でも連邦準備制度理事会はすでにトランプの急増する財政赤字をファイナンスするための国債を莫大に買い入れてきとる。有権者は政権が最富裕層の1%を優遇しながら経済の残りを苦しみに任せることにどう反応するやろか?
レナ・ペトロワ: 部屋の中の象について少し触れたいんです。これが本当に大きなテーマでとても複雑なものであることはわかってますが、プライベートエクイティバブルについて話しましょう。長期金利の上昇は借り換えの可能性・債務サービス・デフォルトのリスクに直接影響しますよね。
これについては先ほどの会話で少し触れましたが、プライベートエクイティ会社にとっての結果は特に何ですか?この時点でプライベートエクイティは数十兆ドル規模のバブルを代表しているようで、状況は非常に懸念されます。長期金利が上がり続ける中、大量の債務が返済期限を迎え始めるとどうなるか心配せずにはいられませんわ。
マイケル・ハドソン: プライベートエクイティ会社は投資家??主に年金ファンドとその他の機関投資家??から資金を集めて、企業強奪と「強奪作戦」戦略をファイナンスするんや。彼らのビジネスモデルはしばしば雇用を削減し、労働者を解雇し、退職者の補充を怠り、長期投資を減らし、会社の一部を売却してより高い配当を投資家に払うことで利益を生み出すことに基づいてるんやな。
でも今、エネルギー不足と広範な経済的弱体化によって経済がいくつかのセクターで鈍化あるいは縮小し始めてる中、これらの会社はもはやさらなる企業乗っ取りによって拡大を続けることができへんでいる。多くの場合、金融的な寄生虫はすでに宿主企業の収益と生産能力の多くを吸い尽くしてしもてるんや。
その結果、プライベートエクイティ会社は成長する問題に直面しとる??投資家への支払いをどう続けるかという問題やな。
多くの投資家は何が起きてるか気づき始めて、ブームは終わったかもしれへんと結論づけてきとる。彼らは事実上こう言いよるんや、「拡大局面は終わったようやな。持ち分を現金化したい。十分儲けた、ありがとう、でも今は投資を引き揚げたい」ってな。
でもプライベートエクイティ会社はどんどんこう答えるようになってきとる、「申し訳ないが、引き出しは凍結した」ってな。
理由はこうや。あまりにも多くの投資家が資金を引き出そうとすれば、会社は買収した会社や資産を売却せなならんことになる。でも多くの会社はすでに弱体化・解体・金融的に損傷を受けとるんや。中にはシアーズやトイザらスに起きたことのような、うつろな企業の抜け殻への道を歩まされてる会社もある。
これらの資産を現在の状況下で売却せなならんとすれば、会社は巨大な損失を被る可能性が高いんや。そしてそれらの損失が認識されれば、多くのプライベートエクイティ会社は純資産が深刻に損なわれあるいはマイナスになってしまったと認めざるを得なくなるやろな。
それが逆に、さらに多くの投資家や年金ファンドの間でパニックを引き起こし、出口への殺到を生み出して、一部の会社を破産に追い込む可能性があるんや。
その結果、投資家はどんどんこれらのプライベートエクイティ構造の中に閉じ込められた状態に陥っていくんやな。
この批判によれば、多くのプライベートエクイティ幹部は今や状況がさらに悪化する前にできるだけ多くの金を自分たちで搾り取ることに注力してる??特別配当・ボーナス・手数料を自分たちに支払いながら、下地となる企業を弱体化あるいは崩壊させるままにしてるんや。
この見方では、最終的な負け組はプライベートエクイティが実際には経済の脱産業化と「劣悪化」につながることが多かったのに、富を生み出す新しく革新的な方法を代表すると信じた投資家と年金ファンドということになるんやな。
レナ・ペトロワ: 米・イラン戦争の再開が差し迫っているように見える今、石油危機を前にしたアメリカと外国の経済の見通しはどうですか?
マイケル・ハドソン: 大規模な債務デフォルトが起きるやろな。そして債務デフォルトが起きると、財産が債務者から債権者へ移転するんや。
住宅所有者は住宅ローン銀行家に家を失うやろ。企業は銀行・債券保有者・その他の債権者に事業の支配権を奪われるやろな。その結果、財産の集中がさらに進むことになるんや。
金融クラッシュはしばしば、まだ資金と信用にアクセスできる社会の最も豊かなセクターにとっての金の鉱山になることがあるんや。
アメリカは1997?98年のアジア通貨危機に似たものを経験するかもしれへん。多くのアジア経済が深刻な金融的圧力にさらされ、通貨が崩壊した時のことやな。マレーシアは無制限の自由市場政策を受け入れるかわりに資本規制を課したため数少ない例外の一つで、そうすることで危機の最悪の影響の一部から自国を守ることができたんやな。
韓国・日本・シンガポールを含む他の国々は深刻な金融的苦境を経験し、外国投資家が大幅に値下がりした価格で会社や資産を買い漁りよったんや。
この議論によれば、それがどんどんアメリカが似てきつつある状況やねん??ただし外国投資家だけやなく、主にアメリカの富裕層1%と、まだ大量の信用にアクセスできる銀行・金融セクターが、以前は広範な非金融経済が保有してた財産をますます多く取得していくことになるんや。
レナ・ペトロワ: ハドソン教授、今日はこんなに惜しみなく時間を割いてくださって、本当にありがとうございます。お越しいただけて光栄ですわ。また新しいエピソードに来てくれることを願ってます。
マイケル・ハドソン: ありがとう。このテーマについて話すには良い時期ですわ。
---
## (インタビューでは使用されなかった追記部分)
今日の金融市場は、連邦準備制度理事会がその通常のひざまず反射反応??消費者物価の上昇に対して金利を引き上げること??に従うと予想してるようやな。上述の通り、これは経済を鈍化させて「失業予備軍」を作り出し、経済的苦境を引き起こすことで賃金を抑制することが目的やとされとる。でもアメリカ経済はブーム状態にも繁栄してもあらへん。差し迫る石油・エネルギー危機の結果、すでに苦境にあるんや。企業が生産を縮小することに加えて、商業不動産と住宅所有者は住宅ローンの返済期限を迎えつつある。金利上昇はこれらの住宅ローンとその他の債務の借り換えコストを、低下する収入から債務者が返済できる能力を超えたものにしてしまうやろな。
その結果、財産が債務者から債権者への大規模な移転という脅威をもたらすんや。こうしてアメリカと西ヨーロッパは1997?98年の通貨危機でアジア諸国が経験したことに似た状況に陥るかもしれへん。それはハゲタカファンドが不動産や企業を窮迫価格で買い叩くための大当たりになるんや。
経済規模で支払いができなくなった経済に対する債務サービスの停止という「バビロニア的」解決策を誰も提案してへん。西洋の債権者重視の法体系は、担保となった財産の所有権移転や債務者が売却を強いられた財産を銀行や債券保有者が引き継ぐことを求めとるんや。
この担保の多くが経済全体の他の企業への請求権で構成されてるため、危機は社会・政治システム全体を飲み込むことになるんや。これが2008?09年に脅かされたことやったな、その時はジャンク住宅ローンと銀行詐欺危機が不動産価格の崩壊をもたらしたんやで。でも債務レバレッジで新たな信用を供給することによって富を増やすという経済のネズミ講は限界に達してしまったんや。
私たちは今、1945年以来の長い上昇局面が自己修正的な景気循環の連続のように見えてきたのが、実は自動的な自己修正的市場力が存在しない失敗した金融資本主義の迂回路やったと見て取れるんやな。解決策は市場システムの外から来なならんのや。それは学術経済学も自由市場(サッチャー・レーガン式の規制のない民営化された経済を意味する)のPR的イデオロギーも認識してへんことやねん。未来には考えられへんことを考えることが必要になるやろな。それは返済できひん債務は返済されんという認識を必要とするんや。
もし私たちが理想的な世界に生きてたなら、西側はそのような問題にどう反応すべきやろか?
収穫の中断による経済危機を軽減するための太古からの解決策がある、そして今日の世界のエネルギー貿易の中断にも適用可能なものやで。でもその解決策は西洋文明が増大する債務に対処する方法の一部にはなってへんのやな。
ハンムラビ王の法典、紀元前約1750年は、メソポタミアやその他の西アジア文明が紀元前3?1千年紀を通じてこのような生産の中断に対処した方法を典型的に示しとる、何千年もの間経済秩序を回復してきた方法やな。ハンムラビは、嵐の神アダドが洪水や旱魃による作物の不作を引き起こした場合、農作業年中に積み上げた債務と収穫時に公の脱穀場で返済予定だった債務は取り消されると定めたんや。(こうした債務の多くは王宮とその官僚機構に対するものやったから、これは怒れる債権者による革命を引き起こすことはなかった。商人間の商業上の債務はそのまま維持された??中断された農業人口による穀物債務だけが取り消されたんやな。)
これらの個人債務が取り消されへんかったら、バビロニアの農業人口は債権者への債務奴隷に服することになり、新興の債権者寡頭政治になってしまう存在に土地権を失うことになってたやろな。私はこれをすべて「……そして彼らの債務を赦してください」と『企業の神殿』の中で詳述してますわ。
自然災害に直面したこうした支配者による債務取り消しが、西アジアの経済が債権者寡頭政治の台頭を避けられた理由やったんや。でも西洋社会はそのような中央の支配者を持ったことがなかった??「神性王権」であれ、そのような寡頭政治が政府を掌握して広範な公の不満を引き起こすのを防ぐための儒教的な皇帝であれな。私が『古代の崩壊』で西洋文明のこの失敗を描写したように、西洋の統治はすべて寡頭政治によるもので(アリストテレスが指摘したように)、それらは不変的に金愛好と富への依存心に屈して、経済をローマの崩壊のような経済崩壊につながる債権者と債務者、地主と借地人の間の二極化に追い込んでいくんやな。


0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム