ラリー・C・ジョンソンのSONAR21:中国は米国よりもええ選択肢を持っとる
世界金融・経済危機に直面して、中国は米国よりもええ選択肢を持っとる
2026年5月12日 ラリー・C・ジョンソン
この記事はいつもより長なっとるけど、めっちゃ重要な問題やねん。ドナルド・トランプと習近平の会談は、ホルムズ海峡の封鎖によって引き起こされた前例のない経済的混乱のさなかに行われとる。最近の記事でも言うてきたけど、石油・液化天然ガス・硫黄・ヘリウム・尿素のサプライチェーン寸断は、近代史上かつてなかった世界規模の出来事やねん。
西側の経済学者の多くは、米国の方が債務対GDP比がずっと悪いにもかかわらず、中国経済の方が米国より問題があると主張しとる。米国政府の公式データと中国国家外?管理局のデータによると、米国の債務対GDP比は中国を大幅に上回っとる。2025年末時点で、米国は122.6%、中国は**11.9%**やねん。
ただし、この2つの数字は全然ちゃうものを測っとるって理解せなあかん。国全体の債務と、一企業の対外債務を比べるようなもんや。以下に詳しく説明するわ。
西側アナリストが米国有利と言う根拠
債務の「質」と生産性の方が、数字の大きさより大事やという主張
西側の核心的な議論は、債務の規模だけやのうて、「何に使うたか」の話や。不動産・インフラ・国有企業への中国の債務漬け投資は、ゴーストタウン・空っぽの高速道路・鉄鋼やアルミの過剰生産といった収益逓減を生み出してもうたって指摘しとる。一方、米国の債務は消費・国防・移転支出に充てられ、資本配分がより効率的な市場主導の経済やと言うわけや。
不動産危機は構造的でめちゃくちゃ深刻
関連産業を含めると一時はGDPの25?30%を占めとった不動産セクターは、2021年の恒大集団崩壊以降ずっと低迷しとる。景気循環的な後退やなく、家計の主要資産の根本的な価格崩壊で、底がどこかもまだ見えてへん。米国にはこれだけ大規模な構造的重荷は今んとこないで。
デフレ vs. インフレのダイナミクス
中国はデフレと戦っとる。2024?2025年にかけて消費者物価はマイナスかゼロ近辺やった。これは借金を抱えた経済にとって特に危険で、新たな借り入れなしに実質的な債務負担が増えてしまうねん。米国はインフレがあったとはいえ、名目GDPが債務より速く伸びてきたから、機械的に債務対GDP比が改善されてきた。
人口動態は中国の方がドラマチックに悪い
一人っ子政策の結果として、中国は史上最も深刻な人口収縮のひとつに直面しとる。生産年齢人口はすでに減り始めとって、老年扶養比率は2050年までに約3倍になる見込みや。働き手が減れば成長も鈍化するし、社会支出は増えるし、税基盤も縮む。米国は移民のおかげで人口見通しはかなりマシや。
基軸通貨特権
これが恐らく一番重要な違いや。米ドルは世界の基軸通貨やから、米国は自国通貨建てで比較的低金利で、ほぼ無制限の世界中の債権者から借り入れできる。いざとなれば「ドルを刷る」こともできる。中国にはそれができへん。人民元は自由に両替できる通貨やないし、世界の基軸通貨でもないから、中国の債務ダイナミクスはより制約が多い。
透明性とデータの信頼性
西側のアナリストの多くは中国の公式統計を信用してへん。GDP数字・地方政府の債務水準・銀行の不良債権比率は全部疑いの目で見られとって、実際はもっと悪いと想定されとる。米国のデータは独立した統計機関が出しとるから、基本的にそのまま受け取られとる。
別の見方:これ、西洋のバイアスちゃうか?
上記の議論は表面上は妥当に見えるけど、実は傲慢さと無知から生まれた西洋バイアスを反映しとると思うねん。主なバイアスをここで挙げるわ。
ドル中心の思考の枠組み
西側の金融分析の多くは、ドル覇権を世界の永続的な特徴として前提にしとる機関、つまりウォール街の銀行・ワシントンのシンクタンク・欧州の大学が作り出しとる。その覇権に疑問を呈する分析は、組織的に居心地が悪いわけや。
アナリスト業界の確証バイアス
西側のアナリストは約15年間、近い将来に中国経済が崩壊するって予測し続けてきたけど、それはまだ来てへん。公言してもうた以上、枠組みを修正するよりも同じ予測を言い続けるプレッシャーがあるねん。
政治的な都合
米中地政学的対立が激しくなって、今は湾岸でも実際の紛争が起きとる中で、中国経済を脆弱に描くことには明らかな政治的利益がある。政府契約を持つ機関で働いとったり、政策立案者へのアクセスを求めるアナリストには、主流の政治的物語に沿うインセンティブが無意識のうちにあるねん。
米国の債務問題は議論しにくい
2024年度、米国の国債利払いはメディケアと国防費の両方を超えた。これは、他の国なら財政持続可能性についての真剣な議論を促すマイルストーンや。米国自身の構造的問題に比べてでも、中国の問題ばかりに分析の目を向ける傾向は、動機づけられた推論の一形態やと思う。
両経済の構造問題
両経済とも深刻な構造問題を抱えとる。中国のはより近い将来に深刻や。不動産危機・デフレ・人口動態の崩壊は本物で深刻やねん。
一方、米国の問題はより長期的に危険や。大幅な増税・大幅な歳出削減・インフレによる金融抑圧なしには数学的に持続不可能な債務の軌跡がある。決定的な変数は基軸通貨特権や。米国はその特権を維持できるんか?わしは「できへん」と言いたい。
ドル侵食は本物か?
複数の独立した指標にまたがる実質的で増加しつつある証拠によると、ドルの侵食は本物で測定可能、そして加速しとる。ただし、そのペースと最終的な行き先は本当に議論の余地がある。
外貨準備に占めるドルのシェア
2025年第3四半期に1995年以来初めて57%を下回り、56.9%まで下落。2001年のピーク時の72%からの構造的な低下や。IMFの補足によると、為替レート効果で調整したら能動的なドル分散はやや小さいけど、長期的な低下は本物やねん。ドルのシェアは31年ぶりの低水準まで落ちてもうた。
ドルの為替レート
主要通貨に対するドルの指数(DXY)は2025年前半に10%超下落し、1973年以来最大の落ち込みになった。ユーロに対して7.9%、スイスフランに対して11%超下落。2026年1月にはさらに1.2%下落した。
この急激で急速な下落は、ドルほど広く取引される通貨としては異常や。通常なら膨大な取引量で急落は平準化されるはずやのに、それが起きてもうた。これは米国が基軸通貨ステータスを失いつつあるかどうかについての真剣な議論を呼んどる。
米国債の外国保有
外国勢の米国債保有シェアは、世界金融危機時の50%超から現在の約30%に低下した。中国は2013年の1兆3,000億ドルから2025年11月時点の6,820億ドルまで保有を削減した。ただし外国全体の保有額は絶対額では増加を続けており、2025年11月に過去最高の9兆3,500億ドルに達した。シェアの低下は逃避よりも急速な国債発行によるもんや。
金のシグナル
世界の外貨準備に占める金のシェアは2017年の13%から2025年には約30%に上昇。BRICS+諸国は世界の金準備の17.4%を保有するようになった(2019年は11.2%)。2025年第4四半期だけで中央銀行の金純購入量は230トンに急増し、年間合計は863トンに。金保有増加は特に中国・ロシア・トルコで顕著で、この3国はドル依存を減らす戦略的動機が最も強い。
ペトロダラー:最も重大なひび割れ
1970年代以降のドル覇権の礎石やったペトロダラーシステムにひびが入り始めとる。BRICS諸国の圏内貿易のうち約67%が現在は現地通貨で決済されとる(10年前は20%以下)。現在の湾岸紛争によってこれは急加速しており、イランの石油は人民元で売られ、海峡の通行料は人民元で決済され、湾岸安全保障協定(PGSA)の決済インフラはドルシステムの完全外側で機能しとる。
安全資産としての問題
2026年1月のCEPRペーパーは、ドルがもはやすべてのリスクオフイベントで信頼できる安全資産として機能せえへんと主張した。これはドル覇権の根本的な前提で、もし永続的に損なわれたなら準備需要に深刻な影響がある。ただし、オーストラリア準備銀行はイラン攻撃後にドルが上昇したことを指摘しており、安全資産機能は完全には失われてへんとも言える。
中国の代替インフラ
中国の国際銀行間決済システム(CIPS)は2026年3月時点で月間75万540件・約2,700億ドル相当の取引を記録し、117ヵ国の194の直接参加者と1,597の間接参加者を繋いどる。2025年の年間取引量は180兆元(25兆ドル)に達し、前年比43%増を記録した。これは平行した金融システムのインフラが今まさにリアルタイムで構築されとる証拠やで。
米国の「デス・ループ」リスク
アナリストが問うべき問いは、現在のサプライチェーン寸断がグローバルなスタグフレーションではなくグローバルな恐慌を引き起こしたとき(もし、やなく「いつ」)に何が起きるか、やねん。
米国の主要な脆弱性は債務の規模(39兆ドル、GDP比約125%)やなく、その資金調達モデルや。米国は債務をロールオーバーするために世界の投資家の絶え間ない善意に頼っとる。深刻な景気後退はこの信頼を直接試すことになる。
景気後退が来たら、米政府は財政の崖に直面する。
景気刺激策が必要: 数兆ドル規模の追加刺激パッケージが必要になるやろう
自動安定装置の急増: 失業給付・食料支援・医療費が激増する
税収崩壊: 法人税・個人所得税収が急減する
この突然の借入需要の爆発は最悪のタイミングで来ることになる。元財務長官ポールソンやFRBのパウエル議長が警告してきた「デス・ループ」はこうや。
引き金: 景気後退で財政赤字が現在の予測をはるかに超えて膨らむ
信頼喪失: 世界の投資家が米国の財政管理能力に疑問を持ち、新規国債を買うのに大幅に高い金利(利回り)を要求し始める
債務スパイラル: 高金利が政府の借入コストを劇的に増加させ、赤字に数千億ドルを加え、さらなる国債発行を強いる
「ミンスキー・モーメント」: この自己強化サイクルが国債価格の突然の崩壊を引き起こし、金融危機・通貨危機につながりかねず、ドルの安全資産ステータスを損なう可能性がある
中国の脆弱性は真逆
中国の脆弱性は米国の真逆やねん。債務の大部分が国内保有・国内管理やから、外国人投資家の信頼の突然の喪失に対して脆弱性が低い。リスクは構造的なもんや。中国経済は今や、ほんのわずかな成長を生み出すのに膨大な債務を必要とするようになってもうた。
研究データによると、2000年には中国はGDP成長1元を生み出すのに新規債務約13?16元が必要やった。2025年には同じ1元の成長に60?75元の債務が必要になっとる。この崩壊する「債務生産性」が主要な危険やねん。
一帯一路という中国の切り札
一帯一路構想(BRI)はもはや単なる対外インフラプログラムやない。中国の国内経済戦略の中核的な柱に進化しとる。西側アナリストの予測とは逆に、BRIは2025年に記録的な復活を遂げ、総プロジェクト価値は2,136億ドルという驚異的な水準に達した。産業の過剰生産能力の吸収・必須資源の確保・新輸出市場の創出という3つの主要な形で、中国経済にとって重要な安全弁および戦略エンジンとして機能しとる。
国内過剰生産能力の安全弁として
中国は深刻な国内課題を抱えとる。特にグリーン・ハイテク分野で、国内人口と低迷経済が消費できる以上に製造してもうとるねん。BRIはこの過剰生産のはけ口になっとる。
ハイテク・グリーンエネルギーの急増: 2025年に中国のEV・リチウム電池・太陽光パネルの輸出は27.1%増加し、風力タービン輸出は48.7%も急増した。この生産の多くがBRIパートナー国に向かっとる。
海外に工場を建てる: 米国の高関税などの貿易障壁をかわすため、北京はBRIを使って製造能力を移転させとる。2025年だけでBRIのテクノロジー・製造分野プロジェクトは記録的な287億ドルに達し、東南アジアなどの中間国でのEVバッテリー工場・半導体施設に集中しとる。
西側から市場を多様化
貿易摩擦で米国市場がアクセスしにくくなる中、BRIは新規顧客開拓に貢献しとる。
BRIが貿易を支配: BRIパートナー国との貿易が中国の総対外貿易の半分以上(51.9%)を初めて占めるようになった。
アフリカへのピボット: 最も劇的な変化はアフリカへの転換や。2025年、中国のアフリカへの輸出は約18%増加し、中国の輸出成長のトップ仕向け地になった。アフリカのBRIプロジェクト価値は283%急増し、612億ドルに達した。
サプライチェーンと重要資源の確保
BRIは商品を売るだけやなく、産業維持に必要なものを確保するためにも使われとる。
重要鉱物: 採掘・資源処理への大規模投資が進んどる。2025年のBRI鉱業・金属セクター投資はカザフスタンなど資源国での大型プロジェクトを含め約326億ドルに達した。
エネルギー転換: 中国は海外での新規石炭発電所建設を停止すると約束しつつも、2025年のBRIでは太陽光・風力に183億ドルという記録的なグリーンエネルギー投資を行い、エネルギー需要充足のための石油・ガスへの投資も継続しとる。
結論
米中経済の競争は、今週の北京での会議の背景やねん。ペルシャ湾からのサプライチェーン寸断が続くなら、米国の経済・金融システムの脆弱性が最も高い。
ドナルド・トランプはそれを理解しとるんやろか?


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