マイケル・ハドソン:2025年10月1日 政策の連鎖的な失敗が帝国を崩壊させる
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政策の連鎖的な失敗が帝国を崩壊させる
2025年10月1日 水曜日 マイケル・ハドソン
ニマ・アルホシド: 皆さん、こんにちは。今日は2025年9月18日木曜日で、マイケル・ハドソンはんとリチャード・ウォルフはんが戻ってきてくれはりました。お帰りなさい。
リチャード・ウォルフ: 来られて嬉しいどす。
ニマ・アルホシド: マイケルはん、わてのスコット・リッターはんとの国防予算についての対談を見てくれはったっちゅう話ですが、あんさんの意見はどこにありますか?
マイケル・ハドソン: ええ、彼はわてが50年前から言い続けてるポイントに気づいてくれはった。それは、アメリカの軍事費が他国と比べて国際収支に与える影響がめちゃくちゃ違うっちゅうことどす。
1950年に朝鮮戦争が始まって以来、50年代、60年代、70年代を通して、アメリカの国際収支の赤字は全部、海外での軍事費やったんや。民間部門の貿易と投資は、この長年ずっと、きっちり均衡しとる。わてはこれらの統計をアーサー・アンダーセンのために、そして後に『超帝国主義(Super Imperialism)』っちゅう本で全部発表したんや。
本が出た途端、ハーマン・カーンがハドソン研究所にわてを雇って、「この本の最大の購入者は国務省と軍、CIAと軍どす」っちゅうて言うてきたんや。そやから、軍はすぐにハドソン研究所に契約を出して、金本位制から離脱したことで、アメリカがどうやって、海外での軍事費という国際収支の赤字を賄えるようになったか説明しろ、っちゅうてきた。それは、ドルを世界経済に流し込んで、そのドルが外国の中央銀行に行き着いて、またアメリカに戻ってくるっちゅう仕組みや。
ドルの覇権と軍事費の根幹
これはつまり、アメリカのこの50年間の軍事費の全てが、他国が金や自国通貨やのうて、ドルを準備通貨として使うっちゅうドル化システムに依存しとる、っちゅうことどす。
っちゅうことは、他国がドルから離れていくと、アメリカは海外にある800もの軍事基地や軍事費を賄うための方法がおまへんようになる。
ロシアにはこの問題がないんや。アメリカ軍の将軍たちは国際収支なんか勉強せえへん。彼らの多くは、粗末なマネタリストのシカゴ学派のネオリベラルな金銭観を持っとって、金っちゅうもんが負債やっちゅうことを理解しとらん。特に、外貨準備っちゅうんは、アメリカの国債やのうて、アメリカの軍事費をマネタイズしたもんに過ぎへん。
スコットはんが指摘したように、ロシアにはこの問題がない。中国にもこの問題がない。なぜなら、彼らは外国に帝国を築こうとしとらんからや。彼らは他国に軍事基地を置いて、そこで軍事作戦を実行するために、自国通貨を使って現地通貨を買うっちゅうような制約がないんや。
せやから、アメリカは「わてらはロシアと中国と軍事的に戦っとるだけやのうて、金融的にも戦っとるんや」っちゅうて言うとる。BRICS(中国、ロシア、イラン、その他の国々)にドルを使わへんっちゅう別の選択肢を持たせとうないんや。そうせんと、わてらが海外で軍事作戦のために使うドルが、アメリカに戻ってくるようにリサイクルされへんようになるからな。
トランプはんの「保護料の強要」戦略
せやから、トランプはんはインド、日本、韓国、そしてヨーロッパに対して、「お前らが持っとるドルを全部アメリカにリサイクルすると約束しろ」っちゅうて脅しをかけているんや。
なんでこんなことすんのや?ただ単に関税をかけて財務省の金を増やして、金持ちへの減税をさらに進めるためだけやない。ドルの価値が下がらへんように、大量の資金流入を確保するためや。トランプはんの「ドルを少しずつ、ゆっくり切り下げて、アメリカの輸出を競争力あるもんにしたい」っちゅう希望とは裏腹に、や。
ドルをめぐる争いは、ホンマのところ、アメリカに輸出できるほどの産業がもうあんまりないから、アメリカの輸出の競争力のためやない。軍事的な性格が主である国際収支の問題なんや。貿易赤字でも投資赤字でもない。
政府は昔はそれを理解しとった。せやけど、トランプはんと彼のチームは、一種の「保護料の強要」みたいにしか考えとらへん。
「お前、日本、3500億ドルをアメリカに投資すると約束して金を送れ。お前、韓国もまた3500億ドル送れ。さもなきゃ、関税を上げて、お前らをアメリカ市場から締め出すぞ。」
アメリカの戦略——これは軍事戦略でもあり経済戦略でもあるんやけど——は、他国がアメリカ市場を必要としとる、そしてドルを支持するしか選択肢がない、ドルを支持することでアメリカが戦争をして海外で軍事作戦を続ける能力を支持しとる、っちゅうて妄想しとるんや。
彼らはこのことの全てを理解しとらん。そして、この「保護料の強要」は、結局はやりすぎたんや。
韓国の反撃とアジアの選択
先週、韓国は「待てコラ」っちゅうて言うた。「お前らは日本に3500億ドル払えと言うたけど、わてらは日本やない。わてらはもっと小さい。それに、わてらの自動車輸出をアメリカ市場からブロックしとるやろ。わてらはそんなん払われへん。」
すると、ハワード・ラトニック商務長官は「韓国はこの取引を受け入れるか、関税を払うかや。白黒はっきりしとる。関税を払うか、取引を受け入れるかどす」っちゅうて言うたんや。
で、昨日、韓国の外相は中国に行った。新聞には何話したか、一言も載っとらへん。せやけど、想像できるやろ。
韓国は、トランプはんが「わてらの海外での軍事費と財政赤字を賄うためにお前の金が必要や。市場は閉めるぞ」っちゅうて言い張るっちゅうことを理解しとる。
そして韓国は、ヒュンダイやサムスンといった全ての産業のために「もしアメリカ市場がなくなったらどうなる?プランBはあるんか?」っちゅうて言い始めている。わてが思うに、彼らは中国と話をしとるんや。
「もしわてらがアメリカ市場から撤退したら、ジョージアの工場からも撤退する。韓国国内ではそんな反発があるさかい、もう余裕がおまへん。もし撤退したら、わてらの産業能力をあんさんの新しい中国の繁栄圏と提携して活かせるような方法を考えてくれへんか?」
「ついでに、もしわてらがそうしたら、アメリカに『軍事基地から出て行け』っちゅうた時に、あんさんはわてらを支援してくれはるか?」
アメリカは「お前らを1951年に負かした敗戦国みたいに扱うぞ。朝鮮戦争はホンマには終わっとらへんのや。お前らに選択肢はない」っちゅうて高圧的や。
もし韓国、日本、インドの全部が「この条件でアメリカ市場にアクセスするんはもう無理や。この3500億ドルを自国の産業に補助金として使こて、雇用を守り、アメリカやヨーロッパとの貿易からアジアの新しいパートナーとの貿易に方向転換する радикаな変化を乗り越えるために使こた方がええんちゃうか」っちゅう選択をしたらどうなるか?
全てがこの商業的な国際収支の考慮にかかっとる。これこそが根本的な軍事的な考慮なんや。そして、これがホンマにアメリカを怖がらせていることどす。
1971年にアメリカを金本位制から離脱させたんはベトナム戦争やった。ベトナムでの支出が大量のドルを海外に使こうて、フランスのド・ゴール将軍やドイツがドルを金に換金しよったさかい、金備蓄が底をつきかけた。アメリカはついに流出を止めた。
せやけど、今は他国が「わてらは、あんたらの軍事費をマネタイズして、わてらを軍事基地で囲むだけのドルは受け入れへん」っちゅうて、アメリカがこの流出の問題を解決するのを防いでいるんや。「あんたらの新しい冷戦を資金援助しとる金融の血流を止めるぞ」っちゅうわけや。
これはミサイルや軍艦への投資を超えた話どす。他国は他の国に侵攻して戦争をするつもりやおまへん。そして、アメリカは、ウクライナでさえも、兵隊を送り込まへんと支配はでけへん。歩兵の侵攻のコストは、ミサイルを送る国内のコストとはまるで違うんや。中国、ロシア、イランには、他国に軍隊を送り込むための意図も能力もおまへん。彼らは基本的にミサイルを持ってるだけや。そして、これこそがこれからの数年間の戦争の全てになるやろう。
リチャード・ウォルフ:「アメリカは帝国を賄えへん」
ニマ・アルホシド: ええ、続けてください、リチャードはん。
リチャード・ウォルフ: ほな、別の言い方をするわ。アメリカは帝国を賄(まかな)えへんっちゅうことどす。問題は、それがでけへんっちゅうことや。
第二次世界大戦後の初期の数十年間は、(マイケルはん、間違っとったら訂正してな)、アメリカが輸出黒字を出して、それで世界中にある700か800の基地を賄うための資本と金を生み出しとった。せやから、世界中がアメリカからの輸出に依存しとって、その代金を払う。その金が、また軍事的に彼らを従属させて、このゲームを続けるために使われとったわけや。
1970年代までには、このゲームは終わった。なぜなら、ドイツも日本もヨーロッパも、戦争から復興したからや。わてらが知っとった通り、1945年から1975年の30年間で、アメリカは輸出国としての世界経済における卓越した地位を失うた。
そやから、軍事的な冒険を輸出黒字で賄えへんようになったんやから、やめるしかなかった。せやけど、マイケルはんが見事に説明したように、別の道を見つけるしかなかった。それが、ドル化や。全ての石油契約をドル建てにして、ソ連の脅威を煽り立てる(ヨーロッパ人は他の政治を知らんから、今もそれをコピーしとる)。
これで、赤字プログラムを作り出すことが可能になったんや。アメリカは純輸入国になり、自国の生産を国外に移して、輸出はもう必要ない、国内で生産しても儲からへんからもう賄えへん。そして、労働者は機械と自動化で、または仕事そのものを輸出することで置き換えられた。
ほんで、最終的な結果が、マイケルはんが今話したストーリーどす。グローバルな軍事的な冒険は続けられたけど、それは世界に外貨準備を持たせるっちゅう必要性を押し付けることで賄われとる。通貨間の協定がなくなっても、ドルを持たざるを得んようにしたんや。
ブレトン・ウッズ体制から出てきたもんがこれやけど、1971年にニクソンはんが金本位制から離脱させた時に終わった。
せやけど、わてらが十分やってへんことを話させてくれ。この全てには限界がある。輸出がない今、そしてアメリカの輸入能力が毎日縮小しとる今、どうやって維持するんや?わてらの国民の大多数が貧しすぎるからや。今週出た統計では、所得分布のトップ10%が、わてらの社会の消費需要の50%を占めとる。っちゅうことは、裏を返せば、下の90%は貧乏で、何も買えへんっちゅうことやろ?
輸入に依存しとる現状を考えたら、未来へのええ土台やない。わてらは、昔みたいな赤字を出し続けられへん。今のわての見立てはそうどす。ほな、マイケルはんが話したストーリーを何が維持するんや?あの基地の代金をどうやって払うんや?輸出がないし、昔みたいな赤字も出せへん。それに、BRICSが重要になる前から、世界中がドルを蓄積したいっちゅう意欲は薄れとった。準備通貨としてのドルの地位の低下は、少なくとも30年前から始まっとる。中国はかつて1.2兆ドル持っとったのに、今は7500億ドルや。大きな数字やけど、大きな減少や。
せやから、わては「いつまでこれを続けられるんやろか?」っちゅうて疑問に思い始めた。そして、アメリカの軍事費がケインズ的な、総需要の維持にどれだけ使われとるか考え合わせると、軍事費を賄えへんけど、軍隊なしではやっていかれへんっちゅうジレンマが見えてくる。
せやから、トランプはんは「終わりのない戦争を止める」と約束して大統領になったのに、戦争を止められへん。それどころか、戦争を増やすのを避けられへんかった。イランを攻撃したし、今はベネズエラを挑発しとる。ベンヤミン・ネタニヤフに白紙委任状を与えとるんも尋常やない。
わてらは「なんで政府はこんな尋常やないことをするんやろ?」っちゅうて疑問に思う。そして、マイケルはんのストーリーはその答えの端緒を与えてくれる。マクロ管理だけやのうて、国際収支だけでもない。軍の管理——予算と活動——がめちゃくちゃになって、ウクライナでロシアに勝てへん。これは誰の目にも明らかどす。
「なんで手放さへんのや?」っちゅうのが問題や。ベトナムの時でさえ、「わてらは負けた」っちゅうて理解して、アメリカは撤退した。共産党が政権を握って、それ以来ずっと政権におる。あれは50年前や。
その後、アフガニスタンで負けて撤退した。バイデンはんは、前の大統領がようやらんかったことをやった。「これは希望がない」っちゅうて言うたんや。
「なんでアメリカ軍はいつも戦争に負け続けるんか?」っちゅう質問が公然とできるようになったんや。世界中が経済的にアメリカを心配しとるんやったら、軍事的にも心配しとったんやけど、その危険は遠のきつつある。アメリカ国内の絶望感、毎日わてらが襲われとるようなファシズム的な傾向は、このシステムを運営しとる人々が直面しとる、全ての行き詰まりの反映なんや。
マイケル・ハドソン:金融覇権の「礎石」崩壊
マイケル・ハドソン: リチャードはん、あんさんが今言うたそのダイナミクスを繋げるための共通の分母があるんや。それが石油と、石油への海外投資どす。
朝鮮戦争が勃発した1945年から1950年にかけて、アメリカに金が流入した理由の多くは、単にアメリカの輸出だけやのうて、世界の石油を支配しとったアメリカの石油産業による石油の販売やったんや。ここ100年、アメリカの金と国際収支、軍事的な威圧の支配の礎石は石油やった。食糧と農業もそうや。
なぜなら、石油を独占する能力があれば、他国の産業の潜在力を断ち切ることができるからや。ロシアの石油とガスをドイツやヨーロッパから奪った結果、ドイツやヨーロッパの産業の潜在力が終わってしまったのと同じや。
これで、最近あんさんが見とるいくつかのことが説明できる。アメリカはロシアの石油を海外で買わせへんようにあらゆることを続けているだけやのうて、イランの石油に対しても制裁を全部締め付けた。イランが1953年に転覆させられた大きな理由は、石油を国有化しようとしたからや。アメリカとイギリスが一緒になって、石油のてこを失うと感じたんや。
ベネズエラ、食糧、そして不可逆的な転換
さて、今に早送りするで。毎晩のニュースがベネズエラから始まっとるやろ。なんでベネズエラや?麻薬がホンマの理由やない。イスラエルがパレスチナ人は全部ハマスやと主張するのと同じで、アメリカはベネズエラ人は全部麻薬の売人やと主張しとる。漁船を爆破したり、麻薬取引とは関係なさそうな船を爆破したりするニュースが毎日トップで報じられる理由は、アメリカが「ベネズエラとの戦いは麻薬との戦いや」っちゅう物語を作ろうとしとるからや。
これは、ベネズエラの石油の支配権を取り戻すためだけやのうて、もっと具体的には、中国が最近、マラカイボ湖の下にあるベネズエラの莫大な石油埋蔵量の開発に投資しようと交渉しとるのを阻止するためや。
アメリカが何を心配しとるか想像してみてくれ。中国はロシアから石油を供給しとるアメリカの同盟国の支配から独立しとるだけやのうて、今やベネズエラから石油を手に入れられるんや。中東での戦いは、イラク、シリア、そして何よりも、イランの石油を支配するための戦争の準備なんや。
アメリカはまだ、石油と食糧を支配することで、他国への外交的、経済的、政治的、軍事的支配を再確立する夢を見とる。食糧はもう一つの基本的な支配の手段や。アメリカは食糧輸出に制裁を課して、他国を飢えさせて政策に従わせることができるんや。1945年の革命後に毛沢東に対してやろうとしたように、カナダが封鎖を破るまでな。
さて、今は、中国が自発的に大豆の輸入をアメリカからブラジルに切り替えとるのが見られるやろ。中国は今年まで、アメリカの全ての大豆生産の50%を占めとった。ノースダコタでは70%や。突然、中国からの大豆の需要がゼロになった。
そして、アメリカの農業にはパーフェクト・ストームが起こっとる。異常気象でトウモロコシと大豆が豊作で、全部積み上がっとる。売る場所がない。サイロに大豆とトウモロコシを入れるための貯蔵能力が足りへん。大きなビニール袋に貯蔵し始めているんや。これは大惨事や。農家はトランプはんに「来年はわてらの市場を再確立してくれ」と圧力をかけとる。「わてらは大豆に依存しとった。何に切り替えられるんや? トウモロコシには切り替えられへん。わてらの農産物はもう誰も買ってくれへん。」
せやから、アメリカは石油を使こうたように、食糧を使こて、他国を飢えさせる能力を失っただけやのうて、農業部門も失いかけとる。結果は、ノースダコタや他の地域で土地の価格が暴落しとる。農家が借金を払えへんから落ちとるんや。
過去150年間、アメリカ、ヨーロッパ、北半球の全ての金融危機は、秋、9月と10月に起こっとる。これには理由がある。「秋の流出(autumnal drain)」っちゅうて呼ばれとった。農家が作物を市場に売るために金を借りなあかん時期やったからや。
今、この秋の流出は、支払いの連鎖が途切れることに繋がりそうどす。支払不能、滞納、破産、そして差し押さえ。顧客がおらへん農地の差し押さえが、今、アメリカの北西部と中西部で話されとることや。
そして、この変化はもう元に戻れへんから、トランプはんにできることはもうない。
中国はブラジルと取引して「トランプはんが全ての要素を兵器化した今、わてらはもうアメリカの大豆輸出に頼られへん」っちゅうて言うとる。「わてらはアメリカ市場を必要とせえへん。ブラジルにあんたがおってくれて、ホンマに感謝や!」
せやから、ブラジルの農家は大豆に切り替えるために農業を再編しとる。一旦こうなったら、トランプはんが中国に「わかった、またわてらの大豆輸出に頼ってええで」っちゅうて言うても、中国は「待ってくれ、わてらはブラジルを裏切られへん。取引の合意をしたし、ドルやのうて自国通貨で取引しとるんや。この変化を起こしたんやから、あんたらみたいにコロッと態度を変えて、新しい市場にするなんてでけへん」っちゅうて言うやろう。
変化は不可逆的どす。アメリカが食糧と石油を使って、他国を支配する能力を失いつつあるっちゅう脅威が、どれほどのもんか想像できるやろ。中国や他国がアメリカに代わる供給国になるっちゅうことは、アメリカが輸出の二大要素だけやのうて、アメリカの投資家が支配しとった石油と農地への海外投資の能力も失ったっちゅうことどす。
ドルを支える能力を失うた。ドルを支えへんっちゅうことは、アメリカが海外での軍事的存在を維持するために必要な外貨を提供でけへんっちゅうことどす。それは、金からドルを離脱させたベトナム戦争の時と同じくらい、今日も重い負担や。
せやから、軍事戦略と帝国戦略を国際収支の文脈に置くと、アメリカが直面しとる大きな制約が見えてくるんや。そして、それこそがわての本『超帝国主義』の全てやったんや。主要な読者は帝国主義と戦いたい外国の読者やのうて、国防総省、国務省、CIAやったんや。彼らは「こうしろ」っちゅうハウツー本として、アメリカの軍事外交と非軍事外交の文脈をどう見るべきか、それを使こうたんや。
ニマ・アルホシド: リチャードはん、コメントの前に、マイケルはんの話のもう一つの側面として、ドナルド・トランプはんが鉄鋼やアルミニウムに関税を課して、産業コストを上げ、雇用を破壊し、アメリカの製造業の能力を弱めとるっちゅう話があります。
リチャード・ウォルフ: ええ、完璧な流れどす。わてはこの問題の少し違う側面に触れたいんや。
マイケルはんが文脈を与えてくれはったさかい、関税を上げるっちゅうことと、それを駆け引きの材料にして他国にアメリカへの投資を約束させるっちゅう目的が、日を追うごとに明らかになってきた。
例えば、この二、三日で、トランプはんがイギリスを訪問しとるさかい、イギリスから声明が連発しとる。「イギリスが何千億ドルもの巨額の金をアメリカに投資する、逆もまた然り」っちゅう大々的な自慢話どす。
関税は「絶望的な増税」である
ほな、現実を見てみよか。まず一つ。関税の目的は、今、国が必死になってやろうとしとることやった。これはあんまり理解されとらへんと思うから、強調したい。わてらは共和党の大統領が共和党を率いているのを見とる。この共和党は、100年にわたって「課税は悪」で、「政府は誰にも課税すべきやない」、「わてらは私企業を支持しとって、国有企業や政府はやめとけ」っちゅう考えを広めてきた。
それなのに、彼は何をしとる?アメリカ経済に莫大な税金を課しとるんや。関税っちゅうのは、税金どす。
せやから、イデオロギーに突き動かされた保守的なビジネスマンが、税金を払うのを嫌って、税金を下げるために100年も共和党を支援してきたのに、なんで突然全てをひっくり返して、莫大な税金を課すんやろか?答え: 彼らはもう絶望的や。他に道があらへん。
借金が手に負えへん状態どす。1970年には、アメリカの総債務は数千億ドルやった。今日は37兆ドルどす。これは生産や物価を矮小化させる増加や。何もこんな風には増えへん。わてらは狂ったように借金をしてきた。
なんでや?政府が自分を賄うために金持ちに課税でけへん困難に既に直面しとったからや。金持ちは政治を支配しとって、それを許さへん。そして、国民への税負担を増やしすぎたさかい、60年代、70年代にはカリフォルニアとかアメリカ全土で税金一揆が起こった。
ほんで、解決策が始まった。政治家が献金者に課税できず、国民にも課税できへん時、何をするか?魔法の代案みたいに借金をするんや。誰から借りるんや?税金を払わんで済んだ企業や金持ちが、政府に金を貸しとるんや。これは「シュヴァイネライ(汚いやり方)」や。純粋な詐欺どす。
せやけど、今はどうや。この馬鹿げたゲームを続けて、あまりにも多く借金しすぎた。世界中にもこのゲームに参加させて、アメリカ国債の形で富を持たせた。せやから、イギリスのエリザベス・トラスの短い任期の下で既に到達したポイントに来た。資本市場が「もうあんたには貸さへん。あんたは信頼できる借り手やない」っちゅうて言い始めとる。あんたらの借金はあまりにも進みすぎたさかい、「自国民が借金の利子を払うために税金を使うのを許さへん」っちゅう政治的なポイントに近うなっとるのが見えるからや。
関税は「企業のインフレ」で国民から搾り取る道具
ほな、アメリカはどうするんや?関税や。事実上、税金をかける。それを企業にかける——ほとんどの関税はアメリカに輸入する企業が払っとるからな。そして、政府はその企業に「これを払うのはあんたらの仕事や。関税を相殺するために外国人に値下げさせるか、アメリカの消費者をインフレで締め付けるか、自分で考えろ」っちゅうて言うんや。
せやけど、わてら政府はもう国民を締め付けへん。あんたら(皮肉:ビジネス界のあんたら)がインフレを通じてそれをやるんや。それが彼らの企みどす。
これでなんでトランプはんが関税をしたがるか理解できるやろ。せやけど、関税は抵抗されとるし、問題を解決するほどの金を生み出しとらへんさかい、彼は二つ目の策を持っとる。「アメリカに資本を動かすと約束したら、どうせ役に立ってへん関税を取り下げたげる」っちゅう取引や。
せやから、マイケルはんが言う通り、保護料の強要どす。「わてらは衰退しとる帝国やさかい、助けてくれ。わてらがあんたたちを守り続ける唯一の道は、あんたたちがわてらを助けることや。この金を全部わてらに渡してくれ。」
昨日のキア・スターマーの見世物は気の毒や。「アメリカが今後10年でイギリスに1500億か2500億ドル(数字はちょっと曖昧やけど)を投資すると約束した」っちゅうて自慢しとった。そしてホンマに誇らしげに「7900人の雇用を生み出すと期待しとる」っちゅうて言うたんや。
ほんで、わてが統計を見た。2024年8月から今年8月までのイギリスの雇用の話はどうや?12万7000人の雇用を失っとる。彼が自慢しとることは、大英帝国の衰退の10%さえ相殺でけへん話や。しかも10年かけてや!これは功績に見せかけた、失敗の告白どす。
他国の政治的自殺と不可逆な変化
最後の点や。世界中がアメリカで物を売るために「入場料」を請求されとるんやったら——関税っちゅうのはそういうことや——世界中の輸出業者は市場が縮小するさかい困っとる。彼らは自国の政府に悲鳴をあげとる。せやから政府は、彼らを苦しめとるこの狂気を支援するために何かを与えるのに必死どす。
何を与えるんや?「わてらがアメリカに投資したら、アメリカも投資する」っちゅう発表や。そして、これがもっと大きな話どす。もしこれがうまくいったらどうなる?ヨーロッパや他の国のリーダーたちがホンマに何千億ドルもの資本投資をアメリカに送り届けたら?正直、わてにはそうなるとは思えへん。日を追うごとにアメリカは投資先として魅力が失われとると思う。
せやけど、わてが間違っとったと仮定して、金が来たとしよか。ほんなら、その国々では緊縮財政が既に国民に押し付けられとる。その国では、急進的な左翼の野党、あるいは右翼の野党がこう言うやろう。
「わてらの国で雇用を生み出すために投資できたはずの金が、代わりに他の国に送られてしもうたのは、リーダーのせいや。なんでや?あっちの国が関税でわてらを叩いとるからや!」
こんなプログラムを実質的に実行しとる政治家は生き残れへんどす。
マイケル・ハドソン:農業の崩壊と金融危機の到来
マイケル・ハドソン: リチャードはん、今あんさんが言うたことを全部結びつけるための具体的な例を挙げさせてくれ。最初のポイントは「関税は消費者への課税や」っちゅうことやった。その通り。ほな、アメリカが輸入しとるもんで、農家に影響するもんは何や?全てが収束しとる農業の例に戻ろか。
アメリカはロシアからのもんも含めて、莫大な量の肥料を輸入しとる。農機具も輸入しとる。大豆市場の崩壊は、ジョンディアみたいな会社の収入と新しい農機具を買う能力の崩壊を意味しとる。ジョンディアはもう1000人か2000人を解雇したんやないか。農家が新しい収穫機を買う金がおまへんからや。古い収穫機を買おうとしとる。
この収穫機の多くはジョンディアが国内で生産しとるだけやのうて、ドイツでも生産されとる。アメリカはドイツのライバル会社からも収穫機を輸入しとる。
ほんなら、突然、これらの会社はエネルギーと鉄鋼を手に入れられへん結果、コストがめちゃくちゃ上がっとる。彼らはドイツで生産した製品をこっちの市場に供給しようと輸出しとる。
これらの会社が突然、直面した驚きを想像してみてくれ。「ヨーロッパからの輸入品に15%の関税をかけているだけやのうて、鉄鋼やアルミニウムで機械を作っとるさかい、50%の関税の責任がある」っちゅうて言われとるんや。「わてらはアメリカの鉄鋼産業とアルミニウム産業を支援しようとしとるんや。あれがわての政策は労働者のためやっちゅうフリに付き合ってくれる唯一の労働組合やからな」っちゅうて。
「わては象徴的な行動を起こす必要があるんや。せやから、わての象徴的な行動は、鉄鋼とアルミニウムで製品を作っとる、生粋のアメリカの産業を犠牲にすることになる」っちゅうわけや。
この狂った政治的な策略が何を引き起こしたか想像できるやろ。ディアー社や他のドイツの輸出業者は突然、アメリカの農業が必要としとる収穫機を供給しようとしとるのに、価格がめちゃくちゃに上がってしもうた。
あんたが指摘したように、「アメリカに投資すれば、これを避けられるんか?」アメリカに投資したとしても、自動車と同じで、収穫機に入るいろんな部品の多くを他国から輸入せなあかん。アメリカには必要なサプライチェーンがないからや。
この関税は、輸入の収益性を完全に潰した。価格が上がりすぎたさかい、あんたが言うように、企業がコストを吸収したら利益が出えへん。会社をやるっちゅうんは利益を出すためのもんや。せやから、彼らが生産を止めるか、(ディアー社が一部の工場で生産を止めたように)、消費者に転嫁する。そして、消費者が締め付けられる。
農家は締め付けられとる。トランプはんの狂ったような農産物輸出の兵器化の結果、農家の収入がめちゃくちゃ下がっとるだけやのうて、金がなくて、銀行から借りることもでけへん。銀行は「担保として何を差し出すんや? あんたの担保は農地やけど、農地の価格は下がっとるし、あんたはもう完全に抵当に入っとる」っちゅうて言うんや。
ちなみに、財務長官の[スコット・ベッセントはんは、ノースダコタの自分の土地の一つの賃貸料で年間100万ドルを稼いどる。議会から利益相反やと非難されとって、12月半ばまでにこの土地を暴落しとる市場に売らなあかん。彼がどれだけ喜んどるか想像できるやろ。
せやけど、少なくとも、先日、連邦準備制度が金利を下げた。新聞はみんなが「金利が0.5%下がったら、住宅や設備購入のローン金利が下がるわ」っちゅうて言うた。せやけど、それはファンタジーや。短期金利は昨日、確かに0.25%下がったけど、長期金利は上がった。「これはインフレを引き起こすやろう」っちゅうて言うたからや。
短期的には金利を下げられるかもしれへんけど、長期の債券は買わへん。なぜなら、短期的な生き方は、あんたが説明したように、金持ちの減税と、関税で他の経済を抑圧しとるインフレに繋がるからや。アメリカ経済はあんたが説明したドイツやヨーロッパ経済とそっくりなもんに変わりつつある。
経済的な自殺行為に近いんや。彼らはそれが自殺やっちゅうことを知らへんだけや。「全てがうまくいく」っちゅうフリをした、ジャンク・エコノミクスの物語が作り出されとる。それはカバーストーリーや。この1時間わてらが話してきた、ホンマのダイナミクスを隠そうとしとるんや。
リチャード・ウォルフ:持続不可能な「二極化した経済」
リチャード・ウォルフ: わてもな、無理に押し付けたいわけやないんやけど、ホンマに自己欺瞞が進行しとると思うんや。トップの10%は株を動かして、ほとんどの株を所有しとるCEOやその関係者や。彼らにとっては、富をしっかりと保持しとる。問題は残りの90%や。
せやから、どんどん昔ながらの二極化した経済っちゅう考えが強うなる。わてらの10%は高級レストランや豊富な食糧のある世界で暮らしとって、残りはスーパーに行くたびに「もうあれが買えへん」っちゅうてトラウマを負っとるんや。
考えるべき統計がある。2020年と比べて、この5年間で、アメリカの牛肉の価格は50%以上も上がっとる。ハンバーガーは、肉を買える人にとってアメリカの基本的な食生活の一部や。2020年からハンバーガーのコストが50%も上がったっちゅうんが何を意味するか考えてみてくれ。
わてらの政治を説明する二極化が見られるけど、わてはこれが持続可能やとは思えへん。この状況が続くと約束し続けるイデオロギーも無理やし、わてらが示そうとしとるように、その土台がどんどん脆うなっていっとる。
そして、わてにはこれらの政策の一部が、トランプ流の「ヘイルメアリー・パス(一か八かの大博打)」みたいに見えるんや。イランを攻撃するんか?もしかしたら勝てるかもしれへん。イランが消滅するかもしれへん。西側がイランの石油を全部奪えるかもしれへん。せやけど、ロシアが「わてらはイランと取引しとるんや。ホンマに攻めてきたら、あんたたちと戦わなあかん。一つだけ約束できるのは、あんたたちがその石油を手に入れることは絶対にないっちゅうことや」っちゅうて指摘するんや。
ほな、どうするんや?
ニコラス・マドゥロはんみたいに防衛できへん相手と戦いに行くんや。そして、挑発を続ける。1000マイルも離れたところから船でやってきた、不運なベネズエラ人を燃やし尽くすんや。犯罪の証拠が全くないのに、大統領が全てを処理しとる。彼らが法律的に死刑の罰でない犯罪で処刑されとる。ホンマに絶望的な行動どす。
そして、イスラエルが中東で奇跡を起こして、受け入れられる支配的な勢力になれると期待しとるんか?そんな風に政策を並べようとするんは、大量の魔法を信じなあかんで。
マイケル・ハドソン:電気と食糧の二重苦
マイケル・ハドソン: この政策でアメリカ経済がいかに締め付けられとるか、絶望的な状況をあんたは言うたな。絶望の一部は、政策をバラバラに分けて、相互作用を見ようとせえへんことや。
あんたが今言うた、食糧やハンバーガーに加えて、アメリカ人が払わなあかん価格上昇の大きな要因の一つは電気代どす。それがめちゃくちゃ上がっとる。トランプはんが地球温暖化なんかないと言い張るMAGAの狂信者にご機嫌を取っとるからや。
「もし、わてらが石油産業で世界を支配し続けるんやったら、わては石油産業とMAGAを支持する。風力発電や太陽光発電への投資は全部やめろ」っちゅうて言うたんや。増えとった風力発電への政府の支援を撤回したし、中国が太陽光発電の生産で大きな科学的優位性を持っとるさかい、太陽光発電への支援も終わらせとる。
結果は何や。地球温暖化に反対することが、経済を混乱させる大きな要因やけど、トランプはんの人工知能の独占を増やそうとする支援も、電気使用量の莫大な増加の大きな原因やと見られとる。これで電気料金が上がる。
国内の電力会社はもう値上げしとる。トランプはんの政策の一つが電力への補助金を出しとるからや。新しい電力会社を建てて、増大するコンピューターとAI産業だけでなく、普通の成長のためのエネルギーを供給するには、公的な申請を全部通すのに10年かかる。特に、トランプはんがパリ協定や他の地球温暖化を止めようとする協定から離脱したせいで増えとる地球温暖化に対処するためのエアコンの需要も大きい。彼がやることは全て、コストの圧迫と、わてらが必要としとるもんの不足を悪化させとるんや。
電気代は消費者物価指数にはあんまり影響せえへん。家賃もあんまり影響せえへん。医療費もそうや。あんたが説明したアメリカ人の家計を締め付けとるこれらの全部が、政府が話しとる統計から除外されとる。「それを説明せえへんかったら、わてらのカバーストーリーを信じ込ませられるかもしれへん」っちゅうて考えとるんや。
自己崩壊を招く「ジャンク・エコノミクス」
それはロシアとの「熱い戦争」のファンタジーと同じくらいの妄想や。「ロシアの経済は崩壊しとるさかい、わてらはウクライナで勝っとる」っちゅうて言う。崩壊なんかしとらへん。自給自足の経済やからや。アメリカが課した制裁のおかげで、輸入依存になることなく、必要なもんを全部、自分で生産しとる。世界中に制裁を課すことで、アメリカは他国がアメリカ市場から独立する必要性に駆られて、対応するのを可能にしてしもうたんや。
せやから、トランプはんは実質的に、世界中が独立しとる状況を作り出した。そして、トランプはんがこれに対処するために、さらに実現できへん要求をすればするほど、アメリカとヨーロッパのNATO諸国とその同盟国を、全世界から孤立させてしもうとる。
石油産業を支援するため、ウォール街を支援するため、銀行業界を支援するため、トランプはんを支援する労働組合を支援するため、これらの全ての悪い政策が収束して特別な利益を支えようとしとる。この全てが基本的に崩壊しとるんや。そして、アメリカ経済をゆっくりと崩壊させている。ゆっくりとしたクラッシュやけど、経済だけやのうて、憲法の全て、そしてこの混乱に責任がある法制度と政治制度の全てを根本的に変えへん限り、元に戻れへんクラッシュどす。
リチャード・ウォルフ: そして最後の皮肉や。移民をもう責められへん。流入を事実上止めて、流出にひっくり返したからな。せやから、新しく比較できるスケープゴートを見つけなあかん。
深夜のコメディアンにまで及ぶ内部の批判の締め付けを見とったら、国内の左翼が、「移民に対するICEの全ての行為がうまくいかへんかった理由」を正当化するための新しいスケープゴートになりつつあるのが分かるやろ。国内の投資が大復活なんかしとらへん。全然や。製造業の復活も全然ない。全てが煙と鏡とスケープゴートや。なぜなら、トランプはんの最初の8か月の全てはそれに尽きるからや。
ニマ・アルホシド: ええ。リチャードはん、マイケルはん、今日も一緒でおおきに! いつもながら、ホンマに楽しかったどす。
リチャード・ウォルフ: ほな、また来週。
ニマ・アルホシド: ええ、おおきに。


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