2025年12月27日土曜日

ジョン・ミアシャイマー:プーチンが「アメリカの世紀」を終わらせた72時間

https://www.youtube.com/watch?v=bXaHSME7teo

先週の火曜、夜11時47分にわしのデスクに届いた機密報告書。これでわしが今まで信じとったアメリカの覇権っちゅうもんの概念が、根底からひっくり返されてしもた。40年も帝国の興亡を研究してきて、ソ連崩壊も中国の台頭も見てきたわしやけど、火曜の夜に届いたあのブリーフィングには、腰が抜けるほど驚いた。

たった72時間。プーチンは核兵器も大軍団も使わんと、精密すぎる計算に基づいた「一手」の連続で、アメリカの覇権を終わらせたんや。木曜の夜にはモンロー主義は死に、NATOは精神的に崩壊し、アメリカの海軍至上主義は歴史の脚注に成り下がっとった。

何が起きたんか。これはアメリカ史上、最も致命的な戦略的失敗や。しかも恐ろしいことに、この状況を作ったんは、他ならぬアメリカ自身の政策やったんや。

第1のドミノ:火曜 14:23(モスクワ時間)

ロシアの艦隊がベネズエラ領海に入った。ただの親善訪問やない。衛星分析によれば、積んどったんは「ジルコン」――マッハ9で飛んでアメリカの防衛網を紙屑にする極超音速ミサイルシステムや。しかも、それが5,000人の水兵が乗った空母ジェラルド・R・フォードを、カリブ海で完全にロックオンしとった。1962年のキューバ危機以来初めて、わしらが「絶対安全」と思っとった庭先で、アメリカの主力艦が外国の牙に喉元を突きつけられたんや。海軍の司令官たちの無敵神話は、その瞬間に粉砕された。

第2のドミノ:水曜日

プーチンはミサイルを置いただけやなかった。ロシア仕様の司令部、モスクワ直結の通信網、キューバの施設と連動したレーダー網……つまり、西半球に「ロシア軍の橋頭堡(きょうとうほ)」を恒久的に築きよったんや。外交の駆け引きやなくて、本気のインフラ構築や。これにはNATOの各国もパニックや。ベルリンもベルリンもワシントンも、秘密通信は「存亡の危機」「前代未聞」っちゅう言葉で埋め尽くされた。

第3のドミノ:木曜日(世界破滅の朝)

これが決定打やった。ベネズエラの動きに合わせ、世界中で同時多発的に火の手が上がったんや。キューバにロシアの潜水艦が入り、イランの艦船がペルシャ湾の航路を威嚇し始め、極めつけは中国海軍や。台湾をアメリカの増援から遮断するような位置で、大規模な「演習」を始めた。プーチンは一点突破やなくて、世界中で同時に圧力をかけてきたんや。ペンタゴンが何十年も恐れとった「複数大陸での同時危機」。アメリカのキャパシティ(帯域幅)を完全にオーバーさせたんやな。

プーチンの「情緒」と「物理学」

プーチンの天才的なところは、冷戦後、わしらが疑いもしなかった「アメリカの資源は無限で、一つずつ問題を解決していけば勝てる」っちゅう前提を壊したことや。アメリカの技術が勝っとっても、同時にあちこちで喧嘩を売られたら、物理的に手が回らん。シカゴ大学のオフィスで衛星画像を見とったわしは、初めて「アメリカの覇権の死」を直感して、本気で震えたわ。

さらに皮肉なんは、プーチンの勝利をお膳立てしたんがアメリカ自身やっちゅうことや。ベネズエラへの15年にわたる制裁が、カラカスをロシアの腕の中に放り込んだ。イランの孤立化も、中国への圧力も、結局はロシア・中国・イランっちゅう「反アメリカの抵抗ネットワーク」を団結させてしもた。制裁で弱めるつもりが、相手を「自立」させ、最強の連携組織を作らせてしもたんやな。

火曜の夜にわしを寝かせんかったあの機密報告書には、同盟国の心理的アセスメント(評価)も載っとったんや。それが示しとったんは、アメリカの戦略文化がいかに「覇権の衰退」っちゅうダイナミズムを読み違えとったか、っちゅうことやな。 ワシントンの政策決定者たちは、「アメリカのパワーは圧倒的なんやから、個別の挑戦なんか優れた資源と技術でなんとでもなる」と高を括っとった。けど、プーチンはアメリカの力が広大であっても「無限」やないことを見抜いとったんや。多方向からの同時多発的な圧力は、アメリカに「二者択一」を迫る。一度その選択を迫られたら、アメリカの軍事力がどうあれ、その「信用の裏付け」はガラガラと崩れ去るんやな。

同盟関係への心理的ダメージは、即座に、そしておそらく取り返しのつかん形で現れた。 70年もの間、アメリカの安全保障に頼り切っとった欧州の国防相たちは、突然「この保証、ホンマにまだ生きてるんか?」っちゅう問いに直面したんや。アメリカが地球の裏表で同時に危機にぶち当たった時、日本( )の指導部も、台湾危機の最中にアメリカが中国と本気でやり合う気があるんかどうか疑って、アメリカに依存せん「独立した防衛能力」について密談を始めた。韓国のプランナーも、アメリカ軍がカリブ海でロシア相手に手一杯になっとる時に、半島へのコミットメントが維持できるんかどうか計算し始めたんや。 「アメリカはどこにでもおる(遍在)」っちゅう前提で戦略を立てとった全ての同盟国が、いざという時にアメリカの支援が得られへんシナリオを想定して、勝手に動き出した。アメリカの覇権を支えとった「同盟システム」自体が、パートナーたちの「リスクヘッジ」によってバラバラに解け始めたんやな。

木曜の夜、プーチンによるアメリカ覇権破壊の「とどめの一撃(トドメ)」が放たれた。 中国の指導部が、ロシア・イラン軍との「調整演習」を発表したんや。これは「覇権主義的な介入から主権を守るための相互支援」をデモンストレーションするもんやった。 この発表のターゲットは、アメリカの軍事力やない。アメリカの「心理」や。北京は、「アメリカの敵は連携して動けるけど、アメリカの友人は個別に反応するしかない」っちゅう不都合な真実を突きつけた。一極集中の時代にアメリカの覇権を可能にしとった「調整能力の差」が、完全に逆転してしもたんや。

プーチンのこの72時間の傑作は、ベネズエラのミサイルとかカリブ海の海戦が本質やない。「アメリカのグローバルな支配は、軍事衝突やなくて『戦略的調整』で終わらせられる」っちゅうことを証明したことにあるんや。 複数大陸での同時多発的な挑戦にアメリカを強制的に対応させることで、プーチンは「アメリカのパワーは有限やけど、アメリカの責任(コミットメント)は無限や」っちゅう矛盾を白日の下にさらした。この数式の「数学的な不可能」が、戦術的な成功に関係なく、アメリカの戦略的失敗を確定させたんやな。

金曜日には、戦略アナリストが最も恐れとったことが裏付けられた。 「調整された圧力」によってアメリカの脆弱性が証明されたことで、他の地域でも「アメリカの支配は絶対やない」と気づいた連中が同じ戦略を真似し始めたんや。アフリカ諸国は、アフリカのコントロールが及ばんアメリカ軍基地がなんで自国の土壌に要るんやと問い直し始めた。中東のパートナーたちは、安定やなくて不安定しか生まんかったアメリカとの安全保障関係に代わるもんを探し始めた。アジアの同盟国も、アメリカの地域戦略を自動的にサポートすることが自分らの長期的な利益になるんかどうか、計算し直した。 アメリカのパワーに対する「抵抗の成功」が見せつけられたことで、世界中でアメリカの覇権への挑戦が誘発されたんや。プーチンは、他の勢力が自分たちの地域の事情に合わせて使える「テンプレート(雛形)」を提供してしもたんやな。

今朝、大学のオフィスに立って、カリブ海のロシア艦隊のニュースを見ながら、台湾近くで演習する中国軍をモニターしとった。わしは悟ったわ。プーチンの72時間は、単なる戦術的な優位以上のことを成し遂げた。 彼は、アメリカのパワーに対する世界の心理を、「無敵」から「脆弱」へと変えてしもたんや。一度その心理的なシフトが起きたら、あらゆる戦略的関係が変わる。同盟国はアメリカの弱さに備え、敵対者はアメリカの限界を突いてくる。

アメリカの世紀は、軍事的敗北や経済崩壊で終わったんやない。 アメリカ自身よりもアメリカの心理を理解しとった敵対者によって仕掛けられた、「戦略的疲弊」によって終わったんや。プーチンの天才的なところは、アメリカの覇権が「実力」よりも「認識(パーセプション)」に依存しとることを見抜いた点にある。 アメリカのコミットメントがアメリカのキャパシティ(帯域幅)を超えとることを証明することで、彼はアメリカの支配を維持可能にしとった「認識」そのものを破壊したんや。

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