AI ヤニス・バルファキス:NATOがなんでウクライナを見捨てたんか
https://www.youtube.com/watch?v=h1GAZHxqomo
こんばんは。ソフォクレスからシェイクスピアに至るまで、あらゆる悲劇には「アナグノリシス」っちゅう瞬間がある。それは「認識」の瞬間や。予言が正しかったこと、神々に見捨てられたこと、そして自分の運命がもはや決まってしもたことを、主人公が悟る時や。キエフの政権にとって、その瞬間が48時間前に訪れた。
外交の裏ルートから情報が漏れ出しとる。絶望的な要請が出されたらしい。停戦の要請、今のラインで戦線を凍結してくれっちゅう頼みや。出血を止めて、国家の残骸だけでも救いたい、とな。それに対するモスクワからの返答は、交渉やなかった。対案でもなかった。沈黙の後に、ただ一言「ノー」や。わしらは今、3年間に及んだ「幻想」の崩壊を目撃しとるんや。西側の「道徳的支援」を背負った小国が、生き残りをかけて戦う核帝国を倒せるっちゅう、あの幻想や。
西側はウクライナに「勝利への道」を約束した。わしらは彼らにチケットを売りつけた。目的地にたどり着けへんことは、わしらも、将校たちも、情報機関も、みんな分かっとったのにな。そして今、ロシアの包囲網が東部の最後の兵站拠点に迫る中、ウクライナは国際関係における最も過酷なレッスンを学んどる。アメリカの敵になるのは危険やけど、アメリカの「代理人」になるのは致命的なんや。
「善か悪か」なんていう情緒的な言葉はやめにしよか。「力の物理学」を見てみよ。想像してみてな。あんたが家に住んどって、隣人がおる。その男は過去に二度も侵入されたことがあって、被害妄想気味で、武装しとる。その男が「わしのドライブウェイにフェンスを作るな。作ったら焼き払うぞ」と言うた。そこに町の不動産屋がやってきて、「フェンスを作れ。それはあんたの権利や。応援するで。木材も釘も出したる」とそそのかした。
あんたはフェンスを作った。隣人は言うた通りに襲ってきた。あんたは不動産屋に電話して「助けに来てくれ!」と叫ぶ。不動産屋は「あぁ、行かれへんわ。先約があってな。でも釘ならもっと送ったるわ」と言う。これがウクライナの物語や。2008年以来、西側はウクライナにはNATOに加盟する権利があると主張し続けてきた。理想の世界ならそうかもしれん。けど、わしらは理想の世界やなくて「重力」の世界に生きとるんや。ロシアにとって、国境に敵対的な軍事同盟がおるんは、政治的な不快感やなくて「存亡の危機」なんや。あんたがそれを「被害妄想」と呼ぼうが勝手やけど、地政学で大事なんは「あんたがどう思うか」やなくて、「6,000発の核弾頭を持っとる男がどう思うか」なんや。
ロシアがこれを許さへんことは分かっとった。それやのに、わしらはキエフに火の中に飛び込めと促した。使う気もない消火器を渡すと約束してな。なんでそんなことしたんや? 悪意か? 無能か? いや、「傲慢(ハブリス)」や。西側のエリートたちは、歴史の針は自由民主主義に向かって曲がっとると信じ込んどった。ロシアなんて「国のふりをしたガソリンスタンド」やから、制裁の重みで崩壊して、国民が蜂起すると信じとったんや。彼らは紛争の根本的なルール、「意志の非対称性」を忘れとった。
アメリカにとって、ウクライナは「選択可能な戦争」や。予算の一項目に過ぎん。アメリカ人の血を流さずにライバルを弱体化させる手段や。ウクライナが落ちても、平均的なアメリカ人は何も感じへん。けどロシアにとって、この戦争は「義務」なんや。彼らは、ウクライナをNATOに取られたら大国としての地位を失い、国が解体されると(正誤はともかく)信じ込んどる。一方が「スコアボードの点数」のために戦い、もう一方が「命」をかけて戦っとる時、命をかけとる側の方が痛みに耐える。犠牲を払い、制裁を無視する。わしらは制裁で屈服させられると思とったけど、逆に彼らを「自立」させてしもた。孤立させるつもりが、中国の腕の中に押し込んで、わしらが最も恐れとった「ユーラシア・ブロック」を作ってしもたんや。
ワシントンやブリュッセルのセールスマンたち、シンクタンクの専門家、軍需産業、論説委員たちの話をしよう。彼らは3年間、「完全勝利」っちゅう薬を売り歩いてきた。ウクライナの人々に「交渉するな、妥協するな。クリミアを取り戻せ、1991年の国境まで進軍しろ」と言うた。それは美しい嘘やった。武器を流し続け、レイセオンやロッキード・マーチンの株価を上げるための嘘や。
でも現場の現実を見てみ。今のウクライナ兵の平均年齢は43歳を超えとる。兵士が底をつきかけとるんや。「勇気」がなくなったんやない。神のみぞ知る、彼らには勇気がある。でも、「人間」がおらんようになっとるんや。セールスマンたちがエアコンの効いた会議室で「民主主義の防衛」について演説しとる間、ウクライナの若者一世代が、失敗した地政学理論を守るために肉挽き機に投入された。そして今、フロントが崩壊し、包囲が完了した時、セールスマンたちは静かに部屋から立ち去ろうとしとる。「ウクライナはすでに道徳的な勝利を収めた」とか「領土については現実的にならなあかん」とか、ナラティブを書き換え始めとる。現代史上、最も冷酷な「詐欺(ベイト・アンド・スイッチ)」やな。
なんでプーチンは停戦に「ノー」と言うたんか。それは彼もわしらと同じ戦況報告を読んどるからや。西側の支援が割れとることも、ドイツ経済が脱工業化しとることも、アメリカが中東や太平洋に気を取られとることも知っとる。戦争は、人々が疲れた時に終わるんやない。勝者が欲しいものを手に入れた時に終わるんや。ロシアの目的は初日から変わっとらん。中立化、非軍事化、そして領土的現実の承認や。勝っとるのに、なんで今止まる必要がある? ウクライナに再武装や要塞築城の隙を与えて、ワシントンの次の政権を待たせるような真似をするわけないやろ。戦場のロジックは、このまま優位を押し通すことを命じとる。ウクライナの軍事能力が破壊され、降伏条件が交渉の場やなくてジープのボンネットの上で突きつけられるまで、彼らは止まらへん。
これは残酷で、悲劇や。でも、まだ交渉の余地があった時にそれを拒否した結果や。2022年のイスタンブールで平和のチャンスはあった。わしらがそれを潰したんや。「戦え」と言うた。軍事的勝利に全財産を賭けて、家(国家)を失ったんや。ペロポネソス戦争で、アテネ人はメロス島の人々に言うた。「強者はできることをやり、弱者は耐えねばならんことを耐える」とな。文明化された西側が、克服したふりをしてきた冷酷な真実や。
わしらは国際法や主権について語るけど、今日のウクライナを見てみ。瓦礫になった街を、何百万人もの難民を見てみ。国際法も国連憲章も、バイデン大統領やショルツ首相の約束も、彼らを救えへんかった。最後にモノを言うんは「ハードパワー」だけや。ウクライナがこれほど耐えなあかんのは、戦争を煽る力はあっても、共に戦う覚悟のない西側っちゅう勢力を信じてしもたからや。
わしらは今、東欧における「アトランティスト(大西洋主義)」の夢の終焉を目撃しとる。分割がやってくる。中立は交渉やなくて「強制」される。ロシアと西側の境界線は、わしらが想像もしとらんかったほど西側に、血で引き直されることになる。
ウクライナの人々には、「申し訳ない」としか言えへん。あんたらの愛国心をライバルへの武器として利用してしもて、ごめんな。盾を約束して、標的を渡してしもて、ごめんな。
そして世界の他の国々へ。これを警告として受け取ってほしい。大国が笑顔で、武器の贈り物と同盟の約束を持ってやってきたら、地図を見てみ。もしあんたが彼らの敵の国境におるんなら、あんたは「パートナー」やない。「バッファー(緩衝地帯)」や。そしてバッファーっちゅうのは、握りつぶされるためにあるんや。おやすみ。


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