マイケル・ハドソン:なんでGDPは金融をえこひいきして、搾取を隠すんか
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なんでGDPは金融をえこひいきして、搾取を隠すんか
2026年2月12日(木) マイケル執筆
クラス・ユニティ(CU): 皆さん、まいど。今日もクラス・ユニティのイベントに集まってくれておおきに。今日はゲストに、おなじみのマイケル・ハドソン教授と、ダーク・ベゼマー教授をお呼びしました。
マイケル・ハドソン教授は、ミズーリ大学カンザスシティ校の教授で、バード大学レヴィ経済研究所の研究員。政治経済、経済思想史、金融、帝国主義に関する本をぎょうさん書いてはります。
ダーク・ベゼマー教授は、オランダの経済学者で、フローニンゲン大学経済ビジネス学部の教授や。金融セクター、信用創造、サイクル、金融政策、それから経済危機の原因を研究してはります。2009年9月のフィナンシャル・タイムズの寄稿で、2008年のリーマンショックを予言してた12人の経済学者のリストを挙げたけど、当時は無視されたって書いてはりましたな。
お二人とも、金融システムがいかに格差を広げて危機を悪化させるかについて、死ぬほど書いてはるわけやけど、今日は「金融とキャピタルゲイン経済」について話を聞いていこか。
まず基本から。お二人の論文では、主流派の経済学者がスルーしてる「2つの経済の動き」を区別してはりますよね。「今の生産と消費」っていう側と、「金融・保険・不動産(FIRE)」っていう側の区別や。これ、家で見てる人らに説明してくれへん? なんで今の経済を理解するのに、この区別がそんなに大事なんやろ。ダーク、あんたからいけるか?
ダーク・ベゼマー(DB): おお、ええね。おおきに。これが大事なんはな、うちらがいわゆる「キャピタルゲイン経済」の中に生きてるからや。
普通、資本主義っていうたら「利益(プロフィット)を追い求めるシステム」やと思われがちやけど、今の時代は「キャピタルゲイン」、つまり「資産の値上がり」を追いかけるシステムって言うたほうがしっくりくるわ。
どえらい儲けを出して、ほんまもんの金持ちになる方法はな、資産を持って、その価値が上がるのを眺めることや。それがどうやって起きて、システムに何が必要なんかは後で話すけど、これは資本主義の生まれつきの性質やなくて、1980年代以降の「特別な形」の資本主義なんや。
だから、システムがどう動いとるかを知るには、「利益がどう生まれるか」を考えるだけやったら足りん。というか、そんなん考えんほうがええくらいや。それよりも、債券や株、不動産の価値がどうやって決まるかを理解せなあかん。だからこそ、この2つの動きを区別せなあかんのや。
一方には、所得の合計である「GDP(国内総生産)」があるわな。所得は賃金か利益のどっちかや。従来の経済学は、工業経済がメインやったからそこばっかり見てたし、それはそれで正しかったんや。
けどな、今は不動産も何もかもが「金融化」された経済や。そこではキャピタルゲインと資産価値(不動産含む)こそが、経済を動かすホンマのダイナミズムやし、格差を理解する唯一の道やねん。とりあえず、入り口としてはこんなもんやな。
CU: なるほどな。マイケル、付け加えることある?
マイケル・ハドソン(MH): せやな。鍵となるんは「何が『生産物(プロダクト)』なんか?」っちゅうことや。
うちらここ数年、国民所得勘定とかGDPを必死に分析してきたけどな、わかったことがある。GDPや国民所得としてカウントされてるもんの大部分は、実は「生産物」でも何でもないねん。ただの「転嫁支払い(トランスファー・ペイメント)」や。
例えば、ダークとワシがワシントンで統計をまとめてたとき、商務省に電話して「わけわからんわ」って言うたんや。クレジットカード会社は、金利よりも「遅延損害金」のほうで儲けてるやろ。NIPA(国民所得・生産勘定)の口座を見たら、利息の支払いは載ってる。けど「遅延損害金はどこや?」って聞いたら、答えはこうや。……これ、ワシの作り話ちゃうで。
「『金融サービス』の提供として載せてます」って言うたんや。
はあ?って感じやろ。要は、それが「サービス」やという理屈や。100年前に古典派経済学とか、地代(レント)や価格や価値の理論に対する反動が起きた。市場価格が価値を上回る分である「地代(レント)」は「不労所得」やとされてたんや。なんで不労所得かって、それが「生産物」を作るのに関係してへんからや。
大家が家賃を上げても、何も生産してへんやろ。ただ高く取ってるだけや。独占企業が独占レントをふっかけるのも、生産物やない。銀行が利息や遅延損害金を取って、管理業務をやってるのも、その多くは生産物を作っとるわけやない。
だからうちらが言いたいんは、アメリカやヨーロッパの国々と、中国みたいな国を比較するときに、GDPを「ホンマの生産物」と「ただの転嫁支払い」に分けて考えたら、経済の景色がガラッと変わるっちゅうことや。
100年前の「反・古典派革命」は、要するに「経済的レントなんて存在せん」と言い出した。ミルトン・フリードマンは「タダ飯なんてない(There is no free lunch)」って言うたけど、ワシらが見つけたんは、この経済全体が「タダ飯を食うこと」を目的にしとるっちゅう事実や。
金融セクターが国民所得やGDPでデカい顔をしてるけど、その役割は生産を増やすことやない。1990年代以降、こいつらがやってきたんは「脱工業化」を監視することや。その役割は、借金(デット・レバレッジ)を使って「金融的に」富を作り出すことやねん。
アメリカやイギリスの銀行融資の8割は不動産向けや。そのせいで、不動産の借金が膨らんで、価格が吊り上がった。2000年代初頭の住宅バブルのとき、多くの家族が「働いてモノやサービスを作る給料」よりも、「自分の家の市場価格(価値やないで、市場価格や)が上がること」のほうで金を稼いだんや。
だから、目的はキャピタルゲインを作ることになった。
ほな、このシステムをどうやって維持するんや? 2008年や2009年みたいに崩壊せんようにするにはどうしたらええ?
連邦準備制度(FRB)が決めた唯一のやり方は、「ゼロ金利政策」を続けて、債務者(家計、買収された企業、国)が借金の利子を払い続けられるように、利子を払うための金をさらに貸し付けることやった。ハイマン・ミンスキーが言うところの、金融サイクルの「ポンジ・フェーズ(ネズミ講段階)」や。
うちらは経済を、経済が成長してるように見せかけるための「金融的なポンジ・スキーム」として見てる。けど実態は、借金の山を無理やり維持しとるだけや。金融セクターを倒産させんようにしてるだけやねん。
これが全部、GDPや国民所得の増加としてカウントされるけど、実際は上位1?10%の金持ちに所得を集中させて、経済の極端な分断(ポラライゼーション)を生んでるだけや。
あいつらは生産を増やして儲けてるんやない。転嫁支払い、金融工学(フィナンシャル・エンジニアリング)、資産価格のインフレで儲けてるんや。
それを統計を使って暴こうとしてるんやけど、統計そのものに問題がある。統計が「ある種の経済的前提」で作られとるからや。GDPやNIPAの根底にある前提は、現実の経済の動きをちっとも反映してへんのや。
CU: ダーク、次に行く前に何か足しとくことある?
DB: ぎょうさん喋ったけど、この話を実感してもらうために2つ数字を出すわ。
スティーブ・ロスと一緒にやってる研究で、「貯蓄」と「富」の違いを示す数字を出したんや。
普通の感覚やと、人は「貯蓄」して金持ちになると思うやろ。商売で利益を出して、起業家として頑張って、一生懸命働いて、高い給料からコツコツ貯めて、それで富を築く……そう思うやん?
けど、そんなんで金持ちになるんやない。資産を持って、その価値が上がるから金持ちになるんや。
1960年から2024年までのアメリカの貯蓄額を全部足してみた。アメリカの統計はすごいで、こんなんができる唯一の国や。インフレを考慮せん「名目ドル」で、年ごとの数字を全部積み上げてみたんや。
1960年から今まで、積み上がった「貯蓄」は29兆ドルやった。
ほな、今アメリカの家計が持ってる「富(資産)」はいくらやと思う?
……169兆ドルや。
わかるか? 貯蓄でこれだけ金持ちになるんは不可能や。富の額が、何十年も積み上げた貯蓄の何倍にもなっとるんやから。
これが、ワシが「キャピタルゲイン経済」と呼び、マイケルが話したダイナミズムがもたらした「最終結果」や。
MH: せや、ワシらが作ったチャートの一つを見たらな、経済におけるキャピタルゲインの額がGDPよりもデカいんや。年間の資産値上がりのほうが、その年の生産額よりデカいんやで。規模感がわかるやろ?
あと「貯蓄」って聞くと笑(わら)けてくるんや。オーストリア学派が何て言うたか思い出してみ。金融セクターや銀行家は、生産経済の一部として「節制(我慢して消費せえへんこと)」っちゅうサービスを債権者に提供しとる、とか言うてたんや。これを聞いてカール・マルクスが「それやったらフランスの銀行家ロスチャイルド家は、ヨーロッパで一番『我慢強い』一家に違いないな」って皮肉ったんは有名な話や。要するに、今の儲けは「金融サービス」なんかで生み出されてるわけやないんや。
CU: なんで主流派の経済学者は、このことを話すんがそんなに苦手なんやろ? お二人の論文では、主流派経済学には「金融」や「地代(レント)」が入り込む隙間がないって書いてはりますね。
お二人の「金融は経済ではない」っていう論文から引用させてもらいます。
「1815年に終わったナポレオン戦争の後、イギリス経済が戦争の借金で首が回らんようになってた時期に、リカードが理論を書いてたんは皮肉なことや。税金が上がって生活費やビジネスコストが膨らむ一方で、経済は国債保有者に利息を払うために吸い取られてた。それやのに、銀行の議会担当でありロビイストでもあったリカードは、『生産や価値や価格に関していえば、通貨や信用や借金なんて関係あらへん』っちゅう正統派の理論を確立してしもた」
……これ、今の経済学の世界でも、経済学者と政府の関係ってこんな感じなんですか? だからお二人が言うように「信用も債務も金融セクターも入ってへん経済モデル」がまかり通っとるんですかね?
DB: 答え方は2つあると思う。
一つは、いわゆる「政治経済学」的な、もっと言えば「特定利権」の視点や。金融セクターがビジネススクールとかを牛耳ってたら、当然、自分らが稼いでる仕組みを「見えへん」ようにするわな。そういう側面はあるし、もっと詳しく話せる。
もう一つの見方は、「じゃあ、どうやって隠してんのか」ってことや。陰謀論とかが好きやない人なら、もっと冷静に経済思想の歴史を見てみればええ。「マクロ経済学者がこれを見えへんようにしてる、あるいは否定するために使ってる理論」は一体何なんか?
一言で言うたら、さっきあんたが言うた通り「すべてを実体セクターに結びつける理論」や。すべての所得は、テクノロジーの進歩とか貿易とか、いわゆる「ファンダメンタルズ(基礎的な条件)」で説明されなあかん。金融の動きで説明したらあかんねん。だから、もし誰かがとんでもない所得を得てたら、それは「その人がめちゃくちゃ生産的やからや」としか説明できんようになる。
有名な話で、ゴールドマン・サックスのCEOやったロイド・ブランクファインがおるわな。2008年の危機の後、銀行家の法外な給料が叩かれたとき、彼は「どうやってその額を正当化すんねん」って聞かれてこう答えたんや。
「ゴールドマン・サックスの人間は、めちゃくちゃ生産性が高いからや」。
これ、冗談で言うてるんやないで。従来の経済学では、そんだけ稼げる理由は「生産性が高いから」以外にあり得へんのや。市場がうまく回ってるなら、金持ちは死ぬほど生産的なはずや、っちゅう理屈やな。
でもな、ワシが冒頭の論文でも書いたように、マクロ経済モデルには「労働生産性」や「生産的な資本」は載ってるけど、「借金のレベル」や、さっきワシが言うた「経済の中にどれだけの富(資産)があるか」なんて事実は、モデルの中で何の役割も果たしてへん。モデルの中ではつじつまが合ってるけど、現実の世界とは全く噛み合ってへんのや。
CU: マイケル、何かある?
MH: なんでワシらのやってることが他の経済学者と違うんか。ワシの背景を話すと、ワシはこのアプローチを大学で学んだわけやない。大学じゃ金融とか金の話なんて一切出えへんかった。
ニューヨーク大学(NYU)で博士号を取ったけど、金融について学んだんは「ウォール街」で働いてたときや。最初は貯蓄銀行で3年働いて、銀行がどうやって貯蓄を住宅ローンに回して住宅価格を吊り上げとるかを学んだ。その次はチェース・マンハッタン銀行や。
そこでのワシの仕事は、「中南米の国々(特にアルゼンチン、ブラジル、チリ)が、ドル建ての借金をいくらまでなら返せるか」を調べることやった。輸出の可能性や輸入に必要な額を調べて、経済モデルを作らなあかんかったんや。
チェースみたいな銀行はな、外国が返せる借金には限界があるってことを「知ってた」んや。それやのに、さっきダークが言うたように、100年前から金融セクターは巨大なPRキャンペーンに金を出して、「借金なんて問題ない」「信用は自動的に返済能力を生む」「すべての信用は生産的や」「銀行は返せる計算が立たん限り貸さへん」なんて嘘をバラまいてきた。
マクロ経済の学術界でも、メディアでも、ウォール街ジャーナルを読んでも「借金は問題ない」って書いてるけど、銀行の内部におる人間は「問題がある」って分かってたんや。
ワシはチリをメインに担当してたけど、チリの国際収支なんて「グアノ(鳥の糞の肥料)」と「銅」だけやから、銅の価格の専門家になってもうた。そしたらニュー・スクールの大学院から「国際経済学を教えてくれ」って誘われたんや。そこの教授2人が世界銀行のコンサルに行くから、ワシの銅の価格予想を世界銀行の仕事に役立てたい、っちゅう下心やったんやな。
ワシ、国際経済学の講義なんて一度も受けたことなかったんやで。教えてる奴らも何も分かってへんのが見え見えやったしな。だから「ワシが教える価値があるんは、ワシも知らんことだけや」と思って、国際経済学を教え始めた。同時に、古典派経済学の復刻版を扱ってるガス・ケリーのとこで働いてたから、金融理論の歴史の講義もやりたいと思った。
その当時の学部長はロバート・ハイルブローナーや。『世俗の哲学者たち』っていうベストセラーを書いた男や。彼は「アダム・スミスが朝飯に何食うたか」とか「その後どう感じたか」みたいな話は書くけど、スミスの価値や価格や地代(レント)の概念については何も書かへんかった。
ワシが経済の一部として「経済的レント」に焦点を当てたら、ハイルブローナーは激怒しよった。
「マイケル・ハドソンみたいなウォール街の暴漢(サグ)は出ていけ! ワシらが欲しいんは学識のある人間であって、ウォール街の人間やない!」ってな。
それでワシは大学を去って、ハドソン研究所のハーマン・カーン(イキり隊みたいな未来学者やな)の下で未来予測をやるようになったんや。
結局な、ワシやダークが話してることは、今の大学のカリキュラムには収まりきらんのや。バード大学のレヴィ研究所でランディ・レイみたいな「現代貨幣理論(MMT)」の連中が細々と教えてるくらいや。
ワシらはミズーリ大学カンザスシティ校を拠点にしてたけど、今はもうバラバラや。ワシも名誉教授やけど、もうアクティブには教えてへん。今こうして、あんたらみたいなグループに話してるんは、あんたらこそがこの話を聞くべき「観客」やからや。学位のために単位が欲しいだけの学生やない。
ワシらのやってることは、もう「リアリティ・エコノミクス(現実経済学)」とか「未来学」とか、新しい名前で呼ぶべきかもしれんな。
CU: マイケル、あんたはウォール街で働いて経済を学んだって言うてたけど、客演からの質問や。「政府や学界の経済学者が理解したがらんとしても、ウォール街の連中は、あんたらの言うてることを理解しとるんか?」
MH: せやな。でも銀行もな……ワシがチェースにおった60年前は、経済調査部がホンマに「調査」をしてたんや。今はもう、ウォール街ジャーナルの劣化版みたいなイデオロギーを垂れ流すだけの場所になってもうたな。
今の時代、債務返済能力の「調査」を本気でやってるんは、投資家や投機家や。あいつらが何を調査しとるかと言うたら、「この企業を買収したとして、あとどれだけ借金を背負わせられるか?」や。限界まで借金を詰め込んで、自分らに特別配当を出し、会社を「もぬけの殻」にして倒産させる前に、どれだけ富を搾り取れるか。……あいつらは全部わかってやってるんや。戦略的に「ポスト工業化的な企業の殻」を作り出して、大儲けしとるんや。でも、そんなん大学じゃ教えへんやろ?
ビジネススクールでは教えてるかもしれんけどな。ワシは「どうやって会社を略奪して大儲けするか」なんて学生に教えたくないわ。「これには別の道(オルタナティブ)があるはずや」っちゅう批判を教えたい。ビジネススクールみたいに「他に道はない、卒業したら会社に借金を背負わせるええ仕事に就けるぞ」なんて言いたないわ。
DB: せやね、ちょっと補足させてな。マイケルとワシは論文を何本も一緒に書いてるし、考え方は似とるけど、ここは少し意見が分かれるわ。ワシは「アカデミズム(学界)」の人間やからな。
現場の人間として言わせてもらえば、大学でも研究はちゃんと進んどるよ。アメリカのルーズベルト研究所とかニュー・スクール、さっき出たミズーリ大学カンザスシティ校とか、ワシらの書いたことがちゃんと認められてる場所はある。
あと、ウォール街の投資の世界でも、このダイナミズムはめちゃくちゃ理解されとるで。
例えば「ストック・フロー一貫モデル(SFCモデル)」っていうマクロ経済モデルがあるんや。これは借金や資産、純資産の動きを追跡するモデルでな。主流派からは「異端(ヘテロドックス)」扱いされてるけど、投資の世界では「現実の役に立つ」からめちゃくちゃ真剣に読まれとるんや。だからワシは、マイケルよりは少しだけ大学に対してポジティブやな。まあ、ワシ自身がそこで働いてるからやけど(笑)。
MH: でもなダーク、あんたが挙げた例を見てみ。ニュー・スクールは今、金がなくて火の車や。ミズーリからニューヨークに来たステファニー・ケルトン(MMTの第一人者)を雇う金すらなかったんや。寄付金(エンダウメント)もない。金融利権の連中にとって、ワシらのメッセージは広まってほしくないもんやから、誰も金を出さへん。
ミズーリにおった異端派の連中も、結局はレヴィ研究所あたりに逃げ込むしかないけど、あっこも遺産トラブルとかで金欠や。それに、ミズーリの学生は「権威あるジャーナル」に論文が載らへんから、一流大学でええ職に就けへんのや。
ワシらが書いてる論文を載せてくれる雑誌はあるけど、それはアメリカの大学で終身雇用(テニュア)が取れるような「一流誌」やない。そこが問題やねん。学界に窓口はあるかもしれんけど、結局ワシらがこうしてあんたらに話してるんは、ここしか「ホンマの観客」がおらんからや。
CU: 観客からもう一つ質問や。「今のGDPの測り方は、金融活動が生産的な所得を削り取ってるのに、それを『プラス』としてカウントしてて、金融の寄生的な役割を隠してる」っちゅう指摘について。
古典的な資本主義は「モノを作って売って利益を出す」形やったけど、今は「信用と借金を作って富を分配する(吸い上げる)」レント抽出の形になってもうたと。
今のGDPの測り方のどこがマズいんか? 解決策はあるんか? もっと生産を増やして金融を減らせばええんか? 理論的には、PPP(購買力平価)の方がマシな指標になるんか?
DB: PPPか。それはちょっと違うけど、まず最初の質問からいこか。「生産を増やして金融を減らすべきか」……答えは「せや、マジでな」や。
これ、マイケルも聞いてや。主流派の超一流誌『Journal of Economic Growth』に載った研究があるんやけど、統計分析の結果、面白いことがわかったんや。
昔は「金融セクターの拡大(GDPに対する信用の量)」と「経済成長」にはプラスの相関があった。シュンペーターが100年前に言うた通り、銀行が増えてローンが増えれば、経済も成長したんや。
ところがな、1990年代以降、この相関が「ゼロ」どころか「マイナス」に転じたんや。オランダやアメリカみたいな先進国では、金融セクターがデカくなればなるほど、経済成長が鈍るっちゅう結果が出たんや。
つまり、今の教訓は「実体経済(生産セクター)を支えるためには、金融セクターを縮小させなあかん」っちゅうことや。
笑えるんはな、ワシの同僚の中には「実は90年代に同じ分析をしてマイナスの相関を見つけてたけど、当時は『そんなはずない、何かの間違いや』と思って引き出しに隠してたんや」って言うてる奴がおる。リーマンショックの後になって、ようやくそんな論文が受理されるようになったんやな。陰謀論やなくて、これが学界の現実や。
金融危機のおかげで、ようやく異端派が言うてきたことが認められる空気になったけど、現実はまだ変わってへん。金融セクターは借金も資産価値も、ちっとも縮んでへん。だから今も実体経済にダメージを与え続けてるんや。
ただ、「生産を増やせ」と言うても、今の気候危機を考えたら「何を作るか」は大事やで。汚い産業やなくてグリーンな産業な。これはまた別の議論やけどな。
あと、GDPがええ指標かって言われたら、今の議論には向かへんわ。PPP(購買力平価)は国際比較で価格差を調整するもんやから、今話してる「金融の搾取」とはあんまり関係ないな。
MH: 金融セクターの「生産物」は「借金(デット)」やからな。資産側の「信用」は、裏を返せば「負債」や。ゴールドマン・サックスの元CEOが「自分らは最高に生産的や」って言うたんは、それだけ金を「吸い上げた」からや。
解決策は、金融化やなくて生産を増やすことやけど、どうやるか。
一番うまくやってるんは中国やな。中国は「金融」を、新しい資本形成(工場とかインフラ)に金を通すための「公共サービス(パブリック・ユーティリティ)」として維持しとる。金融が勝手に暴走せえへんようにしとるんや。これが唯一の解決策やな。
トランプが「再工業化」を夢見てるけど、今の莫大な借金を今すぐチャラ(徳政令)にせん限り、無理やな。労働者も企業も自治体も、みんな利息の支払いに追われて、その金が実体経済から「クラウドアウト(追い出されて)」されてる。工業化に回す金がないんや。
昨日もウォール街ジャーナルに出てたけど、アメリカの「自社株買い」が今年1兆ドルを超えた。インテル(Intel)を見てみ。トランプも肩入れしようとしてたけど、なんであんなボロボロになった?
稼いだ金のほとんどをR&D(研究開発)やなくて「自社株買い」に使って、株主に金を配ったからや。Nvidia(エヌビディア)みたいな投資をせえへんかった。インテルもエヌビディアになれたはずやのに、「会社の長期的な発展」より「今すぐ株主を金持ちにすること」を選んだんや。
経営者の頭にあるんは「3ヶ月から1年」のスパンだけ。将来のための投資より、今すぐ株価を上げて自分らが儲ける方が大事なんや。「将来のことなんて知らん。今すぐ金や」っちゅうわけやな。
CU: 借金や銀行融資にも、ええもんと悪いもんがあるってことやな。論文「金融は経済ではない」では、融資を「事業向け」「個人消費向け」「住宅ローン」に分けてはるけど、ダーク、これらがどう経済に影響するんか詳しく教えてくれる?
DB(ベゼマー): 金融セクターが経済に与える影響を考えるとき、とりあえず銀行の話に絞ろか。もちろん金融セクターはもっとデカいけど、話がややこしなるし、データの都合もある。銀行融資のデータはどこの国でもあるけど、株式市場のデータはそうもいかんからな。やから、銀行融資だけに注目して、それが経済に何をしてるんか概念的に考えてみよ。ワシの貢献は、先人の仕事をベースにデータを集めて、いろんな種類の銀行融資を分析したことや。
もしあんたが「金融セクターがデカなるんは、生産や賃金や利益を増やして経済全体(労働者も資本家も)を潤すんやなくて、ただ資産価格を吊り上げて、資産を持ってる金持ちをトクさせるだけちゃうか?」と心配してるんなら、注目すべきは「生産を支えへん融資」、つまり「資産を支える融資」や。
どの国でも最大の資産市場は不動産市場や。株式市場や債券市場よりずっとデカい。1980年代から、アメリカだけやなくて他の豊かな国でも、不動産融資が爆発的に増えとる。90年代からは、いわゆる「新興国(エマージング・エコノミー)」でもそうや。皮肉なもんやな、あいつら「沈みゆく経済」とは呼ばれへんけど、実際は沈んでることもあるのにな。
論理的に考えたら、住宅ローンや商業用不動産融資が増えたことが、不動産市場を焚き付けたんや。その陰で、証券化ローンみたいな他の金融資産市場も膨らんだ。
この区別をつけんと、「なんでGDPも所得も増えてへんのに、借金だけがこんなに増えるんや?」って不思議に思うことになる。
例えばワシが50万ユーロ(今のオランダの平均価格や)の住宅ローンを組んで、中古住宅を買ったとするわな。住宅ローンのほとんどは、新しい家を建てるためやなくて、中古住宅に消える。そしたら何が起きるか? 家の持ち主が代わって、借金が50万ユーロ増える。それだけや。おしまい。GDPは増えへんし、所得も生まれへん。新しいキッチンを入れようが入れまいが、増えた借金の額に比べたら、実際の生産活動への貢献なんて微々たるもんや。
これがワシのモデルや。「なんで活動が増えてへんのに借金だけが増えるんか」を説明するためのな。そして、それが経済に悪い理由も明白や。ワシの例やと、50万ユーロの追加の借金を背負って、これから30年(オランダの典型的なローンの期間や)、元本と利息、あわせて150万ユーロくらいを所得から差し引かなあかん。その分、経済でモノを買う金がなくなるんや。経済成長に悪影響なのは当たり前やろ。ロケット工学みたいに難しい話やない。めちゃくちゃ単純な話やし、経済学を勉強してへん人の方がスッと理解できる。逆に、勉強してしもた人に説明する方がよっぽど大変やねん。
MH(ハドソン): 住宅価格とローンが増えても成長せえへんだけやなくて、実質は「マイナス成長」やとワシは思うわ。ワシが1967年にニューヨークではじめて家を買ったとき、銀行のルールは「貸付額は借り手の年収の25%まで、頭金は10%必要」やった。
それが今や、連邦政府が保証するローンで年収の43%まで膨らんどる。所得の18%分も余計にローンの返済に消えるわけや。その分、モノやサービスを買う金がなくなる。本来労働者が買うはずの製品と、その賃金の間の循環を、借金返済が「クラウドアウト(追い出し)」してもうてるんや。所得がそっちに横流しされとるんやな。
古典派の経済学者は、100年もかけてこの事態を防ごうとしてたんや。税制の基礎を「土地税」に置こうとした。アダム・スミスも、フランスの重農主義者も、ミルも、そして共産党宣言の第一条も、みんな「地代(レント)を税金の基盤にせなあかん、労働者の賃金や資本の利益に課税したらあかん」と言うてた。
銀行は最初、1815年のリカードの経済学や地代理論にはあんまり関心を持ってへんかった。あいつらが欲しかったんは自由貿易や。イギリスが工業化すれば外国貿易が増えて、貿易金融や、外国の鉄道・運河・インフラへの投資でレントを搾り取れるからな。
けど19世紀の終わりには、銀行は不動産利権と手を組んで、土地税という概念そのものを攻撃し始めた。今や、銀行が不動産に対して際限なく金を貸せるようになったんは、不動産が連邦所得税をほとんど払わんで済むようになったからや。
NIPA(国民所得・生産勘定)を見てみ。法人不動産が払ってる所得税は、ほぼ「ゼロ」や。ダークとワシが説明した通り、減価償却の書き落としとか、いろんな税制上の優遇措置があるからや。
本来の古典派の経済政策は、「経済的レントを税金で吸い上げて、価値創造(生産コストに基づいた価値)に集中させる」ことやったのに、今は正反対や。「不労所得者(レンティア)経済」をえこひいきしとる。金融セクター……ゴールドマン・サックスとかな。ウォーレン・バフェットが「ワシは自分の秘書より低い税率しか払うてへん」って言うてたやろ。税制がこの惨状の主犯やし、経済を脱金融化して生産中心に戻すには、そこを直さなあかん。
CU: 観客から「未来はどうなるんか」という質問です。お二人が取り組んでいる金融や資産価格インフレの問題に関連して、これから何が起きると予想されますか? 短期・長期の両面で聞きたいです。特にトランプ政権の政策で、資産価格を上げ続けようとする動きや、ドル体制、BRICSとの関係はどうなっていくんでしょうか?
DB: まずワシからいこか。基本的な動きは「生産を助けへん資産が膨らみ続ける」ということや。不動産も多少は生産を助けるけど、今の価格は重要性をはるかに超えとる。株も他の資産も同じや。
実体のある資本資産と違って、金融資産や不動産資産はペン先一つ、キーボード一つで無限に作り出せるから、生産構造から切り離されてめちゃくちゃな速さで値上がりする。
そのダイナミズムが今、「クリプト(暗号資産)」という新しい出口を見つけたんや。クリプトなんて実態は「無」や。学生に「クリプトの講義をしてくれ」って何年もせっつかれとるけど、ワシは拒否しとる。「暗号『通貨』」なんて呼ぶのが間違いや。あんなん通貨でも金でもない。台帳がどうとか、エネルギーを使って作るとか、ややこしい話はいろいろあるけど、中身は何もない。金融的な価値なんてゼロや。
けどな、トランプがクリプトを政治問題にしたことで、政治的な意味を持ってしもて、また市場が膨らんどる。2018年から、クリプトのバブルは7回弾けてるけど、今また8回目を膨らませとる。前よりもっとデカいバブルや。
トランプがFRBに利下げを迫ってるのも、借金まみれの投資を助けるだけや。短期的にこの動きが止まるとは思えんな。
長期的には、マイケルの分析が示す通り、こんなんは持続不可能や。環境の話やなくて、金融的に維持できへん。「返されへん借金は返されへん」し、それを先延ばしにしたらポンジ・スキームになる。ポンジ・スキームの結末は数学的に決まっとる。「クラッシュ」や。それがソフトランディングか、ハードな破綻かは誰にもわからんけど、短期的に悪化して、長期的に痛みを伴って崩壊するのは間違いないな。
MH: ダークの話に付け加えるなら、トランプがクリプトで自分も数千億円(数億ドル)儲けてる以外に、さらに状況を悪くしてる点やな。
トランプの関税法や予算赤字のせいで、みんな「長期的にはインフレになる」と心配しとる。トランプは今も裁判所でFRBを支配して金利を下げさせようと戦っとるけど、あいつが言ってるんは「短期金利」の話や。短期で借りて長期資産を買って、その差額(アービトラージ)で儲けようとしとるんや。
けどな、長期金利は上がる一方や。外国人がアメリカの10年債や30年債を猛スピードで売り払っとるからや。「トランプのやり方やと大インフレが起きて、30年後には実質マイナス金利になる」と見抜いとるんや。
短期金利が下がっても長期金利が上がれば、20代や30代の若者が家を買うのはますます難しくなる。実際、若者の持ち家比率は下がる一方や。代わりに「不在地主(投資会社)」がキャッシュで買い漁っとる。
一般家庭は学生ローンやクレカや車のローンで首が回らんから、家を買えへん。そこへプライベート・キャピタル(投資会社)が、自分らの金はほとんど出さずに借金ピラミッドを組んで、全額キャッシュで不動産をさらっていくんや。
あとトランプは、ファニーメイやフレディマック(政府系住宅ローン機関)を民営化しようとしとる。ウォール街の支援者たちが「政府が儲けるより、ワシらにリスクを取らせて(その分上乗せして)もっと儲けさせろ」と言うとるからや。民営化されたらローンの金利はもっと上がって、不動産の所有はさらに不在地主に集中するわな。
クリプトについても、トランプとメラニアが自前で作ったクリプトでいくら儲けたか、毎週のように暴かれとる。クリプトを発行して、最初の数時間はトランプ支持者やインサイダーがドバっと買う。それを見て「トランプを応援したい」一般人も乗っかる。で、インサイダーが売り抜けて、支持者たちは大損する。トランプはこれを「経済の素晴らしいモデルや、経済全体をこれに基づかせよう」と言うとる。
あいつは銀行システムに「クリプト取引を規制するな」と圧力をかけとる。規制したら、人を騙して儲けられへんからな。犯罪は過去2000年、おそらく最も儲かるビジネスや。犯罪を規制したら経済成長のエンジンを壊してしまう……とまあ、皮肉を込めて言うてるけどな。クリプト詐欺で起きたことを見ればわかるやろ。ダークの懸念は、ワシも全く同じや。
CU: うわあ。これだけで一本のトピックになりそうですね。ダーク、何か追加は?
DB: 語り尽くせへんけどな。ワシにとって面白いんは理論的な側面や。クリプトは「理論的な傾向」が形になったもんや。
マイケルも「青銅器時代の経済」とかで書いてるけど、市場経済、特に資本主義には「不安定性」がつきもんや。その不安定性は金融市場にある。
マルクスは「資本主義の不安定性は下向き(崩壊)」やと考えた。けど、マルクスを熱心に勉強して、ハーバードでシュンペーターの弟子やったハイマン・ミンスキーは、「資本主義の不安定性は上向き」やと言ったんや。
借金で作られた流動性が、生産から離れて非生産的な資産市場へ逃げていく。これを「デット・シフト(債務の移動)」とワシは呼んでる。これに必要なのは「規制緩和」だけや。何もしんでも、資本主義の金融システムの本質として勝手にそうなる。
この40年間、ワシらが目にしてきたんはまさにその動きや。昔の「金ピカ時代」もそうやった。その後の恐慌や第二次大戦を経て、国が銀行の制限や金利の上限を決める「混合経済モデル」の時代があったけど、その間は1960年代後半まで金融危機なんて起きへんかった。でも、本来の資本主義は「危機が通常運転、不安定が平常運転」なんや。だから常に規制し続けなあかん。
クリプトそのものよりも、規制緩和によって解き放たれたこの「メカニズム」にワシは関心がある。クリプトも、こないだの住宅ローン市場も、その現れの一つに過ぎんからな。
MH: その通りや。問題は「資本主義とは何か」や。みんな「産業資本主義」やと思ってる。マルクスは産業資本主義については楽観的やった。「独占は進むけど、それが社会主義へとつながる」と考えたんや。
社会主義になれば、地代や独占レントや銀行の搾取がなくなる。当時のドイツの銀行は政府や重工業と組んで、配当や自社株買いよりも「再投資と拡大」に力を入れとった。これがドイツ・モデルや(ワシの著書『寄生獣(Killing the Host)』で詳しく書いたけどな)。
マルクスの「産業資本主義が産業社会主義になる」という楽観的な見方を実践したんが、今の中国や。面白いことに、「マルクス主義」を自称する政府や学者の多くは、『資本論』の第2巻と第3巻を読んでへん。そこには、ミンスキーやワシらが説明したような金融のダイナミズムが書いてあるのにな。
中国は「金融セクターや不労所得(レント)を民営化させへん」ことでこの問題を解決した。立地のええ場所に地代が発生するのは避けられへんけど、それを社会の基盤にするんや。中国もここ数年いろいろ問題はあるけど、少なくとも通貨や信用の創造・配分は、ゴールドマン・サックスやなくて「中国人民銀行」が握っとる。
CU: 「封建制(フューダリズム)」という言葉について。お二人の論文では、今の経済は「少数がレントを搾り取り、多数が借金にまみれる封建モデル」やと書いてますね。富の創造にかかるコスト(オーバーヘッド)が増えてることと関係があるんでしょうか。今の経済のどこが封建制なんですか?
MH: 封建制の生き残り、と言うたほうがええかな。産業資本主義は、本来は革命的な力やったんや。イギリスを工業化するために、地代を搾り取る世襲の地主階級から権力を奪わなあかんかった。
リカードが『経済学および課税の原理』を書いた動機は、1815年の「穀物法」をめぐる戦いやった。地主たちは自分の地代を守るために、安い外国産穀物の輸入を止めようとした。リカードは「もしイギリスが穀物を自給自足せなあかんくなったら、どんどん不毛な土地まで耕さなあかんくなって、食べ物の値段が上がり続けるぞ」と警告した。
リカードは肥料の革命(リービッヒとかな)を知らんかったから、理論的には穴があったけど、言いたいことは正しかった。「議会を地主階級に握らせたままやと、あいつらは地代を上げたがる。そしたら食べ物の値段が上がって、工業主は労働者に高い賃金を払わなあかんくなる。そしたらイギリスは、食べ物が安くて人件費の低い他国に勝てへんくなる」とな。
これがリカードの「労働価値説」や。実態は、経済的レントについての古典的理論やな。産業資本主義の戦略は、生産に不要なコストを徹底的に削ることやった。ワシとダークが「今の西側経済の理想」として語ってることと同じや。
イギリスは1815年から1846年の穀物法廃止まで、30年かけて地主階級と戦った。このレントの概念はミルやリカード派社会主義者に引き継がれ、「国際競争力を保つために食べ物の値段(生活費)を下げるだけやなくて、土地を税金の基盤にして、経済を封建制の遺産から解放しよう」という動きになったんや。
封建制の遺産っちゅうんは、武力で土地を奪った連中が地代を取ることだけやない。ヨーロッパの王様たちは戦争のために銀行家から莫大な借金をした。その借金を返すために、王様たちは貿易の独占権を銀行家に与えたんや。フランス、スペイン、イギリス、オーストリア……みんな独占レントで戦争の借金を返してた。
これも封建制の結果や。工業主たちは「産業資本主義を作るには、この封建制の遺産を一掃せなあかん」と言った。地主の力を削ぐだけやなくて、独占企業を公営化(パブリック・ユーティリティ)して、レントを取らせへんようにしようとしたんや。
ワシが「ポスト封建制」と言ったんはそういう意味や。この政策が失敗して、土地に課税せず、独占レントを再び民営化してしもた今の状況は、封建制への逆戻りやねん。
CU: お時間です。お二人とも、今日は本当にありがとうございました。最後に一言あれば。
DB: もしこの中に、役に立つ研究を支援したい億万長者がおったら、ワシの論文を読んでメールしてや。それは置いといて、今日は鋭い質問をありがとう。まだまだ話したいことはあるやろうけど、いつでもメールで議論しようや。呼んでくれておおきに。
MH: ダークが全部言うてくれたわ。ワシらが論文を書くのは、他の誰かがこのアイデアを拾って、自分で動いてほしいからや。あんたらのグループはまさにそれをしてる。だからワシらはここに来たんや。今日は基本から応用まで、全部カバーできたんちゃうかな。
CU: ありがとうございました。素晴らしい対談でした。
DB: おおきに、バイバイ。


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