2026年5月16日土曜日

ラリー・C・ジョンソンのSONAR21:トランプの訪中ミッション、大失敗

https://sonar21.com/22945-2/

Trump’s Failed Mission to China

2026年5月15日 ラリー・C・ジョンソン

北京のサーカスは終わったわ。ドナルド・トランプと習近平の会談なんて、見栄えのええ写真撮影と、中身の何にもないパフォーマンス外交に過ぎんかった。

トランプが習近平と2日間も話し合ったっていうのに、最後に共同声明(コミユニケ)すら出せへんかった。代わりに、うちらは両方の政府が出した発表文を読み解くしかないわけや。で、その2つの発表文を細かく分析してみると、内容が面白いほどバラバラやねん。この「ズレ」の隙間にこそ、共通点と同じくらい重要な事実が隠されとる。お互いが「何を話したか」と主張しとる内容を比べたら、この首脳会談で実際に何が起きたんかがハッキリ見えてくるわ。

両者の発表文の食い違いは、ただのミスやなくて、お互い戦略的にやっとる確信犯や。ホワイトハウスが声を大にして強調した一方で、中国外務省が完全に黙殺したか、あるいは超あいまいにしか触れんかったポイントを、正確に仕分けしてやるわ。

1. イラン戦争と核兵器問題 ── 中国は「完全無視」

これが一番決定的な大穴(ギャップ)や。ホワイトハウス側の発表では、これ見よがしにこう書かれとる。

「双方は、エネルギーの自由な流通を支えるため、ホルムズ海峡を開放し続けなあかんということで一致した。習主席は、海峡の軍事化や、通行料を取ろうとするいかなる動きにも中国は反対やとハッキリ伝え、将来的には海峡への依存度を減らすためにアメリカ産の原油を買い増すことに関心を示した。また、両国は『イランに核兵器を持たせるわけにはいかん』という点でも合意した」

ところがや。中国側の発表文を見たら、ただ一言「双方は中東地域における紛争について意見を交わした」としか書いとらん。海峡の話も、通行料の話も、イランの核開発の話も一切ナシ。そんなことで合意したなんてことも、一言も認めとらんのや。

このギャップはアホほどデカいで。ホワイトハウスは「中国が『イランの核保有反対』や『通行料徴収への反対』に同意した」とアピールして、これを中国側からの大きな譲歩(手柄)として国内にプロパガンダしたかったわけや。けど、北京側はそんなもん公に自分の手柄にされたくなかったんは明白やな。実際、中枢にパイプのある信頼できる情報筋によると、トランプが「イランに圧力をかけて、ホルムズ海峡を開放するのを手伝ってくれ」と頼んだのに対して、習近平はキッパリ拒絶したらしいわ。

2. フェンタニル(麻薬)問題 ── 中国は「完全無視」

ホワイトハウスは「米国へのフェンタニル前駆物質の流入対策」について話し合ったと、わざわざ特記しとる。これ、アメリカが昔から「フェンタニルを作る原料の化学物質を輸出するな」って中国に言い続けてる件やな。けど、中国側の発表には「フェンタニル」のフの字も出てこん。中国に言わせれば「うちはもう十分やっとる。これを二国間の問題みたいに枠にはめられるんは御免や」っちゅう、昔からの態度を貫いとるわけや。

3. 農産物の買い付け ── 中国は「完全無視」

ホワイトハウスは、両首脳が「アメリカ産農産物の中国による買い増し」について話し合ったとドヤ顔で書いとる。対する中国側は、貿易について「お互いに利益がある(互恵的)ものである」と、一般論を綺麗事で並べただけで、農産物を買うなんていう具体的な約束は一言もせんかった。

4. 米国企業の市場アクセス ── まったく違うニュアンス

ホワイトハウスは、今回の会談が「アメリカ企業の中国市場へのアクセス拡大と、アメリカ産業への中国の投資を増やすこと」を中心に据えた話し合いやった、と説明しとる。けど中国側は、これを完全に別の枠組み ── アメリカに要求されて渋々やるんやなくて、中国が自分たちの都合とルールで「さらに大きく門戸を開く」っちゅう、上から目線の表現に変えよった。

5. ビジネス代表団の扱い ── 露骨な非対称

ホワイトハウスは「アメリカの超大企業のトップたちが会談の一部に同席した」と書いて、これを中身のある商業的な関わりとして扱っとる。一方で中国側は、トランプが「一緒に連れてきたビジネスリーダーたちを、習主席に一人ずつ紹介して挨拶させた」と描写した。ビジネスの真面目な議論やなくて、ただの「顔見せの挨拶(表敬訪問)」に格下げして書きおったんや。

6. 台湾問題 ── あべこべの鏡写し

一番わかりやすい非対称は、さっきとは逆、つまり「台湾」の件や。ホワイトハウスの発表文には「台湾」という文字がカケラも出てこおへん。その一方で、中国側は発表文のど真ん中に、習近平が放った台湾に関する強烈な警告を据えとる。トランプは記者に「習近平と台湾について話したんか?」と突っ込まれても回答を拒否しよった。ルビオ議員もNBCニュースに「アメリカはイランの件で中国の手なんか借りようとしとらん」と吐き捨てとるけど、これはホワイトハウスの発表文が匂わせとる「中国との協力」っちゅう姿勢に対して、裏から冷や水を浴びせるような動きやな。

要するにどういうことか(結論)

双方がトランプと習近平の会談内容を事細かに発表したけど、お互いの言い分が重なっとる部分はほんの一部だけや。一番ズレが激しいんはイラン問題(アメリカは中国が約束したと言い、中国はそんなもん認めんと拒否した)と、台湾問題(中国はハッキリ警告したと言い、アメリカはそんな話があったことすら発表せえへんかった)の2つやな。

このパターンは、外交の世界では古典的なお決まりの手口や。お互いが、自分の国の国内政治向けに都合のええ、自分らのネゴシエーション(交渉)のポジションを有利にするための発表文を勝手に出しとるだけや。中国は世界に向けて、習近平が台湾問題でトランプに釘を刺したところを見せたかった。ワシントン(アメリカ)は世界に向けて、中国がイランの核保有に反対し、通行料に文句を言ったという「手柄」を見せたかった。彼らが主張するその「譲歩」がホンマなんか、あるいはただのハッタリなんか。その答えこそが、この発表文の「激しいズレ」に見事に浮き彫りになっとるわけや。

中国側の公式発表(戦略的フレームワーク)

習近平はまず、壮大な哲学論理から話を切り出しよった。「世界では100年ぶりとなる大変革が加速しとる。国際情勢は流動的で、大荒れや」と。その上で、トランプに3つの問いを直球で投げつけた。

米中は『トゥキディデスの罠(新興国と覇権国の衝突)』を乗り越えて、大国間の新しい関係のパラダイムを作れるんか?

世界的な課題に一緒に立ち向かって、世界にもっと安定を提供できるんか?

二国間関係の明るい未来を、一緒に築いていけるんか?

習近平は、両首脳が「戦略的安定性のある、建設的な米中関係を築くという新しいビジョンで一致した」と発表し、その中身を細かく定義しよった。

「建設的な戦略的安定性いうのは、協力を主軸としたプラスの安定、適切な範囲内での競争による健全な安定、管理可能な違いを維持する一定の安定、そして予測可能な平和を伴う持続的な安定のことや」

この枠組みが「今後3年、あるいはそれ以上にわたって米中関係の戦略的指針になる」と強調し、「この関係構築はスローガンやない。同じ方向に向かって行動することや」と釘を刺した。

貿易と経済

習近平は、「米中の経済・貿易の結びつきは、本質的にお互いウィンウィン(互恵的)なもんや。意見の食い違いや摩擦があっても、対等な立場で話し合う(相談する)ことだけが唯一の正しい選択肢や」と語った。前日に行われた予備会談で、経済・貿易チームが「大体バランスの取れた、前向きな成果を出した」とし、「中国はこれからも門戸をさらに広く開いていく。米国企業は中国の改革開放に深く関わっとる」とアピールした。

軍事・外交ルート

習近平は双方に対し、「政治、外交、そして軍事の各分野でのコミュニケーションチャンネルをもっと上手く活用すべきや」と呼びかけ、「経済、貿易、健康、農業、観光、民間交流、法執行といった分野での交流と協力を拡大せよ」と求めた。

台湾問題 ── 発表文の中で最もドスが効いた言葉

習近平の物言いは完全に容赦ナシや。

「台湾問題は、米中関係の中で最も重要な問題や。これが適切に扱われれば二国間関係は全体的に安定する。さもなければ、両国は衝突し、紛争(戦争)にすら発展して、関係全体が重大な危機に陥る。

『台湾独立』と台湾海峡の平和は、水と火のように絶対に相容れんもんや。台湾海峡の平和と安定を守ることこそが、米中間の最大の共通の分母や。米国側は、台湾問題を扱うときには、これ以上ないくらい慎重に立ち回らなあかんぞ」

国際問題

発表文によると、両大統領は中東情勢、ウクライナ危機、朝鮮半島といった「主要な国際・地域問題について意見を交わした」とのこと。……ただ、中国の公式テキストには、その中身の具体的な詳細は一切書かれとらん。

APECとG20

両大統領は、今年開催されるAPEC首脳会議とG20サミットを成功させるために、お互いに協力し合うことで一致した。

王毅(おうき)外相の総括 ── 5月15日

王毅外相は国営メディアに対して、「今回の会談は、両首脳が深いレベルで意思疎通を測り、実質的な成果を上げた重要なものであった」とし、これを「歴史的な会談や」と自画自賛した。特に経済・貿易分野での進展を大いにアピールしとる。また、中国外務省は、トランプ大統領からの直々の要請を受けて、習近平主席が今年の秋にアメリカを訪問することを正式に認めたわ。

で、イランの件に関して裏で何が起きとるかというと、中国とロシアがPakistan(パキスタン)を表に立たせて、ペルシャ湾の新しい安全保障の枠組み(アーキテクチャ)をコソコソ裏で構築しとる最中や。今の彼らの狙いは、サウジアラビアとカタールを説得して、アメリカとの軍事的なつながりを事実上断ち切らせ、ロシアと中国が保証人になるような「戦略的合意」に引き込むことや。

もしサウジアラビアとカタールが、アメリカに対して「イランへの新しい攻撃のために、うちの基地や領空を使うんは絶対に許さん」と突っぱね続けたら、アメリカは計画しとるイランへの空爆を中止せざるを得んようになる。

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