2026年6月18日木曜日

松本太:【要約】米・イラン覚書14カ条に見る「敗北の先送り」

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/95451

解説:松本太(一橋大学教授)

2026年6月、米・イランが戦争終結に向けた「14カ条の覚書(MOU)」に署名した。

14カ条のポイント

戦争終結の宣言(第1条): レバノン含む全戦線での永続的な戦争終結を宣言。ただしイスラエルの同意は不透明や。

米軍撤退と封鎖解除(第4条): イラン側最大の成果。米国は海上封鎖を解除し、最終合意後に米軍を周辺地域から引かせる。

経済復興支援と制裁撤廃(第6・7・10・11条): 米国は3000億ドルの資金調達や制裁の全面撤廃、凍結資産の解放を約束。交渉中から制裁適用免除(ウェイバー)を出す。

核問題の先送り(第8・9条): 「核兵器は作らん」と再確認しつつ、濃縮ウランの処遇は60日後の「最終合意」に丸投げ。現状維持(=60%濃縮の継続)が黙認される危険な構造や。

イラン有利な順序(第13条): イランが先に資産解放や制裁解除という「利益」を確保してから核交渉に入る。米国が先にカードを切りすぎる、イラン側ペースの交渉順序や。

松本太はんの分析(総括)

この合意は、歴史的な転換点になり得るもんやけど、中身は「問題解決」やなくて「敗北の先送り」に過ぎへん。

核という爆弾の放置: 肝心な核プログラムの制限がスカスカや。60日後の合意ができるかも怪しいし、イランは現状の濃縮能力を維持できる。

米国の梃子(レバレージ)の喪失: 制裁解除や資産解放を先にやってしもたら、交渉が決裂した時に米国にはイランを縛る手段が残らへん。

「管理」優先の偽善: 真の問題を60日後に先送りしとるのは、解決を諦めて、とりあえずその場をしのぐ「問題管理」を優先してるからや。

結論:

戦争を仕掛けたアメリカやイスラエルが、自分たちの無策と疲弊をごまかすために、見せかけの「平和な合意」で武装してるだけや。この橋がほんまに渡れる橋なのか、それとも砂上の楼閣で終わるのか。結局は、これから60日間の、泥沼の政治的腹芸にかかっとるんや。


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